リフォーム工事は完工粗利益が予測しづらいものです。
新築工事などに比べて、リフォーム工事はお客様が居住中のことも多く、実際に工事が始まってからでないと分からない現場の状況も多々あります。
残念なことに、そういった予測ができないことから赤字工事になってしまうことも考えられます。
そういった状況を回避する為に見積を作成する際に「予備原価」を含めましょう。
予備原価とは
予備原価とは、言葉の通り「予備」として用意する原価のことです。
もともとは、システム開発をする際のリスク対策費として用意される「予備費」から着想を得ています。
見積を作成する段階で、「起きてしまうかもしれない補修・追加工事」「補修・追加工事に係る業者連絡等の手間」などをあらかじめ想定して、原価を余分にいただくのが予備原価です。
これを行うことで、万が一追加工事や補修工事などが発生して原価が上がっても、最低限確保できる粗利益を担保することが可能になります。
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予備原価の設定方法
では、予備原価はどのように設定するのでしょうか。
この章では、予備原価の設定方法を、2パターンご紹介します。
パターン1:現場ごとに予備原価を設定する
見積を作成する際に、予備原価を「諸経費」として見積項目に追加する方法です。
この方法ならそれぞれの現場に合った予備原価を設定できます。
諸経費として計上する場合、見積金額または原価の合計から8%~20%前後が一般的なようです。
ただし、この方法を取る場合はお客様に対する誠実な説明が求められます。
- 外注業者との事前打ち合わせのための経費
- お客様の希望通りにリフォームを実現するための現場管理費
- 施工現場における安全対策費
- 役所などに必要書類を提出するための書類作成工数
- 近隣住民の方々への挨拶などで使用する粗品経費
など、リフォームが素晴らしい結果を生むために本来必要な費用であることをしっかり説明しましょう。
お客様へ十分なサービスを提供する為に必要な経費であることをきちんと説明すれば、仮に競合より予算が上がっていたとしても「対応力がある」という形で他社と差をつけることが可能です。
パターン2:あらかじめ希望粗利率に配分しておく
見積項目として見える形で計上するのではなく、各工事の希望粗利に予め配分しておく方法です。
この方法であれば会社全体の取り組みとして実施がしやすく、万が一値引き対応をした際にも、他の現場の予算から流用できる等で、予備原価がなくなってしまうような事態を防ぐことができます。
この方法は、現場全体の希望粗利率低下を防ぐ方法ではありますが、各現場でほとんどの原価に上乗せすることになるので、競合他社と予算比較をした際に不利になる可能性を秘めています。
そうならないようにパターン①のとき同様、「自社の工事の考え方」をしっかりお客様に納得いただくことが必要です。
諸経費同様、お客様が満足いくリフォームをするために自社がどう取り組んでいるのかを、日頃から誠実に説明しておくことで予算に対する疑問は減っていきます。
粗利について詳しくはこちら
予備原価を導入するための課題
予備原価は、うまく運用に乗ってさえくれれば、会社全体の粗利をコントロールすることが出来るとても素晴らしい仕組みです。
ただ、この取り組みは各営業マンがそれぞれ実施していてもなかなか効果が出ないものでもあります。
結局競合との価格勝負になって予備原価を外してしまったり、予備原価を設定する基準が曖昧で、必要以上の金額を設定してしまうこともあるでしょう。
金額が上手く設定できたとしても、他現場から予算を割り振る等の管理面は営業マン一人では、運営しきれない場面が必ず出てきます。
リフォーム会社向けの業務管理システムを導入する
予備原価の体制を会社全体で運用する為に、リフォーム会社向けのシステムを導入しましょう。
システムを導入するためには様々な課題(使いこなせるか等)があるので、まずは下記ページからどんなシステムがあるかを確認して適正を探すことをおすすめします。
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まとめ
今回は、リフォームの粗利率低下を防ぐ為の「予備原価」の仕組みを紹介しました。
様々なシステムがリリースされ、リフォームの現場で「当たり前」とされてきた困りごとが実は少しずつ改善されつつある時代でもあるので、ぜひシステム導入を検討することをおすすめします。
近年は、補助金制度なども充実してきているのでこれを機にシステム導入もしやすくなるかもしれません。
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