近年クラウドERPパッケージ(以降ERP)や国産のERPの登場により中小企業のERPの導入をする企業が増加しています。
しかし一方で、「ERPの導入を失敗した」という話も増えています。
企業全体の業務に関わるERPの導入失敗は影響範囲も大きいので、「失敗したから他のシステムに変えよう」といったように簡単には変更することはできません。
この記事ではERPの導入を失敗した理由についてみていきます。ERPを検討している企業で下記の内容に当てはまる項目があった場合は注意しましょう。
それでは見ていきます。
ERPとは?
ERPとは、(Enterprise Resource Planning)の略で、日本語では「統合基幹業務システム」と訳されます。
ERPの目的は、企業の全体最適化であり、企業が所有している「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を適切に管理と活用することで、経営効率を向上させることです。
ERPについて詳しく記載したページがありますので、気になる方はこちらからご連絡ください。
ERPに関する記事はこちら
ERPの導入を失敗の原因
ERPの導入は決して簡単ではありません。多くの企業が失敗をしています。
そこで、ERPの導入を失敗した企業から聞いた話をもとに私なりにERPの導入を失敗した理由を考えてみました。
当てはまる項目がないか確認してみてください。
- 現場担当者が入力しない
- 運用方法が決まっていないまま導入をした
- 自社の業務にあっていないERPを導入した
- システム部門やベンダーに丸投げしている
- ゴールが明確になっていない
- 使用感を確認しないまま導入した
それでは、各項目の内容を確認していきます。
現場担当者が入力をしない
「導入をした際に、現場が入力ができるか?」というのは、多くの企業がERPを導入する際に気になることであり、実際に現場が入力をしないということで導入を失敗した企業が多いです。
理由としては、「業務にあっていないERPを導入した」や「UI(インターフェース)が良くなく使いづらい」、「機能が多くてよくわからない」、「社員のITリテラシーが低い」などが考えられます。
運用方法が決まっていないまま導入をした
運用方法が決まっていない場合も現場に定着しづらくなります。
なぜなら、入力する目的や活用方法がわからなければ、現場の担当者もERP使用の優先順位が下がりますし、ERPを使っていくことのやる気が起きません。
逆に不満につながることもありますので、気を付けましょう。
自社の業務にあっていないERPを導入した
ERPパッケージの場合、パッケージになっている以上、やりたいことが全て出来る。
もしくは自社のやり方がそのまま出来るERP無いと言ってもいいでしょう。多少なりとも機能ややり方をシステムに合わせる必要があります。
自社の業務にあっていないとは例えば、少額で件数をまわして売上を上げている企業が入力項目や機能が多いERPを導入しても現場がまわらなくなります。
逆もあります。
高額で件数が少ないビジネスに簡単さを売りにした入力数や機能が少ないERPを導入した場合、やりたいことができずERPとしての役割を果たすことができません。
業種に特化したものやカスタマイズ性が高いERPもありますので、自社の業務にあったERPを探すようにしましょう。
システム部門やベンダーに丸投げをしている
ERPは企業活動の広範囲をカバーするシステムである以上、使う人や影響も全社的になります。
経営者を含む管理職やシステム担当者のみでERP導入を進めていくと危険です。
経営視点では素晴らしいERPでも現場視点で見た場合、使えない。
といったことは多くの企業で起きています。ERPを検討する際は、管理職やシステム担当、営業、経理など各業務を行う人の意見や場合によっては説明を一緒に聞いてもらうと、導入後に現場とのギャップが少なくなりスムーズな運用をスタートすることができます。
また、ベンダーに丸投げしている企業も失敗する傾向があります。
ベンダーはシステムやERPの知識はありますが、ユーザー企業の業務内容や業務プロセスについては知りません。
ユーザー企業の事業内容や業務プロセスをしっかりと理解した社員がベンダーと密に打ち合わせをしなければ、最適な導入は不可能なのです。
ゴールが明確になっていない
ERP導入に向けた取り組みでは、パッケージ機能と業務のすり合わせ、業務フローの見直し、データベースの設計など、さまざまな判断が求められます。
その指針になるのがERP導入の目的、つまりプロジェクトのゴールです。
具体的な目的があいまいなままスタートしたプロジェクトは、どれだけ優秀なメンバーを集めてもほぼ間違いなく暗礁に乗り上げてしまいます。
ERP導入では、何よりもまず具体的なゴールを設定することが重要です。
まずは明確な目的と段階を踏んで実現したい目標とを、時間軸に沿って設定することをおすすめします。
使用感を確認しないまま導入した
ERPの導入を検討する際は、必ずデモやトライアル版を利用するようにしましょう。
商品資料やベンダーの説明だけ導入を決めると、導入をした後に使い勝手が悪かったりやりたことができなかったりします。
デモやトライアル版を実際に使ってみると、商談時は漏れていた必須の機能や項目、普段は当たり前にようにやっていた為に気が付かなかったポイントにも気づくことができて、導入後のイメージもつきやすくなります。
まとめ
ERP導入をすでに検討している企業の中で、今回の導入失敗の理由に該当する項目がある場合は、一度プロジェクトの見直しをしてみてはいかがでしょうか?
ERPを導入し運用することで、企業の生産性や業務改善は大幅に向上します。
ERPの導入を成功させるためには、上記の失敗理由を対策すれば自然とERPの導入失敗を回避することができるでしょう。
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