工事価格の構成とは?内訳や算出方法について徹底解説

工事価格の構成とは?内訳や算出方法について徹底解説

工事価格の計算は、建設業において重要な要素の一つです。

正確な工事価格の算出は、プロジェクトの予算管理や収益性の確保に不可欠です。
その積算方法を知ることは、コスト管理や予算策定において重要なポイントです。

本記事では、工事価格の構成要素を明らかにし、正確な見積もり作成の手順やポイントを分かりやすく解説します。

工事価格の基本構成

工事価格の構成について、表に表すと、下記の様なイメージとなります。
工事価格構成 表

まず工事価格は、「一般管理費」「工事原価」の2つから構成されています。

一般管理費とは

一般管理費は、企業が事業を運営する上で発生する一般的な管理費用を指します。
会社の規模や業種によって、異なります。

直接的な生産活動やサービス提供とは直接関係しない費用です。
具体的な一般管理費の項目は、以下の通りです。

  • 水道光熱費
  • 役員報酬
  • 通信費
  • 広告宣伝費

工事原価とは

工事原価とは、工事を行う際に発生する費用であり、現場管理費と純工事費の2つに分類できます。

工事原価 ① 現場管理費

現場管理費は、現場管理者や監督者の給与や手当、保険料など、工事現場の運営にかかる費用が含まれます。

工事原価 ② 純工事費

建物の本体部分にかかる費用を指し、直接工事費と共通仮設費に分類されます。
共通仮設費は、建築現場における、仮設物の設置から撤去にかかる費用のことです。

共通仮設費は工事全体を支えるために必要な間接工事費の1つです。

工事価格を見積もる際には、直接工事費と間接工事費という二つの主要な要素を理解することが重要です。

直接工事費とは

直接工事費とは、工事を直接的に実行するために必要な費用のことです。
以下の3つに分かれます。

直接工事費 ① 材料費

材料費は、建設物を作る際に使用される原材料や部品の費用のことです。
具体的な材料費の例には、木材、鉄鋼、コンクリート、プラスチック、ガラス、電子部品などがあります。

直接工事費 ② 労務費

労務費とは、企業が従業員にかかる費用のことです。
具体的には、給与や賃金、およびそれに付随する社会保険料、労働時間外手当、年末調整などがあります。

直接工事費 ③ 直接経費

直接経費とは、工事に直接かかる費用のことです。
具体的には、特許使用料や、機械の整備・修理・レンタル時の機会経費などがあります。

間接工事費とは

間接工事費は、直接工事費以外で工事に必要な経費を指し、工事価格を算出する際に欠かせない要素です。
具体的には、「一般管理費」「現場管理費」「共通仮設費」を合わせて、「間接工事費」と呼ばれます。

計算方法

この計算方法は、工事に必要な資材や人員、機械の種類と量を見積もり、それぞれの単価を積算することにより導き出されます。
積算は、工事プロジェクトの見積もり作成や予算管理において不可欠であり、直接工事費の正確な計算はプロジェクト全体のコストを効率的に把握するために重要です。

直接工事費の算出方法

ここでは、これらの計算方法を分かりやすく解説します。
直接工事費の計算は、「国土交通省工事積算基準」を使用することが一般的です。

積算する際には、まず設計図や仕様書に基づいて必要な材料の量を算出します。
次に、各材料の単価を掛けて材料費を計算し、同様に労務費は必要な労働時間と人件費から算出します。
最後に、使用機械の稼働時間に応じたレンタル料または償却費を加算して、直接工事費の総額を求めます。

ロスを踏まえて計算するため、材料ごとに計算しないと損する可能性があります。

間接工事費の算出方法

間接工事費の算出方法は、2つあります。

  • 算出方法 ① 「公共建築工事共通積算基準」を基準とする方法
  • 算出方法 ② 間接工事費率を使う方法

このように、2種類の算出方法がありますが、2つ目の間接工事費率を用いて算出することが一般的です。

工事価格の見積もり作成手順

建設プロジェクトの成功には正確な見積もり作成が不可欠です。

まず始めに、工事の範囲と要件を明確にし、必要な資材や人件費をリストアップします。
次に、供給業者からの見積もりを取り、チェックポイントを設けて、見積もりが市場価格と一致しているか確認します。
工事価格には仕入れコストの他、機械や設備の使用料、安全管理費用も含まれるため、これらの項目も忘れずに加える必要があります。
最終的には、予期せぬコストの上乗せを防ぐために、リスク管理計画も組み入れる必要があります。

見積もり作成の流れとチェックポイント

工事価格の見積もり作成手順では、正確な積算が不可欠です。
作成手順は以下の通りです。

  1. 工事内容を細かくリストアップし、必要な材料と人件費を詳細に把握
  2. 供給業者からの見積もりを取り、市場価格を確認

見積書は透明性を保ちつつ、工事価格の内訳をクライアントに明確に示す必要があります。

予期せぬ事態に備えたコンティンジェンシー費用の設定や、法的要件に基づく費用が含まれているかどうかがポイントです。

よくある質問と答え

ここでは工事価格の積算方法や見積もり作成についての質問にお答えします。

工事価格高騰の原因と対策とは

工事費用の高騰は、原材料価格の上昇や労働力不足に起因します。
経済の全体的なインフレーションや、天然資源の減少、生産コストの増加が原材料価格を押し上げ、さらに建設業界のスキルを持った労働者不足が人件費を増加させています。
これらの市場の動向に対応するため、効果的なコストダウンの方法として、複数の見積もりを取得し比較検討する、長期的な供給契約を結ぶことで原材料の価格変動リスクを低減する、または工事のスケジュールを柔軟にすることで非ピーク期の安価な労働力を活用する等の交渉術が有効です。

工事価格の交渉術とコストダウンの方法とは

交渉やコスト削減において、以下のポイントが役立ちます。

Point1

複数の見積もりを取る

複数の業者から見積もりを取ることで、価格や提供されるサービスの違いを比較しやすくなり、より良い価格を得ることができます。

Point2

時期の選択

工事の実施時期などにより価格が変動することがあります。需要が少ない時間帯やオフシーズンを狙うことでコストダウンが期待できます。

Point3

オプションを検討する

オプションやアップグレードなどの追加料金の、必要性やコストを検討しましょう。必要のないオプションを省略すると、コストを削減できるかもしれません。

まとめ

工事価格の積算は、正確な見積もりを作成する際の欠かせないプロセスです。
積算ポイントでは、まず工事に必要な材料の種類と量、労務費、機械費用の明確なリストアップが重要です。
また、現場条件や市場の価格変動を考慮し、余裕を持った予算設定をすることが大切です。
注意点としては、見積もりは詳細に行い、隠れたコストが後になって出てこないよう、リスク管理を念入りに行うべきです。
このセクションを読むことで読者は、工事価格を効率的かつ正確に積算するための理解を深めることができるでしょう。

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