こんなお悩みを持っている方がよく読まれています。
- リフォーム工事で「思ったより利益が残らない」「赤字工事が発生する」とお悩みの方
- どんぶり勘定から脱却し、正確な原価管理・実行予算の作成を行いたい方
- 営業担当者ごとの属人的な値引きを防ぎ、会社全体の粗利率を向上させたい方
リフォーム工事が終わってみると、「思ったより利益が残らなかった」「追加工事の連続でむしろ赤字になってしまった」という悩みを抱える建設・リフォーム企業は少なくありません。
その最大の原因は、原価管理が現場や営業担当者に属人化しており、リアルタイムに利益状況を把握できていないことにあります。さらに2024年の建設業法改正による「標準労務費に関する制度創設」等以降、職人への「標準労務費を十分に考慮しない、不当に低い請負代金での契約や発注」が厳しく制限されるようになりました。2026年現在、リフォーム業においては、標準労務費を考慮した適正な請負契約と「正確な原価管理」が会社を存続させるための絶対条件となっています。
本記事では、リフォーム業における原価管理の基本から、粗利率の低下を防ぐ「原価計算書」作成のポイント、さらに業務を根本から効率化できるおすすめの原価管理システムまで徹底解説します。
リフォーム業の粗利率低下を防ぐ原価管理とは?
- 誰が: 営業担当と現場監督(工務)が連携して
- 何を: 見積書と同時に「原価計算書(実行予算)」を作成し、材料費・労務費・外注費・経費を可視化する
- なぜ: リフォーム特有の「追加工事」や「予期せぬ補修」による原価変動を把握し、赤字工事を防ぐために
- どう対処する: エクセルでのどんぶり勘定をやめ、自社に合った管理方法を選び、リアルタイムで予実管理・発注管理ができる「クラウド型の原価管理システム(ERP(統合業務システム))」などで一元管理する。
原価管理がリフォーム業で難しい理由(利益が残らない原因)

新築と異なり、リフォーム工事には特有の難しさがあります。工事内容が一件ごとに異なり、壁を開けたら予期せぬ補修が必要になったなど、追加工事・値引き・補修対応などの「変動要素」が多く発生するからです。
そのため、以下のような状況に陥りやすく、完工時に粗利が思ったより残らないという問題が起こります。
- 見積変更漏れ: 工事中に発生する追加費用を現場任せにし、見積を変更し忘れる
- 根拠のない値引き: 見積時に原価の根拠を明確にしていないため感覚で値引きする
- 発注漏れや重複: 発注・仕入れが担当者ごとにバラバラで無駄が発生する
- 経費の計上漏れ: 駐車場代や交通費、養生費などが集計できていない
これらの漏れを防ぐためには、どんぶり勘定をやめ、案件別収支を正確に把握する「工事別原価管理」と「利益管理」の徹底が必要です。
リフォーム会社の原価率・粗利率の目安と構成
原価管理を行ううえで、自社の利益率が適正かどうかを知っておくことは重要です。リフォーム業界における一般的な目安は以下の通りです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 原価率 | 65% 〜 75% |
| 粗利率(売上総利益率) | 25% 〜 35% |
※ただし、工事内容(水回り、外壁塗装、フルリノベーションなど)や自社施工の割合によって適切な粗利率は大きく変わります。自社の適正な利益率を把握するには、まず過去の完成工事原価から正確な数字を割り出し、工事収支を分析することがスタートになります。
Excel管理では限界になるタイミング
創業期であればExcelでの管理も可能ですが、同時進行案件が増え、複数人で管理するようになると、Excelでの管理は限界を迎えます。
ファイルの同時編集ができない、最新版がどれかわからない、スマホから現場で確認できないといった問題が発生し、リアルタイムでの実績管理(予実管理)が破綻してしまうためです。このような課題が増えてきたら、後述するクラウド型システムへの移行を検討する目安となります。
原価計算書とは
どんぶり勘定から脱却し利益率改善を図るために必須となるのが『原価計算書』です。
原価計算書(または工事原価計算書)は、言葉の通り工事の原価を計算して記録するものです。
見積書と同じようなデザインで、各項目にどれくらい原価が掛かっているかを記録します。
| 主な項目 | 内容例 |
|---|---|
| 材料費 | クロス、フローリング、建具など |
| 外注費 | 大工・設備・電気工事など |
| 人件費 | 現場管理者や自社職人の人工 |
| 間接費 | 現場移動費、管理費など |
この書類は、工事の各工程や材料、人件費、間接費などの費用を細かく分析し、進行状況や予算との整合性を確認するために利用されます。
また、工事の実施後には実績と見積もりとの比較も行われ、将来の工事計画や原価見積りに生かされることもあります。
このように、原価計算書は工事の透明性を高め、効率的な原価管理を支援する重要なツールとなっています。

原価管理について詳しくはこちら
原価計算書の作り方とポイント
原価計算書を作る目的は、工事ごとの利益構造を“見える化”することです。
どれだけ正確に見積を作っても、実際の発注や現場の追加対応で原価が変動すれば、想定していた粗利は簡単に崩れてしまいます。
そこで重要なのが、見積段階から原価を意識して管理する仕組みです。
この章では、原価計算書を効率よく作成し、粗利率の低下を防ぐための具体的なポイントを解説します。
見積書と一緒に原価を作成する
見積書作成の際に、必ず同時に原価計算(実行予算の作成)を行うことが鉄則です。
各項目の価格根拠を明確にすることで、お客様から値引き交渉を受けた際にも、「ここまでは値引きできるが、これ以上は赤字になる」というデッドラインを論理的に判断でき、不当に低い請負代金での受注を排除できます。

このように、項目一つ一つを作成する際に都度見積価格と原価を入力していきます。
ただし、これを行う場合、普段原価を入力する習慣がないと見積作成時間が2倍かかってしまう可能性があります。
効率を上げるためには、よく使われる資材や歩掛(ぶがかり)に関しては標準単価表(マスターデータ)を作成するなどの取り組みが必要です。
標準単価表に関連する記事はこちら
合計金額や粗利をチェックしながら見積を作成する
原価を同時に入力できる状態になったら、全体の合計金額と「現在の粗利率」をリアルタイムで確認しながら作業を進めましょう。

例えば、この図の場合、粗利率は現時点で13.75%です。目標が30%だとすれば、一目で達していないことがわかります。新たな見積項目を追加するかどうかに関わらず、このままでは提出しても利益がほとんど残りません。原価計算を同時に行うことで、このような情報を作成途中でも確認できるのです。
見積価格は原価を基準に計算されます。これまでの図では、「1.項目名」「2.見積金額」「3.原価」という順序で記載されていますが、実際に項目を作成する際には「1.項目名」「2.原価」「3.見積金額」という順序で作業を進めるのが望ましいです。
「この工事は原価が〇〇円で、粗利は〇%確保したいので見積金額はこれくらい」
というロジックで見積書を作成していきましょう。
リフォーム会社が粗利率をアップさせるための具体的な手法と成功事例の記事はこちら
原価計算書を作成することのメリット
原価計算書の作り方が分かったところで、そのメリットについておさらいしましょう。利益管理を徹底することで、以下のような大きなメリットがもたらされます。
- 常に原価と工事利益を見ながら商談を進めるため、粗利率の低下を抑え赤字工事をブロックできる
- 施主に対しても、なぜこの金額になるのか価格の根拠を自信を持って説明できる
- 標準粗利率を設定することで、営業担当ごとの無根拠な値引きなどを防止できる
- 標準単価表の作成のきっかけになり、見積作成のスピードが上がり業務改善が行える
- 原価が明確になっているため、そのまま発注フローへスムーズに移行できる
原価計算書を活かした次のステップ(予実管理)
原価計算書の作成が社内に定着したら、次のステップとして「予実管理(予算と実績の管理)」による業務改善を進めることができます。
作成した実行予算を基に発注を行い、工事終了までの進捗と実際に発生したコスト(実績原価)を突き合わせます。これにより、完工時の粗利率低下を抑えることができます。
さらに、発注状況や工事の進捗状況をリアルタイムで把握することも可能になります。工事の追加や補修などが発生した場合も、即座に原価計算情報を追記することで現時点での最新の粗利率が把握できます。
原価計算書を活かした次のステップまとめ
- 発注状況・仕入れ・支払をクラウド上で一元化
- 工事進捗ごとに最新の粗利率を自動計算
- 追加工事が発生した際も即座に反映
こうした仕組みを整えることで、完工時に初めて原価がわかる状態から脱却できます。予算と実績の差異を工事中に把握できれば、次回以降の見積精度向上にもつながります。
リフォームの原価管理に関するよくある質問(FAQ)
- Q. リフォーム会社の適正な粗利率は?
-
A. 一般的には25%〜35%が目安とされていますが、水回りや外壁塗装、フルリノベーションなど工事内容によって異なります。自社の適正な利益率を把握するには、過去の原価データから正確な数字を割り出すことが重要です。
- Q. 2024年の建設業法改正は原価管理にどう影響しますか?
-
A. 法改正により、下請け業者へ標準労務費を十分に考慮しない不当に低い請負代金での発注が厳しく制限されるようになりました。標準労務費を考慮した適正な請負契約が求められるため、自社で正確な原価計算を行い、適切な利益を上乗せして施主に提案する「原価管理能力」がこれまで以上に必須となっています。
リフォーム業向け 原価管理ができるクラウドシステム 厳選3選
これまで原価計算書についてご紹介しました。
原価計算書を作成するには、原価管理が不可欠です。
しかしリフォーム業を含めた建設業の原価管理は工事ごとに行う必要があり、非常に手間がかかる作業です。
そこでこの章では原価管理が効率的に行えるシステムをご紹介します。
| サービス名 |
|
|
|
|---|---|---|---|
| どっと原価3 | SMILE V 2nd Edition コストマネージャー | レッツ原価管理Go2クラウド | |
| 機能 | 受注登録、実行予算作成、仕入伝票入力・・・その他 | 実行予算入力、原価データ分析、労務費管理・・・その他 | 原価管理、支払管理、回収管理・・・その他 |
| 初期導入費用 | 無料 | 要お問合せ | 11,000円(税込)~ |
|
保守/更新 費用 | 13,000円(税抜) /月~ | 要お問合せ | 22,000円(税込)/月~ |
|
無料版 体験版 | 要お問合せ | 要お問合せ | あり |
|
【提供形態】 対応OS | 【クラウド型】 Windows11 | 【クラウド型/インストール型】 Windows 10/11 / macOS 11/12 13 | 【クラウド型】 Microsoft Windows 11 日本語OS64ビット版(x64) |
|
サポート 体制 | 電話対応、リモートサポート、訪問サポート | 要お問合せ | 電話対応、メール対応、FAX対応、サポートサイト、リモートサポート |
| 運営会社 | 株式会社建設ドットウェブ | 株式会社OSK | 株式会社レッツ |
※プラン・製品・提供会社によって、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の対象外になる可能性がございます。補助金の利用をご検討の場合は、必ず製品の提供会社にご確認いただく様お願い申し上げます。
ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む) | デジタル化・AI導入補助金2026
【クラウド型】どっと原価3
『どっと原価3』は、小・中規模向けに構成され業種を問わず幅広く利用できる原価管理システムです。
導入実績は業界No1で発売実績も20年以上と長期にわたります。 受注登録からデータ分析、原価集計など、原価に係る管理だけでなく分析まで行うことができます。
クラウド型の特性から、外出先でも利用できる為、業務改善や管理コストを下げたい企業におすすめです。
また、独自ルールに合わせたカスタマイズが可能であり、操作性が高いシステムです。

システムの特徴・利点
- オプション選択式で企業ごとに最適な構成ができる。
- 外部ソフトと連携ができる。
- 様々レイアウトの帳票カスタマイズができる。
| 機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理、書類・写真管理、顧客管理、営業進捗管理、請求管理、入金管理、帳票作成、現場日報管理、物件管理、労務管理、在庫管理、その受注登録、実行予算作成、仕入伝票入力、原価集計、買掛管理(支払伝票入力)、売上・入金伝票入力、売掛管理、データ分析、収支見込管理(プランによる)、その他 |
|---|---|
| 初期導入費用 | 無料 |
| 保守・更新費用 | ライト(最大5ライセンス):13,000円(税抜、1ライセンス) /月 スタンダード(最大20ライセンス):23,000円(税抜、1ライセンス) /月 ※オプション費用は別途 ※追加利用者1ライセンス:7,000円(税抜) ※グループ企業やクライアントライセンスもあり。 |
| 無料・体験版 | 無料相談あり |
| 対応OS | Windows11 ※日本語OSに対応しています。 |
| サポート体制 | 電話対応 リモートサポート サポートサイト 訪問サポート |
| 運営会社 | 株式会社建設ドットウェブ |
【クラウド型】レッツ原価管理Go2クラウド
『レッツ原価管理Go2クラウド』は、建設業や製造業向けのクラウド型の原価管理システムで、見積・実行予算・発注・原価・支払・回収に至る業務を一元管理できます。
データを一度入力すれば、工事原価や在庫、未払金など関連資料へ自動反映されるため、二重入力や入力ミスを削減できます。
操作画面は、納品書などの証憑に近いデザインで、簿記知識がない担当者でも直感的に利用可能です。
さらに、クラウド型としてインターネット環境があればどこからでもアクセスでき、導入支援やリモートサポートも充実しているため、初めてのシステム導入でも安心です。
システムの特徴・利点
- どの部門でも使える基幹システムの価値を提供
- リレー機能が搭載されており、二度打ち不要
- 導入検討から運用までレッツ独自の手厚いサポート
| 機能 | 原価管理、支払管理、回収管理、その他 |
|---|---|
| 初期導入費用 | 1ユーザー 11,000円(税込)~ |
| 保守・更新費用 | 1ユーザー 1年/264,000円(税込) 5年/1,320,000円(税込)~ |
| 無料・体験版 | あり |
| 対応OS | Windows 11 日本語OS64ビット版(x64) |
| サポート体制 | 電話対応 メール対応 FAX対応 サポートサイト リモートサポート |
| 運営会社 | 株式会社レッツ |
【クラウド型/インストール型】SMILE V 2nd Edition コストマネージャー
『SMILE V 2nd Edition コストマネージャー』は、発注・予算・支払・請求をまとめて管理できるクラウド型システムです。
過去の予算や原価を元に実行予算を作成できる機能や原価を多角的に分析できる機能が備わっており、コスト削減や効率化を実現できます。
また、同じく株式会社OSKが提供するシステム「eValue V2 ワークフロー」と連携が可能であり、承認機能も備わっている為、ミスを防止する事が出来ます。
従業員のミスを減らし、徹底的にコストを管理したい企業におすすめです。
システムの特徴・利点
- 豊富な原価分析資料
- 発注業務から原価入力までを効率化
- 請求・支払業務もサポート
| 機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理、書類・写真管理、顧客管理、営業進捗管理、請求管理、入金管理、帳票作成、現場日報管理、物件管理、労務管理、在庫管理、その他 |
|---|---|
| 初期導入費用 | 要お問合せ |
| 保守・更新費用 | 要お問合せ |
| 無料・体験版 | あり |
| 対応OS | ・Windows 11 Pro / Enterprise (x64) ・Mac 14 Sonoma / 15 Sequoia / 26 Tahoe ・iOS ・Android |
| サポート体制 | 電話対応 メール対応 リモートサポート |
| 運営会社 | 株式会社OSK |
さらに詳しい原価管理システムについてはこちら
原価管理システムなら建築業向けの管理システム「アイピア」
アイピアは建築業に特化した原価管理システムであり、原価管理機能はもちろん、顧客情報、見積情報、発注情報、請求支払など工事に関する情報を一元管理できるため、情報集約の手間を削減できます。
操作もシンプルで導入しやすく、業務効率化の効果をすぐに実感できるのも特長です。さらに、クラウドシステムのため、外出先からでも作成・変更・確認が可能です。
アイピアの原価管理機能はここが便利!6つのポイント
まとめ
今回は、見積作成時に原価計算書を作成する方法をご紹介しました。
ただし、こうした改善を一人の担当者だけで実現するのは難しいのが現実です。
根本的な課題を解決するためには、リフォーム工事全体の業務フローを見直し、Excel中心の管理から脱却することが重要です。
まずは、現状の課題を整理し、リフォーム会社向けの見積・原価管理システムの導入を検討してみましょう。
リフォーム業で利益を残すポイントは以下の3つです。
- 見積時に原価計算書を作成する
- 工事中も予実管理を行う
- Excel管理からクラウドシステムへ移行する
原価管理の基礎に関する記事
- 【建設業向け】工事原価管理とは?メリットや課題、目的を簡単にご紹介
- 【基礎から解説】原価計算とは?計算方法や目的別の種類も解説!
- ABC(活動基準原価計算)とは?計算方法やメリット、事例を解説
- 【リフォーム業向け原価管理】原価計算書を作成して粗利率低下を防止
原価管理の改善に関する記事
- 【2026年最新】赤字工事を未然に防ぐ「原価管理のコツ」5選!エクセル脱却と利益を残す仕組み
- 原価管理の失敗事例5選と赤字工事を防ぐための具体的な対策/a>
- 工事管理システムで原価管理を劇的改善!どんぶり勘定から脱却する選び方
原価管理ソフト(システム)に関する記事
“社内のデータを一元管理”工務店・リフォーム会社が選ぶ!












