配線工事をお願いしたいと考えている方の中には、初めてお願いするため流れがわからないと不安な人もいるかもしれません。
費用もどの程度が相場か、変な業者に当たらないためのコツはあるのかなど、さまざまな疑問を持っている方も多いでしょう。
こちらの記事では、配線工事には資格が必要か、配線工事の流れや種類、実際に業者を選ぶ時にどの点に注目して選べば良いかを解説していきます。
屋内配線工事の種類
屋内配線工事とひとくくりにしてしまうと単純そうに見えますが、実際は細かくいくつにも分かれています。
まずは、どのような種類の屋内配線工事があるのか紹介していきます。
VVFケーブル
屋内の中でも低圧配線で使用されるケーブルで、見た目はビニルシースで覆われているのが特徴です。
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形とも呼ばれているケーブルです。
見た目は1本だけのビニルシースで覆われたケーブルに見えますが、中は2心や4心など通っている線の本数が異なります。
テレビアンテナケーブル
テレビを快適に見るために必要なケーブルをテレビアンテナケーブルと言います。
電波塔から電波の受信を行い、テレビまで伝送してくれます。
設置されている箇所はだいたい屋根裏です。
どの程度の区間や長さを利用するかによって、使う種類が3Cや5Cなどに変わります。
電話線
自宅で電話が使用できるようにするための配線を電話線と呼びます。
電話線には種類があり、アナログ・デジタルと光回線に分かれます。
二つの回線の違いは、アナログ・デジタル回線では銅線を利用するのに対して、光電話ではインターネット回線と同じ回線を使う点です。
LANケーブル
インターネットを契約した時に、LANケーブルをつないで言葉を知った方も多いのではないでしょうか。
工事担当者に初期設定を頼むことも可能ですが、別途料金がかかってしまうため、説明書を見ながらLANケーブルを自分で設定してつないだ方もいるかもしれません。
そのまま自宅の見える部分に使用する場合が多いです。
配線は素人でも可能で、DIYで工事をする人もいます。
コンセントの配線
家庭の中で電気を使用する際に欠かせないコンセントですが、配線部分は壁に埋め込まれていています。
コンセントの位置の近くではなく、住宅を造る時に天井裏で作業しています。
よく見るとコンセントには穴の大きさが違いプラスマイナスがあるのですが、考えずにそのまま設置されている場合も多いです。
照明器具用配線
照明器具も部屋を明るくするために欠かせないものですが、配線が必要になります。
引っかけシーリングと呼ばれている配線器具が付いていて、取り付けられるものであれば好きなものを付けることが可能です。
ただ、位置を変えたい時には、勝手に自分でDIYはできません。
必ず電気工事士の資格をもとに、配線を行うことに決まっています。
スイッチプレート配線
照明や換気扇を付けるためのスイッチを取り付けるためには、スイッチプレート配線が必要です。
部屋の外に配線は出さずに、壁の中を通っていることがほとんどです。
スイッチを経由して電気が伝わるようになっているため、操作をすればつけたり消したりができます。
今までは配線が必要ですが、時代も進化して無線式も出てきています。
インターホン配線
誰かが訪ねてきた時に活躍するインターホンも配線を使用しています。
線を必要とする方法以外にも、無線で通信を行う方式もあります。
有線の場合は、部屋の外に出ないように壁を通して、2線や4線使用して設置する場合がほとんどです。
電気工事に関する記事はこちら
ケース別配線工事の方法
配線工事の方法は、ケースによって変わってきます。
具体的にいくつかのケースを例に挙げて、紹介していきます。
新築の屋内配線工事の方法
屋内配線工事の場合、だいたいは新築の場合やリフォームなどをする場合に工事をします。
新築やリフォームの場合、どの住宅でも同じような配線方法かは違いがありますので、覚えておくと良いでしょう。
大きくは木造住宅の場合とコンクリート造の場合の配線工事でやり方が変わってきます。
木造住宅の配線工事
木造住宅で配線工事を行う場合には、部屋からは見えないように設置するため天井裏や壁の内側のスペースを使います。
配線をしっかりと固定し、さらにスイッチやコンセントを使う予定の箇所にいはそれぞれ柱にボックスを取り付けます。
ボックスが固定できたら、電気が通るように配線を行うのが木造住宅での方法です。
壁の内側を通すため、設置のタイミングも重要です。
断熱材などを貼ってからでは遅いため、その前に壁や天井の内側で作業をしなければなりません。
この時、曲がりやすいパイプも一緒に配管し、すべて終わったら屋外の電気メーターと配線をつなぎます。
これで、電気が木造住宅の中で使えるようになります。
コンクリート造の配線工事
コンクリート造の場合は、まず柱や壁になる鉄筋を建てます。
その作業が終わったらスイッチボックスやコンセントボックスを設置する作業に移ります。
型枠へコンクリートを流し込んで躯体まで完了してから、初めてケーブルを設置して部屋に配線を行うのがコンクリート造の特徴です。
この時の工法もいくつかあり、CD管を通すほかにケーブルを直接鉄筋に付ける方法もあります。
一般住宅以外の配線工事の方法
ここまでは、一般的な住宅の配線工事について説明してきましたが、そのほかの配線工事の方法も紹介していきます。
一般的な住宅とまた施工方法が変わります。
オフィスの配線工事
オフィスになると、一般家庭以上に照明が必要になるため、配線工事の仕方も変わります。
さまざまなケーブルを使うため、壁の内側だけでなく利用できれば床下スペースなどもケーブルを通していきます。
ほかにも、さまざまな設備に対しての配線工事が必要な場合も多いです。
新築のビルになってくると、オフィスだけでなく全体として避雷設備や電気室の高圧変電設備なども必要になります。
店舗の配線工事
店舗の場合は、お客様に満足してもらえるような快適な空間を造るために、多くの照明が必要です。
コンセント数も一般家庭以上の数が必要ですし、どう配置するかも店舗ごとに変わってきます。
おしゃれに間接照明を使いたい場合も、安全に使用できる確認が必要です。
メンテナンスまでを考え、配線していかなければなりません。
工場の配線工事
工場では製造を行うために、多くの電力を使用します。
そのため、ケーブルの配線工事の方法も変わります。
具体的には、かなり高い位置に強い照明を付ける、一般では取り付けないような特殊な電力設備を付けるなどです。
工場では手作業だけでなく電力は必要不可欠ですので、すぐに電気が使えなくなってしまわないように工事を行います。
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配線工事に必要な資格
配線工事は安全に行うためにも、電気工事士の資格が必要です。
中には資格がなくてもできる配線工事もありますが、資格がないとできないものもあります。
資格も第一種と第二種に分かれていて、できる範囲は違います。
第二種電気工事士
第一種電気工事士に比べると資格も取得しやすいのですが、できる工事の範囲は限られています。
主に新築やリフォームを行う一般住宅の電気設備のみで、店舗の場合も小規模のみです。
電力が大きくなると、第一種電気工事士のみしかできない工事もあります。
第一種電気工事士
第一種では電気工事が行える種類が増え、一般住宅だけでなく工場や大型電気設備もOKです。
KW数は最大で500KW未満と決まっていますが、さまざまな工事に携わることができます。
資格なしでもできる工事
簡単な配線工事であれば、資格がなくてもできます。
電球が切れてしまい新しいものと交換することやエアコンを自分たちで設置する工事などは可能です。
しかし、ほとんどが電気工事士の資格がないとできない作業であり、ルールを守らないで行った場合は罰金が科せられます。
知識がないまま配線工事をしてしまうと、火災など事故にもつながるのでやめましょう。
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配線工事の費用相場
配線工事を行う際の費用相場は、構造によって大きく異なります。
特に鉄筋住宅では配線を通す部分が少ないため、費用で見てしまうと高くなりがちです。
ここからは、配線工事の費用相場について紹介していきます。
コンセント・スイッチ関係の工事費用
どのような工事内容になるかにもよりますが、コンセントやスイッチの交換だけであれば約3,000円からが相場です。
コンセントやスイッチを新しく増やしたいと考えている場合は、約5,000~8,000円が最低でもかかってきます。
スイッチの性能によっては、さらに費用がかかる場合もあります。
照明器具関係の工事費用
照明器具関係の工事費では、照明器具取付やシーリングの交換で最低約3,000円~はかかります。
難しくない取付であれば価格も跳ね上がることはありませんが、特殊な場合は最低金額がもっとかかる場合もあります。
ブレーカー関係の工事費用
ブレーカーの場合は交換や追加をするだけであれば、約5,000円~ですが、分電盤を交換したい場合は約35,000円~と高くなります。
ほかにも、漏電やアンペア交換もありますが、費用は高い傾向にあります。
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配線工事の業者選びのポイント
配線工事の業者を選ぶ際には、いくつかの業者に見積もりをお願いしてみましょう。
何の費用か明確にできない業者や安すぎる、高すぎる業者は避けましょう。
ほかにも、追加になる費用がないか確かめておくことも重要です。
せっかく安いと思っていても、追加で費用を取られ高くなってしまったら意味がないので注意が必要です。
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まとめ
屋内配線工事の種類を見ていくと、テレビアンテナケーブルや電話線、インターホン配線などさまざまな種類があります。
一般住宅の木造、コンクリート造、一般住宅以外など、建物の構造によっても工事の方法は違います。
ほとんどの配線工事は資格が必要ですので、持っていないのに勝手に自己流で工事はしないようにしましょう。
費用の目安も頭に入れつつ、業者選びをするようにしましょう。
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