人が作ったものは多かれ少なかれ壊れていく運命にあります。
建物のような大きなものになればなおさらで、少しでも寿命を延ばすためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
とはいえ、メンテナンスをするのであれば誰でも良いというものでもないです。
特にビルのような大型の建物であれば、ビルメンテナンスという専門の役職に就いている人が仕事をしなければいけません。
目次
ビルメンテナンスとは?
ビルのような大きな建物は万が一倒壊したら周辺の住民に莫大な影響を及ぼします。
仮に管理を怠って深刻な事故を起こしてしまえば、所有者の責任は重いものにならざるを得ないでしょう。
また、病院や官公庁のように公共的な建物は多くの人が使うものですから、常に清潔に保たなければいけません。
不潔な施設を利用したいと思う人はいないでしょう。
日本ではそういった事態をあらかじめ防ぐために、ビル管理法というものを制定しています。
この法律ではビルは常に衛生的な環境を整えるほか、安全に利用できるよう管理しなければいけないと定めています。
もっとも、ビルの所有者がそのすべてをカバーするのは大変です。
清掃などはともかくとして、安全設備を整えたり、水回りの点検を行ったりするには専門的な知識が欠かせません。
そんな時に活躍するのがビルの点検を専門とするビルメンテナンスです。
ビルメンテナンスの業務内容
建物は大きくなればなるほどメンテナンスしなければいけないところが増えていきます。
そのため、ビルメンテナンスの仕事は多岐にわたらざるを得ません。
まずは彼らがやるべき業務内容を一つひとつ見ていきましょう。
清掃管理業務
街中を歩いているとゴンドラに乗っている清掃員がビルの窓を拭いている光景を目にすることがあります。
あれも実はビルメンテナンスが行っている仕事です。
建物の中を清掃するくらいなら普通の人でもできますが、こういった危険性の高い清掃はプロでなければできません。
設備管理業務
ビルのような大規模な建物は多くの設備が配置されています。
ビルメンテナンスはその一つひとつが正常に作動しているかをチェックしなければいけません。
ビルの設備として代表的なのはエレベーターでしょう。
3階、4階と建物が大きくなるにつれて気軽に上下の階を移動できるエレベーターは必須です。
もっとも、エレベーターは頻繁に使われる乗り物であるため、ワイヤーなどが劣化しやすくなっています。
こうした部品が問題なく動いているかをチェックするのもビルメンテナンスの仕事です。
そのほか、配電盤や空調がちゃんと稼働するかどうか、といったことも業務に含まれます。
建物・設備保全業務
ビルは鉄やコンクリートのような丈夫な素材で作られるのが一般的です。
もっとも、人の出入りが頻繁に行われる施設では、そうした建材の耐久力もじわじわと衰えていきます。
一見丈夫そうに見えた建物が、ある日突然崩壊したといった例も少なくありません。
事故を調査してみると、点検を怠っていたために建物の耐久力が弱っていたのを見抜けなかったというパターンはよくあります。
建物が問題なく使えるか、どこかの部品に不備がないかを確認するのもビルメンテナンスの仕事です。
衛生管理業務
ビルメンテナンスは建物を衛生的に保つ仕事も引き受けています。
もっとも、これは一見すると清掃管理業務と同じなのでは、と思われる方もいるかもしれません。
しかし、建物の表面的な部分を整える清掃管理と、より深い部分を整える衛生管理ではそれぞれ違った仕事が求められます。
衛生管理業務の最たる例は水質調査が挙げられるでしょう。
たとえば、病院のような施設にとってきれいな水は欠かせません。
一方で、1日に使う水の量が多いため、水道管が傷む速度も速くなっていきます。
いつのまにか有害な物質が水に含まれていたという例も十分に考えられるでしょう。
こういった場面で利用者が安全な水を利用できるかを調査するのがビルメンテナンスの仕事です。
警備防災業務
ビルを運営するにあたって、一番大事なのが警備と防災です。
たとえば、商業施設において火災が起こったら多くの死傷者が出る可能性があります。
そのため、火災報知器が正常に動くか、スプリンクラーなどが作動するか、といったことを常々点検しなければいけません。
利用者を安全に建物の外へ逃がすための訓練を行うことも欠かせないでしょう。
そのほか、防犯カメラや警備員を配置して強盗や通り魔などの事件に備えるのも欠かせません。
ビルメンテナンス業の年収や資格は?
このように、膨大な業務をこなさなければいけないビルメンテナンスは大変な仕事に見えます。
となると、こうした仕事に見合った収入を受け取っているのでは、と考える人も多いでしょう。
では一般的なビルメンテナンスはどれくらいの年収を得ているのでしょうか。
ビルメンテナンスの年収
ビルメンテナンスの年収の相場は300万円前後です。
一般的なサラリーマンとそう変わりありません。
ビルの管理をすべて引き受けてこの年収? と思われる方もいるでしょう。
もっとも、ビルメンテナンスは決まった時間で働くことが多い仕事です。
休日出勤などもありませんし、残業なども基本的にはありません。
得られる給料は少ない一方で、安定した環境で働ける仕事といって良いでしょう。
ビルメンテナンスに必要な資格
ビルメンテナンスの仕事をするだけなら資格はいりません。
病院や官公庁などでメンテナンスをしている人がなんの資格も持っていないという例は多々あります。
もっとも、より正確な仕事をするためなら資格は必要になるでしょう。
会社によっては社員のキャリアアップを後押しするために、資格を取るよう促しているところも多いです。
たとえば、配電盤の設備を点検するためには電気工事士の資格が欠かせません。
ボイラーなどの点検をするにはボイラー技士の資格を取っておいたほうが良いでしょう。
このように、業務が複雑化するにつれて資格を取るビルメンテナンスは少なくありません。
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まとめ
私たちが普段何気なく利用している施設が安全に保たれているのは、裏でビルメンテナンスが活躍しているおかげです。
見えないところから人々を支える仕事をしたい、という人にとってビルメンテナンスはピッタリの仕事と言えるでしょう。
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