建築業では、施主や発注者から出荷証明書が求められることがあります。
出荷証明書とは何なのか、必要とされる目的や書き方、注意点などを見ていきましょう。
出荷証明書とは
出荷証明書とは、工事現場で施工を行うにあたり、設計図通りの資材や原材料などを投入して正確に行ったかを証明するための書類として利用されます。
工事を実施する業者ではなく、工事の施工業者が材料などを仕入れた仕入れ先が、どの製品をいくつ、いくらで出荷したかを証明し、工事代金が適正かの判別材料にすることが可能です。では出荷証明書がなぜ必要なのか確認していきましょう。
出荷証明書の必要性
出荷証明書は工事現場において必要とされる書類として利用されています。
設計通りに施行されているかを確認するためということに加え、適正な工事が行われたかを判断する材料として必要とされています。
たとえば、耐震性を高めるために厚みがある強度の高い壁を使用するはずが、安価で低品質の壁材を用い、利益を上げていないかなどが確かめられます。
断熱性を高めるための断熱材を適切に使用したか、塗装の塗料を発注した通りの品質のものを使ったかなども、出荷証明書を見て確認することが可能です。
塗装を行う場合、耐久性と品質を高めるためには、三度塗りが必要になります。
にもかかわらず、塗料の缶数が少ない場合には、二度塗りしかしていないのではないかと手抜き工事を見抜く判断材料にすることができます。
建築工事はいざ完成してしまうと、見た目だけでは、適切な工事が行われているか判別しにくいです。
かといって、すべての作業工程を依頼主が監視しているわけにもいきません。
そこで、メーカーに出荷証明書を発行してもらい、材料が適切に出荷されたことを確認することで、それが適切に使われた工事だと推認することができます。
このように出荷証明書は、工事現場および建設業界などの様々な事業において、品質確認や手抜き工事を見抜く判断材料、安全性というものを具体的に示すために必要な書類と言えます。
塗装工事に関する記事はこちら
出荷証明書の書き方(テンプレートあり)
出荷証明書は建築業者が書くのではなく、建築業者が材料などを仕入れた仕入先が書くものです。
つまり、出荷証明書の作成者は、卸売業者や小売店、直接メーカーから仕入れている場合はメーカーとなります。
仕入先は、必要な項目を記載するとともに、「記載通り、出荷したことを証明いたします。」といった文言を入れるのが一般的です。
基本の記載項目
基本の記載項目は、出荷証明書の発行や提出を求める依頼主や発注者によっても異なります。
一般的には、以下の項目が記載されます。
- 作成日
- 宛先
- 出荷日
- 仕入先名(証明者名)
- 工事件名
- 施工業社名
- 品名
- 品番
- 数量
特に、品名、品番、数量は重要なので、正確な内容を漏れなく記載することが求められます。
作成方法
出荷証明書は、求められる都度書式を変えるのではなく、発行が求められることを前提に、テンプレートを用意しておくのが基本です。
先の基本項目が記載できるワードやエクセルのテンプレートを作成しておき、その工事ごとに必要な項目を埋めていきます。
なお、テンプレートはメーカーなどの仕入先が用意するのが一般的です。
ただ、大手の建築業者など、大量の工事を扱い、大量の出荷証明書を求める業者の場合には、統一性を図るために、自社でテンプレートを用意し、仕入先にそのテンプレートを提供して書いてもらうこともあります。
また、公共工事の場合は、発注する国や自治体などによって、指定の出荷証明書や求められる項目が異なります。
そのため、あらかじめ自治体などに確認することが必要です。
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出荷証明書 エクセルテンプレート
こちらは弊社が作成したエクセル形式の出荷証明書テンプレートです。
無料で利用できますので、出荷証明書を作成する際にぜひご活用ください。
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出荷証明書 ワードテンプレート
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弊社テンプレート ご利用上の注意
弊社サイト内における無料のエクセルテンプレートは個人でのご利用と改変は可能です。
但し、著作権は放棄していないため、以下のご利用はご遠慮ください。
①オリジナルのテンプレートとして他社サイトに掲載することはできません。
②他社サイトにダウンロードリンクを掲載することはできません。
社内でご利用する場合は、上記の条件にご注意ください。
またご利用の際は、いかなる補償も対応もできませんので、ご理解の程よろしくお願いいたします。
工事発注書・発注請書に関する記事はこちら
作成の際の注意点
建築業で出荷証明書を作成する際の注意点として、提出先と書式の変更に注意することと、製造元を明示することが挙げられます。
注意点を詳しく確認していきましょう。
提出先と書式の変更に注意
提出先ごとに出荷証明書の書式が異なることがあります。
特に公共工事を請け負う場合には要注意です。
公共工事といっても、発注する国の機関や自治体ごとに、出荷証明書のテンプレートが個別に用意されている場合や記載を求める項目が異なることがあります。
求められる書式通りにしないと、再提出を求められるおそれがあります。
求められる項目が埋まっていないことで信用を損ね、次回以降の公共工事の発注に影響が出ることもあるので注意しましょう。
また、下請工事の請け負いが多い場合も注意しましょう。
大手ゼネコンなど、元請業者ごとに専用の書式が用意されていることもあります。
発注先、元請業者、仕入先と連携しながら、その工事ごとに求められる書式で漏れなく作成し、スムーズに提出できるようにしましょう。
製造元の明示
品名、品番、数量など、使用した原材料の記載は不可欠です。
この際、製造元も明示するようにしましょう。
記載者としてメーカー名が出ることもありますが、メーカーが証明したからといって、必ずしもそのメーカーの製品を使うとは限りません。
メーカーが取り扱っている、別のメーカーの製品や輸入代理をしている海外製の製品が用いられることもあります。
また、出荷証明を行う業者が卸売業者や小売店などの場合にも、必ず製造元を書いてもらいましょう。
品名だけでは製造元がわからないことが多いです。
同じ品名で、多くのメーカーが製造しているケースも少なくありません。
品名を記載してもらう際には、製造元、品名、型番やグレードなど、品質がしっかりわかるよう明確かつ具体的に記載してもらうことが必要です。
出荷証明書は出荷されたことそのものより、その内容が重視されます。
設計図や見積書、契約書通りの原材料が使われたのか、手抜き工事がなかったかを判断するための書類になりますので、約束した製造元の製品が使われたのかどうかがわかるようにしなくてはなりません。
当然ながら、作成者と示し合わせての偽りの証明はNGです。
保証書に関する記事はこちら
まとめ
出荷証明書とは、工事現場で用いる資材や材料の出荷をしたことを証明する書類です。
仕入れ先が出荷を証明するもので、施主や発注者に対して、設計図通り工事を行った証拠として提出することが求められます。
基本の記載項目として、出荷日や作成したメーカー名、工事件名、施工業社名があります。
最も重要なのは品名、品番、数量です。
メーカーがテンプレートを用意しているケースが多いですが、自社仕様のテンプレートで作成してもらうこともあります。
公共工事の場合は自治体ごとに定めたテンプレートで作成してもらうことも少なくありません。
建築業で出荷証明書を作成する際の注意点として、提出先と書式の変更と製造元の明示に留意しましょう。
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