建設業界(土木・建築)は自動車業界の次に大きな規模を持っています。
この巨大市場に、建設テック(Con Tech)という大きな波が訪れています。
日本ではまだまだスタートアップの段階ですが、これから建築業界でのIT技術が活発化していくことで、建築業の業務効率化、課題解決が進んでいくでしょう。
「IT化って何をすればいいの?」「たくさんありすぎてイマイチわからない」という方に向けて、今回はその建設テック(Con Tech)の中身や今すぐ使える事例について詳しく解説します。
建設テック(Con Tech)とは?
「建設テック」とは、建設(Construction)と、Technology(技術)と掛け合わせた言葉です。
もともと、ConstructionとTechnologyの造語である「ConTech」が海外で使われはじめ、日本でもその動きがスタートアップしています。
最近では国土交通省が「i-Construction」を推進したりと、建設×ITについてのワードはよく目にするようになりました。
それでは建設テックは具体的に何を目的としているのでしょう。
これまでの建設業界でも、設計・図面のCADソフトや精算のためのITシステムが使われたりはしていましたが、実際の建設の現場での作業や、その他の業務でのIT活用は進んでいない状況でした。
そこに様々な企業が、建設業界にITソリューションを持ち込んでおり、建築業界にあるまだまだアナログな部分を、ITに置き換えていく動きが活発化していく見通しです。
この建設テックを通して、建設業界の課題解決をし、生産性を上げることが期待されています。
i-Constructionについての記事
建設テックカオスマップ2024年度版
株式会社ケイ・ブリッジは、建設業界の事業者、技術労働者の業務改善の問題を解決する133のサービスをまとめ、可視化した「建設テックカオスマップ2024年度版」を公開しました。
建設業界は日本の中で大きな市場ですが、その働き方やITリテラシー不足によりIT化が進んでいません。
しかしコロナ禍によるテレワーク・遠隔臨場など、ワークスタイルの変化によりIT化に拍車がかかり、最近新サービスが続々と登場しています。
盛り上がりを見せる建設テックですが、どのようなサービスがあるのかややこしかったり、ユーザーがどのサービスを選択すればいいかが分からず導入ができていない面もあります。
その時に役立つのがサービスが一目でわかる「建設テックカオスマップ」です。
カオスマップは、業務・臨場管理支援、施工・維持管理(工程、安全・衛生、品質)の二つの視点から25のカテゴリーに分類されています。
建設業界の課題を解決したいと思う人が、市場理解やサービスの知識を得て、利用することに生かすことができます。
建設テック(Con Texh)の市場規模
建設テックの市場規模がどんどん大きくなるという事は、建設業界の市場規模を見ればわかります。
国土交通省が発表の、2024年度の建設投資見通しでは、2024年の建設投資は73兆2,000億円と、前年に比べ2.71%増となる見通しで、建築業の需要はこれからも高く存在していくとみられます。
国内産業では、建設業界は自動車に次ぐ巨大な市場規模になっています。
しかし、その一方で建築業界には課題も多いです。
それらに人の手で対応することに限界があるため、テクノロジーへの期待は高まっているのです。
建設業界の課題と今後の見通し
建設業界の課題と今後の見通しを以下の二点からご紹介します。
- 建設現場の職人不足
- 労働環境
建設現場の職人不足
建設業界の就業者数は、年々減少しています。
また、建設業就業者は、全産業の平均と比べて、高齢者(55歳以上)割合が高く、若年層(29歳以下)割合が低くなっています。
この、若者の人口減少の理由に、教える時間が確保できないうえ、教える側の技術の高齢化で若手の教育ができないことがあります。
若者が長く働いていきたいと思う現場づくりをすることが求められます。
労働環境
そもそも、建築業界が人手不足になるのは、少子高齢化の流れが大きく影響を与えている面もありますが、根底の労働環境に原因があります。
天候によって仕事が左右される仕事なので、天候が悪い日は休みになることも多いです。
逆に、納期までに仕事が間に合わないとなると、休日が仕事に変わる日もあります。
一ヶ月の仕事量によって給料も変動するため、安定して収入を得ることができないイメージが持たれています。
また、建築業界は週休二日の確保が進んでいない業種です。
技術者、技能労働者問わず半数以上が完全週休2日または4週8休が望ましいと考えていますが、実際は15%程度しか取れていません。
ITテクノロジーがもっと建設業界で普及して生産性があがれば、実働時間も減り週休二日制の実現率も高まることでしょう。
使える!建設テック(Con Texh)の事例
建設テックには様々な分野のサービスが存在していますが、以下の4点に注目して、日本の建設テックスタートアップの具体例を紹介します。
- 「建築業向け業務管理システム」
- 「建設職人と建設現場のマッチングサービス」
- 「工事代金の決済代行・保証サービス」
- 「中古建機・重機のオークションサイト」
- 「メーカー横断で建材の比較検討できるサイト」
ぜひ、これらの技術の導入を選択肢に入れてみてください。
建築業向け業務管理システム『アイピア』
アイピアとは、建築業に特化された管理システムです。
アイピアでは、顧客情報、現場情報、粗利管理(原価管理)、労務管理(出面表)、工程表、営業進捗、見積作成、発注・請求・支払管理、入金管理などの情報をクラウドで管理することができます。
その他にも多くの機能がありますが、会社様ごとに機能のON、OFFをカスタマイズできるのが特徴です。
初期はスモールスタートで運用し、慣れてきたら徐々に機能を増やしていく事ができるため安心して導入して頂けます。
また、情報登録することで、リアルタイムに全体・現場ごとの売上、粗利、粗利率を把握することができます。
アイピア導入効果は以下のような点です。
- 粗利管理(原価管理)で利益を上げる
- 業務効率化でコストを削減
- 業務のマニュアル化で、社員の成長を促す
- あらゆる情報を共有・分析で売上を上げる
建設職人と建設現場のマッチングサービス『助太刀』
助太刀とは、条件あったぴったりの職人や工事会社と出会えるアプリです。気軽に話してつながりを広げることができます。
TechCrunch Tokyo 2017のピッチイベント「スタートアップバトル」の審査員特別賞に輝いた企業です。
マッチングサービスだけではなく、建設現場で働くすべての人を支えるサービスを提供して支持を得ています。
助太刀の主なサービス内容は以下の通りです。
- 職人・工事会社探し(助太刀)
- 工事代金の受け渡しをサポート(助太刀あんしん払い)
- 工具を修理・購入する(助太刀ストア)
- 転職・採用サービス(助太刀社員)
- 労災に加入する(助太刀労災)
- 工事代金をカードにチャージ(助太刀カード)
工事代金の決済代行・保証サービス『Local Works』
Local Worksは、アナログな建設業界をテクノロジーで進化させ、受発注の効率化、労働環境の改善を目指す2014年2月設立のスタートアップです。
ローカルワークスペイメントは、建設事業者間の決済代行、回収保証、トランザクションファイナンスができるサービスです。
中小建設事業者の信用情報が見える化されており、安心して取引が行えます。
- 請求・代金回収業務の代行
- 入金保障(発注者からの代金回収の遅延、不払いが発生した際に入金を保証)
- 資金繰りの改善(工事完了後、すぐに代金お支払いでキャッシュフローを改善)
中古建機・重機のオークションサイト『ALLSTOCKER』
ALL STOCKERは、アメリカ発、世界規模の中古建機・重機・農機・車両等のオークションサイトです。
専門家による鑑定、高額商品でも安心の決済、国内外対応可能な運送、相場検索、多言語カスタマーサポートなどの充実した機能で、機械の売買を徹底的にサポートします。
- ALLSTOCKERでしか手に入らない機械が出品される
- 商品は専門家による鑑定レポート付きなので、安心して入札することができる
- 予約入札、即決入札、複数商品への並行入札など、オンラインならではの便利機能
- 万全のサポート体制
メーカー横断で建材の比較検討できるサイト『truss』
trussは、建築現場で使用する建材を比較するために作られたサービスです。
独自に構築した建材データベースを活用してプロジェクトで使用する材料を関係者全員で選定・管理するクラウド業務システムです。
分厚いカタログを何冊も並べて建材選びをする必要がなくなります。
trussを使うメリットは以下の通りです。
- 建材をメーカー横断で比較検討できる
- 建材を仕上表に登録できる
- リアルタイムで関係者に共有できる
- BIM連携ができる
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まとめ
いかがだったでしょうか。
建設業界の課題を解決するためには、建設テックを活用することが有効です。
スマートフォンやタブレットが復旧したことによって、IT技術に触れやすくなってきています。
さまざまなサービスにより、職人が不足しつつも効率化を図り、働きやすい環境へと変化しています。
建築業の業務を効率化したいと考えている人は、無料サービスを利用したり、有料サービスであっても無料トライアルがあるものがほとんどなので、一度利用してみるのがおすすめです。
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