建設業や製造業にとって欠かせない業務の一つとして、「工程管理」があります。
勘と経験に頼り、工程管理を行っている会社もありますが、効率的かつ適切な工程管理を行わなければ、納期の遅れや無駄なコストの発生につながってしまいます。
こうした問題を解決できるのが工程管理ツールです。
今回の記事では、工程管理を効率的に進めていくことに役立つ工程管理ツールをご紹介するとともに、工程管理ツールとは何かについて解説します。
工程管理ツールとは?工程管理システムとの違いは
では早速「工程管理ツールとは何か」について見ていきましょう。
また、違いが分かりづらい工程管理システムとの違いも触れておきましょう。
工程管理ツール
プロジェクトの工程管理業務を効率的に行う為に必要な道具のことを指します。
工程管理業務は、手作業で行うことも可能ですが、企業規模や工事規模の拡大によって管理しきれなくなった場合や業務改善を進めていきたい場合、導入されることが多いです。
システムとの違いは?
「ツール」と「システム」の大きな違いを簡単に言えば、個別・特定の業務を最適化するものであるのか、様々な業務や部門関係なく全体を最適化するのかという点にあります。
今回であれば、工程管理の業務を一点集中的に改善したのであれば「工程管理ツール」、様々な機能や情報を連携させ、企業全体の業務を改善したのであれば「システム」を選択します。
▶参照:杉浦 和史「システムとツールの違い纏め」
ただ、ツールもシステムも混同して使われることが多いようです。
ソフトを制作しているメーカーによっても、コンセプトや使われ方が違いますので、新たに導入するものとして、「ツール」「システム」という名前で選択方法を変える必要はありません。
工程管理ツールの選び方は?
工程管理とは、工事過程や製造過程における作業工程の計画、実行時の統制・監督・調整等を行うことを指します。
すなわち、工事や製造のスケジュールや進捗を管理するような業務が中心となります。
進捗管理の方法は様々ですが、今回は大きく3つに分けて見ていきましょう。
【建設・建築業向け】工程管理ツール
後に説明する「生産スケジューラ」「PDM・PLM」は素晴らしいシステムですが、
「簡単なものがいい」「建設業だからざっくりしたもので良い」「CADやBOMの連携は難しくてできない」という方々向けに、簡単に利用可能な工程管理ツールをご案内します。
サービス名 | |||||
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建築業向け管理システム アイピア | 現場ナビ工程 | Microsoft Project | 工程s Orario | Smartsheet | |
機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理・・・その他 | 工程表作成、休日設定、種目欄の編集・・・その他 | 工程表作成、スケジュール管理機能、分析情報共有・・・その他 | 工程表作成、進捗・実績管理、日程計算・・・その他 | 自動化、チームの共同作業、ダッシュボード・・・その他 |
初期導入費用 | 要お問合せ | 99,000 円(税込)~ | 要お問合せ | 要お問合せ | 要お問合せ |
保守/更新 費用 | 要お問合せ | 3,300円(税込)/年~ | 1,499円(税抜) /月~ | 要お問合せ | 1,200円/月~ ※税表記なし |
無料版 体験版 | あり | あり | 要お問合せ | 要お問合せ | あり |
【提供形態】 対応OS | 【クラウド型】 Windows/ios/mac | 【インストール型】 Windows | 【クラウド型】 Windows | 【インストール型】 Windows | 【クラウド型】 Windows/Mac/Linux/ChromeOS ※推奨:Chrome,Firefox,Edge |
サポート 体制 | 電話対応、メール対応、リモートサポート | 電話対応、メール対応、FAX対応、セミナー/説明会/講習 | 電話対応、チャットサポート | 電話対応、メール対応、セミナー/説明会/講習 | リモートサポート、サポートサイト、コンサルティング |
運営会社 | 株式会社アイピア | 株式会社 構造ソフト | 日本マイクロソフト株式会社 | 株式会社ウェッブアイ | Smartsheet Inc. |
【クラウド型】建築業向け管理システム アイピア
『建築業向け管理システムアイピア』は、建築業に特化した業務管理システムです。
累計導入実績は350社で、継続率は98%です。
見積作成はもちろん、顧客管理や入金管理、原価管理等様々な業務を一括で管理できます。
見積りを基に原価計算から発注までを処理できるため、業務時間が短縮され、入力ミスや発注漏れなどを減らすことができるでしょう。
また、使いやすい操作性のため、ITに慣れていない人でもスムーズに利用できます。
クラウド型でインターネットの環境があればどこでも使用できますので、パソコンが新しいバージョンに変わっても問題なく利用できます。外出先や支店など、どこにいても情報を確認できます。
システムの特徴・利点
- 全体工程表は絞り込み機能が充実!見たい工程をすぐに確認
- スケジュールがずれた場合に一括でバーの移動ができる
- 工程表のテンプレートを準備し、取り込むことができる
- 業者さんごとに絞込みができ、空き状態の確認ができる
- PDFまたはエクセル形式でのダウンロードが可能
機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理、書類・写真管理、顧客管理、営業進捗管理、請求管理、入金管理、帳票作成、現場日報管理、物件管理、労務管理、在庫管理、その他 |
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初期導入費用 | 要問合せ |
保守・更新費用 | 要問合せ |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows ・ios ・mac |
サポート体制 | 電話対応 メール対応 リモートサポート |
運営会社 | 株式会社アイピア |
【インストール型】現場ナビ工程
『現場ナビ工程』は、建設現場の工程管理を効率化するためのクラウド型システムです。
主な機能には、工程表の作成・共有、進捗管理、工事の履歴データの保存などがあります。
ドラッグ&ドロップで簡単に工程を調整でき、リアルタイムでの変更も可能です。
利点として、現場スタッフや関係者と情報を共有することで、連携をスムーズにし、ミスや手戻りを防ぎます。
また、モバイル端末でも利用可能なため、現場での迅速な確認・更新が可能です。
直感的な操作性と見やすいインターフェースを備え、初心者でもすぐに使いこなせます。建設業界の効率化に貢献する強力なツールです。
システムの特徴・利点
- 操作が簡単
- 多彩な表現ができる
- Excel書き出しができる
機能 | 工程表作成、休日設定、種目欄の編集、工程線の入力、その他 |
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初期導入費用 | 99,000 円(税込) ※1ライセンスあたりの料金 |
保守・更新費用 | 3,300円(税込)/年 ※1ライセンスあたりの料金 |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows |
サポート体制 | 電話対応 メール対応 FAX対応 セミナー/説明会/講習 |
運営会社 | 株式会社 構造ソフト |
【クラウド型】Microsoft Project
『Microsoft Project』は、プロジェクト管理を効率化するためのツールで、計画立案、進捗管理、リソース配分、コスト管理を一元化できます。
主な機能として、ガントチャートやタイムラインビュー、リソース最適化、レポート作成があり、複雑なプロジェクトも視覚的に管理可能です。
Microsoft 365と連携し、チームでのリアルタイム共有や共同作業をサポートします。
利点として、直感的な操作で計画の更新や進捗確認が容易な点や、プロジェクトの全体像を把握しやすい点が挙げられます。
操作性は、初めて使う場合や高度な設定では少し学習が必要ですが、慣れれば強力な管理ツールとして活用できます。中規模から大規模なプロジェクトに最適です。
システムの特徴・利点
- テンプレートで素早く作成
- 柔軟に作業できる
- 一元的に表示することが可能
機能 | 工程表作成、スケジュール管理機能、分析情報共有、その他 |
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初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | Planner Plan 1 1,499円(税抜) /月 Project Plan 3 4,497円(税抜) /月 Project Plan 5 8,245円(税抜) /月 ※1ユーザーあたりの料金 |
無料・体験版 | 要お問合せ |
対応OS | ・Windows |
サポート体制 | 電話対応 チャットサポート |
運営会社 | 日本マイクロソフト株式会社 |
【インストール型】工程’s Orario
工程’s Orarioは、建設業界向けの工程管理を効率化するクラウド型システムです。
主な機能には、工程表の作成・編集、進捗管理、関係者とのリアルタイム共有、変更履歴の記録が含まれます。ドラッグ&ドロップ操作で工程を簡単に調整でき、予定や変更をスピーディーに共有可能です。
利点として、直感的なインターフェースにより初心者でも操作が容易な点や、クラウド対応により場所を問わず情報へのアクセスが可能な点が挙げられます。
さらに、モバイルデバイス対応で現場でも利用しやすく、作業効率を向上させます。
プロジェクト全体の見通しを改善し、計画通りの進行をサポートする頼れるツールです。
システムの特徴・利点
- 操作が快適
- 計画を可視化
- お客様の声をフィードバック
機能 | 工程表作成、進捗・実績管理、日程計算、その他 |
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初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | 要お問合せ |
無料・体験版 | 要お問合せ |
対応OS | ・Windows |
サポート体制 | 電話対応 メール対応 セミナー/説明会/講習 |
運営会社 | 株式会社ウェッブアイ |
【クラウド型】Smartsheet
『Smartsheet』は、エンタープライズ向けの業務管理プラットフォームです。
世界190か国の企業、非営利団体で利用されています。 ダッシュボード、数式と関数、レポート、データの可視化などの機能が搭載されています。
多くのユーザーが利用経験のあるエクセルやスプレッドシートに操作方法が近く、非常に使いやすい操作性です。
システムの特徴・利点
- 多くのユーザーが利用経験のあるエクセルやスプレッドシートに操作方法が近く、非常に使いやすい
- レポートの自動作成、ワークフローの自動化ツール、リマインダー機能など、業務効率化のための機能も多く搭載
- Gmail、Slackなどのコミュニケーションツール、SalesforceやTableauなどのデータ分析ツールとスムーズに連携できる
機能 | 自動化、チームの共同作業、ダッシュボード、レポート、校正、アカウント管理、統合、デジタル資産管理、リソース管理、ポートフォリオ管理、リクエスト管理、ワークフロー、WorkApp、その他 |
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初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | プロ:1,200円/月 ビジネス:2,500円/月 エンタープライズ、アドバンスドパッケージ:カスタム価格 ※税表記なし ※メンバーあたりの料金 |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows ・Mac ・Linux ・ChromeOS ※推奨ブラウザ:Google Chrome、Firefox、Microsoft Edge |
サポート体制 | リモートサポート サポートサイト コンサルティング |
運営会社 | Smartsheet Inc. |
【製造業向け】生産スケジューラ(PSI)
生産スケジューラとは、各工程の作業時間を分または秒単位で日程計画を立案するシステムです。
より細かな計画の立案が可能となる為、工程時間の待ち時間を縮小し、リードタイムを短縮することが可能となります。
その特徴から、主に連続生産の製造業向けのシステムといえます。
【製造業向け】PDM・PLM
PDM(Product Data Management)とは、設計・製造工程で使用するCAD等の製品データや、BOM(部品表)などの情報を一括で管理できるシステムのことを指します。
PLM(Product Lifecycle Management)は、生産設備や流通、人員など設計・製造工程に限らず製品に関するすべての情報を管理できるシステムです。
製造業はどの企業においても、膨大すぎるデータを管理しきれず、計画立案や進捗管理に影響が出てしまいます。
PDM・PLMは、CADやBOMとも連携している為、データの管理が容易になり作業時間削減が可能です。
また、ワークフロー機能を備えており、業務プロセスの見える化を実現することができる為、適切な計画立案や進捗管理を実現できます。
CADやBOMと連携していることから製造業に向けた製品といえるでしょう。
工程表システム・ソフトに関する記事はこちら
業種別工程管理の方法とは?
工程管理ツールの選択方法について見てきました。
では次に、これらをうまく活用するために「建設業」「個別受注生産型」「繰返受注生産型」の3つの種類に分け工程管理方法について考えましょう。
建設業の工程管理
建設業での工程管理は、製造業とは違い一つ一つの工程に長い時間を要する為、長期にわたります。
つまり、製造業のように工事計画を綿密に立案してしまうと、管理が難しく、ミスや非効率につながってしまいます。
また、工程管理の目的として納期や品質を守り、生産効率を上げる点にあることから、工程管理専用のツールよりも、「工程表の作成や工程管理ができる一元管理システム」を利用するのが有効です。
個別受注生産型の工程管理
個別受注生産型では、先に述べたように、BOM(部品表)やCAD(図面)を中心に工程管理をするPDM・PLMシステムなどがあります。
重視するポイントとしては、個別に受注し生産する為工程別に進捗管理する点です。
事例としては機械メーカーが多く、設計から据付までの工程に関するスケジュールや進捗状況を設計部門、製作部門、フィールドサポートチームで管理します。
繰返受注生産型の工程管理
繰返受注生産型では、連続生産と言い換えられるように、製品を繰り返し生産していく形式の為、受注情報から販売計画、在庫推移・生産計画をしていく生産スケジューラ型が適しています。
また、生産スケジューラに加え、需要計画まで拡大させたSCMというシステムも一つの方法として有効でしょう。
クラウド型工程管理システムに関する記事はこちら
工程管理ができる!建築業向けの管理システム「アイピア」
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
アイピアはここが便利!6つのポイント
まとめ
工程管理ツールに関してご紹介しました。
建設業・製造業にとって、工程管理は必要不可欠な業務です。
「工程管理=スケジュール管理」というイメージを持ってしまいがちですが、納品や品質、コストに関わってくるため、業種や製造型に合わせた工程管理ツールを導入するのは良い選択といえるでしょう。
ツール導入の際は、「無駄コストだった」とならないよう、費用・必要な機能をよく吟味し、費用対効果をより得られるツールを選択するのが有効です。
工程管理の基礎に関する記事
工程管理ツール(システム)に関する記事
工程表に関する記事
“社内のデータを一元管理”工務店・リフォーム会社が選ぶ!
建築業向け管理システム
Aippear(アイピア)