工事をするにあたって事前に見積もりをすることは欠かせません。
見積もりはさまざまな項目を精査する必要があります。
とはいえ、見積もりを待っている側としてはなぜこんなにも時間がかかるのか、と不安に思ってしまうこともあるでしょう。
今回はなぜ見積もりに時間がかかるのか、その理由や背景について解説していきます。
見積もりとは
見積もりは、さまざまな業界で実際に商品を作ることやサービスを実施する前にどれくらい費用がかかるかを計算する作業です。
工事においては、全体の工事費や材料費などがどれくらいの金額になるかを算出します。
工事における見積もりの重要性
工事は規模によっては相当な金額がかかります。
たとえば、工事が終わった後に1億円かかりました、と言われてもいきなり準備はできないでしょう。
そのため、事前に見積もりをしてもらって、あらかじめ予算を準備しておく必要があります。
こうした意味でも工事をする前に見積もりをすることは大切です。
見積もりに時間がかかる理由
見積もりを依頼している企業としては、できれば早めに見積書を作ってもらいたいと思うはずです。
ほかにやるべき業務もあるのだから、すんなりと見積書を送ってもらってすぐに工事を始めてほしい、というのが本音かもしれません。
とはいえ、実際見積もりを待っていると場合によっては数週間もかかってしまうことは珍しくありません。
なぜこんなにも時間がかかるのでしょうか。
裏付けのある正確な見積もりの作成
作る方としてはやはり正確に見積書を作りたいものです。
例えば、事前の見積書に比べて工事費が高くなってしまったなどというケースが起きたらどうなるでしょうか。
発注側から抗議されることは避けられないでしょう。
こういった事態を避けるためには、やはり時間をかけてでも正確な見積もりを出すほかありません。
もしこうした理由で見積書ができるのが遅くなるのならば、待つ方としては目をつむったほうが良いでしょう。
工事の特殊性や規模
たとえば、小さな家を建てたり、道路を舗装したり、といった比較的小規模な工事ならばそこまで見積もりに時間がかかることはありません。
業者としても過去の経験を踏まえながらすぐに見積書を作れるはずでしょう。
一方で、これまでになったような建物を作る工事や大規模な施設を作る場合などはどうしても見積もりが難しくなってしまいがちです。
綿密な調査をしたうえで見積もりをしなければいけないので、できるまで時間がかかるのは避けられません。
ほかの専門業者との連携
工事が一つの業者だけで済むのならば見積書はすぐにできます。
とはいえ、実際は複数の業者が連携しながら工事に臨むケースも少なくありません。
たとえば、商業施設を作るとしましょう。
建設業者のほかにも、配管業者や電気工事業者などが参入して工事を進める必要があります。
業者が増えれば増えるほど見積もりができるまでの時間は長くなりがちです。
資材調達の目途が立たない
近年問題になりがちなのが資材不足です。
日本だけで一通りの資材が揃うならともかく、大掛かりな建築になると資材を海外から輸送するケースもしばしばでしょう。
となると、海外の在庫と相談しながらの見積もりになりますが、在庫がなければ見積もりはいつまで経ってもできません。
依頼主とのコミュニケーション不足
依頼主からの要望が明確なら、見積書は早くできやすいです。
依頼内容が実現できるかを精査しつつ、後は費用を計算するだけで済むでしょう。
しかしながら、依頼内容が曖昧だと見積もりは難航せざるを得ません。
これで本当に依頼主が納得するだろうかという葛藤と背中合わせのまま見積もりを進めると、トラブルになりかねないでしょう。
見積もりが遅い=悪いとは限らない
ここまで、見積もりが遅くなってしまう理由をいくつか見てきました。
もちろん、そもそも業者側が見積もりに慣れていなかったり、担当者の能力が足りなかったり、といった原因もないわけではないです。
とはいえ、基本的に見積もりを作る側も時間を稼ぎたいがために見積書を遅くしているわけではありません。
良かれと思って見積書を丁寧に作ろうとした結果、できるまでの時間がかかってしまうケースが大半です。
それを踏まえて提言したいのは、決して見積書が届くのが遅くなるのは悪いこととは限らないということです。
たとえば、正確な見積書を作るために時間がかかってしまったというのならば、発注側としてはむしろ歓迎すべきことでしょう。
見積もりが遅い場合の対処法
とはいえ、見積もりができるのを待つ側としては、やはりいつまで経っても見積書ができないのは気が揉めるものです。
モヤモヤした気分を抱えたまま仕事をしていると生産性が下がってしまいかねません。
そこで、ここからはそうした気分を解消するためにはどうしたらいいか、という対処法を見ていきます。
進捗確認の連絡をする
同じ会社で働いていない以上は、今どれくらい見積書が進捗しているかはわかりません。
催促するようになってしまいますが、やはりメールなどで今見積書はどこまでできているかといったことは確認したほうが良いでしょう。
ただし、メールを送る際は、文面に気を付けたほうが良いです。
たとえば、「いますぐに返事を下さい」などと書くようでは相手に不快感を与えてしまいかねません。
そうではなく、「お忙しいところ恐縮ですが」などといった相手を思いやる文言を混ぜるようにしましょう。
いつ頃に終わるか聞いておく
具体的な期日を知れば安心することは言うまでもありません。
とはいえ、「この日までに必ず見積書を下さい」というのはあまり効果的ではないです。
まずは、「よろしければこの日までにできる、という見立てはありますか」などと質問したほうが良いでしょう。
理由を聞き、妥当なものか確かめる
そもそもなぜ見積書が遅くなっているのかを探ることは大切です。
そのためには見積書がまだできていないのかを確認しつつ、その理由を聞いてみてください。
この時に、「なんでできないんですか」などと詰問口調になってしまってはいけません。
「よろしければ遅くなっている理由をうかがってもよろしいですか」とあくまでも丁寧な口調を心がけるようにしましょう。
そして向こうからしっかりとした理由が聞けたのならば素直に、「それならば納得しました」と返事をしてください。
見積効率化に関する記事はこちら
まとめ
見積もりはあくまでも概算です。
それが工事のすべてを決めるわけではありません。
とはいえ、会社同士の信頼関係を作るためには欠かせないものです。
見積書ができたできない、で揉めるようではスムーズに工事が進む可能性が危うくなってしまいます。
見積書を待っている間はおおらかな心を持ちながら対処するようにしましょう。
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