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安全ミーティング報告書とは?各項目の記入方法を細かく解説

安全ミーティング報告書とは?各項目の記入方法を細かく解説

建設現場で毎日安全ミーティングを実施していますか。
現場仕事が初めての場合、毎回ミーティングするのが面倒、いちいち書類にサインを求められる、と不満に感じる方もいるかもしれません。

一方、現場に慣れてくると、工期を急ぐあまり、安全ミーティングを疎かにしたり形式的に終わらせたりしがちです。
そういう油断は、思わぬ事故を招くものです。

ここでは、安全ミーティング報告書の意義と重要性、各項目の記入方法を細かく解説していきます。

目次

安全ミーティング報告書とは?

安全ミーティング報告書とは

安全ミーティング報告書は、工事現場で毎日のように実施される安全ミーティングの内容を報告する書類です。

安全ミーティングとは、現場での事故を防止するため、危険予知活動の一つとして行うものです。
現場で作業するスタッフが集まり、その日に行われる作業におけるリスクを認識し、思わぬ事故やヒヤリハットが起こらないよう注意喚起を行います。

その内容を日々報告書にまとめることも大切です。
万が一、労災事故や災害が起きた場合、安全ミーティング報告書があると、現場での安全対策がしっかりと行われていたか否かを証明することができます。

また、安全ミーティング報告書を振り返って、確認事項の不足があったことが判明すれば、同じ事故を繰り返さないよう教訓となり、次からの工事に活かすことが可能です。

安全ミーティング報告書の項目別記入方法

以下では、安全ミーティング報告書の項目別記入方法を紹介します。
多くの建設現場で使用されている、全国建設業協会が提供する全建統一様式第8号の書式に従って解説していきます。

全国建設業協会は約1万9,000社の建設企業が、47都道府県ごとに組織する建設業団体をまとめる全国組織です。
全建統一様式を用いることで、全国の幅広い建設業者のあらゆる現場で、統一された内容の安全ミーティング報告書が作成でき、振り返りや確認がしやすくなります。
また、記載内容が法律などに則っているのでリスク対策としても役立ちます。

基本情報

基本情報として、以下の項目を記入します。

  • 一次請負会社名
  • 施工会社名
  • 職長氏名

元請確認欄

安全ミーティング報告書を元請けに提出した際に記入する欄です。
空欄でかまいません。

作業予定記入欄

作業予定を具体的に記入します。
「いつ」「どこで」「何を」「どのように」「何人で」をわかりやすく、簡潔かつ具体的に記します。

作業日(いつ)

作業予定の月日を記します。

作業場所(どこで)

作業を実施する場所を記入します。
たとえば、荷降ろし場所、2階足場などです。

作業内容(なにを)

実施する作業をわかりやすく簡潔に記入します。
たとえば、鉄筋の荷降ろし、荷揚げなどです。

作業方法(どのように)

どのように作業するのか、具体的に記入します。
運搬車から組み立て場にクレーンで荷揚げなど、使用した機械や設備を明記することで、危険を伴う作業であったか否かがわかります。

作業人員(何人で)

作業人員は左側の欄に予定人数、右側の欄には実際に作業した人数を記入します。

作業に必要な資格及び配置

作業予定欄に記入した作業をするために資格保有者が必要な場合は、該当欄に担当者の氏名を記入してください。
以下の4つはデフォルトで書式に記載されています。

  • 作業主任者
  • 作業指揮者
  • 玉掛者
  • 合図者

これ以外の資格が必要な作業であれば、追加で記入しましょう。

元請けからの連絡調整事項

元請けからの連絡事項があった場合は記入します。

リスクアセスメント記入欄

安全ミーティングの中でも、最も重要となる事項です。
現場でしっかり話し合った結果を、書式に沿ってまとめていきましょう。

予定作業に対してこんな危険がある

様式にある通り、「~するとき、~になる」という形式で、わかりやすく記入します。
たとえば、

  • 「足場作業をするとき、バランスを崩して墜落する。」
  • 「トラック荷台上での積み付け作業をするとき、鋼矢板が崩れ落ちて作業者に衝突する。」

などです。

重篤度

予想される危険の重大性を、受傷程度の重篤度見積り基準を用いて3段階の数字で見積もります。
重大性と数字の対応は以下の通りです。

3極めて重大(死亡・障害)
2重大(休業災害)
1軽微(普及災害)

可能性

危険が起こり得る可能性を、災害発生の可能性の見積り基準を用いて評価します。
可能性も3段階に分かれています。

3極めて高い(よほど注意力がないと負傷する)
2可能性がある(注意していないと負傷する)
1ほとんどない(注意しなくてもほとんど負傷しない

評価点

上記の重篤度と可能性で評価した数字を合計した数値を記載します。

評価

評価点の合計数値が大きいほど重大な災害や事故につながり、リスクの高い作業と評価できます。
評価点に対応する評価は以下の通りです。

6直ちに解決すべき問題がある・即座に対策が必要
5重大な問題がある・抜本的対策が必要
4かなり問題がある・なんらかの対策が必要
3多少問題がある・現時点では対策の必要なし
2問題は少ない・対策の必要なし

リスクの低減措置について

評価点の見積りで3以上になったもの、つまり、「問題少ない・対策の必要なし」以外の危険度の高い作業については、リスクの低減措置を採ることが必要です。

この項目についても、書式に沿って対策を記入します。

「危険に対して、このようにする」

対策を考えて、具体的に記載します。
記入例は以下の通りです。

  • 「移動式クレーンを用いたつり上げ荷重1トン以上の玉掛け業務は、技能講習を修了した資格者に行わせる。」
  • 「荷から玉掛けワイヤロープを外すときは、手で抜き取るよう作業者に徹底させる。」

「重篤度」「可能性」「評価点」「評価」

予定作業の危険評価と同じ基準を用い、対策を講じた後の「重篤度」・「可能性」・「評価点」・「評価」を記入します。
対策前と対策後でリスク評価がどこまで下がるかを確認することがポイントです。

リスクの低減措置を講じても評価が3以上の場合は、安全教育の見直しや作業工程の見直し、作業環境の改善、設備の補充や安全装置の導入などを速やかに講じるようにしましょう。

職長の確認事項

現場での異変や特記事項について、職長が確認します。
書式に一定の事柄が記載されていますので、これをベースに記入します。

年少者とは18歳未満の作業員のことです。
年少者を労働させる場合、労働時間の制約をはじめ、危険物や重量物の取扱業務の制限などもあります。

現場従事者の年齢や経験などもしっかり確認したうえで、見逃さないようにしっかり指示を行いましょう。
特別指示として、高所作業の制限、単独作業の禁止など、現場ごとに必要な指示を記入します。

安全ミーティング出席者サイン

安全ミーティング出席者全員が、氏名とともに、ミーティング内で決めた危険予知番号を記入します。
面倒に思えても、全員に記載してもらってください。
これにより、危険予知への意識も高まります。

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まとめ

安全ミーティング報告書は、現場で労働災害が起こらないよう、リスクの洗い出しや対策を講じるミーティングを行い、その内容を報告する書類です。

毎回話し合って報告書を作成するのは面倒に思えるかもしれません。
ですが、リスクの洗い出しにより、何が、どこが危険なのかが明らかになり、低減すべきリスクについて対策を講じ、事故を防ぐことにつながります。

ミーティングを通じて管理者と作業員前任が、現場作業のリスクに対して共通認識を持つことで、より具体的な安全作業の方法を講じることが可能です。
毎回現場でリスクを予測し、見積り、評価をしていくプロセスで、コミュニケーションが活発になり、事故を未然に防げる現場へとつなげることができます。

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