建設業経理士が人気の理由とは、建設業界からの評価は?

建設業経理士が人気の理由とは、建設業界からの評価は?

建設業へ就職や転職を考えている方、簿記からステップアップしたいと考えている方におおすすめの資格である建設業経理士。
今回は建設業経理士とはいったい何なのか、試験内容や今後の資格の活かし方について紹介していきます。

建設業経理士とは

建設業経理士は、建設業経理士検定試験を受けて建設業を専門とした会計知識と会計処理能力を持つと認められた建設業経理のプロフェッショナルです。

建設業経理士の試験は基本的には簿記の試験とよく似ているのですが、違うところと言えば建設業に特化しているということです。
一般財団法人建設業振興基金によって年に2回実施されている民間の試験となります。
建設業経理士1級と建設業経理士2級を取得していると経営事項審査の評価対象とされることから建設業界で重宝されるため建設業への就職や転職を考えている方におすすめの資格です。
経営事項審査に関してはのちほど詳しく説明します。

受験資格

受験するにあたり条件はなく、だれでもどの級にでも受験することができます。

しかし、同日に1級とほかの級を受験することはできません。
1級の複数教科を同日受験することは可能です。

試験内容

試験は100点満点中70点獲得すると合格判定です。

  • 4級…簿記の仕組み
  • 3級…建設業の簿記、原価計算
  • 2級…建設業の簿記、原価計算及び会社会計
  • 1級…建設業原価計算、財務諸表、及び財務分析

4級は簿記のしくみから出題され、初歩的な建設業簿記の理解が必要となります。

3級は建設業簿記と原価計算から出題され、基礎的な建設業簿記の原理や記帳、また初歩的な原価計算の理解をしており、決算に関わる実務も初歩的なレベルの内容です。

2級は建設業簿記と原価計算、会社会計について出題されます。
実務的な建設業簿記、基礎的な建設業原価計算ができ、決算に関わる実務が行えるレベルです。

1級は建設業原価計算、財務諸表、財務分析の三つの項目から出題され、上級の建設業簿記、建設業原価計算、会計学を習得しており、会社法や会計についても理解が必要です。
さらに建設業の財務諸表の作成や経営分析をする力を持っていることかを試される試験です。

合格率

建設業経理士の合格率は、下記の通りです。
建設業経理士 1級2級 合格率

建設業経理士 1級2級 合格率

建設業経理士 3級4級 合格率

試験について

建設業経理士検定試験は年に2回上期と下期に分けて実施されます。
9月に行われる上期の試験は1級~2級が対象、3月に実施される下期の試験は1級~4級が対象です。

合格した後に与えられる称号が級ごとに異なり、1級と2級は建設業経理士3級と4級は建設業経理事務士という称号が与えられます。

1級科目合格の有効期限は5年

建設業経理1級の試験に合格するためには「建設用原価計算」、「財務諸表」、「財務分析」の三つの科目に合格する必要があります。
科目合格の有効期限は合格通知書の交付日から5年間とされており、5年以内に3科目すべて合格することができてはじめて「1級建設業経理士」の合格証明書が交付されます。
3科目を有効期限以内に合格できなかった場合には、有効期限がすぎた科目は合格が消滅してしまいますので、1級に合格するためには消滅してしまった科目はふたたび受験しなければいけません。

  • 施工管理システム

建設業経理士資格が役立つ場面

冒頭で名前が出てきました「経営事項審査」について説明していきます。

経営事項審査とは元請けとして工事を請け負いたいときに必ず受けなければならない審査のことです。
公共工事をどの建設業者に任せるかを選ぶ際に、建設業者を全国の統一基準で評価しランク付けする必要があります。

具体的には建設業経理士1級は1点建設業経理士2級が0.4点と点数付けされます。
ちなみに公認会計士、会計士補、税理士は建設業経理士1級と同じ1点と点数化されます。
ほかにも様々な項目で評価されるため一概には言えませんが、公認会計士や税理士と並ぶ点数をもらえる建設業経理士1級がどれだけ会社で重宝されるかが分かりますね。

2021年4月から経営事項審査が改正され、建設業経理士の資格を取得したあと5年経過すると経営事項審査の評価対象になるためには講習が必要となりました。
今までは建設業経理士1級、2級を取得すれば以後何もしなくても経営事項審査の評価対象とされていました。しかし、改正後は登録講習を受けることで評価対象として加点されるということです。

  • 登録経理試験の1級合格者のうち、下記に該当する者(経審で評価される1級合格者)
    A) 合格した日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して5年を経過しないもの
    B) 登録経理講習の1級受講者で、受講した日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して5年を経過しないもの
    C) 本財団が実施した1級登録講習会の受講者で、受講した日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して5年を経過しないもの
    ※令和5年3月31日までは、すべての1級合格者が評価されます。
  • 登録経理試験の2級合格者のうち、下記に該当する者(経審で評価される2級合格者)
    A) 合格した日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して5年を経過しないもの
    B) 登録経理講習の2級受講者で、受講した日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して5年を経過しないもの
    C) 本財団が実施した2級登録講習会の受講者で、受講した日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して5年を経過しないもの
    ※令和5年3月31日までは、すべての2級合格者が評価されます。
引用元:建設業振興基金 建設業経理検定
  • 施工管理システム

必要な勉強時間

3級、4級は3~5カ月程度2級は4~8カ月程度1級は6~12カ月程度の勉強が必要と考えられます。
人によって簿記の知識を持っている人、仕事で建設業が身近な人など様々だと思います。
自分の実力に合わせて余裕をもって勉強を始めるようにしてください。

3級と4級は簿記の内容と建設業の基本的な知識が問われるため簿記の知識を持っていない方でも勉強を始めやすく、比較的資格も取りやすいです。
2級と1級に関しても独学で資格を取ることは十分可能だと言えます。
市販のテキストで勉強することもいいですが、通信講座を活用して試験に挑むことも一つの手です。

勉強する際に、何冊もテキストを購入して結局どれも一周できなかったという勉強方法はやってしまいがちですが非常にもったいないです。
着実に間違いを減らし、問題形式に慣れるようにするためにもテキストは1,2冊と絞って何度も繰り返えすことをおすすめします。

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まとめ

建設業経理士1級と建設業経理士2級を取得していると、経営事項審査の評価対象とされることから建設業界で重宝されます。
よってこの資格を取得することは建設業への道を考える方にとって大きなアピールポイントとなる資格です。

3、4級は自分の実力を試すためや建設業経理について触れたい方にとっては十分ですが、やはり就職や転職では2級以上が役に立つでしょう。
独学での資格取得も可能な資格のためぜひ挑戦してみてください。

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