配管工事といってもさまざまな配管があります。
一般的には、給水や排水などの水を通す管が真っ先にイメージされるかもしれません。
水や排水だけでなく、ガスや空気を通すなど、さまざまな管があります。
この記事では、配管工事の種類や資格について徹底解説していきます。
目次
配管工事とは
建設業の許可条件では、一般の管工事とは、冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生などの設備を設置する工事をはじめ、金属製などの管を使用して水、油、ガス、水蒸気などを送配するための設備を設置する工事と定義されています。
配管といっても、その管の中を通す物質はさまざまあり、ガスのような危険物もあるので、それぞれの配管の種類に応じて、専門知識を持ち、専門の技術を持つ技術者が工事を行うことが必要です。
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配管工事の種類
配管工事の種類として、ガス配管工事、空調配管工事、衛生配管工事、防災設備配管工事、プラント配管工事などがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ガス配管工事
都市ガスやLPガスを供給するパイプを通す工事です。
調理器具や暖房器具、給湯器などにガス管を通す一般家庭向けの工事をはじめ、マンションの各住戸への配管や工場、飲食店、商業施設、病院や学校など大規模なガス配管施工などもあります。
ガスは、火気に触れて爆発するリスクやガス漏れによる一酸化炭素中毒などのリスクがあります。
そのため、専門知識と高度な技術、高い責任力が必要な工事です。
ガス管から家庭や事業者向けに引き込む工事ではなく、都市ガスの新しい配管をつなぐことや古くなった配管の取り替えを行う工事もあります。
公共工事となり、日中のほか交通量が少ない夜間工事を行うケースも少なくありません。
ガス配管工事職は鉄工士と溶接士に分けられ、それぞれエキスパートを目指すケースも多いです。
鉄工士は、配管の加工・セッティングなど配管を施工する仕事を担い、溶接士は配管をアーク溶接やTIG溶接などでつないでいく仕事です。
空調配管工事
ビルや大型商業施設、病院や役所など、大型施設における空調設備を設置、稼働させるための配管工事のことです。
空調設備は、冷気や暖気などの空気をはじめ、換気ダクトや結露水を排出するドレン排水管などさまざまな配管が設置されています。
セントラル空調では、館内全体に管が張り巡らされ、大きな部屋全体の空調も同様に管が張り巡らされます。
事前の緻密な設計にもとづき、天井や壁の中などに配管を通す工事が施工されるため、技術を要する複雑な工事です。
衛生配管工事
衛生設備はトイレや風呂、キッチンや厨房、洗面などのことです。
衛生設備に水を供給するための配管工事、生活排水や汚水、し尿などを排水して下水道へとつなぐ工事が、衛生配管工事になります。
雨水・汚水排水管工事なども含まれます。
水道や下水など衛生設備に関わるパイプを敷設する工事が衛生配管工事です。
給水工事は各自治体の水道局が指定した指定給水装置工事事業者、排水工事は排水設備指定工事店でないとできないなど、高度な専門性が要求されます。
防災設備配管工事
防災設備と配管は一見すると、つながりがないように思えるかもしれません。
防火扉や防火シャッター、非常階段や火災報知器、消火器などがありますが、それ以外にも消火栓やスプリンクラーなどの防災設備が必要です。
消火栓やスプリンクラーからは、火災を消火するために十分な量の水が速やかに出水しなくてはなりません。
そのための水を通す管のことを、防災設備配管と呼んでいます。
短時間に大量の水を運ぶ必要があるため、水圧に耐えられる管材を用い、確実に出水されるように配管工事を行わなくてはなりません。
一般的な給水配管は約2kg前後の水圧ですが、防災設備に供給される水は約9kg と4倍以上の水圧がかかります。
そのため、一般的な水管に用いられる塩化ビニールではなく、強度の高い鋼を用いるケースが基本です。
防災設備配管工事においては、ビルなどの屋上給水塔から各フロアに配管を伸ばして、防災設備と接続します。
消防設備士などの資格を持つスタッフも在籍し、設計から施工、管理まで手掛ける事業者も多いです。
プラント配管工事
プラント配管工事は、化学工場、食品工場、機械工場、自動車工場、その他のさまざまな種類の工場における配管工事です。
水や汚水をはじめ、ガスや薬品、原材料などさまざまな、液体、気体の物質を送ったり、排出したりします。
水や熱湯、蒸気などの液体、酸素、窒素ガスなどの気体、危険物も含む燃料など、移送する物質の種類に応じた管を用い、漏れなどがないよう適切に配管しなくてはなりません。
工場により、何種類もの物質の供給、排出を行うための配管が必要となるうえ、特殊な物質を移送することも多いので、配管工事の技術だけでなく、物質の性質などに関する専門知識も欠かせません。
プラント配管は移送されるタイミングや量、スピードなども配慮し、圧力計や流量計、配管系統の弁といった各種装置も同時に設置されるため、緻密な設計と複雑な工事が必要です。
プラント配管の設計はかなりの高度な技術と経験が求められ、施工にも高度なノウハウが求められます。
配管工事に必要とされる資格
配管工事に必要とされる資格として、配管技能士、管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者があります。
それぞれどのような資格か見ていきましょう。
配管技能士
配管技能士とは、各都道府県の職業開発能力協会が実施する技能検定において、配管に関する学科試験と実技試験に合格すると得られる国家資格です。
配管工事の種類は、一般住宅に関する建築配管作業、工場のプラント配管作業に分けられ、1級、2級、3級があります。
配管技能士の資格を取得すると、建設業許可における管工事（一般）の業種の専任技術者になることができるため、許可を得たい時に有利です。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、給排水・給湯設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、ガス配管工事、冷暖房設備工事、空調設備工事、ダクト工事といった管工事において、施工計画の作成から工程管理、品質管理、安全管理の施工管理ができる能力を認められた者に与えられる資格です。
1級・2級があり、試験に合格しなくてはなりません。
資格を取得すると、工事現場の監理技術者、主任技術者に専任されるなど、有利に働く資格です。
給水装置工事主任技術者
給水装置工事主任技術者試験に合格し、厚生労働大臣から免状が付与される国家資格です。
各自治体の水道事業者から水道法にもとづく給水装置工事事業者として指定を受けるためには、給水装置工事主任技術者を置かなくてはなりません。
水道工事や漏水工事などを行いたい業者において必須となる資格者です。
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まとめ
配管工事とは、水や排水、ガスや気体、燃料などさまざまな物質を通すための管を敷設する工事の総称です。
配管工事の種類として、ガス配管工事、空調配管工事、衛生配管工事、防災設備配管工事、プラント配管工事などがあります。
それぞれ移送する物質の種類や配管する場所、目的に応じて適切な施工が求められ、工事ごとの専門性や技術が求められます。
給水工事や排水工事など、有資格者の存在と自治体からの指定がないとできない工事も少なくありません。
配管工事に必要とされる資格として、配管技能士、管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者を取得できると有利です。
