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歩掛(ぶがかり)とは?積算における計算方法やメリットをわかりやすく解説

積算に必要な歩掛(ぶがかり)とは? 計算方法やメリットまでわかりやすく解説

建設業における労務費計算には、歩掛(ぶがかり)が重要な役割を果たします。
歩掛は正確な積算・見積作成に役立つ数値です。

しかし、労務費計算には作業時間以外にも考慮すべきことがあり、正しく算出できていない方もいるのではないでしょうか。
適切な金額が算出できないと、他社の見積と比較されたときに、契約にならない可能性もあります。

この記事では、歩掛とはなにか、基本的な内容から詳しく解説します。
また、歩掛を活用するうえでのメリットや注意点についても説明します。

目次

歩掛(ぶがかり)とは?

歩掛(ぶがかり)とは?

「歩掛(ぶがかり)」とは、建設業や土木工事の分野で使われる専門用語で、 ある作業を行うのに必要な労務や機械作業量を、標準的な条件のもとで算出した基準値 のことを指します。

つまり、職種ごとに1つの作業にかかる手間を数値化したものです。

例えば、1立方メートルのコンクリートを打設するのに必要な作業員の人数や時間、使用する機械の稼働時間などを示す数値です。
この基準値をもとにして、工事全体に必要な人件費や機械使用料を見積もったり、工程管理を行ったりします。

工事の見積の特徴からわかる歩掛の必要性

歩掛は、適正な工事価格を設定する上で非常に重要です。

例えば、材料費であれば「材料単価×数量」と単純に算出できます。
しかし、工賃を含む労務費は、作業時間のみを基準に算出すると問題が生じます。
同じ作業時間でも、作業現場や材料、施工方法や工事の難易度などにより、作業量が違ってくるからです。

このように、工事業の見積作成は、一件ごとに使用する材料や取り付け場所などの条件が異なるのが特徴です。
歩掛を活用して、工事ごとの条件に合わせた正しい見積を算出することで、適正な価格を設定することができます。

歩掛の計算方法と計算する際の注意点は?

正確な見積を算出するためには、歩掛が必要だということを確認しました。
では実際、歩掛はどのように計算できるのでしょうか。

人工の計算方法

歩掛から算出する工数の単位(作業量)を人工(にんく)といいます。
人工は、以下のように導き出すことが可能です。

計算式

人工 =(1人×作業時間)÷8時間(1日の作業時間)

※作業者が8時間働いた場合の歩掛

例えば、1人で2時間かかると想定される作業があり、その人が8時間働いた場合の歩掛を計算してみましょう。
「(1人×2時間)÷8時間」という計算から、歩掛は0.25人工となります。
1人工は、1人の作業員が1日(8時間)に行える作業量を表します。

※現場では、「実労時間」+「間接時間」を加えるなどの補正が必要です。

労務費の計算方法

また、歩掛から労務費を算出したい場合は、以下のように導き出すことが可能です。

計算式

労務費 =所要人数(設計作業量×該当作業の歩掛)×労務単価(基本日額+割増賃金)

具体例を用いて実際に労務費を計算してみます。
1台取り付けるのに0.25人工必要なエアコンを3台取り付けます。
労務単価を21,200円とすると、「(3台×0.25人工)×(21,200円)」という計算から、労務費は15,900円となります。

歩掛を計算する際の注意点

ただし、歩掛は、作業現場や材料の種類、作業の難易度などによって異なります。
国土交通省では、工事の適正予定価格を算出するために、標準歩掛が設定されています。

また「公共建築工事標準単価積算基準」では、材料の種類やサイズ別の歩掛が設定されています。
すべての細目が材料別・種類別に個別設定されているわけではありませんが、参考歩掛として役立ちます。

標準歩掛の設定基準とは?

標準歩掛とは、国土交通省が定める「公共工事の予定価格」を算出するために設定された、作業効率の基準値です。
作業を行う上で必要な労務量(人の手間)・機械稼働量・材料投入量を、標準的な条件のもとでまとめた数値であり、積算や見積の根拠となる重要なデータです。

① 標準的な施工条件

標準歩掛は、特別な制約のない一般的な現場環境を想定して設定されています。
たとえば、天候・地形・施工スペース・作業時間が平常通り確保できる状態を基準としています。
そのため、山間部や狭小地などの特殊条件では、補正を加える必要があります。

② 標準的な作業員構成(熟練度・年齢層)

歩掛は、健康な中堅作業員(青年~壮年層)で構成された一般的なチームを想定しています。
熟練工・半熟練工・見習い工などの割合も考慮されており、現場全体の平均的な作業能率を基準にしています。

そのため、実際の現場で熟練度のばらつきが大きい場合や、ベテラン不足・新人中心などの状況では、自社の実情に応じて補正することが重要です。

③ 使用機械・工具の標準的条件

標準歩掛で使用する機械や工具は、一般的な性能を持つ標準機種を想定しています。
例えば、バックホウやクレーンなどの施工機械は、一定の出力や能力を持つ代表的な機種を基準としています。

より大型・高性能な機械を使用する場合や、小型機械で施工する場合には、作業効率が変動するため、機械歩掛の補正係数を用いて調整します。

④ 作業単位と計測基準

標準歩掛は、作業ごとに異なる「単位(m²・m³・t・式など)」を基準に設定されています。
例えば以下のような形で、単位あたりの標準作業量を示しています。

  • 型枠工事なら「1㎡あたり」
  • コンクリート打設なら「1m³あたり」
  • 機器設置なら「1台あたり」

現場での活用と補正の方法は?

実際の施工現場では、上記の標準条件と異なるケースが多く存在します。
そのため、積算や見積の際には以下のような補正を行うことが推奨されています。

  • 作業環境の違い(高所・狭所・地下など)
  • 作業員構成の違い(経験年数や人数比)
  • 気象条件(冬期・降雪・高温環境など)
  • 現場搬入経路や材料供給条件

これらを考慮し、標準歩掛に補正係数を掛け合わせて「実勢歩掛」を算出します。

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参考歩掛の設定基準は?

参考歩掛(さんこうぶがかり)とは、標準歩掛が設定されていない作業や特殊な条件下での工事に対して、積算や見積の目安となる作業能率を示した数値のことです。
国土交通省や地方自治体が発行する積算基準書などで、標準歩掛の補完として提示されるものであり、あくまで「参考値」として扱われます。

標準歩掛が確立されるほどの実績データがまだ少ない新工法や新技術、または特殊環境での施工において活用されるのが特徴です。
ここでは、その「設定基準」について詳しく解説します。

① 実測データや施工実績に基づいた推定値

参考歩掛は、限られた実測データや施工実績をもとに設定されます。
標準歩掛が全国的な統計データや多数の実績に基づいて決定されるのに対し、参考歩掛は、特定の地域や一部の試験施工で得られた数値を元に「暫定的に」設定されることが多いです。

例えば、ドローン測量やICT施工、プレキャスト化などの新しい工法は、導入初期には施工実績が限られているため、当面は参考歩掛として積算基準に掲載されるケースがあります。

② 標準歩掛との比較による補正

新しい施工方法や条件に対しては、既存の標準歩掛との比較を行い、その作業効率の差を考慮して設定します。
たとえば、「標準歩掛に比べて30%作業効率が向上する」と判断された場合、標準歩掛に0.7倍の補正をかけて参考歩掛を算出します。

このように、参考歩掛は「標準歩掛との相対的な関係」に基づいて設定されるため、積算全体の整合性を保ちやすい仕組みになっています。

③ 標準的な施工条件を前提としたモデル化

参考歩掛も、標準歩掛と同様に標準的な施工条件を前提としています。
ただし、特殊条件(夜間作業・高所作業・水中施工など)を対象とする場合には、その前提条件が明確に注記されます。

例として、「夜間施工を前提とした参考歩掛」や「都市部狭小地における施工条件を想定した参考歩掛」などがあり、どのような状況を基準にしているかを確認することが大切です。

④ 専門家による検証と審議を経て設定

国土交通省や建設物価調査会、積算資料センターなどでは、専門家や技術委員会の検証を経て参考歩掛を設定しています。
現場モニタリングや試験施工を行い、実際の施工データをもとに妥当性を確認したうえで、「参考値」として公表されます。

⑤ 改訂・見直しを前提とした暫定値

参考歩掛は、技術の進化や施工実績の蓄積に応じて毎年見直される前提で設定されています。
数年後、十分なデータが蓄積されれば、参考歩掛から正式な「標準歩掛」に昇格する場合もあります。

たとえば、ICT土工は登場初期には参考歩掛として扱われていましたが、現在では多くの施工実績が集まり、標準歩掛に移行しています。

歩掛を活用するメリット

これまで、歩掛の概要や標準歩掛の設定基準について説明してきました。
歩掛が工事の正確な見積算出に欠かせないことは既に確認しましたが、そのほかにメリットはあるのでしょうか。

ここでは、歩掛を活用するメリットを以下の6つに分けて紹介します。

  1. 赤字回避につながる
  2. 見積精度の向上
  3. 適切な労務費を知ることができる
  4. スケジュール管理ができる
  5. 経営強化・現場の効率化
  6. 顧客からの信頼につながる

赤字を回避につながる

歩掛を活用して適切な見積を算出することは、赤字工事を防ぐことにつながります。

どんぶり勘定で工事の見積を作成すると、見積価格にはどうしても誤差が生じます。
材料1つにおいては小さなズレでも、その材料の使用量が増えれば増えるほど、ズレは大きくなっていきます。

歩掛を活用して正しい見積を算出すれば、赤字工事を回避できるようになります。

見積精度の向上

歩掛を活用し、見積の精度を向上させることが可能です。

これまでの見積で使用していた自社の歩掛を、標準歩掛を比較することで、標準設定とのズレを確認できます。

また、歩掛のすり合わせは見積の見直しにつながります。
これにより、市場原価に見合った見積原価の精度を向上させることも可能です。

適切な労務費を知ることができる

工事に関する項目には、材料や取り付け場所、工事の種類など様々なものがあります。
このため、労務費は、適切に算出するのが難しいといわれています。

歩掛を活用すれば、労務費の適切な価格が分かるようになり、赤字工事の削減につながります。
さらに、自社の状況を把握できるため、利益の向上も見込めます。

スケジュール管理ができる

根拠なく見積を作成すると、具体的にどのくらいの工数がかかるのかが分からず、スケジュールが曖昧になることがあります。
歩掛を活用することで、正しくスケジュールを管理することが可能になります。

大きな規模の工事では、トラブルや天候などの影響によってスケジュールが変わることが多々あります。
正しい工数を把握しておくことで、スケジュールの変更にも柔軟に対応することができます。

経営強化・現場の効率化

適正な労務費を知り、見積を作成することで、経営情報をより正確に把握することができます。
経営状況を様々な角度から分析し、自社の課題や強みを把握することは、利益の向上につながります。

また、歩掛を活用した適切な見積書を作成できるようになると、作業効率がアップします。
最近では、歩掛を活用した見積を作成するシステムも提供されています。

作業のさらなる効率化を目指す場合は、システムの導入を検討するのも良いでしょう。

顧客からの信頼につながる

歩掛を活用することで、積算根拠の説明を明確に行えるようになります。

例えば、「同様の工事にもかかわらず、費用が全く異なっている」と取引先から指摘された場合、「取り付け場所が異なるため、費用が変更される」など、具体的な根拠を示すことができます。
そのうえで価格交渉が行われたとしても、材料や工事の種類の変更などにより価格の変更が可能であると価格提示を行うこともできます。

歩掛を活用する際の注意点

歩掛は正確な積算に欠かせない指標ですが、使い方を誤ると見積や工程にズレが生じるおそれがあります。
ここでは、歩掛を活用する際に特に注意しておきたい3つのポイントを紹介します。

① 標準歩掛をそのまま使わない

国や自治体が公表している標準歩掛は、あくまで「一般的な条件下」での目安です。
実際の現場では、地形・天候・作業員の熟練度・使用材料・施工環境などの違いにより、作業効率が変化します。
そのため、標準値を鵜呑みにせず、現場の実態に合わせて補正を行うことが重要です。

② 実績データを定期的に見直す

過去の工事データを基にした歩掛は、施工方法や使用資材の変化によって、時間とともに実情と合わなくなることがあります。
自社で積み上げた実績を定期的に分析し、標準歩掛との差を確認することで、より現場に即した積算が可能になります。
「経験値をデータ化し、次の見積に活かす」ことが正確なコスト管理の鍵です。

③ 工事種別ごとの条件を明確にする

同じ作業名でも、住宅・商業施設・公共工事など、工事種別によって作業環境や要求品質が異なります。
例えば、鉄筋コンクリート工事と木造工事では、必要な手間や使用機材が大きく変わります。
歩掛を設定する際には、どの種別・条件を基準にしているかを明確に記録しておくことで、見積の再利用や説明根拠の明確化につながります。

歩掛に関するよくある質問

歩掛と原価の関係は?

歩掛を基に、材料費や労務費を算出することで、工事の原価が明確になります。材料費は「材料単価 × 歩掛の数量」、労務費は「作業時間 × 人件費単価」といった計算が一般的です。

歩掛の単位は何ですか?

工種や作業内容によって異なりますが、㎡(平方メートル)、m³(立方メートル)、m(メートル)、人日(にんにち)などがよく使われます。単位に応じて材料量や作業時間を設定します。

歩掛は現場ごとに変わりますか?

はい、変わる場合があります。施工条件や作業員の熟練度、天候、材料の種類などによって作業効率が異なるため、標準歩掛に補正を加えることがあります。

歩掛の情報はどこで入手できますか?

官公庁や業界団体が公開している標準歩掛表、過去の施工実績データ、社内の施工マニュアルなどが参考になります。また、施工管理システムで管理している場合もあります。

歩掛を使うときの注意点は?

標準歩掛をそのまま使うと、現場の実態と合わず見積もりや工程に誤差が生じる場合があります。必ず現場条件や施工方法に応じた補正を行うことが重要です。

まとめ

今回は、歩掛の概要やメリットなどについて解説しました。

案件ごとに材料や工事の種類が異なる建設業の見積は、算出するのが難しいといわれています。
歩掛を活用し、見積を正確に算出できるようにしましょう。

また、標準歩掛を参考にする際は、実際の現場に応じて適宜変更を加えるようにしましょう。

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