PDCAとは？新人でも簡単に優秀人材に成長できる方法を紹介

社会人・学生を問わず知られている「PDCA」というキーワードですが、使い方を知らないという人も多いのではないでしょうか。
PDCAを正しく使うことができれば、高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

この記事では、PDCAの回し方について、詳しく説明します。

PDCAサイクルとは

PDCAサイクルは、Plan（計画）、Do（実行）、Check（評価）、Act（改善）の4つのプロセスからなる、業務改善や品質管理の手法です。
このサイクルは、継続的な改善を目指すためのフレームワークとして広く利用されています。

今では管理システムであるISO 9001、JIS Q 15001などに用いられる他、ソフトウェア開発でも応用されています。
ビジネス現場でも、業種・職種を問わずあらゆる現場で「常識」として浸透しました。

各プロセスの概要

PDCAサイクルの回し方を説明する前に、各プロセスの概要をみていきましょう。

Plan

まず、Planの段階では、目標設定やその達成方法を具体的に策定します。
今後の段階に進むためには、計画策定が必要不可欠です。

Do

次に、Doの段階で、計画した内容を実際に実行に移します。
ここでは、計画通りに進めることが重要であり、進捗を確認しながら進めることが求められます。

Check

続いて、Checkの段階では、実行した結果を評価します。
計画と実行結果を比較し、ギャップを分析することで、どの部分が機能したのか、または改善が必要であるのかを明確にします。

Act

最後に、Actの段階で、分析結果を基に改善策を講じ、次のサイクルに向けた修正を行います。
このプロセスを繰り返すことで、業務の効率化や品質向上を図ることができます。

PDCAサイクルのメリット

PDCAサイクルの導入により、組織全体の業務プロセスが体系的に見直され、より効果的な運営が可能になります。
特に、変化の激しい現代においては、PDCAサイクルを活用することで迅速かつ柔軟な対応力を養うことができるため、企業の競争力を高める重要なツールとして位置付けられています。

PDCAサイクルは、製造業だけでなく、サービス業やIT業界など、さまざまな業界で応用可能であり、各組織の特性に合わせてカスタマイズすることで、より効果的な業務改善を実現します。

PDCAサイクルで重要なのは「速く回すこと」

PDCAサイクルで最も重要なのは、サイクルを「速く回すこと」です。
高速PDCAとも呼ばれます。

なぜなら、迅速に回転させることで、改善のスピードが上がり、環境の変化に迅速に対応できるからです。
サイクルを早く回すことにより、小さな問題や課題も早期に発見し、解決へと導くことができます。

高速PDCAのメリット

高速PDCAは、従来のPDCAサイクルをより短期間で実施することで、迅速な問題解決や改善を図る手法です。

市場変化への素早い対応

高速PDCAを導入することで得られる最大のメリットは、変化の激しい市場環境に素早く対応できる点です。
企業は刻々と変わる顧客ニーズや競争状況に追随しなければならないため、短期間で計画を立て、実行し、結果を確認して改善策を講じることが重要です。

チームの柔軟性と協力の促進

さらに、高速PDCAはチームの柔軟性と協力を促進します。

頻繁なフィードバックと情報共有により、メンバー間のコミュニケーションが活発になり、組織全体の一体感が増します。
このプロセスを繰り返すことで、社員は改善の文化を自然に身につけ、個々のスキルアップにもつながります。

リスク管理

また、高速PDCAはリスク管理にも効果的です。
短期間でのサイクル実施により、問題を早期に発見し、迅速に対処することが可能になります。
これにより、大きな問題に発展する前に手を打つことができ、業務の安定性を確保します。

イノベーションの促進

最後に、高速PDCAはイノベーションを促進するという利点もあります。
素早くサイクルを回すことで、仮説と検証を繰り返し、新しいアイデアを取り入れる機会が増えます。

このプロセスが、企業にとっての競争優位性を高め、持続的な成長を支える原動力となるのです。

PDCAサイクルシートを作ろう

最初のうちは、以下のようなシートを作成して記述する形で、PDCAサイクルを回していることを実感しながら進めていきましょう。
数回繰り返したあと1枚目と最新版を見返せば、かなり進歩があることが実感できるはずです。
まずはノートに上記のようなサイクル図を書いて、日々書き込むことを習慣にしてみましょう。

P （Plan：計画）

まずは行動の計画を立てましょう。
これからPDCAサイクルを回す！という場合、Pの段階に長時間使ってはいけません。

どれだけ時間をかけても机上の空論でしかないし、計画を練るよりもさっさと行動に移して、次回以降に品質を高めるための材料にしてしまうほうがいくらか有益です。

ポイント１：細分化する

目標を立てる時は、あとで達成度が確認できるように設定しましょう。
たとえば「今月の営業目標を達成する」のが目標だったとして、「目標数値は何件だった？」「いつからいつまでの期間で達成したい？」など、あとから振り返ったときに、その一文だけで目標が分かるようにするのが理想です。

と、これらのポイントで説明できるようにしておきましょう。

また、PDCAに慣れないうちは成果が出るまでに多くの修整を入れるべきです。
1年や1か月といった目標設定をすると上手くいかないまま修正もできず、結局PDCAサイクルを活用しないまま終わってしまうというケースもあります。
目標期間はできるだけ短く、長くとも1週間や3日スパンで始めてみましょう。

ポイント２：目標と行動計画を分けて考える

Planを設定する際に「目標：売上5億円」や「目標：契約数：30件」といった数値が出てきますが、これは目標であって、目標を「どうやって」達成するかの計画がありません。
Planを設定する際は目標と行動計画の両方を設定しましょう。

D （Do：実行）

Planの設定が完了したら次はDoに移っていきます。
Do（実行）ということで、ただ実行をすればよいという訳ではありません。

ポイント１：適正な評価ができる仕組みを作る

次項のC（評価）で適正な評価ができる仕組みを作っておく必要があります。
基本的は、行動計画をもとに実行した内容をきちんと残しておくことです。

量	提案数や見積書作成数などの行動量で評価します。
質	売上で言うなら営業の質、つまり契約率になってきます。
時間	そもそも全体の業務の中で、計画通りの量が行えるだけの時間を割くことができたか、また必要以上に時間を割いていないかです。
スピード	1件の提案や見積書作成にかかる時間です。 1時間かかる人もいれば30分で終わる人がいた場合、 より早い時間で終わるように目指せるようにします。

ポイント２：スムーズに実行ができる仕組みを作っておく

計画通りにD（実行）を行うために報連相のやり方を決めておく必要があります。

例えば、欲しい報告が来ない、連絡が遅いといったことはありませんか？
これは、報連相のルールを事前に決めていない為に発生します。
マネジメントが上手な人は、報連相に関する指示を、「事後」ではなく「事前」にしています。

計画と実績がずれないようにするためには、進捗を把握し、ずれが生じている場合には即座に軌道修正を行う必要があるので、報連相の頻度やタイミング、欲しい内容や手段などを事前に決めておくとよいでしょう。

C （Check：評価）

Doの（実行）が完了したら続いてはC（評価）です。

​​ポイント１：数値で評価する

個人の感覚や感想ではなく、誰もが共通認識できる数値で評価するようにしましょう。
売上に対する評価をする際に指標として、量・質・時間・スピードがあります。

ポイント２：良かった点／改善できる点の2点で評価する

計画に基づいて行動した結果（D）を評価するにあたって、
良かった点（今後も引き続き行っていくこと）と、改善点（より良い方法を検討したいこと）をピックアップします。

上記2点を余すことなくピックアップすることができれば、
次回以降の行動計画で決められることが増え、品質改善を図ることができます。
PDCAで最も時間をかけるべきは、実はPやDではなくCなのです。

A　（Act：改善）

評価ができたら結果に対しての改善や、
このプロジェクトの継続していくのか？といった全体のことを含めて改善をしていきます。

Cの時点で改善点がリストアップできていれば、どうすればよくなるのか
詳しい人に相談してみたり、情報収集するだけで新しい行動計画につなげることができます。

ポイント１：Pにつながる改善を意識する

PDCAサイクルになるかどうかはこのA（改善）にかかっています。
P（計画）につながるように改善を行うことで、次のPDCAサイクルに移ることができます。

PDCAサイクルの見える化

PDCAサイクルの見える化は、業務やプロジェクトの進捗を視覚的に把握し、改善点を明確にするための重要なステップです。

視覚化することにより、どのプロセスで問題が発生しているのか、またどの部分が成功を収めているのかが一目でわかります。

これにより、チーム全体が共通の理解を持ちやすくなり、迅速な意思決定や効果的な改善策の立案が可能になります。

見える化の方法

見える化の方法としては、フローチャートやグラフ、ダッシュボードなどを活用することが一般的です。
例えば、各プロセスの進行状況をカラーコードで表示することで、すぐに状況を把握できるようにしたり、数値データをグラフ化することで、成果や課題を定量的に分析したりします。
これにより、PDCAサイクルのどのステップがボトルネックになっているかを特定しやすくなり、必要な調整を迅速に行うことが可能です。

見える化の具体例

P：計画通りにD：行動をしているかを共有するには、見える化をする必要があります。
例えば、目標：インサイドセールスで5社/1日アポイントを取ると設定したとして、そのためには、インサイドセールスを100社/1日というプランがあったとします。

結果が、
担当者A：8社/1日
担当者B：3社/1日
だった場合、

を共有することで、担当者Bもアポイント数が増えてきます。
ちなみに、D:行動のポイントとしてC：評価で客観的に評価ができるように、数値で記録すると、良いでしょう。

見える化のメリット

また、見える化を行うことで、チームメンバーの参加意識を高める効果も期待できます。
進捗状況が明確であれば、各メンバーは自分の役割や貢献度を明確に理解でき、責任感を持って取り組むことができます。

さらに、定期的なレビュー会議で視覚化されたデータを利用することで、建設的な議論やフィードバックを行い、次のPDCAサイクルに向けた具体的なアクションプランを策定することができます。
最終的に、PDCAサイクルの見える化は、組織全体の業務効率を向上させ、継続的な改善を促進する強力なツールとなります。

このプロセスを通じて、組織は変化する市場環境に柔軟に対応し、競争力を維持することができるのです。

PDCAサイクルが回らない問題点

PDCAサイクルが回らない原因は、多くの企業や組織で見られる共通の課題です。
まず、計画（Plan）が不十分であることが挙げられます。
目標が曖昧であったり、実行可能な具体策が欠けていると、実行段階での迷いや遅れを招くことになります。

また、実行（Do）においては、計画に従った行動が徹底されず、結果として計画と現実の乖離が生じることがあります。
さらに、チェック（Check）のプロセスが形骸化している場合も大きな問題です。
単に結果を確認するだけでなく、計画と実行の乖離を分析し根本原因を特定することが必要ですが、このステップが十分に行われていないと、改善（Act）の質が低下します。
改善策が実行されず、同じミスが繰り返されたり、次のサイクルに活かされないことが多いです。

また、組織全体でのコミュニケーション不足もPDCAサイクルが回らない原因の一つです。
情報共有が不十分だと、各プロセスの連携が悪くなり、個々の努力が無駄になってしまうことがあります。

そして、各メンバーの役割や責任が不明確だと、誰が何をすべきか混乱し、サイクル全体の進行が滞ります。

これらの問題を解決するためには、計画の段階での詳細な目標設定と、実行時の綿密なフォローアップ、さらにフィードバックを基にした具体的な改善策の実施が不可欠です。
また、組織全体での透明性あるコミュニケーションを促進し、各プロセスの重要性を全員が理解することが求められます。
これにより、PDCAサイクルが効果的に機能し、持続的な改善が可能になるでしょう。

PDCAサイクルに代わる手法？OODAループ

​​OODAループという言葉をご存知でしょうか？読み方は「ウーダ」と読みます。
ビジネス雑誌やWEBなどで「PDCAは古い！これからはOODAだ」と書かれています。
OODAとは、

の頭文字になります。

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まとめ

​PDCAサイクルを回すためのポイントは理解できましたでしょうか？
「なんだ、大したことないじゃないか」と感じられた方、その通りです。
PDCAサイクルの神髄は、その大したことないことをいかに高速で何度も回せるかという点なのです。
特に気を付けてほしいことは下記です。

最後に出てきたOODAループもPDCAサイクルも
仕事の効率をよくするためのノウハウになるので、PDCAサイクルがなくなることはありません。
結局はそのノウハウを使う人が上手に使いきれるかになります。
業務の中でしっかりとPDCAサイクルを回していけるようにしましょう。