【建設業】社会保険加入が義務化?必要な対策や未加入時のリスクを解説

【建設業】社会保険加入が義務化?必要な対策や未加入時のリスクを解説

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建設業においては社会保険加入が義務化されています。
これによって、それまで未加入率の高かった建設業界でも社会保険への加入が進んでいます。
新たに建設業の許可を受けたい時も、加入しないと許可が出ません。
もっとも、社会保険に加入すると費用負担も必要になるので、資金的に厳しいと感じる経営者も少なくありません。

それでも入るべき理由を理解するため、社会保険の加入にあたり必要な対策や未加入時のリスクを解説していきます。

社会保険への加入が建設業許可の要件に

社会保険

建設業の許可を受けるには、社会保険への加入が必須となりました。

現状、建設業の許可を受けている場合も、社会保険の加入手続きを怠ると許可の取り消しや行政処分を受けるおそれがあります。

社会保険への加入義務化の背景

では、なぜ社会保険の加入が義務化されたのでしょうか。

建設業の業務上のリスク

建設業は、他業種に比べても、業務上の事故に遭うリスクが高く、最悪の場合には一生障がいを負うことになる場合や死亡するケースもあり得ます。

建設業界の雇用に関するリスク

建築業は景気などによる浮き沈みも激しく、仕事を失うおそれも高いです。

また、危険できつく、それに比して賃金が安いなどの理由から人材の確保が難しくなっています。
人手不足を解消し、将来を担っていく若手人材を確保するためにも、社会保険制度を整え、安心して働ける環境を整備することが求められています。

社会保険の種類

それでは社会保険の種類を見ていきましょう。社会保険には、

  1. 労災保険:業務上や通勤上の事故や病気の治療費や療養費、障がいを負った場合に給付金を受け取ることができます。
  2. 健康保険:日常の病気やケガに関する医療費を安く抑えることに役立ちます。また、育児休業で給与の支払いがない場合に給付金を受け取ることができます。
  3. 年金保険:老後の生活をサポートするだけでなく、障がいを負った際の障害年金や万が一の時の遺族年金を通じて残された家族の生活もサポートするものです。
  4. 雇用保険:失業した際に、次の仕事が見つかるまでの期間や育児や介護で仕事ができない場合に収入のつなぎの役割を果たしてくれます。

の4つがあります。社会保険への加入によって事故や失業時の生活の保障ができます。

適用が除外される事業者

建設業では、一人親方という特殊な働き方があります。
一人親方は、個人事業主でも弟子や職人を雇っている場合も少なくありません。

そのため、適用が除外される事業者として、一人親方の個人事業主であり、なおかつ従業員が4人以下の場合は社会保険への加入義務はありません。

建設業における社会保険の加入基準

株式会社などの法人の事業所は、従業員の数に限らず加入しなくてはなりません。

たとえば、一人親方が会社を興した従業員なしの一人社長の会社であっても、社会保険への加入義務が生じます。
また、一人親方の個人事業主でも、従業員が常時5人以上いる場合は加入義務が生じます。

建設業における社会保険加入対策

社会保険には、労災保険や雇用保険、健康保険、年金保険があり、それぞれ加入基準や手続きをする場所、保険料率や支払い方などが違っています。面倒でもそれぞれ手続きを取らなくてはなりません。
ここからは、1つずつ対策を検討していきましょう。

労災保険への加入

労災保険は、従業員を一人でも雇用していると、加入させなくてはなりません。
業務上や通勤途上の事故や病気に対する補償制度なので、正社員・パート・アルバイトなど労働形態を問わず、すべての従業員について、雇用主が保険料を全額負担して加入させることが求められます。

経営者一人親方は従業員ではないので、自らは労災保険の加入対象になりません。
もっとも、建設業では経営者や一人親方が現場で陣頭指揮をとって工事に従事することが多く、リスクは伴います。

そこで、健康保険事務組合に加入して、労災保険の特別加入制度を使って加入することが可能です。
万が一の事故のリスクに備えて、経営者も含めた加入手続きを行いましょう。

厚生労働省『労災保険への特別加入』

健康保険・厚生年金保険への加入

株式会社などの法人形態の建築会社をはじめ、常時5人以上の従業員を雇用している個人事業主の事務所については、健康保険と厚生年金に加入しなくてはなりません。

ただし、建設業においては、すでに建設国保に加入している被保険者事実発生日から14日以内に日本年金機構に手続きを行って健康保険適用除外の承認を受ければ、引き続き建設国保に加入し続けることも可能です。
建設国保を脱退して、協会けんぽに入り直すこともできます。

建設国保『資格・適用のご案内(加入資格)』

健康保険・厚生年金保険の手続きについては、事務所を管轄している年金事務所で手続きが必要です。
保険料は、雇用主と従業員が半額ずつ負担し、通常給与天引きを行います。

日本年金機構『就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き』

雇用保険への加入

雇用保険雇用する労働者が1名でもいれば加入させなくてはなりません。
適用要件は以下の通りです。

  1. 31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること
  2. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  3. ※従業員が学生の場合、一部を除いて適用除外。

つまり、個人事業主で従業員が4人以下のケースでも、週所定労働時間が20時間以上の場合には、その従業員を雇用保険に加入させることが必要です。

雇用保険については、管轄のハローワークで手続きを行いましょう。
保険料は、雇用主と従業員の双方が負担し、通常給与天引きを行います。
負担割合は、雇用主・従業員によって異なるので注意しましょう。

厚生労働省『雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!』

国民健康保険・国民年金への加入(任意)

健康保険・厚生年金保険については、従業員4名以下の個人事業主の場合、適用が除外となります。
その代わりとして、各自が国民健康保険・国民年金へ加入しなくてはなりません。
保険料の支払いは各自が行います。

国民健康保険に加入しないと、病気やケガで病院やクリニックにかかる際に全額自己負担になってしまいます。
国民年金の保険料を納めず、一定の要件を満たさないと老後の年金をはじめ、万が一の場合の障害年金や遺族年金も受けられなくなるので注意が必要です。

国保組合(建設国保など)に加入する場合

建設国保は、建設工事業に携わっている一人親方または従業員4名以下の個人事業所が入れる制度です。

加入すると、家族も市町村の国保ではなく、建設国保の家族被保険者として加入しなくてはなりません。
居住地域の建設国保の支部・出張所を通じて手続きを行いましょう。

建設国保『資格・適用のご案内(加入手続き)』

社会保険未加入の建設業者はどうなる?

もし、社会保険の手続きを怠り、未加入である場合どうなるでしょうか。
保険料の事業主負担がつらい、従業員が折半するのを嫌がるなど、目先の費用などを気にして入らないと、それを上回るデメリットが生じるおそれがあります。

追徴金が課される可能性がある

未加入の場合、国や都道府県をはじめ、元請業者からも加入指導を受ける可能性があります。

加入していないことを社会保険部局に通報されることで、強制加入措置を受け場合があるほか、過去に遡って保険料を追徴されることがあるので注意が必要です。

受注に影響が及ぶ

建設業における社会保険加入を促進するため、未加入である事業者については下請企業として選定しないようにすること適切な保険に加入しているのを確認できない作業員現場入場を認めないよう、元請業者に求めています。

そのため、未加入の場合、大規模工事など収入源となる案件の注文を受けられなくなる可能性があるので、注意が必要です。
一方、国から元請業者に対して、下請見積書の法定福利費を尊重するよう指導があり、法定福利費を含まない契約は建設業法違反に問われるおそれもあります。

【建設業向け】見積書に法定福利費を含める理由と書き方を解説

つまり、社会保険の費用負担分を元請企業にサポートしてもらえる構造が形成されているので、コスト負担を恐れず加入すべきです。

国土交通省『建設業における社会保険加入対策について』

人材不足が解決しない

一般的な業種、特にパートの方は社会保険に加入するのを嫌がる傾向が見られますが、正社員として安定的に働くうえでや危険な現場で働く上では、やはり社会保険がしっかりしていることを求める方が多いです。

そのため、社会保険をしっかり適用しないと、人材が集まらず、経営の持続に影響が出るので注意しましょう。

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まとめ

社会保険への加入が建設業許可の要件になりました。
社会保険への加入義務化の背景には、建築業において事故のリスクが高いことや人材不足による若手人材の確保や離職防止があります。

労災保険、健康保険・厚生年金保険、雇用保険をはじめ、適用除外となる個人事業主の場合も国民健康保険・国民年金、国保組合(建設国保など)への加入を検討しましょう。
社会保険未加入の建設業者は、追徴金が課される可能性があるだけでなく、受注に影響が及ぶことや人材不足が解決しないおそれがあるので注意が必要です。

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この記事の編集者

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