今回は、営業のスキルとして「イエスセット」を紹介します。
様々な場面で言われている技法ではありますが、改めて振り返ってみましょう。
イエスセットとは
イエスセットは、精神科医・心理学者であるミルトン・エリクソンが考案した心理技法の1つです。エリクソンは催眠療法の権威であり、イエスセットも催眠技法の1つとして考案されました。
端的に言えば、「人は、相手の問いにイエス(はい)という肯定的な反応を繰り返すうちに無意識的に相手の存在そのものを肯定しはじめる」という性質を利用した相手と信頼関係を築いていくための心理テクニックです。
話は反れますが、この「催眠療法」。
決して人をだましたり良いように勧めるために生まれたものではありません。
人の潜在意識を呼び起こし、本人が意識下で自覚できていない問題を探るために使われるのが催眠療法なのです。
ぜひ一般教養として、「催眠とは怪しげなものではない」ことを理解してもらえると幸いです。
3回以上の「イエス」を積み重ねる
話している相手からイエスを引き出すには、まずはイエスと言いやすい「当り障りのない質問」であれば簡単です。
例えば、「今日は暑いですね」「明日も暑いみたいですね」「夜も暑いと、寝苦しいですね」
このような、分かり切っている質問に対して、「はい」「そうですね」という肯定的な返答を繰り返すだけでも効果があります。
バックトラッキング(おうむ返し)を併用する
バックトラッキングは、日本語では「おうむ返し」と呼ばれるもので、相手が言ったことをそのまま繰り返す話法のことです。
バックトラッキングを行うことで、相手の話をちゃんと聞いている、理解していることを伝えつつ、相手に「自分自身が発言した内容」を再認識してもらうことができます。
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イエスセットを使うタイミング
では、どのようなタイミングでイエスセットを使うのが良いのでしょうか。
ここでは、イエスセットを使う適切なタイミングをご紹介します。
①お客様との信頼関係を築く
はじめて会ったお客様、まだあまり関係性が出来ていないお客様と信頼関係(ラポール)を構築するためにイエスセットを活用します。
営業「お休みの日は、何をされているんですか?」
お客様「休みの日は、家で読書をしている事が多いですね」
営業「読書をされているんですね!」
お客様「はい」
営業「本がお好きなんですね」
お客様「そうですね」
営業「どんな本を読むんですか?」
お客様「推理小説が多いですかねぇ」
営業「推理小説が多いんですね!」
お客様「はい」
このように、お客様のお話にバックトラッキングを活用しながらイエスセットを使うことで少しずつ距離感を縮めていきます。
ポイントは、バックトラッキングを使う際はお客様の言ったフレーズをそのまま使うことです。
お客様の言葉をそのまま使わずに返してしまうと、微妙なニュアンスの違いで、お客様に「この人はほんとに話が分かってるのか?」と不必要な不安を与えてしまいかねません。
②課題のヒアリング
お客様の課題をヒアリングするときにも、イエスセットを使うことで、営業が「話をしっかり聞いている」「信頼できる」という印象をお客様に与えることが出来ます。
営業「今のお困りことはどんなことでしょうか?」
お客様「キッチン周りがごちゃごちゃしてて、物が多いんで狭かったりして大変なんですよ」
営業「キッチンが使いにくいんですね。」
お客様「はい」
営業「ちなみに、1番それを感じるのはどんな時ですか?」」
お客様「うーん、朝ご飯を作る時かな。朝は子供の弁当作ったりして特に忙しいので・・・」
営業「朝の準備ってバタバタしますもんねぇ」
お客様「そうなんですよ」
営業「なるほど。では、朝の忙しい時間でもスムーズに使えるキッチンにリフォームしましょうか」
お客様「はい、よろしくお願いします。」
このように、イエスセットと合わせて使うバックトラッキングは信頼関係を構築できたあとであれば、お客様の話を「要約する」ことも可能です。
バックトラッキングを通じてお客様自身が自分の悩みを再確認できること、そのお客様の意思で仕事を進められる感覚を得ることができます。
例えば上記の会話でも、いきなり「キッチンをリフォームしましょう」といってもお客様は違和感を覚えたり、反論の理由を探したりするものです。
ですがイエスセットを使った会話の中で提案をしておけば、お客様自身がリフォームをすることを決めたように話が進められるのでスムーズに進めることが出来ます。
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まとめ
今回は、営業が使える「イエスセット」とバックトラッキング」を紹介しました。
この2つの技法で何より大切なのは、営業が上手く商談を進める技術ではなく、「お客様が自分自身で決断して話を前に進める」ために使われる手法であるということです。
イエスセットやバックトラッキングは、その自覚を高めるための補助でしかありません。
この点に違和感があって無理に進めると、何かトラブルがあったときにお客様の不安が噴出しやすいものになってしまいます。
まずは、簡単な質問から始めてみましょう!
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