建設業界では、人手不足や長時間労働など、労働環境における課題が存在しています。
これらの課題を解決し、労働環境の改善を図るため、多くの会社がクラウドサービスを導入しています。
しかし、クラウドサービスを導入するにあたって、どの製品を選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クラウドサービスの概要やメリット・デメリットを解説します。
建築業向けのおすすめクラウドサービスもご紹介しますので、ぜひご参照ください。
建築クラウドサービスとは
建築クラウドサービスとは、インターネットを介して利用できるシステムのことです。
「雲(クラウド)」が語源となっており、ホームページの操作に似たイメージで利用できます。
このクラウドサービスが一般的になる前は、オンプレミス型(自社運用型)が主流でした。
情報を所有しておくことに重きが置かれていたためです。
この時代を経て、多くの企業がクラウドサービスを開発し始めました。
場所を選ばず、簡単に情報を管理・共有できるクラウドサービスは、世界的に普及していきました。
日本では、2011年の東日本大震災でデータが損失し、事業継続が難しくなった例が存在したことから、クラウドサービスへの需要が高まっていきました。
クラウドサービスの種類
クラウドサービスは、大きく次の3つに分けられます。
- SaaS
- PaaS
- IaaS
それぞれ詳しくみていきましょう。
SaaS
SaaS(サース)は、「Software as a Service」の略です。
従来、パッケージとして提供されていたソフトウェアを、インターネットを介して利用できるようにしたものを指します。
SaaSの登場により、ソフトウェアの利用者は、パッケージでの購入やインストールをせずにサービスを利用できるようになりました。
具体的には、ワードやエクセルをブラウザ上で利用できる Office Web Apps などがSaaSにあたります。
PaaS
PaaS(パース)は、「Platform as a Service」の略です。
ソフトウェアを動かすためには、プラットフォームとよばれる基盤が必要です。
このプラットフォームを提供するサービスがPaaSです。
PaaSは、自社で独自のサービスを構築する場合に必要なものであり、運用には専門的な知識が求められます。
IaaS
IaaS(イアース/アイアース)は、「Infrastructure as a a Service」の略です。
インターネットを介してインフラ環境を提供するサービスを指します。
IaaSを利用することで、コンピュータやネットワークといったインフラ環境を一から整える手間が省けます。
また、サーバーのスペックやネットワーク接続の種類などは柔軟に変更できるため、自社に適した運用が可能です。
クラウドシステムに関する記事はこちら
建築業でクラウドサービスを使うメリット
ここでは、建築業でクラウドサービスを使用するメリットをご紹介します。
メリットは大きく4つあります。
- いつでも、どこでも使える
- コストを削減できる
- セキュリティ面が安心
- 導入ハードルが低い
以下で各メリットについて詳しく確認していきましょう。
いつでも、どこでも使える
クラウドサービスの最大のメリットといってもいいのが、インターネット環境さえあれば、場所と時間を選ばず使えるという点です。
現場にいながら作業中に資料を確認できたり、逆に、現場に足を運ばなくても現場の状況を把握することができます。
急ぎの対応や急な変更にも即座に対応することができ、業務の効率化を実現できます。
コストを削減できる
従来のオンプレミス型は、サーバーの購入費のほか、維持費やセキュリティ対策のための費用などもかかっていました。
さらに、システムを管理できる技術担当者が必要であり、人件費が発生する場合もありました。
クラウドサービスは、初期導入費用と月額利用料はかかるものの、複数のユーザー、デバイスで使用可能です。
定期的なアップデートも自動かつ無料で実施されるため、長い目で見ると費用を抑えて導入することができます。
セキュリティ面が安心
自社内で運用・管理するオンプレミス型の場合、セキュリティ面での責任も自社で負う必要があります。
一方、ほとんどのクラウドサービスは、最新・高度なセキュリティ対策を実装しています。
しかし、システムによってセキュリティに差があるのは事実です。
セキュリティ対策が充実したクラウドサービスを選ぶことで、安心して利用できます。
導入ハードルが低い
クラウドサービスは、インターネット上にサーバーが存在しており、保有やメンテナンスはベンダーがすべて行います。
そのため、大きなトラブルなどが発生した場合でも、データの復旧作業に時間を割く必要がありません。
開発に関する専門知識は必要なく、難しい操作をしなくても使えるため、導入ハードルが下がります。
また、多くの会社がカスタマーサポートを行っているため、操作方法に不安がある方も安心して使えるでしょう。
セキュリティに関する記事はこちら
クラウドサービス導入の注意点
注意点を抑えたうえでクラウドサービスを導入しましょう。
注意点を2つ紹介します。
- カスタマイズが困難
- 他システムとの連携が不自由
以下で各注意点について確認していきます。
クラウドサービスの導入を検討している方は、注意点をしっかりと認識したうえで、自社に合った製品を選ぶようにしましょう。
カスタマイズが困難
クラウドサービスの注意点としてまず挙げられるのが、カスタマイズ性の低さです。
クラウドサービスは、ソフトの内容があらかじめ構築されています。
そのため、システムによっては、使わない機能や足りない機能が出てくる場合があります。
しかし、多くのクラウドサービスでは、自社に必要な機能だけを選んで導入することはできません。
ある程度カスタマイズ可能な製品もあるため、システムのを省きたいという方は、カスタマイズの可否をしっかり確認するようにしましょう。
他システムとの連携が不自由
見積作成や会計など、一部業務を効率化するシステムの場合、他システムとの連携が不自由な場合があります。
既に見積システムを利用しており、会計システムも導入しようと考えている場合、この2つのシステムが連携可能であれば便利です。
ただ、システムによって連携できる製品が限られています。
どこの会社のどんな製品と連携できるのか、しっかりと確認するようにしましょう。
ただし、一元管理システムであれば、他のシステムを追加で導入する必要はありません。
そのシステムだけを導入すれば済むため、連携可能性に頭を悩ませずに済みます。
建設業のDXに関する記事はこちら
便利に使えるクラウドサービス6選
建築業で使える便利なクラウドサービスはたくさんありますが、それぞれ得意としている機能は異なります。
自社で解決したい課題は何かを導入前に明確にし、それに合ったシステムを使うようにしましょう。
Photoruction
『Photoruction』は、建設業の生産性・品質の向上を目的としたクラウドサービスです。
写真撮影や図面、工程表、書類作成など、日々の現場内業務を助ける様々な機能が搭載されています。
- 簡単にカスタマイズできる
- 建設業向けのBPO機能搭載
- サポート体制が充実
主な機能 | 安全管理/品質管理/図面・書類管理/ToDo管理 など |
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初期費用 | 0円 |
月額費用 | 要問合せ |
体験版 | 要問合せ |
かん助
『かん助』は、協力業者との調整、資料の作成、社内報告など、多くの業務を抱える現場管理者(監理者)を助けることを目的としたサービスです。
工事における情報を担当者間でスムーズに共有することができるため、現場の安全や施工品質の向上が期待できます。
- 安全管理を徹底できる
- 品質チェックシートで品質管理を標準化
- カスタマイズ可能
主な機能 | 安全管理/品質管理/図面・書類管理/ToDo管理 など |
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初期費用 | 【標準版】1,000,000円~ 【カスタマイズ】2,000,000円~ |
月額費用 | 【設備施工】1,500円/現場(工期1週間以内) 【戸建住宅・ゼネコン・新築大規模修繕】5,000円/現場(工事開始から終了まで) |
体験版 | 要問合せ |
勘定奉公クラウド〔建築業編〕
『勘定奉公クラウド〔建築業編〕』は、建設業向けの会計システムです。
建設業会計の効率化と工事原価管理のスピードアップを可能にします。
インボイス制度や電子帳簿保存法といった制度への対応はもちろん、制度施行後の業務を見据えた便利な機能が搭載されています。
- データ連携やAIによりミスを削減できる
- 工事別の仕訳・原価計算の自動化が可能
- サポート体制が充実
主な機能 | 工事管理/原価管理/間接費自動配賦・棚卸自動処理/帳票作成 など |
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初期費用 | 【iAシステム】50,000円~ 【iBシステム】60,000円~ 【iSシステム】70,000円~ |
月額費用 | 【iAシステム】27,500円~ 【iBシステム】31,250円~ 【iSシステム】40,500円~ |
体験版 | 30日間無料 |
建築クラウド
『建築クラウド』は、工務店向けの顧客管理システムです。
顧客管理のほか、見積・粗利管理や請求書作成の効率化を実現します。
見積書や領収書など、工事に必要な書類が一括で自動生成されるため、データコピーの手間やミスを削減できます。
- 操作が簡単
- 書類の一元管理が可能
- 建築クラウド同士のアカウントで見積データの連携ができる
主な機能 | 顧客管理/見積・粗利管理/帳票発行/見積データ連携 など |
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初期費用 | キャンペーン中のため0円(2023年9月現在) |
月額費用 | 【スタンダードプラン】3,000円 【ビジネスプラン】5,000円 【プレミアムプラン】10,000円 |
体験版 | 14日間無料 |
建て役者
『建て役者』は、工事管理を効率化する建築業向けのシステムです。
商談からアフターフォローまで、あらゆる情報を一元で管理できます。
また、会社ごとの課題に合わせたカスタマイズが可能です。
そのため、システムの無駄を省いた効果的な運用を見込めます。
- 工事に必要な情報を一元管理できる
- 柔軟なカスタマイズが可能
- 万全なセキュリティ対策
主な機能 | 顧客管理/商談管理/見積管理/契約管理/アフター管理/点検管理 など |
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初期費用 | 【ライト】30,000~ 【スタンダード】350,000~ 【プレミアム】580,000~ *すべて5ライセンス~の料金 |
月額費用 | 【ライト】4,000~ 【スタンダード】40,000~ 【プレミアム】80,000~ *すべて5ライセンス~の料金 |
体験版 | 要問合せ |
建築業向けシステムに関する記事はこちら
建築業向けクラウドシステムなら『アイピア』
現在、多くの企業が建築業に特化したクラウドシステムを提供しています。
どのシステムが自社に合っているか、悩む方も少なくないでしょう。
そこで、建築業に必要なあらゆる機能が搭載されたクラウドシステム『アイピア』をご紹介します!
アイピアは、建築業に特化した一元管理システムです。
顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など、工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間を削減できます。
さらに、アイピアはクラウドシステムです。
インターネットにつながる環境であれば、外出先や自宅からいつでもアクセス可能です。
アイピアはここが便利!7つのポイント
- 問合せから引き渡しまで、工事に関するあらゆる情報を一括で管理できる
- 情報が連動するため、金額や顧客名などの情報を何度も入力する手間を省ける
- 工程表や必要書類をワンクリックで作成できる
- クラウドシステムなので、場所や時間を問わず利用できる
- 経営状況を把握・分析できる
- 電子帳簿保存法・インボイス制度に対応
- IT導入補助金対象製品
主な機能 | 顧客管理/見積作成/原価発注管理/請求管理/工程管理/帳票作成/労務管理/集計 など |
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初期費用 | 【ライトプラン】120,000円 【ベーシックプラン】420,000円 【プロフェッショナルプラン】510,000円 |
月額費用 | 【ライトプラン】10,000円 【ベーシックプラン】20,000円 【プロフェッショナルプラン】30,000円 *月額は5ユーザーまでの場合 |
体験版 | 無料デモ |
アイピアの特徴について、以下で詳しくご紹介します。
顧客管理やツールを一元化
過去の工事案件、問合せの履歴など、あらゆる顧客情報がアイピアに集約されます。
もちろん、引渡し後のアフターフォローの記録も可能です。
顧客情報に過去の案件がすべて紐づいているので、問合わせがあった際すぐに対応できます。
担当者でないと情報がわからない、という事態を防げます。
顧客に関わる情報がすべて確認できるため、他のツールは一切必要ありません。
エクセル感覚で見積作成
アイピアの見積は、5階層まで対応しています。
小規模工事から大規模工事まで、あらゆる工事の見積を作成できます。
また、エクセルの見積書をコピー&ペーストで登録できるので、エクセルを使って見積作成している方でも簡単に利用できます。
さらに、豊富なテンプレートを無料でご利用いただけます。
オリジナル帳票の作成(有償)も可能です。
簡単!マウス操作で思い通りの工程表作成
アイピアでは、見積の階層を項目として工程表に取り込んだり、事前に作成した工程表のテンプレートを取り込んだりすることが可能です。
また、ドラッグで簡単に工程の移動や期間を変更することができます。
外出先でも各案件の工程表を一覧で確認できるので、工程管理を効率的に行えます。
書類作成はワンクリック!売上・粗利も一目で分かる
当月の売上一覧や入金予定一覧など、数十種類の帳票をワンクリックで出力できます。
売り上げ分析のためにエクセルを開く必要はありません。
見積をもとに原価計算から発注までワンクリックで完結
見積・実行予算・発注・業者請求を一元で管理できます。
小規模工事のため見積や実行予算を作成していない案件でも、発注書の作成が可能です。
また、契約時・予算時・発注時・最終といった進捗の段階ごとに、粗利の推移を把握できます。
サポート体制が充実
これまでご紹介した通り、アイピアは誰もが簡単に使えるクラウドシステムです。
ただし、実際に利用していくなかで、トラブルが発生したり、わからない点が出てくることがあると思います。
こうした事態に備え、アイピアは、充実したサポート体制を整えています。
電話やメールの窓口をはじめ、動画マニュアルなどを用意しています。
必要に応じて、リモートでの研修も実施可能です。
まずは、体験デモで使用感を体感してみませんか?
インボイス制度・電子帳簿保存法に関する記事はこちら
まとめ
建築業における人材不足などの課題を解決するには、クラウドシステムの導入が有効です。
インターネットがつながる環境であれば、場所や時間を選ばず利用できるため、リモートワークの促進にもつながります。
また、オンプレミス型のようにサーバーの維持管理やセキュリティ対策を自社で行う必要がありません。
導入や運用には費用がかかりますが、導入のハードルは比較的低いといえます。
クラウドシステムは、搭載機能やセキュリティ、サポート体制などが製品によって異なります。
導入を検討する際は、これらの項目を比較し、自社に合ったシステムを選びましょう。
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