積算システムとは？【厳選7選】選び方や使い方、価格・機能を徹底比較

建設業界から製造、ITまで、あらゆる分野で重要視されるのが「積算システム」です。
しかし、どのシステムを選び、どう活用すればよいかは、専門知識が必要です。

この記事では、積算システムの概要や導入のメリット、と活用法に至るまで、網羅的に解説します。
最新のトレンドを含めて、ビジネスに最適なシステム選びを支援する情報を提供します。

積算システムとは

積算システムとは、プロジェクトのコスト計算を行うための積算ソフトウェアです。

このシステムは、建築、土木、製造業など様々な業界において、材料費、人件費、その他経費などのコストを正確に算出し、見積もりを作成するのに不可欠なツールです。
機能概要としては、自動計算、データベース機能、報告書作成などがあり、複雑な計算を簡素化し、作業の効率化を促進します。

積算ソフトウェアには、プロジェクトごとの予算策定、コスト管理、入札プロセスの補助機能など、多岐にわたる用途があります。

積算システムの種類

積算システムは、業界ごとに異なるニーズに対応するため、多岐にわたる種類が存在します。
それぞれの業界向けに特化した積算システムを選ぶことが、コスト管理と効率化に繋がります。

積算システムの使い方

積算システムの使用方法は次の通りです。

積算システムを導入するメリット

積算ソフトを導入するメリットは、以下の３点です。

それでは具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

業務効率の向上

積算システムを導入する最大のメリットは、作業効率化と正確性の向上にあります。

システムを導入することで、建設工事や製造業等における複雑な見積もり作業を自動化し、手作業による計算エラーを削減できる為、正確なコスト算出を可能にします。

例えば、材料や数量の変更を行うことで瞬時に計算・積算が更新され、手作業で複雑な計算を行う必要がなくなり、大幅な時間削減につながります。

コスト管理の精度向上

その他、積算システムを導入するメリットとして、コスト管理の精度が向上する点があげられます。

過去のデータや最新の市場価格情報から価格を抽出し、そのデータを元に計算を行うことで、より正確に積算を行えます。
結果として、無駄なコストを抑えることができるため、プロジェクトの収益性を高めることが可能になります。

情報の一元化と共有の効率化

３点目は、情報の一元化と共有の効率化が出来る点です。
積算システム上で、データや仕様書などの情報を一元管理できるため、プロジェクトに関わる他のメンバーと容易に情報共有が可能です。

クラウド対応のシステムであれば、リモート環境でも最新情報にアクセスでき、チーム全体の連携がスムーズになります。

積算システムの選び方のポイント

積算システムの導入を検討する際には、選定基準を明確に定めることが重要です。
業務の効率化や精度向上を目指す具体的な目標を設定し、それらを満たす機能を持つシステムを選びましょう。

また、導入効果を測るためには、事前の業務分析が不可欠です。
作業時間の短縮やエラーの削減など、現在の業務状況と導入後の改善点を比較できるKPI（重要業績評価指標）を設定してください。

ROI（投資対効果）も重要な指標です。
初期投資額に対して、どれだけのリターンが見込めるか、具体的な数値で計画を立てることが、成功への鍵となります。

業界ごとの特徴も考慮し、それに合ったシステム選びを行うことが、積算システム導入のポイントです。

自社に合った機能が備わっているか

積算システムの導入検討段階で確認すべきポイントは必要な機能が備わっているかという点です。
特に自社の業務に必要な積算の種類や範囲（例：建築、土木、設備など）をカバーしているか、また、材料や労務費、外注費など、細かい要素を取り入れられる柔軟性があるかという点には注意が必要です。

価格が安くても十分な機能が備わっていなければ、購入の意味がありません。
一方で、機能が多すぎても使いこなせず、解約につながるケースが多々あります。
自社に必要な機能だけ備わっているか、もしくはカスタマイズが出来る機能であるかを十分に検討するようにしましょう。

価格や導入コストとのバランス

積算システムと一口に言っても価格帯は様々です。
上述の通り、安ければ良いという訳ではありません。ただし、高いシステムであっても効果が得られない場合も多々あります。

初期費用だけでなく、運用費用（月額や年額）、アップデート費用、サポート料金も含めた総コストを確認し、自社の予算に見合うか、また機能と価格帯のバランスはどうかを検討するとよいでしょう。

操作性やサポート体制

積算システムの操作が簡単で直感的に使えるか、また学習コストが低いかという点も重要なポイントです。
さらに、導入後に困った際のサポート体制（問い合わせ対応、トレーニング、マニュアルの充実度など）が整っているかも合わせて検討すると良いでしょう。

導入効果とROIの見積もり

積算システム導入のポイントを考える際、導入効果とROIの見積もりは不可欠です。
具体的には、作業時間の短縮やミスの減少によるコスト削減を数値化し、初期投資と比較しています。

投資対効果は、導入後の運用効率と費用対効果のバランスを示し、長期的な利益を予測するために重要です。

積算システム　おすすめ7選！【比較表あり】

積算システムを選定する際には、機能面、操作性、料金、環境（クラウド、ハード）、そしてサポート体制を考慮することが重要です。
これらの要素はすべて重要ですが、特に機能面と操作性は自社のニーズに適合しているかどうかを確認することが重要です。
なぜなら、これらがマッチしていない場合、システムの導入が逆に手間になったり、効果を実感できない可能性があるからです。
そのため、自社で必要な機能をチェックリストにまとめ、それを元に比較検討することがおすすめです。

それでは、おすすめの積算システム５つをご紹介いたします。

積算システム　比較表

サービス名
	建築業向け管理システム　アイピア	Gaia Cloud	ATLUS NEXT(アトラスネクスト)	MOOBIUS for Cloud 公共土木積算システム	楽王シリーズ	積算ソフト頂(いただき)	どっと原価3
機能	見積作成、原価発注管理、工程管理・・・その他	設計書取込、設計書情報設定、積算・・・その他	設計書取込、ナレッジ共有、簡単入力・多様な検索・・・その他	工事管理、設計書取込、内訳書作成・・・その他	見積書作成、集計機能、オートコンプリート機能　他	総合積算、設計書取込、実行予算作成・・・その他	受注登録、実行予算作成、仕入伝票入力・・・その他
初期導入費用	要お問合せ 　　2024年IT導入補助金対応	要お問合せ 　　2024年IT導入補助金対応	要お問合せ	要お問合せ	無料 　　2024年IT導入補助金対応	264,000(税込)～	無料 　　2024年IT導入補助金対応
保守/更新 費用	要お問合せ	要お問合せ	要お問合せ	要お問合せ	8,800円(税込) /月～	105,600円(税込)～	13,000円(税抜) /月～
無料版 体験版	あり	要お問合せ	あり	要お問合せ	あり	あり	要お問合せ
【提供形態】 対応OS	【クラウド型】 Windows/ios/mac ※推奨:Chrome	【クラウド型】 Windows 10/11	【クラウド型】 Windows 10(64bit)/11	【クラウド型】 Windows10以上 ※推奨：Chrome,FireFox,Safari	【インストール型】 Windows 11/10	【インストール型】 Windows 10/11	【クラウド型】 要お問合せ
サポート 体制	電話対応、メール対応、リモートサポート	電話対応、メール対応、リモートサポート、訪問サポート	電話対応、サポートサイト、訪問サポート 、リモートサポート	電話対応、メール対応、リモートサポート、訪問サポート	電話対応、メール対応、リモートサポート、訪問サポート(有料)	電話対応、メール対応、リモートサポート	電話対応、リモートサポート、訪問サポート
運営会社	株式会社アイピア	株式会社ビーイング	株式会社コンピュータシステム研究所	吉備システム株式会社	アークシステム株式会社	株式会社ドリームワークス湘南	株式会社建設ドットウェブ

【クラウド型】建築業向け管理システム　アイピア

【クラウド型】Gaia Cloud

『Gaia Cloud』は、複雑・高度化された積算に対応できるクラウド型土木工事積算システムです。

積算に特化したシステムであり、設計書の取込から積算、データの出力まで流れるような操作で行えます。

また積算業務は設計書や仕様書から全自動である為、より早く正確に行うことができ、業務効率化が見込めます。

機能	設計書取込、設計書情報設定、積算、経費確認、データ出力、その他
初期導入費用	要お問合せ   2024年 IT導入補助金対応
保守・更新費用	要お問合せ
無料・体験版	要お問合せ
対応OS	Windows 10/11
サポート体制	電話対応 メール対応 リモートサポート 訪問サポート
運営会社	株式会社ビーイング

【クラウド型】ATLUS NEXT（アトラスネクスト）
（旧：ATLUS REAL Evo）

『ATLUS NEXT（アトラス ネクスト）』は、公共工事の落札率を向上するための土木積算システムです。
ATLUSシリーズは30年以上の実績と信頼があり、様々な製品を提供しています。

積算に特化した機能が多く、特に設計書の読み取りは様々な形式で行うことができます。
設計書の解析が自動化されていること、またノウハウをクラウドで共有できる為、業務の標準化と効率化が可能なシステムです。

多様な検索機能と直感的な操作が出来るUIであり、操作性も高いといえます。

機能	設計書取込、ナレッジ共有、簡単入力・多様な検索、 積算、経費・試算、データ出力、データ管理・連携、その他
初期導入費用	要お問合せ
保守・更新費用	要お問合せ
無料・体験版	あり
対応OS	Windows 10（64bit）/11
サポート体制	電話対応 サポートサイト 訪問サポート リモートサポート
運営会社	株式会社コンピュータシステム研究所

【クラウド型】MOOBIUS for Cloud 公共土木積算システム

『MOOBIUS for Cloud 公共土木積算システム』は、「メビウス」の機能はそのまま、普段使い慣れているブラウザ（※）とインターネット接続環境さえあれば、どこからでも簡単に利用できるクラウド型の土木積算システムです。

NEXCO・鉄道運輸・トンネル・ダム工事など幅広い積算に対応しています。
また、機能性においても合算、経費シミュレーション、低入札価格の算出、設計書の取り込みから連動表示など、高い機能性で効率的に積算業務を行えるシステムです。 ユーザーの「使いやすさ」に軸をおいたシステムで、「高品質」をコンセプトにしています。

移り変わる積算基準にスピーディかつ正確に順応し、精度と利便性に優れた機能で積算に関する作業をしっかりバックアップしてくれます。

機能	工事管理、設計書取込、内訳書作成、経費計算、データ出力、その他
初期導入費用	要お問合せ
保守・更新費用	要お問合せ
無料・体験版	要お問合せ
対応OS	Windows10以上 ※推奨ブラウザ：Google Chrome10.0以降、FireFox4.0以降、Safari5.0以降(HTML5対応ブラウザ推奨)
サポート体制	電話対応 メール対応 リモートサポート 訪問サポート
運営会社	吉備システム株式会社

【インストール型】楽王シリーズ

『楽王シリーズ』は、アークシステム株式会社が運営する積算見積ソフトです。
シリーズの導入実績は2,100社を突破しています。

表計算ソフトのような操作感と、長年培ったノウハウを融合し、スピーディかつ正確な積算見積業務を実現できます。
カスタマイズ性の高さや、気軽に始められるサブスクリプション版が魅力です。

機能	見積書作成、集計機能、オートコンプリート機能　他
初期導入費用	無料   2024年 IT導入補助金対応
保守・更新費用	楽王Crew 8,800円(税込) /月 楽王Link 14,800円(税込) /月 楽王3 要問合せ
無料・体験版	あり
対応OS	Windows 11/10
サポート体制	電話対応 メール対応 リモートサポート 訪問サポート
運営会社	アークシステム株式会社

【インストール型】積算ソフト頂（いただき）

『頂（いただき）』は、積算が初めての人でも使いやすい積算ソフトです。

単価データのみの検索や、確実なデータ更新で、積算業務や入札を徹底的にバックアップします。
3台までインストール可能で使いやすく、低コストなので、初めての積算やできるだけ低コストでソフトを導入したい方におすすめです。

無料サポートが豊富で、誰でも操作しやすいシンプルな画面であり、操作性は高いと言えます。
積算に係る細かな機能が搭載されている為、積算業務の効率化の実現や入札の可能性が高くなるシステムです。

機能	総合積算、設計書取込、実行予算作成、材料調書作成、データ出力、その他
初期導入費用	「総合」積算セット　330,000(税込) 「管・設備」積算セット　264,000(税込)
保守・更新費用	「総合」積算セット　132,000円(税込) 「管・設備」積算セット　105,600円(税込) ※サポート期間以降の支払
無料・体験版	あり
対応OS	Windows 10/11
サポート体制	電話対応 メール対応 リモートサポート
運営会社	株式会社ドリームワークス湘南

【クラウド型】どっと原価3

『どっと原価3』は、小・中規模向けに構成され業種を問わず幅広く利用できる原価管理システムです。

累計導入社数は7000社にのぼります。 受注登録からデータ分析、原価集計など、原価に係る管理だけでなく分析まで行うことができます。
クラウド型の特性から、外出先でも利用できる為、業務改善や管理コストを下げたい企業におすすめです。

また、独自ルールに合わせたカスタマイズが可能であり、操作性が高いシステムです。

機能	見積作成、原価発注管理、工程管理、書類・写真管理、顧客管理、営業進捗管理、請求管理、入金管理、帳票作成、現場日報管理、物件管理、労務管理、在庫管理、その受注登録、実行予算作成、仕入伝票入力、原価集計、買掛管理（支払伝票入力）、売上・入金伝票入力、売掛管理、データ分析、収支見込管理（プランによる）、その他オプション
初期導入費用	無料   2024年 IT導入補助金対応
保守・更新費用	ライト 13,000円(税抜) /月 スタンダード 23,000円(税抜) /月 エキスパート 要お問合せ(オープンプライス)/月 ※オプション費用は別途
無料・体験版	要お問合せ
対応OS	要お問合せ
サポート体制	電話対応 リモートサポート 訪問サポート
運営会社	株式会社建設ドットウェブ

【2025年版】積算システムの市場動向

現代の積算システム市場は、DX（デジタルトランスフォーメーション）の波に乗り、効率性と精度の向上が求められ、市場は急速に拡大しています。
AIや機械学習の統合、クラウドベースのサービスへの移行が加速し、市場の変化を促進しています。

積算システム導入後の活用方法

積算システムを導入した後、業務プロセスの改善に焦点を当てた活用法を考えることが重要です。
業務フローの見直しや自動化、リアルタイム情報共有など、効率化を図り、積算作業を効果的に支援します。

また、適切なトレーニングと迅速なカスタマーサポートが、システムの最大限の活用につながります。

サポートを活用しトラブルに備える

積算システム導入後の活用において、トラブル防止に備えることは最も重要なポイントです。

システムを活用することで、過去データと連携できない、運用がうまくいかない等の問題は良く起こります。
こうした場合は、無料のサポートデスクや研修、マニュアル等を積極的に活用し、分からない点を1つずつ解消していきましょう。
迅速かつ的確なサポートを受けることで、業務の停滞を最小限に抑えることが可能です。

積算データの管理とセキュリティ対策

積算システムを導入した後、データ管理とセキュリティ対策は非常に重要になります。

積算データは企業の重要な財産であり、不正アクセスや情報漏洩による損失を避けるために適切な対策を講じる必要があります。

まず、アクセス管理を強化することで、不正な利用者からデータを保護します。
これには、強力なパスワードポリシーの設定や多要素認証の導入が有効です。

よくある質問

システム導入を行う上で、様々な質問や不安がありますよね。
特に積算ソフトは、情報が少ないものが多く、どのようなメリットがあるのか、どういったシステムが最適化など、様々な疑問が浮かびます。

そこでこの章では、積算システムを導入する上でのよくある質問とその回答を紹介します。

そもそも積算とは？

積算とは、工事を着工する際に作成する設計図や仕様書から材料費などの合計金額を算出し、工事にかかる総工費を算出すること を指します。

建築業向けの積算システムの特徴は？

建築、土木、製造業など様々な業界において、材料費、人件費、その他経費などのコストを正確に算出し、積算を行う為に不可欠なツールです。
自動計算、データベース機能、報告書作成などがあり、複雑な計算を簡素化し、作業の効率化を促進します。

積算システム導入の費用の相場は？

初期導入費は「無料～60万円」、料金は「無料～10万円」です。
初期導入費には、サポートや導入支援等が含まれている為、安価なものを選ぶのではなく内訳も必ず確認しましょう。

また月額利用料は、オプションによって上乗せされる可能性が高いので注意が必要です。

まとめ

この記事を通じて、積算システムの選び方から活用法までの知識を身につけたあなたは、次のステップとして積算システム導入の計画を策定することが肝要です。

まず、業務プロセス改善を目指し、自社に最適なシステムを選定するためのチェックリストを作成しましょう。
それには、業務のニーズ分析、市場のオプション評価、予算の設定が含まれます。

さらに、社内の関係者とコミュニケーションを取り、導入への道筋を明確にすることが成功への鍵です。
実際の行動に移す際は、この記事のポイントを参考に一歩一歩進めていきましょう。

建築業向けの管理システム「アイピア」