以前に比べて仕事が明らかに多くなって忙しいのに、上司や先輩からは「お前の仕事のやり方が悪い」と不当な評価を受けていると感じることはありませんか?
そんな上司や先輩、同僚に対して「自分の仕事について何も知らないくせに」「実際に仕事をしているのは自分だけなのに」と孤独感を感じていませんか?
もしかしたらその状況、企業体制が「属人化」しているのが原因かもしれません。
今回は属人化という状況を解説しつつ、解決する具体的な方法を個人・組織それぞれで紹介します。
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属人化とは
まずは一般的な言葉の意味から見てみましょう。Weblio辞書からの抜粋です。
「属人化」の言葉の意味 「企業などにおいて、ある業務を特定の人が担当し、その人にしかやり方が分からない状態になることを意味する表現。 多くの場合批判的に用いられ、誰にでも分かるように、マニュアルの作成などにより「標準化」するべきだとされることが多い。企画・開発業務など、属人化されているのが一般的と言われる業務もある。」 引用元:weblio辞書-属人化
その人にしかやり方が分からない状態ということは、「その人が居ないと仕事が回らない状態」と言い換えることができます。
この状態は様々な場面で企業の在り方に悪影響を及ぼします。もう少し詳しくデメリットを見てみましょう。
属人化のデメリット
ではなぜ属人化は良くないといわれるのでしょうか。属人化にどのようなデメリットがあるのか具体的にご紹介します。
業務がブラックボックス化する
ひとまず成果そのものは上がっているものの、どのようなプロセスを経たのかは実施した本人しか分からない…と言う状態を「ブラックボックス化現象」と呼びます。
もし誰かが「業務を効率化したい!」と叫んでもブラックボックス化した状態では何を改善すればいいか分かりませんし、大抵の場合ブラックボックス化していること自体に気が付きません。
不当な評価が横行する
業務に直接関わる人以外はどうやって実施しているのか分からないのですから、当然正当な評価を下すことはできません。
評価は目に見える数値と主観で行われることになります。「営業成績」が高いか低いか、「残業時間」が多いか少ないか、あるいは「やる気」があるように見えるかどうか等です。
成果が上がらないのはプロセスに問題があるのかも、ということは属人化に問題意識を持っていないと気が付けないことです。結果、課員は自分への評価が不当であると感じていながらも受け容れざるを得ない…という悪循環に陥ります。
担当社員の残業増加・有給取得率低下
業務手順を担当者以外知らないので、担当者が退職したり急な休みを取ったりしても引継ぎ先や代行先がなく業務がストップしてしまいます。
その事態を防ぐために担当者は休暇等を極力減らして対応にあたりますが、当然業務効率は落ちてしまいます。
十分な引継ぎが出来ず品質管理できない
有給消化率を気にして強引に休暇を取っても、普段の状況を知らない誰かに引き継ぐわけですから同じ品質の成果が出せないかもしれません。属人化は品質管理に対しても悪影響を及ぼすのです。
ミスや非効率に誰も気が付かない体制
その人しかプロセスを知らないということは、誰も途中経過等をチェックしないまま物事が進んでいるといえます。誰もチェックしない状態で重大なミスが発生した場合、その責任は担当者にあるのでしょうか、それともチェック体制を敷かなかったマネージャーにあるのでしょうか?
また、属人業務が業務フローに含まれる場合、そこが終わるまで他の人は「待ち時間」になります。手伝うこともできないので業務全体の完了時間が延びてしまいます。
このようなミスや非効率についても、属人化に対する問題意識がなければいつまでも改善することができません。
組織は常に崩壊のリスクを負い続ける
仮に会社の業績がよく安定していても、売上のほとんどが一人の営業マンによる属人的な手法で作られていたとしたら、それでも業績が安定していると言えるでしょうか?
1人のスーパー営業マンが会社を支えている反面、その営業マンがいなくなった場合、今まであった売上のほとんどが無くなるというリスクを負い続けることになります。
退職することや病気やケガで長期間仕事ができない状態になるという事も十分あり得ます。業務が属人的で「人」に依存している以上、企業として安定することは難しいでしょう。
そういったリスクをでき得る限り減らすために、売上の確保や重要な部分であればあるほど「仕組み化」が必要です。
属人化の事例
属人化という言葉を一般論として理解していても、自社の問題が属人化によるものと気付けないことも多いものです。具体的な事例を見てみましょう。
事例①担当者一人の経理業務で休みが取れない
お客様への請求書発行や振込確認、その他支払い処理を行う経理業務を行っています。この業務を行えるのが私一人しかいないので、万が一私が休んでしまった時に代わりがいない状態です。業務量が多くストレスですし、所用ができても休めないので困っています。
ところが、この話を上司にしてもなかなか採用募集をかけようとしてくれません。「最低でも二人いたほうがいいです」と説明しても「もうしばらく待ってくれる?」とかわされてしまいます。ここまで変わらないとなると、上層部には何か決断できない理由があるのでは・・・と深読みせざるを得ない心境です。
事例②業務範囲が広いのに「意識が低い」と怒られる
入社して3年目にして3種類の幅広い分野の仕事をこなしていますが、ミスが出るたびに「仕事の意識が低いからだ」と怒られます。社内でもこの業務範囲をこなしている人はいないはずなので、ミスが1つも出ないなんてあり得ないと思います。
期待していると口では言われるものの、給料も上がらなければ仕事が楽になる様子もありません。このまま働いていていいのか疑問です。
事例③積算作業が出来る人が少なくて仕事が止まる
リフォーム工事を行う建築業者で営業マンをしています。ご依頼をいただいたお客様とやり取りをしますが、その内容を実際に見積書にするのは別の担当者です。見積書を作成できる社員が限られているので、作成依頼をしたらその担当者の報告を待つしかやることがありません。
人数も少ないのでお客様をかなり任せてしまうこともあり、私が怒られてしまうこともあります。私は待っているだけなのに・・・少しやるせない気持ちになります。
もしあなたの会社が属人化していたらどうすればいい?
では、実際に属人化していた場合、どのように対処すべきなのでしょうか。
2つの視点からご紹介します。
解決できないなら環境を変えるべき
残念ながら、属人化の解消は課員一人の力ではどうすることもできません。あなたがどれだけ主張しても組織としての回答が「やる気の問題」「なんとかなる」である以上、あなたの問題を解決することへの優先度は低いと見なされています。
すでに上司等を通じて組織へアプローチしているのに改善することができないと悩んでいるなら、思い切って転職する等して環境を変えてしまうのはどうでしょうか。
ケースバイケースではありますが、属人化業務は業務量的にもかなり高負荷がかかっていることが多いものです。転職をした先が属人的でなければ、きっと通用するスキルが養われているはずですよ。
解決するために考えるべきこと
属人化の改善を行うためにはまず以下の2つを念頭に置いて対応しなければなりません。
- 組織が属人化しているかどうかを把握する
- 個人ではなく組織や部署全体で対処する問題であると心得る
課員が一人で声を上げたところで解決しません。もちろんマネージャーがトップダウンで指示したところで現場に馴染まずすぐに元に戻ってしまいます。
これらを理解するためにも、まずは属人化についてより深く理解していきましょう。
組織で属人化が発生する理由
ここまで属人化のデメリットや対処方法をご紹介しましたが、そもそも属人化が発生するのはなぜなのでしょうか。
属人化が発生する理由を、4つの視点からご紹介します。
とにかく忙しい、なんとか仕事を回そうとした結果
担当者の方々はみんな一生懸命に多すぎる業務量や少ない担当者でなんとか業務を回そうと頑張っています。感謝すべき事ではありますが、どうしても「なんとかして完了する」ことにフォーカスしてしまうのでそのプロセス管理については重要視されにくい傾向にあるようです。
気付いたら属人化していた、というかそもそも属人化していることに気付かず働いているケースがほとんどでしょう。
地位を守りたい・ミスを隠したい個人がいるから
属人化という状況を知っていたとしても、敢えてそのままにしている場合もあります。業務の手続きを複雑なものにしたり情報を個人所有にして他の人に分からない状態にすることで、組織上の立ち位置を「なければならない存在」にすげかえるパターンです。
属人的にすることで手続き中に起きるミスを他の人に気付かれないようにするケースもありますが、いずれにせよ組織としては非常に困った存在です。
専門性が高く、共有が難しいから
高い専門知識や個人のスキルが求められる専門業務の場合、簡単に共有できない場合があります。
同じスキルレベルを持たない人に協働を依頼すると問題が起きる事もあり、属人化止む無しとされるケースです。
この場合、専門業務を行う担当者からいかに「それ以外の業務」を離すから組織効率化のポイントです。
生産性が低く人を割けないから
一般的に雑務と言われる業務は、それ自体が利益を生まないことからどの組織もあまり予算をかけない傾向にあります。忙しくて人を増やしてほしい、と主張しても営業成績等を理由になかなか通らないのはそれが原因かもしれません。
属人化してはいけない業務
属人化していることに気が付いてもすぐに環境を改善することは極めて難しいことです。
そこでこの章では、優先的に属人化している現状を改善すべき業務をご紹介します。
誰もが同じ品質を提供しなければならない業務
例えばお客様への請求対応、在庫発注や支払いなどの業務は、対応するどの人でも等しく同じ結果を達成できなければなりません。いわゆる「やって当たり前の仕事」を対応した担当者によって「対応できた人」「できなかった人」が居てしまうと問題ですよね。
こういった業務は、事務経理などバックオフィス業務に多く見られます。
引継ぎや急な欠勤での業務停滞が起こりうる業務
1つ1つは単一作業であっても、様々な部署や担当者が関わって完了まで導く業務があります。例えば、以下のようなケースです。
- 「営業マン」がお客様と商談し、商品を受注する
- 「発注担当者」が卸業者へ商品を発注する
- 「発送担当者」が商品をお客様のもとへ届ける発送手続きをする
- 「営業マン」が商品の到着をお客様に確認する
- 「経理担当者」がお客様からの支払いを確認し、受領書を発行する
このような流れは「業務フロー」と呼ばれます。本来はもっと細分化されますが、もしも一部担当者が急な欠勤等で不在にすると業務フローは完遂できないですよね。
こういった業務フローの一部を担う場合にも属人化は避けなければなりません。
[補足]属人化がプラスに働く業務
属人化を解消することがまるで万能薬のように謳われる昨今ですが、すべての業務を解消しなければならないというわけではありません。
例えば、従来の組織を「ピラミッド型」、新しい組織の形を「個の星を結んだ星座」と表現する組織もあります。
社員1人1人が各分野のスペシャリストとして、専門性の高い知識や経験によって生産性をすることで経営を行うこのスタイルからも分かる通り、属人化を善と捉えるパターンも存在します。
つまり、属人化を悪と捉えるべきはあくまで「スペシャリスト性を求められない仕事まで属人化している場合」に限るはずです。下記記事に書かれた以下の記載が本質をついています。
おそらく、個が個の力でしなくてもよい部分はいずれAIでかなり効率化もされていくでしょうし、ただの効率化では企業同士の差異は減っていき、コモディティ的な差異のないものになり、今以上に平準化されていくでしょう。 参考:超”属人化社会がやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!
今日から出来る属人化解消の方法・事例
属人化の解消(標準化)の方法としてはマニュアル作成が一般的です。ところが作成手順が複雑で通常業務と併用するには手間がかかりすぎたり、完成してもどのように運用するかまで気が回らず結局放置されたりと、マニュアル作成はなかなかクリティカルな解決方法には至りません。
ここでは、今日から出来るカンタンな解消方法を紹介します。そのまま会社に持ち帰ってください。
急な引継ぎに対応できる共有スペースの確保
この事例は、以下のような方々に適した対処方法です。
- 担当業務を一人で実施しており、何か都合があっても代わりがいなく休めない
- 今の担当者が辞めてしまうとやり方が分からなくなって停止しかねない業務がある
経理部にて働くAさんは、債権回収業務を担当しています。大口顧客の入金対応も行っていて部内ではそれなりのベテランです。
ある日、Aさんは身内の不幸によって1週間ほど休暇を取り、十分な引継ぎも行えないまま同部署のBさんが休暇期間の業務を代行することになりました。
ところがAさんが担当していた大口顧客は、取引先によって支払明細などの書類フォーマットが異なっておりBさんには普段のやり方はおろか書類の場所すら分からないのでした…
こういった状態では、何も対処していなければトラブルやクレームに発展してしまいます。
共有スペースにお客様毎の書類フォーマットを保存してしまいましょう。部署内のあらゆる人が確認できる共有スペースに書類を置いておけば、上記のような場合にも「通常とは異なるフォーマットを使っていること」等が伝わり、スムーズに業務が対応できます。
共有スペースには、以下のような手段があります。
- 部署内のファイルキャビネット
- 各社員のどのパソコンからでもアクセスできる共有フォルダ
- EvernoteやDropbox、Googleドライブなどのオンラインストレージサービス
1のファイルキャビネットは紙の劣化や更新されているかが分からない不安が残るので、できれば2か3の手段を取ってもらいたいところです。
他にも似たような業務を行う人が居る部署ならばフォーマットの共有だけで構いませんし、もし1人で業務を行っているなら業務手順を箇条書きしたテキストファイルを同じ場所に置いておくだけでも十分です。
こういった事前準備をしておけば、仮に1人部署でも急な休みに対応しやすくなります。
お客様とのやり取りを全員が把握するメールアドレス統一化
この事例は、次のような方々に適しています。
- 部内の社員たちが取引先の方々とどのようなやり取りをしているかが見えない
- 担当者が休暇中に取引先やお客様から連絡をもらっても何もできない
総務部に勤務するAさんは備品の発注やお客様からのメール問合せに対応する役割です。発注先の業者やお客様からの質問・回答には主にメールを利用しています。
メールは各担当者がそれぞれ対応し完結しますが、急用については取引先やお客様から電話がかかってくることがあります。その際担当者が不在だと、どのような対応しているか分からず、結局かなりの時間お待たせしてしまいます。
このような場合、部署で扱うメールアドレスを統一してしまうのが有効です。担当者ごとの個人メールアドレスではなく、総務課なら「soumu@~~」のようなイメージですね。
こうすることでメールの送受信履歴を共有でき、やり取りを全員が把握可能になります。トラブル発生時にも個人が抱え込むことなく、気付いた社員が迅速に対応することでクレームを減らすこともできるでしょう。
注意点は2つ。1つはメールアドレスは業務種類ごとに分けることです。そうすることで「自分が見るべきメール」に注力することができます。
2つ目はメールへの二重対応への注意です。各メールに担当者名があれば問題ありませんが、気になる場合にはメールワイズ等のメール管理システムを導入するのも有効です。
一元管理システムで「誰でも作業対応ができる」状態をつくる
この事例は以下のような方々に最適です。
- 積算作業や発注書作成などを一部の担当者に一任しており、他の人は依頼後待ち時間になる
- 一任された担当者が不在時には業務がストップする
リフォーム工事を行う建築業者で営業マンをしているAさん。商談は行うものの、見積書を作成するのは別の担当者です。見積書を作成できる社員が限られているので、作成依頼をしたらその担当者の報告を待つしかやることがありません。
待ち時間が長くなればなるほどお客様への提出が遅くなります。当然クレームにも繋がりやすい事例です。
このケースでは、業界特化した管理システムの導入が不可欠でしょう。例えば建築業向けであれば見積や発注書作成、お客様向け請求書作成などを1つのシステムで対応できる「一元管理システム」が流行しています。
作業方法をシステムに則して標準化しておけば、簡単な見積書なら営業担当でも作成できるようになるはずです。また、このような一元管理システムは建築業に限った話ではなく、小売業や卸業、介護業界など様々な分野で応用が利く方法です。
建築業で使えるシステムはこちら
属人化した業務を標準化するメリット
上記に紹介した解決事例は、あくまでも始めの1歩に過ぎません。これらをきっかけにもしも属人化を解消することができれば、組織にとってどのようなメリットがあるのかも理解しておけば、社内アプローチにも効果的です。
品質の維持
業務の手順を標準化し、守るようにすることで、誰でも同じように業務を行う事ができるようになり、漏れなくダブりなく仕事をこなすことができます。
業務が標準化することで、内容の確認がしやすくなるので、サービスや商品の品質を一定に保つことができるようになります。
時間、思考力の有効活用
業務が標準化することで同じ手順、同じフォーマットを使うことができるので、担当者がそれぞれフォーマットの作成ややり方を考える必要がなくなります。時間と思考力を使うべきところに使うことができます。
組織力の強化
標準化の最大のメリットは「誰でも」もしくは「他の人が」その業務を行える状態を作れることです。
Aさんがいないと仕事が回らないという状況はAさんにとっても組織にとっても困ります。Aさんにしかできないことを他の人でもできるようにすることでお互いが業務をカバーしあうことが出来ます。担当者・企業の双方にメリットが生じます。
そもそも属人化を発生させないためにできること
「属人化させない」をかみ砕いて言えば、「いつ誰が休んだり辞めたりしても、誰かが代わりを勤められる状態」と言えるでしょう。マニュアルほど完璧なものでなくても構いません、ひとまずは引継ぎが容易になるくらいでも十分です。
ステップ1.業務の棚卸と仕分け
まずは業務の棚卸しと仕分けを行いますが、難しく考える必要はありません。要するにやっている仕事をリストアップする作業です。
上記の表は、仕事をリストアップする「業務整理表」の一例です。表中の「大分類」には部署、「中分類」には「部署内のチームや役割」、小分類には「チームや役割の人が行っている業務」という3段階で細分化しています。
ひとまずチーム内だけで使う等の場合は大分類を省くなどの対応をして構いません。業務を余すことなくリストアップできれば分類方法は何でもOKです。
リストアップした業務を見て、「今担当している人が急にいなくなったら」を想像してリスクのありそうなものは改善対象です。今見えていないリスクを見つけたい、という場合にはこちらで紹介している業務手順の書き出し方を参照してください。
ステップ2.改善施策の仕組みを決める
ステップ1で改善したい業務を決めたら、実際に仕組みを考えていきます。情報共有する方法を考えたり、他社事例を参考にしていきましょう。詳しく知りたい方はぜひ下記リンクから詳細記事をご覧ください。
業務改善に関する記事はこちら
ステップ3.運用する
計画を立てたらいざ実行!ですが、運用するにあたってご理解いただきたいことがあります。それは、「標準化(脱属人化)することは組織のメリットではあっても、必ずしも個人のメリットであるとは言い切れない」ということです。
標準化を通じてスキルやノウハウを個人所有から組織所有にシフトすることは、組織の安定性を築く上で重要な事です。一方個人にとっては「自分を”替えの利く存在”にする」可能性もある、大変リスキーな行為なのです。
これを理解したうえで、属人化解消が社員にとってのメリットになるように運用することが重要です。
- 属人化解消は「社員が自己の付加価値を高める環境整備」であると定義付ける
- 属人化解消実績を人事評価精度の項目に付け加える
- 属人化解消後は、新しいスキル育成を推奨していく
これらの運用を通じて、今の仕事にしがみつかずに絶えず新しい仕事ができるよう成長する姿勢を是とする環境が理想ですよね。
ステップ4.PDCAを回し続ける
属人化の解消は一度の施策で終わりません。誰かの休暇時に上手く運用できたかどうかなど実施結果を評価しつつ、繰り返し改善していきます。
とはいえ属人化解消で最高の評価は「有事の際にスムーズな対応が出来た」です。そんな有事(急な退職や休暇)、なかなか発生しませんよね。
そこで、定期的に属人化解消状況を評価し、社員が日ごろから意識できる「全社員に会社との連絡を一切絶つ9日間の連続休暇を取得してもらう制度」を導入する企業もあります。
「どんな企業で導入してもうまく回せる」そうですから、ぜひ検討して業務改善に備えてくださいね。
参考:まもりの種
PDCAに関する記事はこちら
まとめ
属人化は、特定の業務をその人しかわからない状態ができているということです。
属人化することで、働く環境の悪化や業務が非効率になる恐れがあります。
また、こうしたことが要因で、社員が退職した場合、引継ぎもうまくできずさらに業務の状態が悪化するといった悪循環に陥ります。
自社の環境を好転させるには、まず「属人化いていないか」を把握しましょう。
また、こうした属人化が組織自体の問題であることを認識し、改善に努めましょう。
一方で、属人化がプラスに働く業務もあります。
いずれにしても自社や部署、業務に適切な環境を構築する為に、現在の状況を把握し改善施策の仕組みを決めることが重要です。
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