最近では、見積書や請求書など様々な書類がクラウドシステムから作成できる「クラウド見積システム」が数多く販売されています。
従来ならパソコンにインストールして利用する「インストール型」の見積ソフトが主流でしたが、多くの企業がクラウド型への乗り換えを始めたようです。
クラウド見積システムは誰でも使える汎用的なものから、特定業種に特化した専門的なものまで様々です。お客様先への訪問時に使えるシンプルな概算見積書を作るシステム、多段階層を用いた複雑な見積書を作るシステムなど、自社のニーズに合わせてシステムを選ぶのは骨の折れる作業かもしれません。
本記事では、見積システムにおける「クラウド型」と「インストール型」の違い・利点を紹介しながら、様々な見積システムを紹介します。
機能や特徴、料金プラン、無料トライアル版の有無などの情報を参考に、ぜひ最適なシステムを見つけてください。
目次
「クラウド型」見積システムと「インストール型」見積システムの違いは?
クラウド型とインストール型、どのような違いがあるのでしょうか?まずはそれぞれの違いを見ていきましょう。
クラウド型見積システムの特徴
- 簡易見積に適している
- パソコンやスマートフォン、タブレットなどどんなデバイスでも利用できる
- パソコンが壊れても、新しいパソコンを用意すればデータを引き継いで見積書の続きが作成できる
- データの紛失を心配する必要が無い
- 同僚や上司との情報共有が簡単
- 月額費用が発生する
外出先や複数拠点で気軽に情報共有できる
クラウドシステム最大の特徴は、インターネットを経由して情報を閲覧・入力するという点です。ネットが繋がる環境であれば時間や場所に囚われずいつでもどこでも利用できます。
データ自体は外部のサーバー管理会社に守られた外部サーバーに保存されているので、万が一パソコンが故障したり事務所が被災してもデータが損失するリスクは回避できます。
ただし、外部サーバーの保守等の理由から毎月の利用料を支払う必要がある事には注意が必要です。
インストール型見積システムの特徴
- 処理速度が速い(※パソコンのスペックに依存する)
- データ量の多い見積でも処理速度が落ちにくい
- システムのカスタマイズをしやすい
- CADシステムなど、連携できる外部システムが豊富なケースがある
- 月額費用が発生しない(買い切り)
ネット環境に影響を受けることなく利用できる
パソコンにインストールすることで利用できるインストール型は、クラウド型のような情報共有はできません。
ただしインターネットなど回線の影響を受けないので、パソコンのスペックを満たしていれば膨大なデータ量であっても常に快適な動作環境で利用できます。
インターネット環境から切断すれば外部攻撃のリスクから身を守れる可能性も上がるので、セキュリティ保護が必要な重要情報を管理する場合に適しています。
逆にネット環境に接続されていれば、様々なリスク(マルウェアや標的型攻撃メールなど)に晒されるのはクラウド型もインストール型も同じです。「データを自社管理できるんだからインストール型のほうが安全」と妄信するのは大変危険です。
インストール型利用者がクラウド型への乗り換えを検討する理由とは?
クラウド型・インストール型にはそれぞれのメリットがあります。ところが多くの企業は最近「クラウド型」への乗り換えを始めています。
乗り換えを始める企業の多くは、以下のような課題を抱えているようです。
- 担当者によってフォーマット(見積書の書式)や単価が違うので統一したい
- 見積書の内容を同僚や上司とスムーズに共有したい
- 見積書の作成に時間がかかるので、効率化して時間を短縮したい
- 外出先から戻ってから見積書の作成するために長時間労働になりがち。労働環境を改善したい
いずれも、インストール型では非効率になりがちな「共有」「時短」「属人化解消」の改善がクラウド型への乗り換えを検討するきっかけになるようです。
インストール型の非効率を解消するクラウド見積システム
クラウド型の見積システムが、どのように非効率を解消するのでしょうか?ここでは「業務管理システム アイピア」の見積機能を例に改善ノウハウを紹介します。
Excelからの乗り換えもスムーズな見積明細の入力
アイピアの明細入力はエンターキーで次の項目に移動します。マウス不要の入力手順でExcelなような使用感を実現し、クラウドシステムに不慣れな方でもすぐ利用を始められます。
入力スピードを劇的に向上させる一括編集
作成した明細を、すべて編集可能な「一括編集」状態に切り替えることができます。
これによって手間がかかりがちな明細編集が行ごとではなく明細全体で行えるようになり、見積書作成~完了の時間を大幅に短縮することが可能です。
価格単価表やパッケージプランなどの見積テンプレートを引き込んで微調整する際にも非常な便利な機能です。
原価からの引込で重複情報を何度も入力させない
取引業者から見積を取ってからお客様への見積書を作成する企業のために、入力した予算をもとに掛け率を設定して見積書を作成できます。
取引先業者からの見積情報を入力して、それをお客様用の見積書に流用できるので重複する内容を何度も入力する手間は発生しません。
見積マスタからの引込
価格単価表やパッケージ見積などをあらかじめ作成しておくことで、任意の見積書に引き込むことができます。
見積書を作成する担当者によって価格や利益率が変わってしまうのを防ぐとともに、新人担当者でもベテランと同じような見積書がすぐ作成できる仕組みです。
過去に作成した見積情報を流用して二度手間を防ぐ
アイピアで作成した見積書の情報は自動的にデータベースとして蓄積されていきます。
過去に作成した見積書はいつでも再利用することができ、当時の案件名や顧客名など様々な要素で検索して引き込むことが可能です。
その他オススメ見積ソフト比較12選
見積機能のみでも、様々な業種や場面に特化した様々なシステムが販売されています。
特徴・価格・環境(インストール型・クラウド型)・体験版の有無の項目で比較しながら紹介します。
見積 RICH(クラウド)
【特徴】
・どこからでも入力可能
・見積書の申告・承認機能あり
・商品、顧客マスタを活用した効率化が可能
【価格】
・初期費用:0円
・月額費用:5,000円~/5ユーザー
【体験版】
・あり(2か月)
MFクラウド請求書(クラウド)
【特徴】
・見積ステータスで簡単管理
・送付履歴の管理ができる
・郵送代行サービスあり
【価格】
・初期費用:要問合せ
・月額費用:2,980円~
【体験版】
・あり
Misoca(クラウド)
【特徴】
・簡易見積機能でスピーディでカンタンに見積作成ができる
・請求書発行代行サービスあり
・電話サポート対応あり
【価格】
・初期費用:要問合せ
・月額費用:3,000円~
【体験版】
・あり
ツカエル見積・請求書オンライン(クラウド)
【特徴】
・シンプルな画面構成で簡単・直感的な操作が行える
・求めやすい低価格でクラウド見積のお試しには最適
【価格】
・初期費用:要問合せ
・月額費用:500円~
【体験版】
・あり
board(クラウド)
【特徴】
・見積書以降のバックオフィス業務(発注や納品、請求など)もまとめて管理できる
・有料ユーザーの利用継続率99%(2018年時点)
・書類や進捗状況を案件単位で管理、対応漏れを防ぐ通知機能
【価格】
・初期費用:要問合せ
・月額費用:3,980円~/15ユーザー
【体験版】
・あり
みつもり主任(インストール/一部機能のみクラウド)
【特徴】
・「基本機能はインストール型、データ共有機能のみクラウドを活用」という稀な形式
・WEBカタログと連携して入力効率を上げる
・外部ツールとの連携(CAD、他社見積ソフト等)
【料金】
・初期、月額ともに要問合せ
【体験版】
・100回起動するまで期間無制限で試せる「100回起動トライアル」
建築見積ソフト みつもりLight(インストール)
【特徴】
・Excelのように簡単に使える操作性
・多種多様な帳票を自動的に構築し出力できる
・印刷フォームや操作画面を自由にカスタマイズできる
【価格】
・132,000円/1ユーザー
【体験版】
・100回起動するまで期間無制限で試せる「100回起動トライアル」(一部機能制限あり)
建築みつも郎(インストール)
【特徴】
・最大6階層の詳細見積を作成できるので、あらゆる規模に対応できる
・多くの建築・リフォーム業、工務店が導入している実績がある
・Excelの表な表構造デザイン
【価格】
・80,000円
【体験版】
・あり
やよいの見積・納品・請求書20
【特徴】
・帳票のカスタマイズ(テキストサイズ・フォント等)ができる
・「やよい会計」「やよい販売」で実績ある弥生株式会社のシステム
・「安心保守サポート」のプランを利用して導入すれば最大15か月無償
【価格】
・「セルフプラン」付:5,400円
・「ベーシックプラン」付:5,400円
・「トータルプラン」付:14,040円
【体験版】
・あり
見積管助(インストール)
【特徴】
・入札時に公表される「金抜き設計書」の取込みが可能
・一通りの積算を終えた以降に金額変更があった場合も、金額調整機能ですぐ対応できる
【価格】
・要問合せ
【体験版】
・あり(詳細は要問合せ)