「現場ごとの原価や請求をもっと正確に管理したい」
「積算や工程のミスを減らしたい」
そんな悩みを抱える建設業界の担当者に注目されているのが、建設業に特化した業務管理ソフト=建設ERPです。
本記事では、建設ERPの基本からおすすめ製品の比較、導入事例まで、初心者にもわかりやすく解説します。
業務効率化・コスト管理に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
建設ERPとは?
建設業界では、業務の複雑化や多様な工程管理が求められるなかで、効率的な情報管理と現場運営の最適化が課題となっています。
そこで注目されているのが「建設ERP」という、建設業に特化した業務管理システムです。
ここでは、建設ERPの基本的な概要や特徴について詳しく解説します。
ERPとは?

ERP(Enterprise Resource Planning)とは、販売・会計・在庫・工程など、企業のあらゆる業務を一つのシステムで管理する仕組みです。
部門間での情報共有がスムーズになり、業務の効率化やミスの削減、経営判断のスピード向上が期待できます。
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建設ERPの特徴

建設ERPは、通常のERPに建設業特有の機能を加えた専用システムです。
たとえば以下のような業務に対応しています。
一般的なERPよりも、現場業務に直結した管理機能が充実しているのが大きな違いです。
なぜ今「建設ERP」が注目されているのか
建設業界では、人手不足による残業時間の超過が大きな課題となっています。
このような背景から、最近では以下のような理由で建設ERPの導入が進んでいます。
- クラウド型やモバイル対応による利便性の向上
- リアルタイムな原価・進捗管理の実現
- 本社と現場をつなぐ情報共有体制の強化
- 業務の標準化・属人化の解消
これにより、日々の業務改善だけでなく、企業全体の経営効率の向上にもつながるとして、多くの企業が導入を検討しています。
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建設ERPの主な機能一覧
建設ERPには主に以下のような機能があります。
機能名 | 内容・特徴 |
---|---|
見積・積算機能 | 資材や工数を計算し、正確な見積書作成を支援 |
工程・進捗管理 | 工期管理やタスク割り振りで遅延リスクを軽減 |
原価管理・請求書発行 | 工事ごとの原価を細かく管理し、 正確な請求書発行が可能 |
労務・安全・資材管理 | 作業員の勤怠管理、安全管理、 資材発注の進捗を一元管理 |
モバイル対応・クラウド対応 | スマホ・タブレット利用やクラウド連携に対応し、 利便性が高い |
建設ERPの多機能性を理解し、自社のニーズに合った製品を選ぶことが、業務改善の第一歩です。
次に紹介する主要ERPサービスの比較を参考に、最適なシステム導入を検討しましょう。
建設ERPを導入するメリット・効果
建設ERPの導入は、業務効率の向上だけでなく、現場と本社の連携強化やコスト管理の精度向上にもつながります。
ここでは主な4つのメリットをご紹介します。
- 業務を一元管理してミスを削減
- 原価や進捗をリアルタイムで把握
- 現場と本社の情報共有がスムーズに
- 中小企業でも導入しやすい
- 内部統制の強化とコンプライアンス対応
① 業務を一元管理してミスを削減
建設ERPを導入することで、見積・受注・発注・請求・原価・労務といった業務を一つのシステムで一元管理できます。
情報が部門ごとに分断されず、入力ミスや転記ミスのリスクを大幅に削減可能です。
紙やExcelでの運用では発生しやすい人的エラーも防止でき、業務品質の向上や再発防止にもつながるだけでなく、情報の正確性が高まることで、社内の意思決定もスムーズになります。
② 原価や進捗をリアルタイムで把握
ERPでは工事ごとの原価や進捗状況をリアルタイムに確認できます。
材料費、人件費、外注費などのコスト情報がタイムリーに集計されるため、現場ごとの採算を常にチェックでき、赤字工事の早期発見やコスト管理の徹底に役立ちます。
工期の遅れや予定との乖離も数値で見える化されるため、管理者の判断が迅速になり、適切な対策を講じることが可能になります。
③ 現場と本社の情報共有がスムーズに
クラウド型ERPを活用すれば、現場と本社間の情報共有がリアルタイムで行えます。
現場からスマートフォンやタブレットで日報・写真・進捗報告を入力すれば、本社側ですぐに確認ができ、問い合わせの手間が削減されます。
また、本社からも資料や指示を即時に現場へ届けられるため、情報伝達の遅延がなくなり、連携ミスや認識ズレも防げます。迅速な対応力が企業全体の生産性を高めます。
④ 中小企業でも導入しやすい
最近の建設ERPはクラウド型や月額制が主流となっており、初期費用を抑えて導入できるため、中小企業でも手が届きやすくなっています。
導入支援やサポートが充実している製品も多く、ITに不慣れな企業でも安心して使い始めることが可能です。
Excelや紙運用からの移行によって作業効率が大幅に向上し、少人数でも無理なく業務を回せる体制を整えられます。人的リソースの不足にも対応できます。
⑤ 内部統制の強化とコンプライアンス対応
建設ERPを導入すると、システム上で業務プロセスが標準化され、データの入力から処理までが一貫して管理されるため、不正や誤りの発生を防ぐことができ、内部統制の強化に大きく貢献します。
リアルタイムで財務状況を把握できることで、コンプライアンス対応が効率化され、内部監査の精度も向上します。
また、建設業法改正による電子帳簿保存法やインボイス制度への対応もスムーズに行えるため、法制度の変化に柔軟に対応できる体制を構築できます。
これは、企業のリスク管理体制を強化し、信頼性の向上にもつながります。
建設ERPの種類と提供形態
建設ERPは、その機能の範囲や導入形式によっていくつかの種類に分けられます。 自社の状況や目的に合わせて最適なタイプを選択することが、導入成功の鍵となります。AI結果を採用
特化型と汎用型
建設ERPには、大きく分けて建設業に特化した「特化型」と、幅広い業種に対応できる「汎用型」があります。
特化型は、建設業特有の会計処理(建設業会計、JV共同企業体管理、工事進行基準売上など)や商習慣に標準で対応しており、工事原価管理、見積・積算管理、工事管理、日報出面管理などの機能が充実しています。
そのため、建設業独自の課題解決に特化しており、導入後のカスタマイズ費用を抑えられる可能性が高いです。
一方、汎用型ERPは、会計、人事、販売管理など企業の基幹業務全般を網羅しており、建設業向けのテンプレートやオプションを追加することで対応する場合が多いです。
複数の業種や拠点を抱える大企業にとっては、標準化された業務プロセスと広範なサポート体制が強みとなり、長期的な企業成長や業務拡張に柔軟に対応できるメリットがあります。
自社の業態(総合建設業、専門工事業など)や、設備の保守、建機レンタルといった複数の業態を展開している場合は、それぞれの業態に必要な機能が備わっているかを確認することが重要です。
クラウド型とオンプレミス型
建設ERPの提供形態は、主に「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類に分けられます。
クラウド型は、インターネット経由でシステムを利用するため、自社でサーバーを構築・運用する必要がなく、初期費用を抑え、迅速に導入できる点が最大のメリットです。
月額料金で利用できることが多く、工事現場が分散している建設業界において、場所や時間を問わずにアクセスできる利便性が高く、特に中小企業におすすめです。
一方、オンプレミス型は、自社内にサーバーを設置し、システムを構築・運用する形態です。
初期費用やメンテナンスコストが高くなる傾向がありますが、高度なセキュリティ対策を講じられる点や、自社の業務に合わせてシステムを柔軟にカスタマイズできる点がメリットです。
高度なセキュリティが必要な場合や、大規模なカスタマイズを予定している企業に適しています。
また、ハイブリッド型やSaaS型、パッケージ型といった提供形態もあり、自社のニーズや規模、予算に応じて最適な形態を選択することが重要です。
【比較表あり】建設ERPおすすめ6選
建設ERP市場には多くの製品があり、それぞれ特徴や対応規模が異なります。ここでは中小企業から大手企業まで対応可能な主要サービスを厳選し、機能や価格、クラウド対応状況を比較します。導入検討の参考にしてください。
主要建設ERPサービス比較表
サービス名 |
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---|---|---|---|---|---|---|
建築業向け管理システム アイピア | e2movE 工事管理 | 建設WAO | HUE C2 | PROCES.S | FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart 建設 | |
機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理・・・その他 | 工事登録、実行予算入力、工事発注入力・・・その他 | 工事台帳管理、原価管理、見積管理・・・その他 | 契約・受注管理、工事・原価管理、調達管理・・・その他 | 販売管理、工事管理、原価管理・・・その他 | 契約管理、工事管理、購買管理・・・その他 |
初期導入費用 | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ |
保守/更新 費用 | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ |
無料版 体験版 | あり | 要お問合せ | あり | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ |
【提供形態】 対応OS | 【クラウド型】 Windows/ios/mac ※推奨:Chrome | 【クラウド型】 要お問合せ | 【クラウド型】 Windows Mac | 【クラウド型】 要お問合せ | 【クラウド型/インストール型】 Windows | 【クラウド型】 要お問合せ |
サポート 体制 | 電話対応、メール対応、リモートサポート | 要お問合せ | 電話、メール対応、リモートサポート、セミナー/説明会/講習 | 要お問合せ | コンサルティング | 要お問合せ |
運営会社 | 株式会社アイピア | 三谷商事株式会社 | 株式会社チェプロ | 株式会社ワークスアプリケーションズ・フロンティア | 株式会社内田洋行ITソリューションズ | 富士通株式会社 |
※プラン・製品・提供会社によって、IT導入補助金の対象外になる可能性がございます。補助金の利用をご検討の場合は、必ず製品の提供会社にご確認いただく様お願い申し上げます。
参照:ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む) | IT導入補助金2025
【クラウド型】建築業向け管理システム アイピア
『建築業向け管理システムアイピア』は、建築業に特化した業務管理システムです。
導入実績は500社で、継続率は98%です。
見積作成はもちろん、顧客管理や入金管理、原価管理等様々な業務を一括で管理できます。
見積りを基に原価計算から発注までを処理できるため、業務時間が短縮され、入力ミスや発注漏れなどを減らすことができるでしょう。
また、使いやすい操作性のため、ITに慣れていない人でもスムーズに利用できます。
クラウド型でインターネットの環境があればどこでも使用できますので、パソコンが新しいバージョンに変わっても問題なく利用できます。外出先や支店など、どこにいても情報を確認できます。
システムの特徴・利点
- エクセルのような使い心地で直感的な操作感
- 必要な機能だけを装備して始められるスモールスタート
- データはクラウド上に保存されるためデータ紛失・破損の心配なし
- 必要な情報をあらかじめ入力するだけで帳票もワンクリックで作成
機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理、書類・写真管理、顧客管理、営業進捗管理、請求管理、入金管理、帳票作成、現場日報管理、物件管理、労務管理、在庫管理、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 要問合せ |
保守・更新費用 | 要問合せ |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows ・ios ・Mac |
サポート体制 | 電話対応 メール対応 リモートサポート リモート研修 サポートサイト |
運営会社 | 株式会社アイピア |
【クラウド型】e2movE 工事管理
『e2movE(イー・ツゥー・ムーブ)工事管理』は、e2movEの中でも、建設業・工事業向け原価管理に特化したパッケージです。
実行予算管理から工事の採算や進捗状況の把握、協力業者への原価計上、計上された原価をもとにした支払管理までワンストップで行えます。
また、「e2-movE販売」とシームレスに連携できるため、e2-movEシリーズをご利用の方に特におすすめです。
「売上同時入力」は、売上と仕入を同時に登録できるため、入力作業が減り、仕入れた商品の販売先を追跡しやすくなります。
システムの特徴・利点
- 工事の受注から予算の実行管理までを一括管理
- カスタマイズによる柔軟な対応が可能
- 自社の業務に合わせたコストでの提供
機能 | 工事登録,実行予算入力,工事発注入力,出来高査定,工事原価入力,工事請求入力,完成工事入力,工事入金入力,オプション機能,物件管理,見積・原価,JV管理,労災管理,出面管理,支払管理,手形/でんさい,FAX/メール送信,経理ソフト連携,その他 |
---|---|
初期導入費用 | 要問合せ |
保守・更新費用 | 要問合せ |
無料・体験版 | 要お問合せ |
対応OS | 要お問合せ |
サポート体制 | 要お問合せ |
運営会社 | 三谷商事株式会社 |
建設WAO

『建設WAO』は、中小建設業者向けに最適化されたクラウドERPで、特に工事台帳や原価管理に強みを持つ業務管理システムです。
導入企業は2,000社を超え、専門工事会社や中小規模の施工会社から高い支持を得ています。
業務の属人化解消や原価の見える化による利益率向上といった効果が報告されています。操作性も高く、現場スタッフでも直感的に使えるインターフェースが特徴で、スマホやタブレットからも利用可能。現場と事務所の情報共有がスムーズに行える点も評価されています。
システムの特徴・利点
- 工事台帳・原価管理を中心に建設業務を効率化
- 2,000社以上の豊富な導入実績で信頼性◎
- 中小〜中堅の施工会社に最適な設計
機能 | 工事台帳管理、原価管理、見積管理、請求管理、支払管理、入出金管理、帳票出力、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 要問合せ |
保守・更新費用 | 要問合せ |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows ・Mac |
サポート体制 | 電話対応 メール対応 リモートサポート セミナー/説明会/講習 |
運営会社 | 株式会社チェプロ |
【クラウド型】HUE C2
『HUE C2』は、日本の建設業実務にフィットする会計・プロジェクト統合管理システムです。
契約・受注管理や工事・原価管理、債権管理や財務・管理会計など、建設業向けの工事や会計業務を支援します。
使い勝手・操作性の高さを重視しており、システム入力負荷の軽減や入力自体を不要にする補助機能を多数備えています。
システムの特徴・利点
- 業界特有の要件を標準機能で網羅
- 利便性を考え抜いた「High Usability」
- 日本企業ならではの複雑な組織・承認ワークフロー構造に対応
- 細やかなセキュリティ権限管理機能により内部統制強化を支援
機能 | 契約・受注管理、工事・原価管理、調達管理、JVC管理、債権管理、財務・管理会計、債務管理、資産管理、資金管理、経費精算、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | 要お問合せ |
無料・体験版 | 要お問合せ |
対応OS | 要お問合せ |
サポート体制 | 要お問合せ |
運営会社 | 株式会社ワークスアプリケーションズ・フロンティア |
【クラウド型/インストール型】PROCES.S

『PROCES.S(プロセス)』は、建設業向けに開発されたクラウド型の工程・進捗管理システムです。
作業工程の可視化や写真・資料の共有、チャット機能などを備え、関係者間の情報連携を効率化します。
ゼネコンや専門工事業者を中心に導入が進んでおり、工程の遅延防止や報告業務の削減などの効果が報告されています。
操作性にも優れており、現場でも直感的に操作できるシンプルなUIを採用しています。
スマホやタブレットにも対応しており、現場からリアルタイムで情報入力が可能です。
システムの特徴・利点
- 建設業特有の業務を幅広くカバーし一元管理
- 大手ゼネコンを中心に豊富な導入実績あり
- 自社業務にフィットさせられるカスタマイズ対応
機能 | 販売管理、工事管理、原価管理、会計管理、支払管理、入出金管理、予算管理など、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 要問合せ |
保守・更新費用 | 要問合せ |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows |
サポート体制 | コンサルティング |
運営会社 | 株式会社内田洋行ITソリューションズ |
【クラウド型】FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart 建設
『FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart 建設』は、建設業向けの業務管理を支援するソリューションです。
契約から工事、入金・支払まで、建設業に必要な業務の管理をサポートします。
リアルタイム情報共有やシンプルな操作画面がメリットで、業務管理の効率化に役立つでしょう。
システムの特徴・利点
- 情報統合による全社レベルの情報共有を実現
- お客様の管理形態に合わせた実行予算管理
- グループ経営による競争力強化を図る複数会社管理も可能
機能 | 契約管理、工事管理、購買管理、入金管理、支払管理、会計管理、マスタメンテナンス、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | 要お問合せ |
無料・体験版 | あり |
対応OS | 要お問合せ |
サポート体制 | 要お問合せ |
運営会社 | 富士通株式会社 |
失敗しない建設ERPの選び方|5つの比較ポイント
建設ERPを導入する際には、自社の課題や業務フローに合った製品を選ぶことが重要です。
ここでは、比較時にチェックすべき5つのポイントを紹介します。
- 自社の業務に合った機能があるか
必要な機能が揃っていて、業務フローとマッチしているかを確認しましょう。 - 導入・運用コストのバランス
初期費用や月額料金が予算に合っているか、補助金や無料トライアルの有無もチェック。 - クラウド型 or インストール型の違い
インフラや運用体制に合わせて、適切な提供形態を選びましょう。拡張性もポイントです。 - サポート体制と操作性(UI/UX)
サポートの内容や使いやすさは、導入後の満足度に直結します。デモ画面などで確認を。 - 他社の導入事例や評判を参考に
同業他社の成功事例やユーザーの口コミは、判断材料として非常に有効です。
① 自社の業態や企業規模に合っているか
ERPシステムには、大企業向けの高機能なものから、中小企業向けに機能を絞ったシンプルなものまで多様な種類があります。
自社の売上規模や従業員数、また総合建設業なのか専門工事業なのかといった業態を踏まえ、自社の規模やニーズに適したシステムを選定することが重要です。
建設業では、設備の保守やシステム、建機レンタルなど、複数の業態を展開している企業もあるため、それぞれの業態に必要な機能が備わっているかを必ず確認しましょう。
機能の多さだけを重視するのではなく、自社の業態や業務との整合性を加味した上で、導入を検討することが肝要です。
② 建設業特有の会計処理や商習慣に対応しているか
建設業向けERPを選ぶ上で最も重要なポイントの一つが、建設業独自の会計基準である「建設業会計」や、業界特有の商習慣に標準機能で対応しているかどうかです。
工事完成基準やジョイントベンチャー(JV)工事の管理、細かな原価管理に対応しているかなども確認が必要です。
標準機能で対応できない場合、大幅なカスタマイズが必要となり、導入期間やコストが増大する可能性があります。
また、建設業法の改正などにより変化する業務要件に対し、柔軟に対応できるシステムであることも重要です。
③ 必要な機能が搭載されているか
建設ERPには、工事原価管理、財務会計、営業管理、工事管理、JV共同企業体管理、人事・給与管理、在庫管理など、さまざまな機能があります。
自社の業務フローを深く理解し、解決したい課題や目的を明確にした上で、本当に必要な機能が搭載されているかを見極めることが重要です。
機能が多すぎても使いこなせなかったり、コストが高くなったりする可能性があるため、自社にとって最適な機能の範囲を検討しましょう。
特に工事ごとの原価を費目別に集計し、実行予算と実績を対比して管理する工事原価管理機能は、建設業向けERPの中核となる機能なので、その精度と使いやすさを確認する必要があります。
④ 費用と導入期間
建設ERPの導入には、初期費用や月額費用、オプション料金などが発生します。
オンプレミス型かクラウド型かによっても、継続的にかかるコストが異なるため、予算と機能のバランスが取れる製品を選択することが大切です。
オンプレミス型は初期費用が高い傾向にありますが、クラウド型は初期費用を抑えられます。
また、導入にかかる期間も重要な検討ポイントです。
システムの規模やカスタマイズの有無によって期間は大きく変動するため、具体的な導入スケジュールを確認し、自社の事業計画に影響が出ないか検討しましょう。
安価なパッケージでも、業務全体を改善する場合は最低でも1,000万円以上の予算が必要になることもあります。
⑤ 導入・運用後のサポート体制は充実しているか
ERPシステムの導入は、多くの場合、企業にとって大きな変革を伴います。
そのため、導入後の運用をスムーズに進めるためには、ベンダーによる手厚いサポート体制が不可欠です。
建設業会計の知識を持つ専門スタッフが、導入から保守までワンストップでサポートしてくれるか、導入後の操作方法やトラブル発生時の対応など、具体的なサポート内容を確認しましょう。
特に、建設業独自の課題に対して現場目線で柔軟なサポートが受けられるかは、導入がスムーズに進むかどうかの重要な要因となります。
建築業向け業務管理システム「アイピア」の導入事例
上述の通り、建設ERPを導入することで、時間短縮やミスの防止等の効果が期待できます。
では実際に導入した企業の中ではどのような声が上がっているのでしょうか。
この章では、建築業向け業務管理システム「アイピア」の導入事例をご紹介します。
柔軟な見積作成で業務の幅が広がった
「Tu・Cu・Ru株式会社様」は、多様な工事内容に対応しながら、正確で迅速な見積作成を求めていました。
従来は複雑な見積条件や顧客ごとのカスタマイズに対応するのが難しく、工数がかかっていました。
「アイピア」の導入により、細かい見積条件の設定や過去データの活用が容易になり、様々な案件に柔軟に対応できるようになりました。
これにより見積作成時間の短縮だけでなく、業務範囲の拡大にもつながっています。
導入事例の詳細はこちら
効率的な案件管理でプロジェクト全体の見通しが良くなった
「ビルディングデザイン株式会社様」は、新築設計に加え、大規模案件の管理が複雑化していました。
従来は見積管理と進捗管理が別々のツールで行われていたため、情報共有に時間がかかっていました。
「アイピア」を導入後は、見積作成から進捗管理まで一元化され、リアルタイムに案件状況を把握できるようになりました。
これにより、プロジェクト全体の効率が向上し、関係者間のコミュニケーションも円滑になりました。
導入事例の詳細はこちら
その他の建設ERPの導入事例
建設ERPは、企業の規模や業種を問わず、様々な建設企業で導入され、大きな成果を上げています。 ここでは、具体的な企業の導入事例を通じて、建設ERPがどのように業務改善や経営改革に貢献しているかを紹介します。
複雑化したシステムの改善と、業容拡大に対応できる柔軟な基盤の構築を実現
マンション建設を事業の柱とする準大手ゼネコンの長谷工コーポレーションでは、NTTデータビジネスシステムズが提供する「imforce」建設業統合基幹モデルを導入し、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた取り組みを強化しています。
旧システムがレガシー化し、業容拡大への対応が難しい状況であったため、建設業向けのパッケージソリューションとして完成度の高いimforceを導入しました。
パッケージの機能をそのまま活用しつつ、現場が触れる購買の部分は旧システムに近い画面を開発することで、現場の納得と新システムへのスムーズな移行を促しました。
これにより、複雑化したシステムの改善と、業容拡大に対応できる柔軟な基盤の構築を実現し、内部統制の強化にも貢献しています。
省力化とデータの有効活用に成功した
PROCESSを導入した企業では、バラバラだった財務・売上・原価のデータを一元化することで、入力工数の削減や管理業務の効率化・見える化につながっています。
また、独自の経理処理に合わせてPROCESSをカスタマイズすることで、省力化とデータの有効活用に成功した事例もあります。
建設WAOを導入した菊池建設株式会社では、原価、工事、営業管理をシステム上で行い、業務プロセスの効率化やデータの正確性向上、意思決定の迅速化、コスト削減を図っています。
さらに、工事一覧から工事情報の詳細とそれに紐づく各種情報のトレーサビリティ管理が行えるようになり、キーワード検索によって必要な情報を瞬時に検索できる仕組みも構築され、入札や営業提案の情報収集にも役立っています。
これらの事例は、建設ERPが企業の課題解決に大きく貢献し、業務効率化だけでなく、経営全体の最適化をもたらす可能性を示しています。
導入前に確認したいQ&A|建設ERPのよくある質問
導入を検討する際に多く寄せられる質問と回答をまとめました。疑問点を事前に解消し、安心して導入に進みましょう。
- 無料で使える建設ERPはある?
-
一部無料トライアルや機能限定の無料プランを提供するサービスがあります。導入前に試せるので安心です。
- 導入までにどれくらい時間がかかる?
-
規模やカスタマイズの有無により異なりますが、小〜中規模であれば1〜3ヶ月程度が目安です。
- 社内にITに詳しい人がいなくても大丈夫?
-
操作が簡単でサポートが充実したサービスも多いため、不安な場合はサポート体制を確認しましょう。
- 小規模工務店にも向いている?
-
最近は中小企業・工務店向けの低価格・クラウド型サービスが増えています。費用対効果を考慮し選びましょう。
建築業向けの管理システム「アイピア」
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
アイピアはここが便利!6つのポイント
まとめ|建設ERPで業務効率化を進めよう
建設ERPは、業務の一元化や原価の見える化、工程管理の効率化に役立つ強力なツールです。複雑な現場の情報をリアルタイムで把握できるため、迅速な意思決定が可能になり、業務のミスや手戻りを減らすことができます。
また、クラウド対応の建設ERPを導入すれば、現場スタッフも含めた社内全体の情報共有がスムーズになり、コミュニケーションの効率化にもつながります。これにより、工期の遅延やコスト超過のリスクを抑え、収益性の向上を期待できます。
一方で、建設ERPは導入時のコストや社内体制の整備が必要なため、選定や準備段階での慎重な検討が欠かせません。自社の業務フローや規模に合ったシステムを選び、運用開始後も適切なサポートを受けられるサービスを選ぶことが成功の鍵となります。
これから建設ERPの導入を検討される方は、本記事で紹介した比較ポイントや製品の特徴を参考に、自社に最適なシステムを見つけてください。効率的な業務運営と現場力の強化で、今後の建設事業の発展に役立てましょう。
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