次々と新しいサービスや物が生み出される昨今、いいものさえ作れば売れる時代は終息を迎えました。
より継続的な売上の確保を重視したことを背景に、既存顧客との関係構築やより良い顧客体験の提供など “リピーター客”の増加に注力した、いわば顧客志向の時代が押し寄せてきています。
しかしその一方で、自社にとっての顧客満足度の定義が明確で、本当の満足度向上に向けた施策が取り組めている企業は意外と少ないことは事実です。
「うちは顧客満足度がとても高いのに、売上があがらないのは何故だろうか・・・?」とお悩みの企業様。
実は顧客満足度の本質はもっと深いところにあります。
今回はそんな企業様のために、顧客満足度にフォーカスを当ててお話をしていきます。
目次
顧客満足度の本質とは?その意味と目的
顧客満足度とは、製品やサービスのパフォーマンスに対して顧客が期待する水準を満たし、どれだけ満足しているかを示す概念を客観的に評価できる指標として可視化されたものをいいます。
カスタマーサティスファクション(CS)とも呼ばれます。
その多くは心理的なものが多いため企業は消費者によるアンケートを実施し、結果を元にデータ処理・分析を行って顧客満足度を算出するのが一般的です。
顧客満足度が高ければ、それがおのずと口コミ反響やリピートに繋がりますが、逆に顧客満足度が低ければ、リピートにも繋がらず口コミも生まれないため、新規顧客開拓を繰り返すしかありません。
つまり、顧客満足を高めることは企業にとって非常に重要であり、一つの生命線といえるのです。
顧客満足度を向上させるための具体的手法とは
では、どうやれば、顧客満足を高めていくことができるのでしょうか。
調査を行う対象を見定める【準備】
ビジネスでは「パレートの法則」とゆう、全体利益の8割は、2割の優良な顧客によって創出されているという話があります。
そのようなロイヤリティの高い顧客こそ「自社にとって必要な意見が聞ける」ということからそうした顧客を調査対象にすることが多いのではないでしょうか?
しかしそもそもロイヤリティの高い顧客というのは、結局その企業や商品に対して魅力を感じている人達の為、いわばどちらかとゆうと企業寄りの視点の意見が出てくることが想定されます。
それから得られた調査は、ロイヤリティの高い顧客をメインとした満足度を向上させるに過ぎないとゆう結果を招きます。
本当の顧客の事前期待値の真意を図るには、ロイヤリティの高い顧客はもちろんそうでない顧客まで大幅に範囲を広げることが大切です。
インターネットからニーズを探る【調査】
事前期待値を効果的に知るためにはインターネットを活用することも非常に有効な手法です。
興味を抱いているワードやサービスを調査することで、直接的に顧客の求めているニーズを図ることができます。
自社のターゲットとなる顧客層がどういったページにアクセスし長時間にわたり滞在しているか、また逆にどういった内容で離れていくのか等、まんべんなく把握することで、
より事前期待値を理解することができるようになります。
インターネット集客に関する記事はこちら
プラスアルファのサービスを提供する【実践】
顧客を感動させること、これをカスタマーディライトと呼び、通常CDと呼ばれます。
素晴らしい顧客対応を目指す企業ではおなじみの考え方で、有名なところでゆうとザリッツカールトンホテルやディズニーランドなどが分かりやすいでしょう。
料金や立地、設備やサービスが同等の商品、サービスがあれば、顧客のリピート意向がおのずと感動度の高い方に行くのは当然の結果です。
アフターサービスを考える【サポート】
顧客満足を継続するにはアフターサービスを徹底させることが必要不可欠です。
カスタマーサービスカウンターや電話窓口が主にあげられますが、顧客が製品に対して疑問を感じた時、また何か不満を感じた時に待たされることなく、満足のいくフォローが行われることは、お客様にとっても心地よく、より持続的な顧客満足につながります。
製品知識が曖昧であったり、たらい回しにすることは決してないようにしましょう。
自社の存在を潜在記憶に留める【アフターフォロー】
また使いたいと思ってもらう、それには大前提として顧客の潜在的な記憶に留めることも必要です。
いいも悪いもなく存在を忘れられては、そもそも競合とのスタート位置にさえ立てないことになります。
潜在的な記憶に留めておくには一番に顧客との直接的な接触が効果的です。
具体的な手段として、電話、訪問、Eメールの送付などが考えられます。
- 個人的なイベント(誕生日など)
- 購買サイクル(買替え時期、在庫がなくなる直前など)
- 商品サイクル(購入後数日、数か月、保証期間のタイミングなど)
- 変化(季節の変化、新アイテムの導入など)
- 顧客の変化(住所変更、購買頻度の変化など)
(資料:岩崎邦彦「スモールビジネスマーケティング:小規模を強みに変えるマーケティングプログラム」)
他にも、ダイレクトメールなどの定期的接触や、ポイントカード、次回購入予約サービスなどの囲い込みなど、さまざまです。
ただここで注意すべきは、ただやみくもに接触を図るだけでは効果激減に繋がりかねません。
顧客が要求する以上の行動を行う際は、まず予め顧客の心情を丁寧に読み取り、どんな行動をとるかを慎重に吟味することが大切でしょう。
顧客満足度を向上させるためには、決して自己中心的でも利己的でもあってはなりません。
顧客満足度を考えるときに陥りがちな勘違い
この章では、顧客満足度向上の施策を行う際、陥りがちな勘違いをご紹介します。
顧客満足度の「目的」は合っているか?
冒頭で出た、顧客満足度が高くても売上に繋がらないと感じる理由として、その「目的」に原因がある場合が考えられます。
例えば顧客満足度アンケートを実施したとき、多くの企業が陥る落とし穴があります。
それは、「満足」以外のアンケート結果に対して「不満がない」状態にすることを目的とし、満足度の「平均値」を上げることを目指してしまうこと。
残念ながら、「不満がない」状態であることが、顧客満足が高い状態とは限らないのです。
アンケートに関する記事はこちら
不満がないだけではリピーターには繋がらない
繰り返しますが、顧客満足とは製品やサービスに対して顧客が期待する水準を満たし、どれだけ満足しているかを示す概念をいいます。
さらに細かく定義するならば、『サービスに対して持つ事前期待値を、サービスを受けた後の実績評価が上回ったとき得られるもの』といえます。
事前期待の量に対して実績評価が上回ることのない、取るに足らない普通のものに対して人は紹介したいと思うでしょうか?また、心から惹かれるということもないでしょう。
つまり、口コミやリピートをしたいという気持ちは「普通」や「期待通り」では生まれないのです。
要するに、顧客満足を得るためには、お客様の予想以上の期待を超えることが前提であるといえます。
顧客満足=お客様にただ喜んでもらうことではない
先述したとおり、顧客が事前に期待する期待値と実績評価の相対値に応じて顧客満足度は決定します。
事前期待を考慮せず、「いかにお客様に喜んでもらうか」のみに焦点を当てている場合には、実績評価を大きくすることしか考えられていないのです。
顧客が何を求めているのかというニーズを知り、理解することで、はじめて必要としているものを提供することができます。
そのためには顧客を管理し、顧客の声に耳を傾けることが大切です。
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まとめ
顧客満足度というのは、顧客の本当に「欲しいもの」や、「期待以上のサービス」を実現していくものです。
顧客が何を望み、何に喜び、何を求めているのかがわからなければ、継続的に顧客満足度を向上させることはできません。
顧客満足を得るためには、いかに顧客に喜んでもらうかではなく、まず第一歩として顧客の事前期待値を知ることが重要です。
じっくりと吟味された情報をもとに、顧客の事前期待値に対してそれ以上の実績を積み顧客に何度も満足体験を繰り返させることで、企業や商品に対するリピーター客を増やすことが可能となります。
顧客満足の本質を知り、リピーターを増やすことでさらなる利益をGETしていきましょう!
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