新築やリフォームをはじめ、故障や老朽化による給湯器の交換の依頼を受けながらも、在庫がなくお断りする、顧客に待ってもらっているという業者も多いのではないでしょうか。
仕事を受けたいのに受けられない、契約を交わしたものの、納品ができず、顧客からの催促の問い合わせに明け暮れている業者も多いです。
給湯器不足はいつまで続くのか、給湯器不足が起きた原因と各メーカーの納期に関する2023年最新情報を解説していきます。
給湯器不足が起きる理由
給湯器不足が起きる理由はなんでしょうか。
これは主に、世界が予想しなかった新型コロナウイルスの世界的な蔓延が引き金になっています。
新型コロナウイルスの影響を引き金に、給湯器不足が起こった理由を見ていきましょう。
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスが世界的に感染拡大するにつれ、国における輸出入や人の移動の制限が行われました。
また、感染者の急増や感染拡大防止のために工場の生産が停止されたり、工場のスタッフが自宅待機になったり、事務系の仕事だけがテレワークで行われるといった状況が増えました。
日本の給湯器メーカーでは、国外で製造しているケースや国内製造であっても部品等を輸入しているケースがほとんどです。
そのため、製品の製造がストップすることや、製品や部品が輸入できなくなり、給湯器の製造ができない、在庫がなくなるといった事態へと発展しました。
コンテナ不足
中国など人口が多い国を中心に、コンテナ需要が集中していた中で、今度は新型コロナウイルスの感染拡大が起こりました。
感染防止のために移動制限が起きたり、労働者が感染により休業したり、営業所などが閉鎖されたりする事態も起きています。
その結果、コンテナを船に積み込むことや荷下ろしするトラックやドライバーが不足し、コンテナの渋滞が生じました。
コンテナ船も移動を制限されるなどし、スエズ運河などでコンテナ船が渋滞するといった事態が起こり、本来届くはずの荷物が大幅に遅延して到着する事態も発生しています。
給湯器を輸入する場合や部品を輸入するケースでは、コンテナ不足や労働者の不足で、遅延が起こり、在庫がなくなる事態に陥りました。
半導体不足
半導体は給湯器の電子制御などに必要なだけでなく、さまざまな製品で需要が高まっています。
パソコンやスマホ、タブレットなどのIT機器をはじめ、テレビなどの家電製品、その他、産業用機械など多くの製品が半導体を使います。
需要が高まり、生産が間に合わないような状況になっていた中に、新型コロナウイルスの感染拡大が拍車をかけました。
半導体を製造している国で、感染拡大防止などのために工場の閉鎖などが起こり、製造がストップしたのです。
需要が高まっている中に製造停止が起こったことで、一気に半導体不足が加速しました。
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各メーカーの最新情報
各メーカーの最新の納期情報を調べてみましたので、参考にしてください。
あくまでもリサーチ時点の最新情報ですので、実際の納期情報は、各メーカーのホームページや営業担当者にご確認ください。
ノーリツ
2023年5月10日時点の最新情報をご案内します。
注文を受け付けてから工場を出荷するまでの日数の目安は、1週間~となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大や世界的な電子部品の供給不足などにより、2021年以降、納期の大幅遅延が発生していましたが、2022年春より生産は例年を上回る状況まで回復しており、現在も増産体制に努めている状況です。
ただし、今後も部品調達の状況などによって、納期が変動するおそれがあります。
リンナイ
2023年4月28日時点での最新情報をご案内します。
一部の給湯器を除き、即日出荷が可能な製品が増えてきました。
ガス給湯専用機とガスふろ給湯器においては、従来型やエコジョーズの屋外壁掛型について、2週間~と納期が遅くなる製品があります。
また、給湯暖房用熱源機については、遅延状況が続いている製品が多いです。
エコジョーズは、2週間または3週間以上、従来型は3ヶ月以上かかる製品もあるので、提案時は注意しましょう。
パーパス
2023年2月17日時点での最新情報をご案内します。
多くの給湯器製品は注文を受け付けてから工場を出荷するまで1週間~となっています。
給湯暖房用熱源機と業務用給湯器に関しては、2週間~とやや納期までの期間が長くなりますので注意しましょう。
パロマ
2022年11月21日時点での最新情報をご案内します。
ふろ給湯器壁掛専用型は1週間~、据置設置型は1ヶ月~、屋内設置型は2ヶ月~、給湯暖房用熱源機と給湯専用機は1ヶ月~、給湯器用リモコンと小型湯沸器は1週間~となっています。
少し古い情報で更新がなされていないため、各営業所などで最新情報をご確認ください。
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給湯器不足はいつ解消される?
では、給湯器不足はいつ解消されるのでしょうか。
コロナ禍からの脱却
日本では新型コロナウイルスが五類に分類され、マスクは原則任意といった対策に移行し、アフターコロナに向けた活動が始まっています。
外国人観光客も増え、海外に旅行に行く方、出張してビジネスの活動を従前に戻す動きも加速してきました。
世界的に見ても、世界保健機関が、新型コロナウイルス感染症に関する国際的な公衆衛生上の緊急事態の終了宣言を行い、人の移動や経済活動も活発化していくことが予想されます。
新型コロナウイルスの感染拡大や感染防止策としての工場の生産中止や輸入がしにくい状況は改善されていくでしょう。
完全な解消には時間がかかるおそれも
一方で、経済活動が再び活発になれば、半導体の需要もますます高まり、供給不足はすぐには解消できないおそれがあります。
新型コロナウイルスの影響で3年ほど自粛や制限がかかっていたことから、さまざまな製品に対する需要が一気に爆発することや経済活動が一気に拡大することも考えられます。
モノの移動の需要が一気に高まり、一時的に落ち着いてきたコンテナ不足が再び急拡大する可能性も否めません。
そのため、給湯器不足が完全に解消するまでの時期は不透明な状況です。
給湯器を注文して、従来のようにすぐに納品されるようになるには、まずはすでに発注され待機している注文の給湯器の納品がすべて完了することが前提です。
今回の給湯器不足を受け、各メーカーでは一部を国内製造にシフトしたり、部品の調達ルートを見直したりしながら増産体制を整備したケースもあります。
経済活動の活発化による、半導体や部品などの生産が間に合わない影響、輸入が間に合わない影響はありますが、体制強化による増産で、少しずつ給湯器不足が解消されていくことに期待しましょう。
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まとめ
給湯器不足が起きる理由は、新型コロナウイルスの影響、コンテナ不足、半導体不足が主な原因です。
各メーカーの最新情報をリサーチし、計画的な提案や販売を行い、顧客の信頼を獲得するとともに、不利益を被らないようにしましょう。
給湯器不足がいつ解消されるかですが、新型コロナウイルスの影響が落ち着くと、今度はこれまで制約を受けていた経済活動が一気に爆発し、給湯器以外でも半導体への需要が高まることや輸出入量が増える可能性があります。
これにより、給湯器の部品供給が間に合わない、輸入したくてもコンテナがないといった事態が起こり得ます。
各メーカーによる増産体制で、経済活動の復活による影響を抑えながら、少しずつ給湯器の不足が解消されることに期待しましょう。
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