図面管理は日々の業務で作成、利用する設計図や建築図面など保存して、管理していくことです。
図面は、一度作成したら終わりではなく、建物が建つまではもちろん、竣工後も必要となる場面があります。
そのため、変更が加えられることなく、長期間にわたって保管し続けることが求められます。
また、同じ図面を別の建設に利用することや応用する場面も多いため、いつでも速やかに検索して利用できるようにしておかなくてはなりません。
ここでは、図面管理の問題点と、その問題を解決してくれる図面管理システムを利用する際のメリット・デメリットを解説していきます。
図面管理の問題点
現状の図面管理はどのように行っているでしょうか。
- 作成した図面を印刷し、紙ベースでファイリングする
- 作成した図面をデータのまま、社内の共有フォルダなどに入れる
などがよくあるパターンです。
こうした管理をしている場合に起こり得る問題点は以下の通りです。
同じ図面を複数作成してしまう
作成した図面のリストや共有フォルダ内の整理ができていないために、同じ図面を何度も作成してしまうリスクがあります。
別々の担当者が同じ図面を作成すると、それだけ手間やコストを無駄にします。
さらに、過去に作成したことを忘れて、同じ人物が作成するおそれも少なくありません。
いずれにしても、人件費が無駄にかかってしまします。
最新版の図面がわからなくなる
図面は、顧客の要求や詳細な検証によって改修したり見直したりするものです。
にもかかわらず、複数の図面が存在してしまい、どれが最新版かわからなくなるリスクがあります。
複数のスタッフが同じ図面に手を入れたり更新したりするおそれも少なくありません。
設計ミスを改善したはずなのに、ミスしたファイルを使ってしまうなど、建築後にまで大きな影響を与えるトラブルにもつながりかねません。
ファイルが別のファイルに入れ替わってしまう
共有フォルダから既にある図面をコピーして別の図面作成に利用した後、ファイル名を変えずに共有フォルダに保管すると、ベースとなったファイルが上書きされてしまうリスクがあります。
新たに作成し直した図面だけが残り、ベースに利用した図面が失われてしまいます。
必要な図面をすぐに検索できない
紙ベースでのファイリングをはじめ、共有フォルダの整理ができていないと、過去の図面を見直したい時や顧客対応ですぐに図面を確認したい時など、速やかな検索ができません。
その結果、見つけられずに、再び一から作り直すなど、無駄な作業やコストがかかるおそれもあります。
誤った図面を渡してしまう
整理整頓ができていない、最新版がわからない状態では、外注先や協力会社などに誤発注するリスクがあります。
また、設計ミスのある図面を渡して、取り返しのつかない事態を招くおそれもあります。
図面の紛失や盗難、データ流出や消失リスクがある
紙ベースで保管していると、図面を持ち出して紛失してしまう場合や盗難されるおそれ、火災などの災害で消失するリスクもあるため、注意が必要です。
共有フォルダ内での保管の場合、利用できる権限の設定やパスワード管理などをしっかり行っていないとデータの流出のおそれがあります。
適切なデータのバックアップを行っていないと、データが消失してしまうおそれもあるため、定期的なバックアップやサーバー管理が欠かせません。
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図面管理のポイント
図面管理のポイントは、
- ファイル名を統一すること
- 更新情報の管理をしっかり行うこと
- 保管場所を決めておくこと
- セキュリティ対策を怠らないこと
です。
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
ファイル名を統一する
ファイル名は、表示すべき内容を社内で統一して、必ず守るようにすることが大切です。
たとえば、
「案件名_図面の種類名_作成日付または更新日付」
とすると、ファイルの中身や情報が一目で分かります。
更新情報の管理
更新したファイルは必ず日付を入れて、更新前のデータとは別に管理するなどして、変更履歴や更新履歴を追えるようにしておくこともポイントです。
案件ごとにフォルダを作るなどして、図面ごとに更新順に並べ、すぐに検索しやすいようにすることも求められます。
保管場所を決める
あるプロジェクトでは紙をファイリングして保管している、別のプロジェクトは共有フォルダで管理しているなど、案件やチーム、部署で別々の保管方法を採るのはやめましょう。
社内で保管場所を決め、保管ルールを徹底することが必要です。
セキュリティ対策をする
保管した図面の盗難や流出、消失などがないよう、セキュリティ対策も徹底しましょう。
紙で保管する場合は書庫に鍵をかけるようにしましょう。
共有フォルダ保管している場合は、以下のような対策が求められます。
- アクセス権限を付与する
- 各ファイルにパスワードを設定する
- 社内ネットに限定し、外部のネットにつながらないようにする
- バックアップを怠らない
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図面管理システム利用のメリット
図面管理システムの利用のメリットは、一元管理が可能になり、すぐに必要な図面を見つけることができるようになることです。
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
一元管理が可能になる
1つのシステムに統一することで、保管場所の分散リスクや、各部署間での保管方法の違いを避けることができます。
同一のシステムを利用したうえで、利用権限などを付与すれば、スムーズに管理できるのもメリットです。
すぐに見つけることができる
図面管理システムではカテゴリで検索やキーワード検索などができます。
プロジェクト名や時期から探し出すなど、検索がスピーディーになります。
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図面管理システム利用のデメリット
図面管理システムの利用のデメリットは、導入コストがかかること、セキュリティ対策が欠かせないことです。
それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
導入コストがかかる
システムを導入するには購入費用や初期費用、毎月の利用料や保守点検費用などが発生します。
システムの使い方をマスターするための研修など、人件費などもかかってきます。
セキュリティ対策が必要
システムもセキュリティ対策が欠かせません。
特にインターネットでどこからでもつながるシステムを利用する場合には、データの流出やハッキング、ウィルス対策も必要です。
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まとめ
図面管理の問題点として、同じ図面を複数作成してしまう、最新版の図面がどれかわからなくなる、ファイルが別のファイルに入れ替わってしまう、必要な図面をすぐに検索できないなどが挙げられます。
また、取引先に誤った図面を渡してしまうことや、データの紛失・盗難・流出といったリスクも考えられます。
以上のようなリスクを回避するためにはファイル名を統一すること、更新情報の管理をしっかり行うこと、保管場所を決めておくこと、セキュリティ対策を怠らないことが重要です。
また、図面管理システムを利用すると、一元管理が可能になり、すぐに必要な図面を見つけることができるようになります。
一方で、導入コストがかかること、セキュリティ対策が欠かせないことに留意しなくてはなりません。
図面管理システムを導入する際は、自社にあう製品を選ぶようにしましょう。
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