「工事が終わって粗利計算をしたら赤字工事だった」
「会社で決めている最低粗利率を下回っていた」
これらは、どのような工事に関わる業種でも必ず打ち当たる課題のひとつです。
この問題は、工事原価を管理する「工事台帳」の作成によって防ぐことができます。
今回は、どなたでも無料で使える工事台帳エクセルテンプレートを作成しました。使い方も含めてご紹介しますので、ぜひ貴社の原価管理にお役立てください。
目次
効率的に工事台帳作成するなら『建築業向け管理システム アイピア』
工事台帳は、原価管理をする上で非常に重要な書類ですが、原価計算や入力作業など作成にはかなりの時間と手間がかかります。
また、エクセルテンプレートを利用しても、情報の集約に手間がかかるだけでなく、セキュリティやデータ管理の点で様々な問題が生じます。
工事台帳を誰でもカンタンに作成できる!施工管理システムアイピアとは?
専門的な知識がなくても簡単に工事台帳を作成が可能な建築業向け管理システム アイピアをご紹介します!
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、工事台帳に必要なデータを一括で管理できます。
また、各情報で入力したデータは、自動で計算され必要な書類に出力される為、情報集約や計算、データを再入力する手間を省くことができます。
手間削減!工事台帳が簡単に作成できる3つのポイント
- 自動で計算・出力されるから、簡単なデータを入力するだけ!
- 工事に関する情報を一元で管理するから、情報集約の手間なし!
このシステムだけで完結できます。 - 取込機能を利用すれば、何度もデータを入力せず、スピーディに作成できる!
まずは、体験デモで使用感を体感してみませんか?
工事台帳:無料エクセルテンプレート
このテンプレートは、「わかりやすさ」と「使いやすさ」を重視し誰でも簡単に使えるものを目指し作成しました。
工事台帳:エクセルテンプレートの使い方
この工事台帳テンプレートは、4つのブロックに分かれています。
- 基本情報
- 入金情報
- 原価情報
- 粗利の推移
基本情報
「基本情報」は、お客様の情報や日付(契約日や着工日など)を記入する項目です。
後から見返した際にどの現場の工事台帳なのかがわかるように入力をしていきましょう。
入金情報
「入金情報」の現場の入金予定ごとに予実管理ができる項目です。
- 項目名:(例)着工金、リフォーム工事代金 など
- 入金予定日:入金の予定日を入力
- 入金予定額:入金の予定額を入力
- 入金日:実際に入金があった日付を入力
- 入金額:実際に入金があった金額を入力
- 手数料:振込手数料があった場合に入力
原価情報
「原価情報」は明細を入力するブロックと、明細を月ごとに集計されるブロックに分かれています。
背景が白色のセルに入力することで、黄色のセルに自動で計算します。
原価情報(原価明細入力ブロック)
- 日付:購入日を入力
- 業者名:業者名や購入先を入力
- 内容:原価の内容(商品名など)を入力
- 科目:材料費、労務費、外注費、経費の4種類に分かれています。該当する科目に金額を入力
原価情報(科目別集計ブロック)
原価明細で入力した日付と科目をもとに、自動で月ごとに科目別で集計されます。
粗利の推移
このブロックでは、工事の粗利を受注時、予算時、締め時の3段階で管理することが出来ます。白色の背景部分を入力してください。
工事台帳とは、リフォームや建築業など工事に関わる業種において、原価を適切に把握するために作成される管理表のことです。
工事中に業者から届いた請求書やホームセンターで購入した材料などを入力することで、原価がどれだけかかっているかをリアルタイムに把握することができます。
また、見積段階の想定では黒字工事であっても、工事の追加や変更を通じて粗利を大きく落とす事態を未然に防ぐことも可能です。
完工後に粗利低下に気付いても、どうすることもできません。工事台帳を通じて工事中にしっかり粗利管理することが重要です。
その他すぐに使える!工事台帳エクセルテンプレート
- 税抜き入力
- 税込み入力
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- 科目別・予実管理
- 税込み入力
- 科目別・予実管理
- 計算式なし
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- 科目別・予実管理
その他建築業のテンプレートを使うならこちら
工事台帳の目的
各工事の原価の管理を適切に行うことができる工事台帳ですが、具体的な役割や目的を把握しておくことでより有効に活用できます。
ここでは、工事台帳の目的や役割を具体的に解説します。
各工事の利益率や収支内容を把握できるため
工事台帳で原価管理を適切に行えば、収支内容を確認しながら各工事の利益率を把握できます。また、工事台帳を作成することで、どんぶり勘定による見積書作成を防ぐことができるため、赤字工事の回避や余裕を持った工程で工事を行うことができます。
反対に、工事台帳を作成しない場合、人員管理や工程管理が不適切になる場合や原価よりも安く工事を引き受けてしまうなど広い範囲に影響を及ぼします。
経営事項審査で提出するため
経営事項審査は、建設法によって定められた、公共工事の請負業者が受けるべき審査のことを指します。
発注元の各機関はこの審査を行い、請負業者の経営状況を客観的に評価・把握することで発注資格のある業者であるかを判断します。その際に、経営状況を客観的に数値で把握できる資料として、工事台帳を提出する必要があります。
経営事項審査に関する記事はこちら
工事台帳に記入する費用の種類
工事台帳で管理する原価は、いくつかの項目があります。
原価を適切に管理する為、工事台帳に記入する内容や記入方法を正確に把握しておきましょう。
ここでは、工事台帳に記入する4つの費用科目について解説します。
材料費
材料費は、工事に当たり必要な材料を仕入れた際にかかる費用のことを指します。
工事台帳に記入する際は、材料の原価に加え、取引にかかる費用を記載します。
労務費
労務費は、自社で雇用している従業員に対して支払う賃金を指します。
ここでは、給料のみならず手当や交通費なども含まれるため、注意が必要です。
また労務費は、建設作業を行う従業員に支払う賃金であり、事務作業を行う従業員の賃金は含まれません。
外注費
外注費は、自社との雇用関係がない作業員の方に支払う費用を指します。
業務を外注している下請け業者の方や一人親方に支払う賃金はここに含まれます。
経費
経費は、上述した3つの費用に含まれないものです。
工事に使用した重機や現場でかかった光熱費、事務作業を行う従業員の給料などが含まれます。
工事台帳の費用に関する記事はこちら
原価管理を効率化したいなら、原価管理システムの導入がおすすめ!
エクセルテンプレートは誰でも手軽に使えて便利であるものの、セキュリティや管理の煩雑さに課題が残ります。使っているうちに、工事ごとに増えていくエクセルシートの管理に頭を抱える場面が出てくることでしょう。
パソコンのデータ容量や工事台帳の管理に手間をかけたくない!とお考えなら、原価管理システムの導入がおすすめです。
工事台帳の管理が効率化するだけでなく、見積書や請求書など様々な情報と連携することで入力そのものを簡略化し、作業時間を圧倒的に削減できるかもしれません。
おすすめの工事台帳エクセルテンプレート3選
ご紹介したエクセルテンプレートがあまり自社に馴染まない・・・という方は、ぜひ下記3つのサイトで紹介しているテンプレートもチェックしてみてください。貴社に合う無料テンプレートが見つかるかもしれません。
トラスト
「トラスト」では、土木関連で使えるエクセルテンプレートを多数提供をしています。
各現場の工事台帳だけでなく、全体を管理するための管理用エクセルが用意されている点が特徴的です。
管理用エクセルのおかげで、各現場用の工事台帳が増えても、どこに保存したか分からなくなるといったことがなくなります。
また、データはZip形式でダウンロードされるのでファイルを解凍するだけで使用することが出来ます。ファイルの中には操作方法のマニュアルも含まれており、操作方法に悩むこともなさそうです。
経費削減実行委員会
「経費削減実行委員会」は、人件費・残業代、福利厚生費、接待交際費など企業でかかる経費の削減を応援する経費削減サービスの比較サイトです。
見積書、請求書、注文書など業務効率に使えるビジネス書式テンプレートも紹介しています。
ビジネス書式テンプレートの中に、「10%対応済 工事台帳」があります。契約の情報、入金・回収、原価をまとめて管理できるエクセルテンプレートです。
uconnect 悪魔のエクセルテンプレート
ERPクラウドや粗利管理クラウドソフトを販売している株式会社unlimitedが提供をしているエクセル工事台帳です。原価一覧(原価明細)に日々の支払を入力することで、実行予算に対しての支払い状況や残予算の状況が一目でわかります。
工事台帳以外にも現金出納帳や年間カレンダーなど様々なテンプレートが用意されており、他の業務もカバーしてくれそうですね。
EXCEL- Free
この工事台帳は、1現場ごとで組んだ予算さんに対して、支払いと、支払いの残額を月単位で表示できます。
6ヵ月間まで管理可能で、合計行の計算は自動でされるシンプルな工事台帳です。
また、エクセル年度別 損益計算書、エクセル貸借対照表テンプレート、現金出納帳 テンプレートなど40種類以上のエクセルテンプレートがあります。
たくさんの種類があるので、すごくお勧めのサイトです。
まとめ
今回は、工事台帳エクセルテンプレートをご紹介しました。
当ブログが作成したテンプレートは無料となっております。ご自由にお使いください。
建築業で確実な利益を得る為に、今回ご紹介した工事台帳の作成は有効ですが、より効率的に原価管理を行う為に、原価管理システムを導入するのが最も効果的でしょう。
当社が取り扱う「建築業向け管理システム アイピア」は、顧客管理から原価管理、発注管理まであらゆる業務を一元管理できるシステムです。
建築業に特化したシステムとなっておりますのでこちらも是非一度ご検討ください。
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原価管理に関する記事
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- 徹底した工事原価管理サイクルを実現するためのITシステム5選
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