円滑な情報共有は生産性の向上に非常重要です。
日々の業務はグループメンバーや他部署といった複数の社員が協力し合い、連携して進めていくものです。
スムーズな連携を行い効率よく進めるためには、情報共有は避けては通れないものと言っていいでしょう。
しかし人数が増えれば増えるほど情報共有の重要性が増していく一方、難しくなっていくことも事実です。
今回は情報共有の重要性の再確認と、うまくいかない原因と対策について解説していきます。
情報共有の目的と重要性
企業はあくまで営利団体であり、利益を生むために、業務で培った情報や知識・ノウハウを活用する必要があります。
そのため情報共有を行うことにより得られる「個人やチームの生産性の向上」が一番の目的であるといえます。
情報共有によって生産性を高められる理由として、以下の三点が挙げられます。
①的確に分類された情報の蓄積
企業のもつ情報は大別して定量的情報と定性的情報の2種のタイプがあり、これらを的確に分類し、データとして蓄積していることが重要となります。
定量的情報
定量的情報とは数値化できる情報のことで、売上や経常利益などの経理情報をはじめ顧客名簿、
決算データ、組織、企業情報などが挙げられます。
情報は常に最新であり正確性・信頼性が求められますが、
蓄積された情報をすぐに取り出せる状態にすることは、強靭な社内検索エンジンを作ることに相当します。
定性的情報
対して定性的情報とは、経験やノウハウなど個人の主観などがベースとなった決められた形のない情報のことを言います。
こちらは②の「ナレッジの共有」にて説明します。
この2つの情報をバランスよく蓄積することで、より情報の質を高め、業務のスピード感を促進することが実現できるでしょう。
②個々のナレッジの共有
ナレッジ(knowledge)
1 知識・情報。
2 企業などの組織にとって有益な知識・経験・事例・ノウハウなど付加価値のある情報。
ナレッジとはつまり、「個人が持つ業務に関する有益な知識」を意味します。
長く業務に従事したことで得られた経験や専門的知識・ノウハウがこれに当たります。
このナレッジをただ蓄積するだけではなく広く共有することにより、例えばベテラン社員のノウハウを、新人社員にも一定レベルの質として担保することが出来るのです。
③業務の無駄をなくし時間を有効活用
組織の生産性を上げるには、無駄を省くことが大切です。
適切な情報管理ができていないと「上手く相手に伝わっていなかった」「情報不足で余計な手間がかかった」などといった問題が発生します。
情報共有が十分に行えている組織では、伝達ミス、再確認などの無駄な時間が省略でき、時間を有効に活用することが出来ます。
その分、本来の業務に集中することで効率的な仕事が出来るようになります。
そもそも、蓄積・共有・活用の3つの行為が情報共有の意味するものです。
情報共有の実践においては、これらのキーワードが非常に重要となります。
情報共有が失敗する原因の多くが、これら3つのどれかが欠けていることにあります。
適切な情報共有のためには「蓄積・共有・活用」の意識をしっかりと浸透させることが大切です。
不十分な情報共有によるリスク
情報共有が不十分になることで、以下のようなリスクが起こりうります。
業務生産性の低下
前述のとおり、企業の一番の目的は利益をあげることです。
しかし情報共有が不足することで、十分な情報が全社員に回らなくなり、正確でスピーディな連携がとれなくなります。
その為、全体的な企業の生産性の低下につながります。
情報の属人化
「情報の属人化」とはいわゆる、担当者のみが情報を知っている状態です。
情報は企業にとって「財産」であるといえますが、情報を知っている人間が1人だった場合、その人が退職してしまえば大きな「財産」を失うことになります。
また、この状態に陥る理由の多くとして、「自分の持っている情報の価値を理解していない」ことが挙げられます。
なぜ情報を開示する必要があるのか?どういった価値があるのか?といった目的意識を社員にもたせ、組織内で積極的なギブ&テイクを行えるようにしなくてはいけません。
属人化に関する記事はこちら
人間関係の破綻
情報共有が不十分になると「必要な情報を開示してくれない」「何も教えてもらっていない」と感じ、メンバーや企業に対して不信感を抱くようになります。
それが重なると社内コミュニケーションの過疎化にも繋がり、メンバー間の連携に停滞を招きます。
情報共有の目的は仕事をスムーズに進めるための素地を作るという点もありますが、同時に情報をオープンにすることで、メンバーとの信頼関係を構築するという目的もあることを忘れてはいけません。
うまくいかない原因と対策
ここで、情報共有がうまくいかない根本の原因と、その対策について考えてみました。
情報共有の目的を理解していない
情報共有を怠ることで起こるリスクや価値を1人1人が理解していなければ、そもそも情報共有をする必要性を見出すことは出来ません。
情報共有の重要性を日頃から意識し、徹底して実践する、といったことを気をつけておくと良いでしょう。
情報共有に具体的なルールがない
情報共有の方法がわからない、どこまで誰に伝えればいいかわからない、といった状態であれば、情報共有が面倒な、敷居の高いものになってしまいがちです。
そのために、明確な共有ルールを作っておくことをお勧めします。
その1つの手法として、5W2Hが網羅されているリストを作ってみましょう。
Why(なぜ) | 作業の目的 |
---|---|
What(何を) | 内容(概要) |
When(いつ) | 展開(実施)期間 |
Who(誰) | 対象者(ターゲット) |
Where(どこで) | 展開(作業)場所 |
How(どのように) | 方法・手段 |
How much(いくら) | 予算・費用 |
リスト項目をテンプレート化することで人による情報量の違いを防ぎ、
さらに情報を上書きして蓄積していくことで、より質のよい情報リストが完成します。
【つもり】で進める
相手に伝えた【つもり】、理解した【つもり】で双方に正しく伝わってないケースです。
言った・言わない問題が起こり、メンバー間の信頼低下につながる恐れもあります。
その根底の原因として、
- 共有の場・方法が一貫していない
- 伝える側・共有される側が内容を理解していない
- 普段の関係性が希薄で質問や聞き返しができず、理解したつもりで進める
情報共有はこまめが好ましいですが、タイミングや手段を個人の判断に委ねず、一貫したやり方を予め決めておくこともいいでしょう。
また、関係性が希薄であると感じるならば、社内のコミュニケーションの在り方を見直してみてはいかがでしょうか。
部門や業務の目的ごとに異なるツールを使っている
システム化が進み、多くのソリューションツールが出回る中、部門や業務の目的ごとに異なるツールを使って情報共有を行おうとすると、逆に業務が滞る可能性があります。
様々なツールを駆使すれば確かに情報は共有できます。
しかし情報の多重入力や報告は多くの手間と時間が必要になる上、情報の正確性も落ちるでしょう。
部門や業務ごとにツールを入れてしまうことで、それぞれの場面でうまく情報共有が行えず、様々な課題が出てきてしまうのです。
ツール導入の際は他部門を横断した形で情報を利用できるようなインフラを整備する必要があり、情報共有を阻害してしまう要因をしっかり潰しておく必要があるでしょう。
情報共有に使えるツール
まとめて一元管理できるおすすめツールを紹介します。
サービス名 | |||
---|---|---|---|
建築業向け管理システム アイピア | jooto | Kintone | |
機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理・・・その他 | カンバンボード機能、ガントチャート機能、タスク管理機能・・・その他 | アプリ(データの入力・編集やレポート等、プロセス管理、アクセス権)・・・その他 |
初期導入費用 | 要お問合せ | 無料 | 無料 |
保守/更新 費用 | 要お問合せ | 0円~ | 1,100円(税抜)/月~ |
無料版 体験版 | あり | あり | あり |
【提供形態】 対応OS | 【クラウド型】 Windows/ios/mac | 【クラウド型】 Windows/Mac /iOS/Android ※推奨ブラウザ:Chrome,Firefox,Edge,Safari | 【クラウド型】 Windows /mac/iOS /Android |
サポート 体制 | 電話対応、メール対応、リモートサポート | フォーム | 電話対応、メール対応、セミナー/説明会/講習、チャットサポート、支援パートナー |
運営会社 | 株式会社アイピア | 株式会社 PR TIMES | サイボウズ株式会社 |
【クラウド型】jooto
『Jooto』はカンバン方式のタスク・プロジェクト管理ツールです。
有料導入社数は約2,400社、利用ユーザー数は40万人以上にのぼります。
Jootoはガントチャートに加え、タスク管理や予実管理等が行えます。
チーム単位から大規模な組織まで目的に合わせたプランがあるので、どんな企業でも使用しやすいでしょう。
直感的に使えるレイアウトであることから、誰でも使いやすいシステムになっています。
システムの特徴・利点
- 誰でも 簡単に作成 できる
- グループ&プロジェクトで情報を管理できる
- 4つのユーザーモードで社外との連携ができる
機能 | カンバンボード機能、ガントチャート機能、タスク管理機能、予実管理機能、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 無料 |
保守・更新費用 | 無料プラン 0円(税抜)/月 スタンダードプラン 417円(税抜)/月 ビジネスプラン 980円(税抜)/月 タスクDXプラン 要お問合せ ※年間契約の場合の料金 |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Winodws ・Mac ・Android ・iOS ※推奨ブラウザ:Google Chrome、Firefox、Microsoft Edge、Safari |
サポート体制 | フォーム |
運営会社 | 株式会社 PR TIMES |
【クラウド型】Kintone
『Kintone』は、業務アプリがつくれるサイボウズのノーコード・ローコードツールです。
導入実績は30,000社を超えています。
プログラミングの知識なしで、ノーコードで業務のシステム化や効率化を実現するアプリの作成が可能です。
散在するエクセルや紙の書類、煩雑なメール、業務を非効率にしている困りごとを解決できます。
システムの特徴・利点
- クラウド型のツールなので、場所や時間を選ばずに利用できる
- 過去の経緯や進捗を一元管理
- 条件別のデータをグラフで出力し、営業状況を可視化
機能 | アプリ(データの入力・編集やレポート等、プロセス管理、アクセス権)、コミュニケーション、プラグイン・連携、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 無料 |
保守・更新費用 | ライトコース 1ユーザー 1,100円(税抜)/月 スタンダートコース 1ユーザー 1,800円(税抜)/月 ワイドコース 1ユーザー 3,000円(税抜)/月 |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows ・Mac ・iOS ・Android |
サポート体制 | 電話対応 メール対応 セミナー/説明会/講習 チャットサポート 支援パートナー |
運営会社 | サイボウズ株式会社 |
【クラウド型】建築業向け管理システム アイピア
『建築業向け管理システムアイピア』は、建築業に特化した業務管理システムです。
累計導入実績は350社で、継続率は98%です。
見積作成はもちろん、顧客管理や入金管理、原価管理等様々な業務を一括で管理できます。
見積りを基に原価計算から発注までを処理できるため、業務時間が短縮され、入力ミスや発注漏れなどを減らすことができるでしょう。
また、使いやすい操作性のため、ITに慣れていない人でもスムーズに利用できます。
クラウド型でインターネットの環境があればどこでも使用できますので、パソコンが新しいバージョンに変わっても問題なく利用できます。外出先や支店など、どこにいても情報を確認できます。
システムの特徴・利点
- 必要な機能をすべて搭載しているため、コストを大幅カット
- 必要ない機能を非表示にできるため、操作が簡単
- スマートフォンやタブレットと連動できるため、リアルタイムに情報を閲覧・編集
機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理、書類・写真管理、顧客管理、営業進捗管理、請求管理、入金管理、帳票作成、現場日報管理、物件管理、労務管理、在庫管理、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 要問合せ |
保守・更新費用 | 要問合せ |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows ・ios ・Mac |
サポート体制 | 電話対応 メール対応 リモートサポート |
運営会社 | 株式会社アイピア |
情報共有の今後
また、情報共有のメリットは目の前の生産性向上、だけではありません。
IT化と働き方改革が進む今、情報共有とその活用は企業発展のカギを握るといっても過言ではないでしょう。
情報共有を円滑に行うことで、今後は以下のような展望が実現可能になります。
- 情報の常時開示により、テレワークなど多様性のある働き方が実現可能
- AIやRPA導入時、蓄積されたデータの有効活用による省力化
様々な働き方や雇用の形を実現するダイバーシティの考え方が尊重されつつある昨今。より高い付加価値業務に注力するためにも、
十分な情報共有を行っておくことは、将来的な企業発展にきっと役立つことでしょう。
まとめ
「蓄積・共有・活用」という情報共有を意味するポイントを理解していないと、言葉だけのものとなり、価値は低下する一方です。
日頃から情報を共有する目的を意識しそれらの情報を蓄積・共有・活用していくことで、
生産性は向上され、企業の利益につなげていくことが実現可能となります。
情報の共有は今や「やった方がいい」ではなく、「必ず行うべき責務」であると言えます。
情報の共有を行うことが、企業をさらに発展・成長させるための有効なカギとなるでしょう。
今一度情報共有の重要性をしっかりと理解し、実践してみてはいかがでしょうか?
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