メールや郵送で見積書を受け取った時、どのような対応をとるべきでしょうか。
まずは、速やかにお礼メールを送るのがビジネスマナーです。
速やかにお礼メールを送ることによって、取引先に良い印象を持ってもらえるでしょう。
しかし、どんな内容のメールを送るべきか、迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、返信メールの例文をケース別にご紹介します。
また、見積書へのお礼メールを送る際に気を付けるポイントについても解説します。
見積書送付メールに対するお礼メールが必要な理由は?
ビジネスの現場では、日々多くの郵便物やメールをやり取りします。
そのため、見積書を送った相手から何の返信もなければ、「読み飛ばされていないか」「きちんと届いているのか」と不安になってしまいます。
また、受け取った見積書を見てすぐに発注の連絡をする場合もあれば、少し検討するケースもあるでしょう。
後者の場合、見積書を受け取ってから返事を出すまでに間が空いてしまいます。
そこで、「見積書をたしかに受け取った」ということをひとまず相手に伝えることが重要です。
見積書へのお礼メールを送ることで、見積書がきちんと届いていることを相手に知らせることができます。
見積メールの書き方に関する記事はこちら
見積書を受け取った際のお礼メールの書き方【例文あり】
見積書を受け取った際、メールでのお礼が必要な理由を確認しました。
ここでは、実際のお礼メールの書き方をご紹介します。
次の4つのケースを想定し、それぞれのメールの文例を作成しました。
- 見積書を受領した旨のみ伝える場合
- 受け取った見積りを社内で検討する場合
- 受け取った見積りの通り発注する場合
- 受け取った見積りを断る場合
見積書へのお礼メールを作成する際は、ぜひご参照ください。
ケース① 見積書を受領した旨のみ伝える場合
見積書を受け取っても、今後の取引についてすぐに返事ができない場合があります。
見積内容を承諾するか否かが決まっていなくても、「見積書を受け取った」ということを伝えるメールを送るようにしましょう。
見積書を受領した段階でのメールの例文は、次の通りです。
〇〇株式会社
営業部 □□様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の××でございます。
「●●(見積もりの内容)」のお見積書を拝受いたしました。
早々にお見積書をお送りいただき、誠にありがとうございました。
現在内容を確認しているところでございますが、まずはお礼申し上げます。
〇月〇日(〇)までには改めてご連絡いたします。
引き続き宜しくお願いいたします。
‐‐‐
署名
ケース② 受け取った見積りを社内で検討する場合
次に、見積書の内容を社内で検討する場合の文例をみていきましょう。
受領段階でのメールと同様、返答の目処を明示しておくと親切です。
〇〇株式会社
営業部 □□様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の××でございます。
「●●(見積もりの内容)」のお見積書を拝受いたしました。
ご多忙の中、早々にお見積書をお送りいただき、誠にありがとうございました。
お見積書の内容につきましては、社内精査のうえ、検討を進めてまいります。
少々お時間を頂戴いたしますが、○月○日(○)までには改めてご連絡いたします。
何卒宜しくお願いいたします。
‐‐‐
署名
ケース③ 受け取った見積りの通り発注する場合
見積書を受け取ってすぐに、そのままの内容で発注依頼を行うこともあるでしょう。
ここでは、お礼を兼ねた発注依頼メールの例文を見てみましょう。
○○株式会社
営業部 □□様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の××でございます。
ご多忙にもかかわらず、お見積書をお送りいただき、誠にありがとうございました。
「●●(見積もりの内容)」の件、上司からの承諾を得ることができました。
つきましては、頂戴したお見積書の通り発注をお願いしたく存じます。
本メールに、PDFファイルにて発注書を添付いたしました。
ご確認いただきますようお願い申し上げます。
なお、内容に不備などがございましたら、××宛てにご連絡をお願いいたします。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
‐‐‐
署名
ケース④ 受け取った見積りを断る場合
受け取った見積書の内容を検討し、「発注しない」という決断を出す場合もあるでしょう。
しかし、今回は発注しないとしても、今後またお世話になることがあるかもしれません。
そのため、丁寧な対応を心がけましょう。
また、発注を見送る理由を明示しておくと親切です。
○○株式会社
営業部 □□様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の××でございます。
ご多忙の中、お見積書をお送りいただき、誠にありがとうございました。
ご提案いただきましたお見積内容について、社内で慎重に検討いたしました結果、
誠に恐縮ではございますが、今回は見送らせていただくこととなりました。
費用面での折り合いがつかなかったことが理由でございます。
お時間を割いてご提案いただいたにも関わらず、お応えできず申し訳ございません。
何卒弊社の事情をご賢察のうえ、ご了承いただきますようお願い申し上げます。
また別の機会がございましたら、その際はぜひよろしくお願いいたします。
‐‐‐
署名
発注書に関する記事はこちら
見積書を受け取った際のお礼メールのポイント
4つのケースに合わせたメールの例文をご紹介しました。
ここでは、見積書へのお礼メールを作成するうえで気を付けるべきポイントを確認しましょう。
メールの件名はわかりやすく
ビジネスの現場では、社内外から日々たくさんのメールが届きます。
そのため、ほかのメールに紛れて読み飛ばされたり、優先順位を後回しにされたりするおそれがあります。
- お見積書につきまして
- ●●のお見積りの件
- 株式会社△△ お見積りの件
など、メールの内容が明確で簡潔な件名にすると良いでしょう。
24時間以内に返信する
すでに確認した通り、見積書のお礼メールは、見積書を受け取ったことの確認メールでもあります。
そのため、できるだけ速やかに返信するようにしましょう。
原則は24時間以内、1営業日内です。
金曜の夕方に受け取った場合には、土日を挟んで月曜の夕方頃までに返信すると良いでしょう。
また、営業時間を過ぎてしまわないよう、午前中または午後の早い時間帯に送るのがベストです。
見積書の確認段階を明確に伝える
見積書を送った側は、発注してもらえるのか不安定な状況に置かれています。
そのため、きちんと考える、しっかり検討するといった態度を伝えることが大切です。
「見積書を受け取りました。ありがとうございます。」だけでは、検討してもらえるのかどうかが分かりません。
- 「内容を確認いたします。」
- 「検討いたします。」
- 「○日までにご返事いたします。」
など、見積書の確認段階をはっきりと伝えるようにしましょう。
見積り内容への質問や値引き交渉はメールでも可能?
受け取った見積書に不明点があったり、値引き交渉をしたいという場合があるかもしれません。
こうした場合、見積書のお礼メールにて質問や交渉を行うことが可能です。
ただ、箇条書きで要点をまとめるなど、相手に伝わりやすい文面を心がけましょう。
値引き交渉を行う際は、値引きが必要な理由や根拠を明確に示すようにしましょう。
敬語を正しく使う
文面の敬語が誤っていると、メールの作成者だけでなく、会社全体の教育レベルに疑問を持たれる可能性があります。
二重敬語や身内敬語を避けるなど、基本的なことに気を付けるようにしましょう。
二重敬語の例
誤用表現 | より適切な表現 |
---|---|
見積書をお受け取りいたしました | 見積書を受け取りました 見積書を拝受しました |
○月○日までに回答させていただきます | ○月○日までに回答いたします |
発注書をお送りさせていただきます | 発注書をお送りします 発注書を送付いたします |
発注書を添付しましたので、ご確認してください | 発注書を添付いたしましたので、ご確認ください |
身内敬語の例
誤用表現 | より適切な表現 |
---|---|
お世話さまです | お世話になっております |
有効期限の件、了解しました | 有効期限の件、承知いたしました |
見積書に~を追加してほしいです | 見積書に~を追加していただけますでしょうか |
建築業で使えるメール例文に関する記事はこちら
見積書が届かない場合の対応
見積を依頼したにもかかわらず、約束の日時までに見積書が届かないこともあるかもしれません。
この場合、確認のためのメールを送りましょう。
確認メールには、見積書を受け取っていないという現状と送付期限を簡潔に書きましょう。
この際、相手を責めるような文面になってしまわないよう配慮することが重要です。
- お忙しいところ恐縮ですが
- 行き違いになっているかもしれませんが
- 念のため
などの前置きを添えると、やわらかい印象を与えることができます。
見積書の郵送に関する記事はこちら
見積書を送付する側の注意点
見積書を受け取った場合のお礼メールの文例やポイントを確認してきました。
ここでは、見積書を送付する際の注意点をみていきましょう。
見積書のお礼メールに発注書を添付する際にも、次のような点に注意しましょう。
PDFファイルで添付する
見積書をはじめ、重要な書類をメールで送付する際は、PDFファイルで添付することが重要です。
ワードやエクセルのまま添付してしまうと、受け取った側がファイルの内容を変更できてしまいます。
データを添付する際は、必ずPDFに変換し、内容の編集ができない状態にしておきましょう。
パスワード付きzipファイルで送信しない
パスワード付きzipファイルは、セキュリティ面で以下のような問題を抱えています。
- 情報漏えいのリスクがある
- ファイル受信側のPCでウイルスチェックができない可能性がある
パスワードをメールでなく電話で伝えるなどの対策もありますが、送受信側双方にとって手間がかかります。
パスワード付きzipファイルではなく、PDFファイルを利用するのがおすすめです。
見積ソフトを用いる
見積書の記載ミスや見積書の送付漏れ等、問合せ件数の増加に比例します。
こうしたミスは、見積管理システムや建築見積ソフトなどを用いることで、防止できます。
見積管理システムや建築見積ソフトの中には、計算補助機能やメール送付機能等が搭載されたものもあります。
自社にとって必要な機能があるか十分に精査した上で導入しましょう。
見積業務のデジタル化に関する記事はこちら
まとめ
見積書を受け取った際のお礼メールの必要性や書き方をご紹介しました。
受け取った見積内容を承諾するかどうかにかかわらず、「見積書を受け取った」ということを相手に知らせることが重要です。
お礼メールを作成する際は、今回ご紹介した例文をぜひ参考にしてみてください。
メールの管理などを行う上では、建築見積ソフトの活用もおすすめです。
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