施工体系図とは?作成義務から記入例まで解説!

施工体系図とは?作成義務から記入例まで解説!

施工体制台帳とセットで出す必要があるものが、施工体系図です。
施工体系図は、作成した施工体制台帳を基に各下請負人の工事施工関係が一目でわかるように図にしたもののことです。

この記事では、施工体系図についてや、書き方までわかりやすくご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。

施工体系図とは

施工体系図とは、施工体制台帳を基にして作成するもので、各下請負人の名称・工事内容・工期・主任技術者等を図にしたものです。

施工体制台帳の内容をよりシンプルにしたものなので、施工の分担関係が一目でわかり、現場の全体像を把握することができます
作成するのは、発注者から直接工事を請け負った元請業者です。

施工体制台帳の作成方法などについては以下の記事で解説しているのでそちらをご覧ください。

  • 施工管理システム

施工体系図の目的

施工体系図は、どのような目的をもって作成されるのでしょうか?

主に、

  • 下請業者も含めた全ての工事関係者の施工体制を把握するため
  • 施工に対する責任の所在と子王子現場における役割分担を明確にするため
  • 主任技術者、専門技術者の適切な配置

の3点が目的です。

施工体系図の保管期間

施工体系図は営業に関する図書として工事完了後10年間は保管が義務付けられています。

施工体系図の掲示場所

施工体系図は、工事の期間中掲示する必要があります。

民間工事については工事現場の工事関係者が見やすい場所、公共工事については工事現場の工事関係者が見やすい場所に及び公衆の見やすい場所に掲示する必要があります。

また、下請業者に変更があった場合は速やかに施工体系図の表示も変更しなければなりません

一般的な掲示方法としては、

  1. 専用のケースを仮囲いやそこに作っている掲示板に張り付ける
  2. Excel等で作成した施工体系図をプリントアウト
  3. 専用のケースに入れる

となります。

施工体系図の作成義務とは

施工体制台帳、施工体系図はすべての工事で作成する必要があるものですが、建築業法によって作成が義務付けられているのは、

  • 民間工事であれば下請契約の請負金額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の工事
  • 公共工事であれば、下請契約の金額に関係なくすべての工事

です。

以上の条件に当てはまる工事では必ず作成するようにしましょう。
作成を怠ると、義務違反で罰を受ける場合もあります。

施工体系図の記入例

施工体系図は、1次、2次下請けなどなどすべての工事関係者の工事施工分担が一目でわかるよう、樹形図の形で作成します。

施工体系図 記入例
国道交通省:施工体制台帳、施工体系図等 より画像引用

なお、記載内容は再下請負通知書、下請負業者編成表とほぼ同じなので、そちらを参考に記入していくこともできます。
今回は、国土交通省のHPに掲載されている、令和2年10月1日以降に契約する建設工事において使用する作成例を使用して各項目を解説します。

左側部分の各項目と記入例

施工体系図 記入例 左

発注者名

発注者の名称を書きます。

工事名称

元請業者が担当する工事名称を書きます。

元請名・事業者ID

元請業者名を書きます。
また、建設キャリアアップシステムに登録している場合には事業者IDを記入します。

監督員名

発注者より知らされた監督員名を書きます。

監理技術者・主任技術者名

監理技術者と主任技術者の名前を書きます。

監理技術者補佐名

監理技術者補佐の名前を書きます。
監理技術者補佐とは、一定の条件を満たし、監理技術者が複数の現場を兼任する時に配置されます。

専門技術者名・担当工事内容

工事の内容によっては、別の専門工事が必要となり自社で直接工事をすることがあります。
その際、現場ごと、担当する業種ごとに専門技術者を置く必要があります。

この欄に、専門技術者の名前と、発生した専門工事の内容を書きます。

会長(統括安全衛生責任者)

元請け業者の統括安全衛生責任者の名前を書きます。

副会長

元請業者以外の下請けから選出された者の名前を書きます。
共同企業体では、企業体を形成している事業者の名前を書きます。

元方安全衛生責任者

元方安全衛生責任者の名前を書きます。
元方安全衛生責任者とは、統括安全衛生責任者が選任される事務所に置かれ、技術的事項の管理や統括安全衛生責任者の補佐を担当する者のことを指します。

①右側部分の各項目と記入例

施工体系図 記入例 右

工期

工事内容に必要な工期を書きます。
「自」の欄には工事開始日を、「至」の欄には工事完了日を記入します。

工事

工事の名称を書きます。

会社名・事業者ID

元請業者と下請契約を結んだ会社名(一次下請)を書きます。
また、建設キャリアアップシステムに登録している場合には、事業者IDを書きます。

縦は元請業者と下請契約を結んだ会社(一次下請)、横は、その会社と下請契約を結んだ会社(二次、三次)を記入していきます。

代表者名

代表者の名前を書きます。

建設許可番号

許可業種の許可番号を書きます。

一般/特定の別

「一般(一般建設業)」か「特定(特定建設業)」のどちらかを選びます。
※基本的にここは「一般建設業」の方になります。

安全衛生責任者

安全衛生責任者の名前を書きます。
安全衛生責任者とは、労働安全衛生法にて定められている、事業所の安全を管理する人です。

選任する際の資格は特に必要ないですが、条件として現場に常駐する現場代理人・主任技術者または職長等から選ぶ必要があります

主任技術者

主任技術者の名前を書きます。
主任技術者とは現場の技術的管理をする人のことで、一定の条件を満たしていなければなりません。
ここで注意するべきなのは、公共性のある重要な工事で元請けとの契約額が3,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)の場合は、専任として現場に常駐する必要があることです。

特定専門工事該当の有無

特定専門工事の有無を選択します。
特定専門工事とは、下請代金の合計額が3,500万円未満の「鉄筋工事」及び「型枠工事」です。

専門技術者・担当工事内容

専門技術者の名前と付帯する工事の内容を書きます。

工期

工事内容に必要な工期を書きます。

  • 施工管理システム

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まとめ

いかがだったでしょうか。
施工体系図は、施工体制台帳を基にして作成するものなので、要点を抑えたら作成は難しくありません。
工事の安全を保証し、適切な工事を行うための重要な書類なので、作成義務がある工事や掲示方法、記入方法を知ってしっかり作成できるようにしておきましょう。

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