2級建築施工管理技士は、建築工事現場で施工管理や監督を行う技術者のための国家資格です。
資格を取得するためには、年2回実施されている検定に合格する必要があります。
本記事では、2級建築施工管理技士の概要や取得メリットについて解説していきます。
2級建築施工管理技士とは
2級建築施工管理技士は、建設現場において施工計画の作成、工程管理、安全管理、品質管理などを行うための国家資格です。
この資格を取得すると、主に中小規模の建築工事において、主任技術者として現場の責任者を務めることができます。
試験は「第一次検定」と「第二次検定」の2段階で構成されています。
第一次検定に合格すると「2級建築施工管理技士補」の資格が与えられ、第二次検定に合格すると正式に「2級建築施工管理技士」となります。
受験資格については、第一次検定は受験年度末時点で満17歳以上であれば誰でも受験可能です。
第二次検定の受験資格は、新制度により 「第一次検定合格後に一定の実務経験があること」が基本条件 となっています。
この資格を取得することで、建設業界でのキャリアアップや技術力の証明となり、昇進や転職の際に有利となる場合があります。
2級建築施工管理技士の合格率や難易度


2級建築施工管理技士の試験は、直近で令和7年12月22日(月)実施されましたが、合格者数や合格率は以下の通りです。
| 1次 | 2次 | |||||
| 受検者数 | 合格者数 | 合格率 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 | |
| 2025年度 | 22,803人 | 8,285人 | 36.3% | 18,320人 | 5,991人 | 32.7% |
| 2024年度 | 22,885人 | 11,550人 | 50.5% | 19,283人 | 7,851人 | 40.7% |
| 2023年度 | 27,116人 | 13,387人 | 49.4% | 21,859人 | 6,999人 | 32.0% |
最新の2級建築施工管理技士の合格率を見ると、第一次検定は36~50%、第二次検定は32~41%で推移しており、特に第二次検定は合格率が低く難易度が高いことが分かります。
第一次検定は学科中心で基礎知識が問われ、第二次検定は実務経験を活かした応用力や現場対応力が重要です。
そのため、合格には理論の理解だけでなく、計画的な学習と現場経験の両立が不可欠です。
2級建築施工管理技士の試験概要
2級建築施工管理技士は、建築、躯体、仕上げの種別に細分されて技術検定が行われる点が特徴です。
前期日程は、札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄の10地域、後期日程は、札幌・青森・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・鹿児島・沖縄の13地域で受験できます。
令和8年度の受験手数料は第一次・第二次検定(同日受験、税込み)で12,300円、第二次検定のみで6,150円、第一次検定のみで6,150円です。
2級建築施工管理技士における第一次と第二次の区別や合格率などについて詳しく説明していきます。
一次と二次の二段階で実施
建築施工管理技士の検定は、第一次と第二次の二段階あります。
第一次検定は17才以上であれば受検申し込み可能です。
二次試験 新受験資格
2024年度からの「受験資格の緩和」され以下の通りに変更になりました。
ただし、令和10年度までは旧受検資格でも受検可能です。
| 区分 | 必要実務経験 (※1) |
|---|---|
| 1 | 2級建築施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験3年以上 |
| 2 | 1級建築施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験1年以上 |
| 3 | 一級建築士試験合格後、実務経験1年以上 |
※上記資格のいずれかを含む場合。
※新旧の受検資格で実務経験の考え方が異なります。必ず受検の手引をご確認ください。
二次試験 旧受験資格
また、建築工事の施工管理業務に従事した実務経験を積み、下表の要件を満たしていれば第一次・第二次検定(同日受検)で申し込むことができます。
第一次・第二次検定(同日受検)の要件を満たした上で、以下のいずれかの要件も満たす場合は第二次検定のみで受験することもできます。
- 建築士法による一級建築士試験の合格者
- (令和2年度までの)2級建築施工管理技術検定試験の「学科試験のみ」受検の合格者で有効期間内の者
- (令和3年度以降の)2級建築施工管理技術検定の「第一次検定」合格者
試験日や願書取得方法は?
建築施工管理技士の検定は、年に2回あります。
令和8年度の試験日程は以下の通りです。
| 受検申請区分 | 一次のみ (※) |
| 申請受付期間 | 2月6日(金)〜2月27日(金) |
| 試験日 | 6月14日(日) |
| 合格発表 | 7月13日(月) |
※前期日程では、第二次検定は実施しません。
| 受検申請区分 | 一次のみ 一次・二次同時 二次のみ |
| 申請受付期間 | ネット申請:6月29日(月)〜7月27日(月) 書面申請:7月13日(月)〜7月27日(月) |
| 試験日 | 11月8日(日) |
| 合格発表 | 第一次検定:12月21日(月) 第二次検定:2月5日(金) |
初めて第二次検定を受検する方(一次・二次を同時に申請する場合も含む)は、実務経験審査が必要です。
そのため、上記を証明する書面での申請が求められます。まずは願書を購入し、申請手続きを行いましょう。
ただし、平成15年度以降に第二次検定を受検したことがある方は、過去に提出した実務経験証明書が参照されるため、同じ級・種目・種別・試験区分での再受検に限り、実務経験証明書の提出を省略できます(辞退者を除く)。
2021年からの試験制度の変更について
合格率の部分で紹介したように、2021年より検定制度が大きく変わりました。主な変更点は以下の3つです。
- 試験内容の再編
- 資格要件の見直し
- 試験区分の再編
変更前は「第一次検定」「第二次検定」という区分ではなく、「学科試験」と「実地試験」に分かれていました。
学科試験では知識、実地試験では実務能力が問われる出題が中心でした。
制度改正後は、第一次検定が学科中心、第二次検定が実務能力中心という構成を基本としつつ、第一次検定では能力問題、第二次検定では知識問題も一部出題されるようになっています。
また、従来の制度では学科と実地の両方に合格して初めて「施工管理技士」の資格を取得できましたが、制度変更後は第一次検定に合格すると「施工管理技士補」の資格が付与される仕組みとなりました。
さらに、2024年度(令和6年度)からは受験資格の見直しが行われ、制度がより柔軟になりました。
これまでのように学歴や長い実務経験を重視する仕組みから、「第一次検定合格後の実務経験」を基準とする制度へ移行しています。
この変更により、2級建築施工管理技士を取得すれば実務経験がなくても1級の第一次検定を早期に受験することが可能になりました。
そのため、若いうちから上位資格へのステップアップを目指しやすくなっています。
なお、1級建築施工管理技士として登録するためには、第一次検定だけでなく第二次検定の合格と所定の実務経験が必要である点には注意が必要です。
2級建築施工管理技士でできる仕事
建築施工管理技士は「建築設計技術者」「建築施工管理技術者」「建築板金」「左官」といった職業に関連します。
ただし、2級建築施工管理技士にはいくつかの制限があるため、保有している資格が2級か1級かによって、できる仕事の範囲が異なります。
1級と比較しながら、2級建築施工管理技士でできる仕事を確認していきましょう。
工程管理や品質管理・安全管理ができる
2級建築施工管理技士は、建設現場での工程管理や品質管理、安全管理をおこないます。
また、施工計画の作成や資材の発注なども、2級建築施工管理技士の業務です。
2級建築施工管理技士の資格は「建築」「躯体」「仕上げ」に分かれており、それぞれ試験内容も異なります。
大まかな業務内容は「建築」が建築一式工事、「躯体」が主に構造部分に関する工事、「仕上げ」は内装や外装の工事です。
1級でなければできない仕事もある
2級建築施工管理技士は3つの資格区分によって取り扱える業務が異なるのに対し、1級であれば担当する業務に制限はありません。
つまり、2級の「建築」「躯体」「仕上げ」いずれの業務も担当できるというわけです。
また、2級が主任技術者にのみなれることに対し、1級を取得していれば主任技術者と監理技術者いずれにもなれます。
建設業の許可を受けたものが建設工事を施工する際は、主任技術者を配置しなければなりません。
さらに、請負代金の額の合計が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる場合には、主任技術者に代えて監理技術者が必要です(建設業法第26条第2項)。
つまり、2級建築施工管理技士では、高層マンションやショッピングモールなど大規模な案件に携わることができません。
建設業法の規制に関する記事はこちら
施工管理の仕事について詳しくはこちら
2級建築施工管理技士の取得メリット
建築施工管理技士の2級は、1級に比べると担当できる工事規模などに違いがあります。
しかし、2級を取得しておくことで現場での役割が広がり、将来的なキャリアアップにもつながるなど、さまざまなメリットがあります。
ここでは、キャリアアップのステップとしてのメリットや活躍の場の広がりといった観点から、2級建築施工管理技士を取得するメリットを解説します。
キャリアアップのステップとして活用できる
2024年度(令和6年度)の制度改正により、施工管理技士の受験制度は大きく見直されました。
現在は、第一次検定に合格した後の実務経験を基準とする制度へと変わり、若手でも上位資格に挑戦しやすくなっています。
特に、2級建築施工管理技士を取得しておくことで、1級建築施工管理技士の第一次検定に早い段階から挑戦できるため、キャリアアップのステップとして有効です。
このように、2級は将来的に1級を目指すうえでの重要な足がかりとなる資格といえるでしょう。
2級建築施工管理技士公式ページはこちら
活躍の場が広がる
2級建築施工管理技士を取得すると、建設現場で主任技術者として活躍することができます。
建設業の許可を受けて工事を行う場合は、工事現場ごとに主任技術者を配置することが法律で義務付けられています。
そのため、資格を取得することで責任ある業務を任される機会が増え、職場での信頼度向上や昇進・昇給などにつながる可能性があります。また、専門知識と技術力を証明できる資格として、建設業界での評価向上にも役立つでしょう。
2級建築施工管理技士の勉強方法
事前知識や経験によっても異なりますが、一般的に2級建築施工管理技士を取得するためには、100〜300時間程度の学習が必要とされています。第一次検定はすべてマークシート方式で、第二次検定では記述式の問題も出題されます。
また、制度変更により、第一次検定では知識問題を中心に能力問題も出題され、第二次検定では実務能力を中心とした問題に加えて知識問題も出題されるため、それぞれに応じた対策が必要です。
知識問題は過去問の繰り返しが鍵
基礎知識を身につけるためには、まずテキストを使って学習を進めることが重要です。
ただし、テキストだけを読み込む学習は時間がかかるため、効率的に理解を深めるには過去問題を繰り返し解く方法が効果的です。
過去問に取り組む中で分からない用語や内容が出てきた場合は、その都度テキストで確認することで、知識を定着させやすくなります。近年は新制度(第一次検定・第二次検定)移行後の過去問も数年分蓄積されているため、それらを活用して出題傾向に慣れておくことが大切です。
能力問題は文章力を鍛えることが大切
第二次検定の能力問題は記述式で出題されます。
経験記述では、自身の現場経験をもとに施工管理の内容を文章で説明する力が求められます。そのため、日頃から文章として整理して書く練習をしておくことが重要です。
また、新制度移行後の第二次検定の過去問も蓄積されているため、それらを参考に実際の出題形式に沿って文章を作成する練習を行うと効果的です。
文章に自信がない場合は、上司や先輩などの有資格者に添削してもらうことで、より実践的な対策につながります。
建築施工管理技士以外の施工管理技士とは?
建築施工管理技士に限らず、「電気工事施工管理技士」「電気通信工事施工管理技士」「土木施工管理技士」「管工事施工管理技士」など、さまざまな施工管理技士が存在します。
各資格がどのような職業に対応しているのかは、厚生労働省の職業情報サイト(日本版O-NET)で確認が可能です。
5つの施工管理技士の特徴や、具体的に該当する職業を紹介します。
1.建築施工管理技士
建築施工管理技士とは、工事現場での技術責任者として施工管理や安全管理するために必要な国家資格です。
建築施工管理技術検定の第二次検定に合格することで、建築施工管理技士が取得できます。
試験の種類は、1級建築施工管理技術検定と2級建築施工管理技術検定の2種類です。
いずれも一般財団法人建設業振興基金が指定試験機関となっています。
日本版O-NETによると、建築施工管理技士になった人が就く職業は「建築設計技術者」「建築施工管理技術者」「建築板金」「左官」が一般的です。
なお、本記事では、建築施工管理技士を中心に解説しています。
1級建築施工管理技士について詳しくはこちら
2.電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、電気工事に関する施工計画作成など、電気工事を専門に取り扱う国家資格です。
電気工事施工管理技術検定の第二次検定に合格することで取得することができます。
建築施工管理技士と同様に、一般財団法人建設業振興基金が検定を実施しており、資格は1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工技士の2種類です。
2級は一般建設業の許可を受ける際に必要な「営業所ごとに配置する専任の技術者」および「建設工事における主任技術者」として、1級であれば特定建設業の「営業所ごとに置く専任の技術者」および現場に配置する「監理技術者」として認められます。
日本版O-NETでは、電気工事施工管理技士に関連する職業として「電気技術者」「太陽光発電の設計・施工」「太陽光発電のメンテナンス」「太陽光発電の企画・調査」を挙げています。
3.電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は、2019年から始まった比較的新しい国家資格です。
有線・無線LANの設置工事、モバイル通信用の工事などに携わる資格のため、社会基盤を支える資格としてその重要性が認識されています。
電気通信工事施工管理技士は、一般財団法人全国建設研修センターの実施する電気通信工事施工管理技術検定の第二次検定に合格することで取得可能です。
電気工事施工管理技士について詳しくはこちら
4.土木施工管理技士
土木施工管理技士は、土木工事の現場はもちろん、自然災害の場面でも需要のある国家資格です。
一般財団法人全国建設研修センターの土木施工管理技術検定の第二次検定に合格すると取得できます。
主任技術者として認められる2級土木施工管理技士は、一般建設現場での施工計画の作成や安全管理、工程管理などの現場管理が可能です。
1級土木施工管理技士は、一般建設業や特定建設業で下請契約請負金額4,000万円以上の場合に、土木工事全般を指揮できます。
日本版O-NETによると、関連する職業は「土木設計技術者」「土木施工管理技術者」「建設・土木作業員」です。
5.管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、空調などの配管工事に携わる資格です。一般財団法人全国建設研修センターの管工事施工管理技術検定の第二次検定に合格することで取得できます。
他の施工管理技士と同様に、1級と2級に分類され、それぞれ業務領域が異なります。
日本版O-NETによると、関連する職業は「配管工」です。なお、一般財団法人全国建設研修センターでは、3.〜5.で紹介した検定以外にも「造園施工管理技術検定」を実施しています。
管工事施工管理技士の仕事について詳しくはこちら
まとめ
施工管理技士にはさまざまな種類の資格があります。
その中で、建築施工管理技士は工事現場での技術責任者として施工管理や安全管理するための国家資格です。
建築施工管理技士の2級は、取得すると主任技術者として活躍できるので、今後のキャリアアップに期待できます。
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