内装関係の分野で活躍したいと考えている人は、内装仕上げ施工技能士の資格を取得してみてはいかがでしょうか。
内装仕上げ施工技能士は、内装仕上げのスペシャリストです。
プラスチック系床仕上げやボード仕上げなど、さまざまな区分や等級があり、受検の際には実務経験年数が問われます。
本記事では、内装仕上げ施工技能士の資格内容や将来性、試験の概要、スケジュールなどをご紹介します。
内装仕上げ施工技能士とは
内装仕上げ施工技能士は、壁や床の仕上げ工事、カーテンやブラインドの工事など、内装工事を安全に取り行うために欠かせない技能を認定する国家資格です。
この内装仕上げ施工技能士には、1級~3級までの等級があります。
- 1級:上級技能者が通常有すべき技能の程度
- 2級:中級技能者が通常有すべき技能の程度
- 3級:初級技能者が通常有すべき技能の程度
等級によって管轄が異なっており、1級は厚生労働大臣、2級と3級は各都道府県知事より合格証書が交付されます。
内装仕上げ施工技能士の区分
内装仕上げ施工技能士は、各等級によって以下のような区分があります。
1級と2級の区分
- プラスチック系床仕上げ工事作業
- カーペット系床仕上げ工事作業
- 木質系床仕上げ工事作業
- 鋼製下地工事作業
- ボード仕上げ工事作業
- カーテン事作業
3級の区分
- プラスチック系床仕上げ工事作業
- カーペット系床仕上げ工事作業
- 鋼製下地工事作業
- ボード仕上げ工事作業
- カーテン工事作業
内装仕上げ施工技能士の活躍場所
試験に合格すると、技能士と名乗ることができ、さまざまな場所で活躍できるようになります。
内装仕上げ施工技能士が活躍できる場所は、
- 内装専門会社
- リフォームやリノベーション会社
- 工務店
- ゼネコン
- 不動産管理会社
などたくさんあります。
また、1級や2級の資格を取得しておけば、内装仕上工事業の一般建設業の現場で、専任技術者としても活躍できます。
なお、2級に関しては、合格後1年以上の実務経験が必要です。
内装工事に関する記事はこちら
内装仕上げ施工技能士の試験概要
内装仕上げ施工技能士の試験は、都道府県職業能力開発協会が実施しています。
受検資格、試験形式、受検手数料などの概要は、以下の通りです。
等級と必要実務経験年数
内装仕上げ施工技能士の試験には、受検資格が設けられており、実務経験年数が問われます。
必要な実務経験年数は、受検する等級によって異なります。
また、学歴や取得済みの資格の等級などによっても、実務経験年数が異なりますので、よく確認しましょう。
各等級の実務経験年数は以下の通りです。
1級
1級の実務経験年数は、7年以上です。
ただし、2級合格後は2年、3級合格後は4年となります。
- 応用課程または特定応用課程の高度職業訓練修了者
- 指導員養成課程の指導員養成訓練修了者
- 職業訓練指導員免許取得者
は、実務経験年数が1年となっています。
高度養成課程の指導員養成訓練修了者は、実務経験年数が問われません。
受験対象者 | 実務経験年数 | |||
---|---|---|---|---|
通常 | 2級合格後 | 3級合格後 | ||
実務経験のみ | 7年 | 2年 | 4年 | |
専門高校卒業 | 6年 | 2年 | 4年 | |
短大(工学部等)・高専卒業 | 5年 | 2年 | 4年 | |
大学(工学部等)卒業 | 4年 | 2年 | 4年 | |
専修学校又は 各種学校卒業 | 800時間以上 | 6年 | 2年 | 4年 |
3,200時間以上 | 6年 | 2年 | 4年 | |
短期課程の普通職業訓練修了 | 700時間以上 | 4年 | 2年 | 4年 |
普通課程の普通 職業訓練修了 | 2,800時間未満 | 6年 | 2年 | 4年 |
2,800時間以上 | 4年 | 2年 | 4年 | |
専門課程の高度職業訓練修了 | 3年 | 1年 | 2年 | |
応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 1年 | 1年 | |
長期課程の指導員訓練修了 | 1年 | 1年 | 1年 | |
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | 1年 | 1年 |
2級
2級の実務経験年数は、2年以上です。
ただし、3級合格後であれば実務経験は問われません。
受験対象者 | 実務経験年数 | ||
---|---|---|---|
通常 | 3級合格後 | ||
実務経験のみ | 2年 | 0年 | |
専門高校卒業 | 0年 | 0年 | |
短大(工学部等)・高専卒業 | 0年 | 0年 | |
大学(工学部等)卒業 | 0年 | 0年 | |
専修学校又は 各種学校卒業 | 800時間以上 | 0年 | 0年 |
3,200時間以上 | 0年 | 0年 | |
短期課程の普通職業訓練修了 | 700時間以上 | 0年 | 0年 |
普通課程の普通 職業訓練修了 | 2,800時間未満 | 0年 | 0年 |
2,800時間以上 | 0年 | 0年 | |
専門課程の高度職業訓練修了 | 0年 | 0年 | |
応用課程の高度職業訓練修了 | 0年 | 0年 | |
長期課程の指導員訓練修了 | 0年 | 0年 | |
職業訓練指導員免許取得 | 0年 | 0年 |
3級
3級は実務経験不問です。
以前は6ヶ月以上の実務経験が必要でしたが、平成25年4月以降からは、6ヶ月未満であっても受検可能となりました。
受験対象者 | 3級 | |
---|---|---|
実務経験のみ | 0.5年 | |
専門高校卒業 | 0年 | |
短大(工学部等)・高専卒業 | 0年 | |
大学(工学部等)卒業 | 0年 | |
専修学校又は各種学校卒業 | 800時間以上 | 0年 |
3,200時間以上 | 0年 | |
短期課程の普通職業訓練修了 | 700時間以上 | 0年 |
普通課程の普通 職業訓練修了 | 2,800時間未満 | 0年 |
2,800時間以上 | 0年 | |
専門課程の高度職業訓練修了 | 0年 | |
応用課程の高度職業訓練修了 | 0年 | |
長期課程の指導員訓練修了 | 0年 | |
職業訓練指導員免許取得 | 0年 |
試験形式
内装仕上げ施工技能士の試験には、実技試験と学科試験があります。
両方の試験に合格することで、資格が交付されます。
実技試験は、製作等作業試験、判断等試験、計画立案等作業試験などです。
職種によって、実技試験の内容が異なります。
学科試験の形式は、真偽式と多肢択一式です。
それぞれが25問ずつとなっており、合計で50問が出題されます。
3級は真偽式のみとなっており、30問が出題されます。
試験合格の基準は、100点を満点として、原則として実技試験が60点以上、学科試験が65点以上です。
試験の出題範囲は、厚生労働省や各試験期間の公式ホームページ上で公開されていますので、受検前に目を通しておいたほうが良いでしょう。
受検手数料
内装仕上げ施工技能士の試験を受ける際には、受検手数料が必要です。
実技試験と学科試験がありますので、それぞれの手数料を期限までに納めなくてはなりません。
なお、実技試験や学科試験の受検手数料は、各都道府県によって異なる場合があります。
都道府県職業能力開発協会のホームページや受検案内などで確認しておきましょう。
標準金額は、以下の通りです。
- 実技試験手数料:18,200円
- 学科試験手数料:3,100円
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内装仕上げ施工技能士の試験日程(2025年)
技能検定は、毎年前期と後期に分けて開催されます。
学科試験と実技試験は、それぞれ別の日に実施されますので、スケジュールをよく確認しておきましょう。
実技試験は例年6月上旬から9月上旬で行われます。
ここでは、例年の試験日程より2025年の推定日程を紹介します。必ず、主催者発表をご確認してください。
年 | 受付開始 | 締切 | 受験初日 | 種別 |
---|---|---|---|---|
2025 | 4月上旬 | 4月中旬 | 7月下旬 | 3級学科 |
4月上旬 | 4月中旬 | 9月上旬 | 1・2級学科 | |
2026 | 4月上旬 | 4月中旬 | 7月下旬 | 3級学科 |
4月上旬 | 4月中旬 | 9月上旬 | 1・2級学科 |
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内装仕上げ施工技能士の将来性
近年は、少子高齢化で空き家が増えている影響もあり、リフォーム工事やリノベーション工事などの需要が高まっています。
そのため、今後は中古物件のリフォーム、賃貸物件の原状回復などの依頼が増えると予想されています。
内装のプロである内装仕上げ施工技能士が求められる現場も、さらに増える可能性が高いでしょう。
また、内装仕上げ施工技能士の資格を取得しておけば、自分のアピールポイントになります。
工務店、ゼネコン、リフォーム会社など、さまざまな企業が有資格者を求めていますので、就職活動や転職活動の際に有利でしょう。
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まとめ
内装仕上げ施工技能士は、1級から3級までの等級があり、1級は厚生労働大臣、2級と3級は各都道府県知事の管轄です。
プラスチック系床仕上げ工事作業、カーペット系床仕上げ工事作業、鋼製下地工事作業、カーテン工事作業などの区分があります。
実技や筆記試験では、それぞれの分野の専門知識や技術が問われます。
また、試験を受験するためには、実務経験年数が問われます。
内装仕上げ施工技能士の資格を持っていれば、自分の技術や知識が証明できるようになります。
就職活動でのアピールポイントにもなりますし、社内でのキャリアアップや年収アップにもつながるかもしれません。
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