原価企画とは? 利益確保のための手順やシステムの紹介

原価企画とは? 利益確保のための手順やシステムの紹介

近年重要視されている「原価企画」についてご存じですか?

モノが売れないといわれている今の時代、原価企画を見直すことで、コストダウンをして利益を獲得することができます。
中身がよくわからないままだと、自社で行う必要があるか判断するのは難しくなるかもしれません。

この記事では、原価企画の重要性ややり方などのノウハウについてわかりやすく紹介していきます。
原価企画を導入しようか検討している方はぜひ参考にしてみてください。

原価企画とは?

ではまず、原価企画とは何なのかを見てきます。
以下では、原価企画の意味とルーツや成功例をご紹介します。

原価企画という考え方

原価企画という考え方

原価企画とは、製造段階の前の企画の段階であらかじめ原価を計画して設定しておく仕組みです。
顧客のニーズに合った「原価・機能・品質」を設定し、これらの目標を中心に総合的な原価削減を図るための原価管理の手法です。

原価企画のルーツと成功例

「原価」とは一般的に、製品を造る際に必要な原材料費や設備償却費、労務費、販管費などの総額。
クルマに例えると仕様や材料、ボディーの構造、エンジンの容量、販売ターゲットに合わせた宣伝費などによって決まります。
ざっくり言うと、価格から利益を引いた金額と言っていいでしょう。つまり原価が決まれば利益も決まるわけです。逆に原価が分からないと利益も分かりません。
つまり原価が分からないと本来なら商品企画はできないはずなのです。
日経XTECH「確実に利益を確保し、技術革新を起こすトヨタ流「原価企画」から引用

原価企画の考えは、1963年にトヨタ自動車で誕生したといわれています。
1966年に発売されたカローラの開発時に、トヨタ自動車は原価を見直しコスト削減を目指しました。

そこから、1970年以降に多くの会社で導入されることになり、東証一部上場会社の約60%が原価企画を導入しているという結果になりました。(※2008年に実施された調査による)

オイルショックなどの影響を受けたころからどんどん形を変えていき、現在では目標利益の達成に軸を置いた原価企画が行われており、主流になっています。

参考:原価企画の実態調査(21p)

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原価企画はなぜ必要?注目される理由

ここでは、原価企画が必要であり、現在注目されている理由をご紹介します。

目標とした「利益」の確保

昨今、インターネットなどで商品やサービスの品質や価格設定の善し悪しが簡単にわかることにより、良いか悪いかの基準が厳しくなっています。
よって従来の、”作ったものを売って稼ぐ”時代から、”売れるものを作って稼ぐ”時代にシフトチェンジしています。

そこで、製造段階の無駄を省き、目標とした利益の確保を可能にするために、変わりゆく顧客のニーズに合わせた品質や、売れる価格を企画段階で検討します。

コスト低減

コストは企画・設計段階でほとんど決まるといわれています。

製造段階でのコストダウンは難しいとされており、開発段階でコストを考えることが重要です。
ここで目標原価を決めて企画・設計することで、自社がどのくらいのコストで作れるかを正しく見積もることができます。

製品の開発設計段階での上手な企画は、「製造段階でのコストダウン活動に比べ、10倍もの効果がある」「原価の8割は企画・設計で決まる」といわれています。

適切な目標原価の設定

原価企画に重要なのは、利益を増やすための適切な目標原価を設定することです。

目標原価は、市場ニーズなどを見極めて設定する販売価格から、得たい利益を差し引いたものです。
しかし、関連部署の情報や製造のシミュレーションが不十分な状態で目標原価を設定しても、その目標は実情とは異なってしまいます。

では目標原価の計画のやり方を、次のステップで解説していきます。

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原価企画のやり方・手順


ここでは、実際の原価企画のやり方・手順について解説します。

目標原価の計画

目標原価を決めるため、初めに目標売価を決めます。
目標売価には市場価格・類似価格・希望価格があるので、そのうちいずれか一つを決めましょう。
それぞれの意味は以下のようなものです。

  • 市場価格
    需要と供給により決まる
  • 類似価格
    類似品により決まる
  • 希望価格
    得意先の予算・指定により決まる

その次に、目標利益率から目標利益を求め、目標原価を算出します。

例えば、目標売価を1,000円、目標利益率を65%すると、一つ当たりの目標利益は650円(65%)となり、目標原価は350円と算出できます。

設計する

次は、原価を低く抑えた設計を目指します。
まず、モノを設計どおりに製作します。
この試作の原価から見積った見積原価を出し、前の段階で計画した目標原価と比較します。

「見積原価-目標原価」

これがコストカットを目指す金額となります。
この金額を確認したうえで設計図を作り直すなどし、実際の原価が目標原価に近づくよう工夫を繰り返します。
これが原価企画の中心となる活動となります。

自社の努力だけでは不可能な部分は、取引先などに協力してもらうことも必要です。

ただし、ここに時間をかけすぎてしまうと実際にモノが完成する時期が遅れてしまいます。
現在の市場は短いサイクルでの製造が求められるため、設計の段階に時間をかけすぎないことも重要です。

原価管理をきちんと行うためのABC(活動基準原価計算)計算方法やメリットも解説

達成率の評価

最後に、目標原価達成率コストダウン達成率を算出して、どの程度の原価低減が実現したのかを調べる段階です。
それぞれの計算方法は以下のとおりです。

目標原価達成率=目標原価/標準原価×100

コストダウン率=(見積原価-標準原価)/見積原価×100

※標準原価にはステップ2の試作の結果でで達成された原価を当てはめます。

この計算方法の簡単な例をあげると、

見積原価: 1,000円
目標原価:350円
標準原価:450円

目標原価達成率=350/450×100=77.7%

コストダウン率=(1,000-450)/1,000×100=55%

目標原価達成率が100%を切る場合、なぜその結果になったのか、問題点を洗い出して今後の対策を考え、次の開発に生かします。

建築業での原価企画とは?


建築の設計プロセスは、「企画」「設計」「契約」「施工」「引渡」「維持保全」で、
一人一人の顧客の満足度を考えながら、利益を出せるよう工夫する仕事です。

自動車産業のように複数の顧客に向けて同じ製品を設計する業種とは異なるため、原価企画の考え方にも相違点はあります。

しかしこのような産業でも、顧客ニーズは多様化してきていることから、
建築業でも、原価企画を行うことはコスト低減や利益獲得のために更に大切な活動となります。

【建築業向け】原価企画を効率よく進めるには

人手不足などの要因により建築業界では、日々の業務をより効率的に行う必要があります。
ここでは、原価企画を効率よく進める方法をご紹介します。

原価管理システムの導入

基本的な原価企画は、上で説明したような 計画・設計・評価を基本とします。
しかし、これを人的に行うとなると時間や手間の無駄、ミスが発生しやすくなります。

よって、原価企画を効率よく行うためには、原価管理システムの導入が有効です。

原価管理システムでは、計算に必要なデータを入力するだけで、その処理をシステムに任せることができます。
人為的なミスがなくなるうえ、早くて正確なデータが得られます。

また、単純な作業をする時間が少なくなるため、他の業務に集中することができます。

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まとめ

原価企画は、原価低減と目標利益を達成するために重要な活動になります。

しかし、上記で紹介したプロセスを手動で行うのは大変です。
原価管理システムを導入し、原価低減と目標利益達成をより簡単なものにしませんか。

機能や予算を比較しながら、自社に合ったシステムを探してみてください。

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AIPPEAR NET 編集部

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