あなたの職場には、「業務マニュアル」があるでしょうか?マニュアルが整理されている環境には、様々なメリットがあります。
「その人にしか出来ない仕事」を減らしてリスクを分散したり、
万が一担当者が不在でも誰かが代わってあげられることで「無理なく働ける職場環境」を作ることが出来ます。
ところが、業務マニュアル作成を多くの人は「面倒くさい」と感じているようです。
今回は、わかりやすいマニュアル作成のポイントと、誰もが簡単・手軽にマニュアル作成が行える便利ツールを紹介します。
目次
業務マニュアル作成のポイント
まずは、業務マニュアルを作成するにあたって注意すべきポイントを5つの観点からご紹介します。
いきなり完璧な業務マニュアルを作る必要はない
マニュアル作成をするにあたってまずぶち当たる壁は、「完璧なものを作成しなければならない」という強迫観念です。
最初から完成形を目指すせいで準備に時間をかけすぎたり、
そもそも着手するのが億劫になって結局放置してしまうということ、過去に経験ある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
マニュアル作成は、初版を少しずつブラッシュアップするもの、と考えてください。
まずは形にすることが大切です。そのうえで修正を行うための共有フローを作ります。
まずは5W1Hを明確にする
マニュアル作成で最初に行うのは、「このマニュアルは誰のためのものなのか?」という問いに明確に答えることです。
この基本が明らかになることで、文章の書き方など表現の方法ががらりと変わります。まずは以下の情報を整理しましょう。
確認したい「5W1H」
1 | Who | このマニュアルは、誰が確認するのか(担当者) |
---|---|---|
2 | What | このマニュアルは、どんな業務に関するものなのか(業務種類) |
3 | When | このマニュアルは、業務で何が起きたときに確認するのか(場面) |
4 | Where | このマニュアルは、どこで見るマニュアルなのか (事務所、外出先などの確認場所) |
5 | Why | このマニュアルは、なぜ作成する必要があるのか (マニュアルが無い場合のリスク) |
6 | How | どのようにマニュアルを作成するのか |
上記の表のように、具体的なマニュアル作成方法を決めるのは一番最後です。
マニュアル作成の目的を明確化してからでないと、せっかく作ったマニュアルも「見にくい」「わかりにくい」という評価を受けて結局活用されないまま埋もれてしまうかもしれません。
結論ありきの「意味がわかりやすい」構成にする
言葉の構成は、「結論→手順」で明記するとみる人にも理解してもらいやすくなります。
目次や見出しタイトルにはその章で伝えたい結論を短く記載しましょう。
図解・視覚化した表現
人は文字を読むより視覚化した情報を確認するほうがスムーズに情報を把握できます。
たくさんの文章を書く必要がある場合は、図や写真などに置き換えて表示できないか検討しましょう。写真に書き込むという手段も有効です。
専門用語の使いどころに注意
「マニュアルは専門用語を使ってはいけない」というわけではありません。場合によっては通常よりも素早く情報伝達できるツールが専門用語です。
最初に確認した5W1HのWhy(だれが)に適した言葉をつかいましょう。
マニュアルを読む人によって理解に幅があるのであれば、専門用語は使わないほうが無難です。
業務マニュアル作成のステップ
次に業務マニュアルを作成する流れをご紹介します。
作成スケジュールを決めよう
まずはマニュアル作成を行うスケジュールを決めましょう。スケジュールに必要な項目は、下記のとおりです。
- 5W1Hを決める
- 情報収集を行う
- マニュアルのアウトラインを作成する
- アウトラインごとに本文を作成する
これらの具体的な手順のほか、以下のような項目もあるとスムーズです。
- 第1稿の共有
- 各利用者(マニュアルを見る人)からの意見収集
- 第1稿を修正した第2稿の作成
マニュアルの内容によってどれくらい修正するか(第何稿まで作成するか)は変わってきますが、どの場合にも第1稿はできる限りスピーディに仕上げることをおすすめします。その際、完成度を優先する必要はありません。
マニュアルは、活用してもらって初めて意味を持つものです。そのためには早い段階で利用者(マニュアルを使う人)に目を通してもらい、意見をもらいましょう。マニュアル作成者が一人で頭を悩ませて精巧なものを作成しても、価値の高いマニュアルを作成することはできません。
情報収集
おおまかなスケジュールが決まったら、まずは情報収集です。実際に業務を行う担当者からヒアリングを行いましょう。
- 登場人物
- 登場人物が行うこと
- 登場人物どうしでやりとりすること(連携、情報の共有など)
これらのポイントを、まず箇条書きで書き出してから詳細を肉付けしていきます。
マニュアルのアウトラインを作成する
アウトラインは「概要」とか「あらすじ」を意味する言葉です。例えば「カレーを作る」というマニュアルであれば、
カレーの作り方
- 肉、野菜を切る
- 切ったものをよく炒める
- 水を加えて煮込む
- いったん火を止め、ルウを溶かす
- 再び火を入れ弱火で煮込む
このような全体の手順がありますよね。こういった「見出し」をアウトラインといいます。先ほどの情報収集を通じて、まずはこのアウトラインを明確にしましょう。業務によっては登場人物や部署が複数にわたるケースもありますので、何度も担当者と確認しながら作る部分になります。
本文の作成
アウトラインが作成したら、アウトラインごとに詳細な本文を作成していきます。この時に重要なのは、最初に説明したポイントの通りです。
本文を書くときのポイント
- 「結論→解説」という言葉の構成にする
- 図・写真などを用いて出来る限り視覚的に理解できるようにする
- 読む人によって理解の幅が生まれる表現(専門用語など)は控える
本文を作成する際には「あれもこれも」と記載したくなりますが、第1稿はできる限りシンプルにしましょう。あとから付け足すほうが最終的な精度は上がります。
マニュアルの共有方法は?
業務改善相談で意外と多いお声がけのひとつに「担当者によって持っているマニュアルのバージョンが違う」ということです。せっかく作ったマニュアルも、本棚に仕舞われていては意味がありません。パソコンに保存していたとしても、階層化されたフォルダに並べられているだけでは必要な時に取り出せませんしどれが最新版か分かりにくいものです。
マニュアルの保存にはクラウドツールを活用しましょう。第1稿を利用者からのコメントで修正することを考えると、全員がいつでも同じ場所を確認・編集ができるEvernoteやOneNoteなどのツールがおすすめです。
マニュアル作成をExcelで行ってはいけない!
Excelを多くの現場で使うことができることもありマニュアル作成をExcelで行う方もいますが、基本的にはExcelでマニュアル作成を行うことは推奨できません。
たしかに様々な機能があり便利で自由度も高いツールですが、それだけに使う人によって使い方にばらつきが生じます。それこそ「マニュアル作成のマニュアル」が必要になってしまいます。
マニュアル作成ツールには、できる限り「使い方が標準化されていて」「共有・修正ができる」仕組みのあるものを使いましょう。
おすすめのマニュアル作成ソフト
マニュアル作成に便利なソフト6選をご紹介します。
Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)
料金 | 初期費用100,000円/月額50,000円~ ※30日間無料お試し版あり |
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機能 ポイント |
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ClipLine(クリップライン)
料金 | 月額10,000円~ |
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機能 ポイント |
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COCOMITE(ココミテ)
料金 | 初期費用65,000円/月額22,000円~ ※30日間無料お試し版あり |
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機能 ポイント |
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iTutor(アイチューター)
料金 | 詳細不明(都度見積もり対応) |
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機能 ポイント |
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Dojo(ドージョー)
料金 | 詳細不明 |
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機能 ポイント |
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TEんDo(テンドウ)
料金 | 月額68,000円~ ※最低利用期間3か月の制限つき |
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機能 ポイント |
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まとめ
マニュアル作成で最も大切なことは、「利用者に活用してもらう」ことです。
そのためにはいかに利用者目線に立ったマニュアルが作成できるか、そしてスピーディに第1稿を作成し共有するかという点は大変重要になります。
今回紹介したツール等も活用して、ぜひ御社の業務効率改善にお役立てください。
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