リフォーム工事は、お客様の自宅などの建物に施工するにあたって様々な資格が求められます。
所持していないと業務そのものが行えないものから、必須ではないものの所持していることでお客様の信頼を得られたり業務の幅が広がるものまで様々です。
そんな建築業・リフォーム業界向けの資格を試験概要・難易度・所持していることでの効果など様々な視点で紹介します。
今回は、施工をスムーズに適切に進めるためにかかせない「施工管理」に関する資格です。
施工管理技士とは?
「施工管理技士(せこうかんりぎし)」とは、建設工事において、計画どおりに安全・品質・コスト・工程を管理する専門家であり、国が認定する国家資格です。
施工管理技士は、建設現場で工事を円滑に進めるために、以下のような業務を担います。
- 関係者との調整(職人・業者・発注者など)
- 施工計画の立案
- 工程管理(スケジュールの管理)
- 品質管理(図面どおりに施工されているかチェック)
- 安全管理(事故や災害の予防)
- 原価管理(コストの適正化)
資格の種類と区分
施工管理技士は工種ごとに資格が分かれています。
分野(資格名) | 主な対象工事 |
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土木施工管理技士 | 道路・橋・トンネル・ダムなど |
建築施工管理技士 | ビル・住宅・商業施設など |
管工事施工管理技士 | 給排水・冷暖房・空調工事など |
電気工事施工管理技士 | 建物の電気設備、照明、配線など |
電気通信工事施工管理技士 | 通信ケーブル、LAN、放送設備など |
造園施工管理技士 | 公園、庭園、緑地整備など |
2級建築施工管理技士
難易度・資格取得にかかる推定時間 |
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勉強方法 |
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受験資格 |
※該当学歴なし・該当資格なしの場合、8年以上の実務経験年数で受験資格が得られます。 |
試験概要 (時間・形態) | 【学科試験】四肢択一方式(マークシート方式) 建築学等/施工/施工管理法/法規 【実地試験】記述式 |
受験にかかる料金 | 第一次・第二次検定(同日受験):10,800円 第二次検定のみ:5,400円 一次検定のみ:5,400円 ※本検定の受験量は消費税非課税です。 |
建築施工管理技士は、一般社団法人建設業振興基金が運営する国家資格です(国土交通省指定)。
建築・建設に関して幅広い知識を問う資格ではありますが近年では設計分野に重点を置く資格体系になっているようです。
施工管理技士2級に関する詳しい記事はこちら
電気工事施工管理技士
難易度・資格取得にかかる推定時間 |
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勉強方法 |
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受験資格 |
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試験概要 (時間・形態) | 【学科試験】四肢択一方式(マークシート方式 電気工学/電気設備/関連分野/施工管理法/法規 【実地試験】記述式 |
受験にかかる料金 | 第一次検定:15,800円(非課税) 第二次検定:15,800円(非課税) ※本検定の受験量は消費税非課税です。 |
電気工事施行管理技士は、建築施工管理技士と同じく一般社団法人建設業振興基金が運営する資格です。
電気工事の施工を行う際の工事契約、施工図の作成などを行います。電気工事現場で施工管理をすることが主な役割です。また国土交通省が定める国家資格であり、1級・2級があります。
試験合格までサポートしてくれる企業も多く、実務を行いながら勉強するうえでは利用するほうが安心できそうです。
管工事施工管理技士
勉強方法 |
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受験資格 |
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試験概要 (時間・形態) | 【学科試験】四肢択一のマークシート方式 一般基礎/電気・建築/空調設備・衛生設備/機器材料・設計図書/設計管理法/その他関連法規 【実地試験】全問記述式 |
受験にかかる料金 | 【1級】 第一次検定:12,700円 第二次検定:12,700円 【2級】 第一次検定:6,350円 第二次検定:6,350円 第一次検定・第二次検定区分:12,700円 ※本検定の受験量は消費税非課税です。 |
管工事施工管理技士は国土交通省管轄の国家資格の1つです。
冷暖房設備、空調設備、給排水・給湯設備、ダクト工事、浄化槽、ガス配管、衛生設備などさまざまな管工事に関して施工計画を作成して工程管理等を行うための資格です。
1級・2級がありますが2級は一般建設業の管工事許可を受けるにあたって必要な技術者要件でもあります。
ちなみに、管工事施工管理技士の資格を持っていると、1級2級に限らず社会保険労務士の受験資格が得られます。
管工事施工管理技士に関する詳しい記事はこちら
建設機械施工管理技士
勉強方法 |
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受験資格 |
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試験概要 (時間・形態) | 【筆記試験】 ① 土木工学 建設機械による建設工事の施工に必要な土木工学に関する概略の知識 設計図書を正確に読みとるための知識② 建設機械原動機 建設機械の内燃機関の構造及び機能に関する概略の知識 建設機械の内燃機関の運転及び取扱いに関する概略の知識 機械の内燃機関の衰損、故障及び不調の原因並びにその対策に関する概略の知識③ 石油燃料 石油燃料の種類、用途及び取扱いに関する概略の知識④ 潤滑剤 潤滑剤の種類、用途及び取扱いに関する概略の知識⑤ 法規 建設工事の施工に必要な法令に関する概略の知識⑥ 選択種の建設機械施工法 【実地試験】 |
受験にかかる料金 | 【1級】 第一次検定:19,700円 第二次検定:44,500円(1つの種別)、57,300円(2つの種別)、31,700円(2つの種別免除) 【2級】 第一次検定:19,700円(1つの種別)、39,400円(2つの種別) 第二次検定:40,800円(1つの種別)、81,600円(2つの種別) |
建設機械施工管理技士は、建設現場で建設機械施工に関する運転操作や現場の施工管理を行う責任者を認定する国家資格です。
小さなリフォーム工事等で求められることは少ないでしょうが、エクステリア工事などを行う場合には一部必要になるケースもある資格です。
建設機械施工管理技士に関する詳しい記事はこちら
土木施工管理技士
勉強方法 |
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受験資格 |
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試験概要 (時間・形態) | 【2級第一次検定】 四肢択一式(マークシート方式) 出題数合計61問(必須問題19問、選択問題42問) 必要解答数40問(必須問題19問、選択問題21問) 【2級第二次検定】 【1級第一次検定】 【1級第二次検定】 |
受験にかかる料金 | 【1級】第一次検定 12,000円(非課税) / 第二次検定 12,000円(非課税) 【2級】第一次検定・第二次検定 12,000円(非課税) 第一次検定 6,000円(非課税) / 第二次検定 6,000円(非課税) |
土木施工管理技士は、土木工事の責任者として働くために必要な国家資格です。
この資格を取得すると、道路、トンネル、河川などさまざまな土木工事現場において、主任技術者や監理技術者として活躍できます。
受験資格の改訂について
2024(令和6)年度より、施工管理技士の受験資格は改訂されています。
特徴としては、一次・二次でそれぞれ受験資格が異なる点です。
但し、以前の受験資格でも受験は可能です。
第一次検定の新受験資格
- 1級:受験年度において満19歳以上であれば受験可能。
- 2級:満17歳以上であれば受験可能。
第二次検定の新受験資格
- 1級:令和3年度以降の1級 第一次検定合格者
・合格後5年以上の実務経験年数
・合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数
・合格後 監理技術者補佐としての1年以上の実務経験年数 - 2級:第二次検定(旧実地試験含む)に合格した後、1級 第一次検定に合格した者(1級 第一次検定受検予定者を含む)
・2級合格後 5年以上の実務経験年数
・2級合格後 特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数
施工管理技士に関するよくある質問
- 1級と2級の違いは何ですか?
-
1級と2級の主な違いは以下の通りです。
- 1級:大規模な工事現場の主任技術者・監理技術者になれる。
- 2級:中小規模の工事現場で主任技術者になれるが、監理技術者にはなれない。
- 試験の難易度はどのくらいですか?
-
合格率や難易度は、資格の種類によって異なりますが、平均的な難易度は以下の通りです。
- 1級:合格率30〜40%程度で難易度が高め。
- 2級:50%前後の合格率。経験や事前の勉強量により左右されます。
- 独学で合格できますか?
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可能です。ただし、法規や施工管理に関する専門知識が必要なので、参考書・過去問・通信講座の活用が効果的です。
- 資格を取るとどんなメリットがありますか?
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施工管理技士を取得すると以下のようなメリットがあります。
- 技術者としての信頼性が上がる
- 工事現場で主任技術者・監理技術者として配置可能になる
- 転職・昇進・給与アップのチャンスが増える
- 建設業許可を取る際にも有利
- 資格の更新は必要ですか?
-
施工管理技士の資格そのものに有効期限はありませんが、「監理技術者資格者証」などは5年ごとの更新が必要です。
まとめ
今回は施工管理に関する資格を紹介しました。
施工管理は業務に欠かせない資格で、所持していなければ関連工事そのものが行えないものがほとんどです。
そのぶん難易度も高く、多くが国家資格として扱われています。
国家資格と聞くと少し尻込みしてしまいますが、合格率が4割~5割程度がほとんどです。
しっかり時間をかければ乗り越えられない壁ではありません。
ぜひこれを機に挑戦を検討してみてください。
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