【建築業】経営指標とは?経営分析に役立つ指標をご紹介!

【建築業】経営指標とは?経営分析に役立つ指標をご紹介!

建築業において、経営分析は重要です。
自社の経営状態を把握、分析して経営課題を見出し、改善や見直しを図って成長につなげなくてはなりません。
それだけでなく、他社の経営状況に着目することも大切です。

また、高額の取引を行う際は、取引先の破綻リスク、仕入先や外注先の経営状態もチェックすることが必要です。
今回は、経営分析に役立つ経営指標について詳しく見ていきましょう。

経営指標とは

経営指標とは、企業の経営がどのような状態にあるのかを見るために用いられる指標です。
つまり、経営状態が健全なのか、それとも悪化しているのかなどを確認します。

さまざまな指標があり、複数の指標を確認することで、企業の経営状態を多角的な観点から分析し、健全な状態か、リスクがあるのかなどを分析することが可能です。
ここでは、経営指標として

  • 収益性を分析する指標
  • 安全性を分析する指標
  • 生産性を分析する指標

の3つの指標について見ていきます。

  • 施工管理システム

収益性の分析

収益性の分析とは、企業の総合的な収益力、企業の利益獲得状況を見ることです。
企業がどのような方法で利益を得ているのか、利益確保の方法をチェックすることが可能です。

収益性に関する経営指標は、

  • 売上高に対する収益性
  • 投下資本に対する収益性

に分けられ、その中にも複数の指標がラインアップされています。

売上高に対する収益性とは、売上高と利益の比率から分析を行っていく指標です。
ここでは売上高経常利益率についてご紹介します。

また、投下資本に対する収益性は、事業に投下した生産要素と、投資によって得られた利益の比率から判断するものです。
ここでは総資本経常利益率について見ていきましょう。

売上高経常利益率

売上高経常利益率は、売上高に対して経常利益をどれだけのあげたかを見る指標です。

     経常利益
計算式:――――――×100(%)
      売上

総合的な収益力を表す重要な比率であり、経営事項審査の経営状況分析でも用いられている8指標の一つです。
経営事項審査とは、公共工事を発注者から直接請け負いたい建設業者が必ず受けてクリアしなくてはならない審査のことをいいます。

経常利益は、企業の営業活動に加えて、毎期経常的に発生する財務活動をプラスしたもので、企業活動の結果として生じた純利益を示す指標です。
比率が高いほど、収益性が高いと評価することができます。
逆に比率が低い場合は、収益性を回復させるため、原価の圧縮をはじめ、販売コストや一般管理費の削減などの改善が必要です。

総資本経常利益率

総資本経常利益率は、企業が経営活動のために投下した総資本から、年間に純利益をどのくらい上げられたかを示す指標です。

     経常利益
計算式:――――――×100(%)
      総資本

企業の収益力を総合的に示す重要な比率で、比率が高い方が収益性が高いと評価されます。
比率によって、総資本がどれだけ効率的に運用されたかの評価が可能です。
つまり、総資本経常利益率を見ることで、経営者の手腕も評価できます。

安全性の分析

安全性とは、企業の財務上の支払能力のことを指します。
安全性を分析する経営指標を見ることで、支払能力をはじめ、企業活動の継続力がどのくらいあるかを確認することが可能です。

建築業においては、高額の工事を受注する機会が多くあります。
高額の依頼を受けた場合、すぐに引き受けるのではなく、相手の支払能力が十分にあるか、安全性の分析を行うことが必要です。

また、建築業では、中長期の工事で用いる資材を仕入れることや、作業員や工事を外注することも多いです。
仕入先や外注先に支払い能力がなく、工事の途中で経営破綻などをしてしまうと困ります。
発注していた資材が納品されず、すでに支払った代金が損失になるリスクも少なくありません。

外注代金を支払ったにもかかわらず、人員が不足し、工事の進捗に影響が出るおそれもあるので、安全性の分析は重要です。
安全性の分析として、

  • 固定比率
  • 流動比率
  • 自己資本比率

について見ていきましょう。

固定比率

固定比率は、企業が所有する建物や設備などの固定資産が、どの程度自己資本で賄われているかを示す比率です。

     固定資産
計算式:――――――×100(%)
     自己資本

比率が100%以上となった場合、固定資産は自己資本ではなく、借金などの他人資本に依存して調達していると見ることが可能です。
固定資産は長期にわたって保有、使用するものなので、返済が必要な他人資本ではなく、自己資本でカバーされているのが理想です。

そのため、固定比率は100%以下が良しとされ、低いほど安全性が高いと評価できます。

流動比率

流動比率は、1年以内に返済すべき流動負債と、流動負債を返済するための財源となる流動資産の比率を示すものです。

     流動資産
計算式:――――――×100(%)
     流動負債

流動資産とは、1年以内に現金化できる資産のことで、そのまますぐにでも返済に使える現金のほか、簡単に支払いに利用できる預金や1年以内に支払期限を設ける売上債権などのことです。

流動比率は、1年以内に返済期限を迎える短期債務と、これを返済するために必要な財源がどのくらいあるかを比較することで、企業の支払能力や資金繰りにどのくらい余裕があるかを分析することができます。
比率が高いほど、流動性が高い企業ということになります。

すでに確認したように、流動比率は、企業の返済能力や経営安定性といった企業の信用度を分析する重要な経営指標の一つです。
流動比率が100%に満たない場合、短期的な返済にも、自己資本や長期負債があてられていることになり、信用度は低いと評価されます。
経営安定性があり、信用度が高いと判断されるためには流動比率が200%以上あることがベストです。

自己資本比率

自己資本比率は、総資本に対する自己資本の割合のことです。

     自己資本
計算式:――――――×100(%)
      総資本

企業資本の調達源泉の健全性を示す経営指標であり、資本蓄積の度合いがどのくらいあるかが分析できる重要な経営指標の一つです。
比率が高いほど、自己資本率が高く、資本構成が安定し、経営の安全性が高いと評価されます。

自己資本比率が低い場合、事業を展開していくうえで、新たな資金需要が生じた際に、借金をする可能性が高くなります。
利息を含めた借金の返済に追われることになり、安全性が低下し、競争力でも劣ることになるので注意しなくてはなりません。

  • 施工管理システム

生産性の分析

生産性の分析では、企業の生み出す付加価値から企業活動の効率性を分析します。
生産性とは、企業が事業において投下した労働力や固定資産などの生産要素が、どれだけの成果をもたらしたか、いわゆるコストパフォーマンスを見る経営指標です。
売上高や付加価値の高さで成果を測り、保有している生産要素をいかに有効活用できたかを測ることができます。

ここでは、生産性の分析として、

  • 労働生産性
  • 売上高付加価値率

の2つの指標を見ていきます。

生産性の分析の経営指標は、生じた成果を生産要素で割って求めるのが基本です。
生産要素として労働力を用いて計算すると、労働生産性が求められます。

また、成果の一つである付加価値とは、外部から調達した材料などに企業が加工などのプロセスを施すことで、新たに追加的な価値を形成することです。

労働生産性

労働生産性は、従業員1人あたりの付加価値を計る指標です。

         付加価値
計算式:――――――――――――――(円)
     技術従業員数+事務従業員数

建築業においては、現場の従業員の活動割合が高いことから、技術従業員と事務従業員で分けて計算されるケースも少なくありません。
企業が事業活動を通じてどの程度、新たな価値を生み出したかを人的な生産性から図る指標です。

従業員1人あたりの売上高や付加価値を示しており、金額が大きいほど1人あたりの売上高が高いことを意味します。
金額が高い企業ほど、従業員の人的効率性が高いと評価することができます。

売上高付加価値率

売上高付加価値率は、売上高に占める付加価値の割合を測る比率です。

     付加価値
計算式:――――――×100(%)
      売上高

企業の加工度の度合いを示すもので、比率が高いほど原材料等に対する付加価値の生産活動が活発な企業と評価されます。
建築工事においては、完成工事高1円あたりの付加価値を示し、企業がどの程度、追加的な加工を行っているかを見るのに役立つ経営指標です。

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まとめ

経営指標とは、企業の経営状態を評価するための基準であり、自社の経営分析をはじめ、取引先や仕入先、外注先の経営状態を見る際にも役立ちます。

収益性の分析においては、売上高経常利益率、総資本経常利益率が代表的な指標です。
安全性の分析には、固定比率、流動比率、自己資本比率が用いられます。
生産性の分析は、労働生産性、売上高付加価値率などを用いることが多いです。

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AIPPEAR NET 編集部

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