建設キャリアアップシステム(CCUS)をご存じでしょうか?
2023年度からは、国土交通省により建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録が義務化されました。
現状、建設キャリアアップシステム(CCUS)を登録していなくても罰則等はありませんが、今後重要になってきますので、見ていきましょう。
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、日本の建設業界における労働者のキャリアアップを支援するためのシステムです。
このシステムは、建設業界で働く技能労働者の技能や経験を「見える化」し、それに基づいて労働者の評価やキャリア形成をサポートすることを目的としています。
建設キャリアアップシステム(CCUS)の特徴と目的をみていきましょう。
建設キャリアアップシステム(CCUS)の主な特徴
まずは特徴を見ていきましょう。
登録制度
建設業に従事する技能労働者は、自身の情報(氏名、年齢、職歴、資格など)をシステムに登録します。
これにより、労働者の技能や経験がデータベースに蓄積されます。
カード発行
登録された労働者には、ICカードが発行されます。このカードには労働者の基本情報や技能、職歴が記録されています。
キャリアパスの可視化
システムは、労働者がどのような現場でどのような作業を行ってきたかを記録し、キャリアの進展を「見える化」します。
スキルアップの促進
労働者は、システムを通じて自分の技能や資格の状況を確認でき、それに基づいてスキルアップのための研修や資格取得の機会を探すことができます。
企業の活用
企業は、労働者の技能や経験を把握することで、適切な人材を適材適所に配置することができ、生産性の向上や品質の確保に役立てることができます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)の目的
次に目的を見ていきましょう。
技能労働者の地位向上
労働者の技能や経験を正当に評価することで、技能労働者の地位向上と待遇改善を図ります。
建設業界の魅力向上
若年層や未経験者にとって、キャリアパスが明確であることが建設業界の魅力を高め、新たな人材の確保に繋がります。
労働環境の改善
労働者の働き方や職場環境の改善に寄与し、安全で働きやすい環境作りを支援します。
業界全体の生産性向上
労働者の適切な配置や技能の見える化により、業務の効率化と生産性の向上を実現します。
CCUSは、建設業界全体の発展と労働者のキャリア形成を支える重要なシステムとして、今後もその活用が期待されています。
業務改善、生産性向上に関する記事はこちら
建設キャリアアップシステム(CCUS)登録方法とは
建設キャリアアップシステム(CCUS)登録方法の登録申請は、インターネット、郵送、窓口の3つの方法で行えます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)申請の流れ
それでは、建設キャリアアップシステム(CCUS)申請の流れを見ていきましょう。
1.インターネットによる申請
- CCUS公式ウェブサイトにアクセスします。
- 「労働者の方へ」のセクションからオンライン登録を開始します。
- 必要な情報(基本情報、職歴、資格など)を入力し、必要書類をアップロードします。
- 登録料を支払います。
2. 郵送による申請
- 「技能者情報登録申請書」を公式サイトからダウンロードし、印刷します。
- 申請書に必要事項を記入し、必要書類を同封します。
- 登録料の支払い方法に従い、支払いを完了させます。
- 記入済みの申請書と必要書類を指定された住所に郵送します。
3. 窓口での申請
- 最寄りのCCUS窓口に行きます。
- 窓口で「技能者情報登録申請書」を受け取り、必要事項を記入します。
- 必要書類を提出し、その場で登録料を支払います。
建設キャリアアップシステム(CCUS)申請の注意点
次に、建設キャリアアップシステム(CCUS)申請の注意点を見ていきましょう。
必要書類
- 基本情報:氏名、生年月日、住所、連絡先
- 本人確認書類(いずれか1つ):運転免許証、パスポート、マイナンバーカード
- 技能証明書:資格証明書、技能検定合格証、
- 職歴証明書(必要に応じて)
登録料とカードの有効期限
- 登録料:建設キャリアアップカードの発行には登録料が必要です。料金は公式サイトや窓口で確認してください。
- 有効期限:カードの有効期限は発行日から9年経過後の最初の誕生日までです。60歳以上の方は、発行日から14年目の誕生日までとなります。本人確認書類未提出者は、カード発行から2年目の誕生日までが有効期限です。
- 技能証明書:資格証明書、技能検定合格証、
- 職歴証明書(必要に応じて)
建設キャリアアップシステム(CCUS)申請の注意点
登録手続きには一定の期間がかかる場合がありますので、余裕を持って申請を行うことが重要です。
ICカードの発行には費用がかかるため、事前に確認しておくことをお勧めします。
労働者の情報は正確に入力し、提出書類も最新のものを用意することが大切です。
建設キャリアアップシステム(CCUS)のメリット・デメリット
建設キャリアアップシステム(CCUS)の内容や申請方法についてみてきましたが、
建設キャリアアップシステム(CCUS)のメリットとデメリットを技能労働者・事業者・業者全体の視点で見ていきましょう。
建設キャリアアップシステム(CCUS)のメリット
まずは建設キャリアアップシステム(CCUS)のメリットから見ていきます。
技能労働者のメリット
- キャリアの可視化
労働者は自身の技能や経験をデジタル記録で管理でき、いつでも確認できます。これにより、自己評価やキャリアの目標設定が容易になります。 - 技能の証明
公式な技能証明書として機能するため、他の事業者への転職時や新たな現場での採用時に、自分の能力を客観的に証明できます。 - スキルアップの促進
システム上で不足しているスキルや推奨される資格を確認できるため、効率的にスキルアップを図ることができます。 - 待遇改善
客観的な技能評価に基づき、適正な評価と報酬を受けやすくなります。これにより、労働条件の改善や昇進の機会が増えます。
事業者のメリット
- 人材管理の効率化
労働者の技能や経験をデータベースで一元管理できるため、適材適所の配置が容易になります。 - 生産性の向上
技能の見える化により、熟練度に応じた業務分担が可能になり、全体の作業効率が向上します。 - 品質の向上
適切な技能を持つ労働者を確保・配置することで、施工品質の向上が期待できます。 - コンプライアンスの強化
労働者の技能や資格が明確に確認できるため、適切な資格保持者を配置することで法令遵守を徹底できます。
業界全体のメリット
- 人材の流動性向上
労働者の技能情報が標準化されることで、業界全体での人材の流動性が高まり、人手不足の解消に寄与します。 - 業界の魅力向上
明確なキャリアパスが示されることで、若年層や新規参入者に対する業界の魅力が高まり、建設業界への人材流入が促進されます。 - イメージアップ
労働者の適正評価と待遇改善が進むことで、建設業界全体のイメージアップに繋がります。 - 統計データの活用
集積されたデータを活用することで、労働市場の動向分析や政策立案が精度を増し、業界全体の健全な発展を支援します。
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、個々の労働者だけでなく、事業者や業界全体にとっても大きなメリットをもたらし、建設業界の生産性向上と働き方改革に寄与する重要なシステムです。
建設キャリアアップシステム(CCUS)のデメリット
次に建設キャリアアップシステム(CCUS)のデメリットから見ていきます。
労働者のデメリット
- 登録の手間と費用
登録手続きが煩雑で、必要書類の準備や入力に手間がかかります。また、登録料やカード発行費用も必要です。 - プライバシーの懸念
自身の技能や職歴などの個人情報がシステムに登録されるため、プライバシー保護に対する懸念があります。 - 登録に対する抵抗感
長年の経験を持つ熟練労働者の中には、新しいシステムに対する抵抗感があり、登録を敬遠するケースがあります。
事業者のデメリット
- 導入コスト
システムの導入や運用に伴うコストが発生します。特に中小企業にとっては負担になる可能性があります。 - 管理の負担
労働者の情報を正確に登録・管理する手間が増えます。特に、複数の現場や多くの労働者を抱える事業者にとっては、管理が煩雑になります。 - システムの理解と運用
システムの運用には一定の知識とスキルが必要です。事業者や管理者がシステムを理解し、適切に運用するための研修や教育が必要です。
業界全体のデメリット
- 不完全な普及
業界全体での普及が進まない場合、システムの効果が限定的となります。特に、登録が進んでいない地域や企業では、恩恵を受けにくいです。 - 公平性の問題
登録している労働者と未登録の労働者との間で評価や待遇に差が生じる可能性があります。これにより、業界内での不公平感が生まれることがあります。 - データの正確性
登録データが正確でなければ、システムの信頼性が損なわれる可能性があります。誤った情報が登録された場合、労働者や企業に不利益をもたらすことがあります。
建設キャリアアップシステム(CCUS)は多くの利点を提供する一方で、これらのデメリットや課題にも対処する必要があります。
システムをより効果的に運用するためには、労働者や事業者がその価値を理解し、積極的に参加することが重要です。
また、システムの改善やサポート体制の強化も求められます。
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まとめ
建設キャリアアップシステム(CCUS)についてみてきました。
2024年1月末時点で建設業技能者数302万人中136.2万人が登録しており、事業者では25.2万社が登録をされています。
今後、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録をしていないと現場に入れないということも考えられます。
まだ建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録していない方は検討をしましょう。
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