建設物価について詳しくご存知でしょうか。
この記事では、建設工事を受注するうえで欠かせない積算の概要や市場単価方式について解説していきます。
建設業の積算に使う物価本として代表的な『建設物価』と『積算資料』の概要も確認していきましょう。
物価本とは
物価本は、専門の調査会社が建設資材の価格や工事費などの調査を行い、業界や工事ごとの市場価格を冊子にまとめたものです。
毎月など、定期的に刊行されています。
近年では書籍のほか、同内容をデジタル冊子として配信する場合や、よりスピーディーにオンラインで提供するケースも出てきています。
建設業の積算に使う物価本
ここでは、建設業の積算に使う物価本として代表的なものをご紹介します。
次の二つは、公共工事をはじめ、多くの建設会社が積算のための市場単価として採用しています。
- 『建設物価』:建設物価調査会が価格調査を行い刊行
- 『積算資料』:経済調査会が調査を行い刊行
建設物価調査会『建設物価』
建設物価調査会が価格調査を行い、刊行している『建設物価』は、建設工事で使用する資機材の価格や建設機械・仮設機材の賃貸料金、労務賃金、工事費などが掲載されています。
毎月定期的に全国の主要都市で調査した結果が公開されるほか、建設業界注目の特集記事や建設資材関連の統計資料などが掲載されています。
掲載内容
市場単価の主な掲載内容は、以下の通りです。
- 建設工事で使用する資機材の価格
- 建設機械・仮設機材の賃貸料金
- 労務賃金
- 工事費
価格
建設物価調査会『建設物価』は、購入頻度や購入単位によって以下の価格となります。
- 1冊ずつ購入:各3,993円
- 毎月購読する年間購読(年12冊):38,940円
- 2ヶ月ごとの隔月購読(年6冊):21,714円
- 3ヶ月ごと期ごとの購読(年4冊):15,532円
経済調査会『積算資料』
『積算資料』は、経済調査会が価格調査を行い、刊行している物価本です。
全国の主要都市における各種資材価格や各種料金などの実態を調査し、その結果が公表されます。
全国の調査ネットワークを駆使し、建設に関わる資材価格・労務単価・各種料金等を流通・取引数量・都市別に掲載しているのが特徴です。
発注機関および受注サイドの予算計画、設計、積算、資材調達をはじめ、監査などさまざまな分野の基礎資料として利用されています。
巻頭では、毎月の刊行ごとに主要資材の価格の推移や市況、主要経済統計の最新の調査結果が掲載されます。
特集では、建設行政の寄稿文をはじめ、タイムリーな建設情報の解説などが行われるため、業界の知識を深めるのに最適です。
掲載内容
市場単価の主な掲載内容は、以下の通りです。
- 資材価格
- 労務単価
- 各種料金
- 主要資材の価格の推移や市況
- 主要経済統計
価格
『積算資料』は、購入頻度や購入単位によって以下の価格となります。
- 1冊ずつ購入:各3,982円
- 毎月購読する年間購読(年12冊):39,072円
- 2ヶ月ごとの隔月購読(年6冊):21,714円
- 3ヶ月ごと期ごとの購読(年4冊):15,532円
積算システムに関する記事はこちら
『建設物価』と『積算資料』の違い
『建設物価』を刊行する建設物価調査会では、インタビュー手法を取り入れた調査手法をベースに、資材や工種ごとに特性に最も適合した調査方法を用いています。
インタビュー調査を行いながらも、買い手と売り手にとらわれず、中立的な立場で取引価格の実態を把握する団体です。
また、建設物価調査会では、クライアントの委託を受けて実施する受託調査と、建設物価調査会として自主的に行う定期調査があります。
この定期調査は定期的に全国の主要都市で行われ、その調査結果が『建設物価』として公表されています。
一方、『積算資料』を刊行する経済調査会では、「価格調査基準」や「工事費調査基準」などにもとづき、全国主要都市において資材価格や工事費、需給状況などの実態調査をする方式です。
この実態調査の結果が、『積算資料』で公表されています。
調査方法や調査対象が異なることから、両者の価格には多少の差が出ることも少なくありません。
そのため、公共工事などにおいては、
- 『建設物価』と『積算資料』に掲載された価格の二誌平均価格を採用する
- 両誌の価格を記入したうえで、いずれの価格を採用したかを比較表示する
といった対策が講じられることが多いです。
まとめ
積算とは、見積りを行うために、各工事の工程ごとにかかる材料費や労務費などを積み上げて、工事の原価総額を計算することです。
建設業の積算に使う物価本として代表的なものは、建設物価調査会『建設物価』と経済調査会『積算資料』です。
建設物価調査会と経済調査会では、調査方法や調査対象に違いがあるため、同じ時期に発行された物価本でも市場単価に多少差が出ることがあります。
公共工事においては、二誌平均価格を採用することや二誌の価格を併記して比較したうえで、どちらの価格を採用したかを明示するケースが多いです。
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