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現場監督はどんな仕事?施工管理との違いや必要な資格を解説

現場監督はどんな仕事?施工管理との違いや必要な資格を解説

工事現場には、常にさまざまな役割の人がいますが、現場監督もその一人です。
工事を円滑に進めるうえで重要な役割を担う現場監督ですが、具体的にどのようなことをするのでしょうか。

今回は、現場監督の業務内容や求められる能力、役立つ資格について説明していきます。

目次

現場監督とは

現場監督は、工事現場において作業を指揮・管理し、現場全体のマネジメントを行う仕事です。

安全や品質に気を付けながら、工事を無事進める役割を担っています。
全体のマネジメントを行い、必要な指示を出す役割なので、現場で実際に作業をすることは基本的にありません。

現場代理人との違い

現場監督と似た言葉に、現場代理人があります。
現場代理人は、施工や契約に関する事務的な作業を行う人です。

現場代理人は、必ず配置されるわけではありませんが、配置される場合は現場監督の代表である現場所長が兼任するケースが多いです。

施工管理者との違い

施工管理者は、事務作業や現場管理など、施工にまつわる全てを管理する仕事です。

現場監督と施工管理者の業務はかなり重複していますが、事務作業を行う人を施工管理者、現場作業を行う人を現場監督と表現する場合もあります。
実際には、施工管理者が現場監督を兼任している場合が多くみられます。

現場監督の仕事内容

現場監督の主な業務内容は以下の通りです。

  • 工程管理
  • 品質管理
  • 安全管理
  • 原価管理

上記の業務を行う一日のスケジュールとそれぞれの業務の詳細をご紹介します。

1日のスケジュール

現場監督の一日のスケジュール例をみていきましょう。
あくまで例なので、実際は工事内容や工事スケジュールによって変わることがあります。

時間業務
午前7時30分出勤、本日の作業日程の確認
午前8時全員集合、体操、朝礼、全員で作業工程の確認
午前8時30分作業開始
午前8時30分~12時現場の巡回、点検、指示、工事写真の撮影など
午後0時~1時昼休憩
午後1時30分作業開始、他現場の現場監督、所長との打ち合わせ
午後3時現場の巡回、進捗状況・作業工程のチェック、整理整頓など
午後5時30分作業終了
午後6時明日の準備、作業報告書・工事写真の整理等の事務作業
午後7時帰宅

工程管理

現場監督の業務は大きく分けて四つあり、その一つ目が「工程管理」です。
定められた工期どおりに工事を完了するために、工事ごと、工程ごとのスケジュール管理を行います。
工程管理表の作成、業者の方や材料の手配、進捗に応じた計画調整などのタスクがあります。

品質管理

二つ目が、「品質管理」です。
工事が無事完了しても、完成品の品質がいまいちでは意味がありません。
品質管理では、寸法や強度、機能や材質などが、設計図・仕様書で定められた基準を満たしているかを確認し、次の工程に進めるかを判断します。

また、品質管理の記録として、写真撮影や施工記録の記入も行います。

安全管理

三つ目が、「安全管理」です。
安全管理では、事故を未然に防ぐなどして、現場作業員や近隣住民の方にとって安全な工事現場環境をつくることが仕事です。

危険予測活動や、整理・整頓・清掃・清潔・しつけを意味する5S運動、安全に関する知識・意識を広める取り組みなどを実施します。

原価管理

四つ目が、「原価管理」です。
全体工事費が予算内に収まるように、工事にかかるコストの管理を行います。
予算と実際のコストとの間に差異が生まれた際には、業者の変更や施工計画の変更など、柔軟な調整が求められます。

現場監督に求められる能力

現場監督は、さまざまな役割を担っており、現場や関係各所との調整など幅広い人との関わりが求められる仕事です。
こうした現場監督には主に以下の能力が必要とされます。

  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップ
  • 応用力・トラブル対応力

それでは順に詳しく見ていきましょう。

コミュニケーション能力

現場監督は、クライアントとの打ち合わせはもちろん、職人や現場作業員とも頻繁に関わる仕事です。

多くの異なる関係者と上手く連携するためには、相手の話を聴き理解する、情報を適切に伝えるといったコミュニケーション能力が必要になります。
特にさまざまな立場の人と会話することから、相手の立場・目線にたったコミュニケーションが求められるでしょう。

もっとも、現場にいることで自然とコミュニケーションに慣れていくケースも多くあります。
円滑に業務を進めるために、信頼を得て良好な関係を築くように努めましょう。

リーダーシップ

現場監督には、現場を上手く仕切り、的確に指示を出すリーダーシップ能力も求められます。
現場を上手く統率できなければ、関係者間の連携がとれず、ミスが発生したり、生産性が低下したりします。
現場のリーダーとして、自覚をもって行動することが大事です。

また、時に必要な判断をスピーディーに行うことも求められます。
自身の知識や経験を活かして、即座に考え行動できることがポイントです。

応用力・トラブル対応力

どれだけ現場の管理を徹底しても、天候不良や人為的ミス、材料調達の遅延などの不慮のトラブルは発生するものです。
そのため、あらかじめトラブルを想定しておくことや、トラブル発生時に冷静かつ迅速に対応できることが現場監督には求められるでしょう。

また、ひとえに現場監督といっても、工事内容や工事現場によって求められる業務・水準も異なってきます。
そのため、工事全体や現場の状況を十分に理解し、その場に合わせて柔軟に仕事をすることも求められます。

現場監督に役立つ資格

現場監督になるために、取得必須の資格はありません。
しかし、多くの場合、現場監督に選ばれるためには資格や経験をもっていることが有利に働きます。
ここでは、現場監督をするのに役立つ資格をご紹介します。

施工管理技士

施工管理技士の名称は7つある種類の総称で、実際に取得する資格名は「○○施工管理技士」です。
以下が、施工管理技士資格の一覧です。

施工管理技士は国家資格で、いずれの種類も1級と2級に区分されており、一般財団法人建設業振興基金(建築・電気工事)、一般財団法人全国建設研修センター(土木、管工事、造園、電気通信工事)、一般社団法人日本建設機械施工協会(建設機械)の3つの指定機関が試験を行っています。

施工管理技士の資格を取得しておくことで、専任技術者・主任技術者・管理技術者等の役職に就くことができます。

主任技術者

主任技術者は、建設業法において、建設工事を実施する工事現場に設置が義務付けられている、技術上の管理をする役割を果たす担当者のことです。
主任技術者の資格を取得するためには、学歴に応じた実務経験と、施工管理技士や建築士などの国家資格の取得が求められます。

多くの会社では、主任技術者が現場監督を務めることが多いため、現場監督を目指す方は、取得をおすすめします。

監理技術者

監理技術者とは、工程管理や品質管理に携わるだけでなく、施工を計画する技術者を指します。
監理技術者は全ての現場にいるわけではなく、以下の条件を満たす工事現場において、配置が義務付けられています。

  • 大規模な工事現場など、特定業者の請負金額が4,000万円以上、建築一式工事で6,000万円の工事現場
  • 大型商業施設や公共工事を請け負う際に請負金額が3,500万円以上、建築一式工事で7,000万円以上の場合

監理技術者になるには、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼工事業、舗装工事業、造園工事業の7業種において一級国家資格などの保有が必要です。
また、指定業種以外の業種では、実務経験で資格取得を目指すことも可能です。

建築士

建築士は、国土交通大臣からの認可を受ける建築・設計に関する代表的な国家資格です。
1級、2級、木造の区分があります。

建築士になるためには公益財団法人建築技術教育普及センターの実施する建築士試験に合格しなければなりません。

1級建築士になれば、構造・規模を問わず全ての設計や工事管理に携わることができます。
携われる範囲が広く需要も大きいことから、現場監督を目指す方にはおすすめの資格です。

まとめ

現場監督は、工事現場全体のマネジメントを担う重要な存在です。
主に、工程管理、品質管理、安全管理、原価管理を行います。

現場監督になるうえでは、コミュニケーションやリーダーシップの能力、施工管理技士や建築士などの建築に関わる資格をもっていると有利です。
業務内容や求められるものをよく確認して、キャリアプランを立ててみてください。

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