工務店で働く方々の中には、常に納期に追われたり、現場で計画通りに作業が進まないなどの課題に直面している方も多いのではないでしょうか?そんな方々には、作業工程表の活用をおすすめします。
作業工程表を用いることで、工事の計画や作業の進捗状況を簡単に把握でき、作業効率の向上が期待できます。
本記事では、作業工程表の目的や種類、それぞれの利点や欠点について解説します。
作業工程表とは?
プロジェクトを予定通りに進め、管理するための計画表のことを言います。
用途によって色々な種類があり、表計算ソフトを使って作成することも可能です。
■作業工程表に含まれる情報
- 作業内容: 各作業の具体的な内容やタスクが記載されます。
- 作業開始日: 各作業が開始される予定の日付が記載されます。
- 作業終了日: 各作業が完了する予定の日付が記載されます。
- 担当者: 各作業を担当する人物やチームが記載されることがあります。
- 進捗状況: 各作業の進捗状況が更新されます。
作業工程表を作る目的
プロジェクト内のタスクを計画通りに進めることが一番の目的です。その為には、プロジェクトに参加するメンバー同士が作業工程表を共有し、タスクが滞りなく進められるようにすることが大切です。作業工程表により、タスクの締切日や、タスクの担当者が誰なのか等を把握しやすくなります。
紙面で作ることも多いですが、最近ではコンピューターを使ってリアルタイムにタスクの進捗状況などを管理するところも増えてきています。
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作業工程表を作る6つのメリット
作業工程表を使用することで、可能になることは沢山あります。順にご紹介します。
①役割分担の明確化
作業工程表の項目に、タスクごとに担当者を記入します。表になっていることで、誰がどのような仕事をするのか、一目でわかります。
タスクの担当者が明確になれば、プロジェクト進行中にトラブルが発生しても、誰に確認すればよいのか等、問い合わせ先が明確となり、トラブルの原因もつきとめやすくなります。
②作業時間の共有
作業工程表には、タスクの開始日、終了日を記入します。そうすることで、プロジェクトメンバーが作業工程表を見て、担当タスクの開始日や締切日を確認し、把握しやすくなります。
担当者それぞれが、タスクの納期を意識し、プロジェクトに参加するようになるため、スムーズに作業が進めやすくなります。
③イレギュラーへの対応がしやすい
理想は、トラブルなくスムーズに作業が進むことですが、現場でトラブルが発生することも多々あります。そんな場合でも、工程表によって作業の進捗状況や人員、スケジュール等の全体像を把握できれば、イレギュラーなことが起こっても対応しやすくなります。
④作業のプロセスの共有
作業工程表でタスクを管理することで、タスク同士の関係が分かりやすくなります。
例えば、親子関係にあるタスクや、一連のプロセスに関係するタスク、同時進行する必要があるタスク等です。万が一トラブルがあった場合も、その影響がどのタスクにおよぶかがわかるため対策がスムーズになります。
⑤作業進捗の共有
作業工程表には、作業進捗を共有できるものもあります。
作業進捗を共有することで、プロジェクトの完了時期の予想も立てやすくなります。
完了時期が予定より遅れそうなら、再度スケジュールを立て直したり、進捗の遅れているタスク担当者のフォローを行ったりして、改善の対策をとることが出来ます。
また、プロジェクトに関係するクライアントにも正しい進捗状況を報告することができ、良い信頼関係を築くことが出来ます。
⑥コスト削減に繋げやすい
作業全体の中で、どの部分が無駄なのか、作業の効率化が可能な部分の有無を把握しやすくなります。無駄を省いて効率化を図ることで、コスト削減に繋げることが可能になります。
以上のことからも分かるように、作業工程表が上手く機能すると、複雑なタスクも管理しやすくなり、プロジェクトを効率的に進められるようになるのです。
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作業工程表の種類とメリット・デメリット
作業工程表にも、様々な種類があります。プロジェクトの内容にあったものを選択することが大切です。ここでは、それぞれの特徴やメリット、デメリットに着目して解説します。
バーチャート
縦軸に作業項目(タスク)、横軸に時間を記入した作業工程表
メリット
- タスクと予定を記入するだけの為、記入する内容も少なく、初めて作る人でも簡単に作成可能。
- 誰が見てもスケジュールが把握しやすい。
デメリット
- 各タスク間の関係性が分かりにくい。
ガントチャート
バーチャート工程表とほとんど同じ特徴を持っています。縦軸に作業項目(タスク)、横軸に進捗率を記入した作業工程表。
メリット
- 簡単に作れて、誰が見てもスケジュールが把握しやすい。
デメリット
- 各タスク間の関係性が分かりにくい。
(バーチャートとガンチャートの呼び方の堺は曖昧だったりします。)
ネットワーク工程表
タスクの繋がりや順序が分かるように、番号や矢印等の記号を用いて、作業内容や各作業にかかる日数を記入するタイプのもの。
システム開発の現場等、前工程のタスクが終わらないと次工程のタスクに着手できない、ウォーターフォール型のタスク管理に多く用いられ、複雑な作業が含まれる仕事で、作業の順序を把握したい時によく使用されます。
メリット
- 複雑な仕事内容でも作業同士の関連性が明確にでき、同時に始められるタスクは何か、どのタスクから着手するのが効率がよいか等を把握することができる。
デメリット
- 作成や読み取りに専門知識が必要。
- 作り方が難しく、各作業の進捗が分かりにくい。
グラフ式工程表・曲線式工程表
グラフ式工程表と曲線式工程表は呼び方が違うだけで、同じものです。縦軸が進捗、横軸が日にち、曲線が進捗状況を表しています。
メリット
- タスク1つ1つの進捗状況や作業間の関連性が分かり、どの作業の遅れがどの作業に影響するのか等を把握しやすい。
デメリット
- 作成方法が複雑なため、慣れるまで作成に戸惑う人も多い。
工程管理曲線
工程管理曲線は、スケジュール管理がしやすいのが特徴。工程管理曲線は、縦軸に進捗率を横軸に日付を書いて作成します。
上方と下方にそれぞれ許容限界曲線を記載しているため、作業の進み具合が許容範囲内かどうか確認しやすい仕組みになっています。
メリット
- 作業の遅れ等の把握がしやすく、全体的な進捗情報を把握しやすい。
デメリット
- 細かな内容の記載がなく、各タスクの進捗は把握しづらいため、1つ1つの作業状況での確認しが難しい。
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まとめ
作業工程表を使うと計画的にプロジェクトを進めやすくなります。専門メーカーがリリースしているプロジェクト管理ツールは、様々な機能を兼ねそろえていることも多く、非常に便利です。自社のプロジェクトを円滑に進める方法として、作業工程表を取り入れてみるのはいかがでしょうか?紙面での作成や、コンピューターを用いての作成、プロジェクト管理ツールの導入等、自社に合った方法をぜひ検討してみてください。
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