支払条件とは?記載内容や注意点を解説

支払条件とは?記載内容や注意点を解説

工事請負代金は高額になることが多いため、工事業者からすれば、しっかりと受け取れるかが重要になります。
一方、発注側にとっては高額になりがちな工事代金をスムーズに払えるかが気になるほか、代金に見合った工事がなされるかも注目ポイントです。

この記事では、代金の支払いにあたって重要となる支払条件とはなんなのか、その特徴や記載内容や注意点を解説していきます。

支払条件とは

はじめに、支払条件とは何なのかをみていきましょう。

支払条件について

支払条件は、合意した契約金額を、いつどのように支払うかを決める条件のことです。

代金を請求する側と支払側の交渉と合意によって決められることが多いですが、請求側が一方的に決めることもあります。
特に建設業では、代金が高額になるケースが多いので、支払条件の取り決めは重要な意義を有しています。

支払条件を記載する書類

支払条件を記載する書類は、契約時の建築請負契約書をはじめ、請求時に発行する請求書にも記載されることが多いです。

建築請負契約書においては、支払条件について双方が合意したことを明示します。
一方、請求書では支払条件に沿って間違えずに、スムーズに支払いしてもらえるよう注意喚起の意味もあります。

支払条件の主な記載項目

では、支払条件にはどのような項目が記載されるのでしょうか。
主な記載項目は以下の2つです。

支払方法

支払方法は、契約者間の合意によって決めることができますが、法令などに違反しないよう注意する必要があります。
建築請負契約では、民法のルールでは完成報酬となっており、請け負った工事を完成させない限り、報酬を請求できないのが原則です。

もっとも、BtoBでの大規模かつ高額な工事では、0-100(ゼロ・ヒャク)だけでなく、3-3-4(サン・サン・ヨン)や10-10-80(テン・テン・パー)、10-90(テン・キュー)をはじめ、出来高払いや3ヶ月個別決済などが行われるケースが少なくありません。

0-100(ゼロ・ヒャク)は完成時払い、3-3-4(サン・サン・ヨン)や10-10-80(テン・テン・パー)は着工時、上棟時、竣工時の3段階に分けて、契約代金の一部を割合で払っていくという方法です。
10-90(テン・キュー)は着工時と完成時です。

出来高払いは一定の工事が終わった場合や一定の工事期間が終了した段階で、完成した分に応じた金額だけを払っていくという方法になります。
3ヶ月個別決済は出来高払いでよく使われる方法で、3ヶ月ごとに工事が完成した分だけを払っていく方法です。

このほか、BtoCでは住宅ローンやリフォームローンが利用されることが多いです。
もっとも、ローンの場合、支払者と金融機関でローン契約が締結された時点で、金融機関が業者に対して一括で支払いをしてくれるので、取りはぐれる心配はありません。
後は支払側が分割払いをしていけるかどうかの問題となります。

支払期限

支払期限は、いつまでに支払うことが求められるかです。
建築請負契約では、完成させないと請求できないといった原則がある一方、業者からすると、資材を仕入れて人材を投下して工事を行っているのに、代金が受け取れなかったら大変なことになります。

多額の費用が投下されているので、確実に代金を回収しなくてはなりません。
そのため、一定の期日までに支払ってくれるよう期限を定めます。
最悪の場合、発注業者が破綻したりするリスクもあるので急ぎたいところです。

一方で、代金が高額になるので、出入金の手続きを行うことや振り込みをする手間などがかかるため、ある程度の余裕を持たせないといけません。
そのため、請求書の受取時から2週間以内、月末までなどにすることが多いです。
分割払いの場合は、毎月○日に決められた金額ずつなどの支払期限を定めるのが一般的です。

支払条件の注意点

では、支払条件を定める際や記載する際に気を付けたい注意点について見ていきましょう。

振込手数料の負担について

建築代金の支払いは現金払いをすることもありますが、高額になることや利便性、発注業者側の費用管理などの観点から、銀行振込を利用することが多いです。
支払代金が高額になるため、振込手数料も高くなりがちです。
そのため、振込手数料をいずれが負担するかを明記することが必要になります。

一般的には、支払側が振込手数料を負担します。
支払側が金融機関のサービスで振込手数料の割引を受けられる場合や無料で振り込める場合もありますが、そういった事情は支払条件を決める時点で考慮しなくても問題ありません。

一方、両者の合意や工事業者のサービスなどで振込手数料を請求者払いにする際は注意が必要です。
支払代金から振込手数料額を控除してもらい、残額を振り込む形になるためです。

振込手数料額は利用する金融機関によっても料金が異なるうえ、支払側と金融機関との関係でも異なるので、支払うタイミングにならないといくらになるかわかりません。
そのため、請求者側から、いくら払ってくださいとは指示できない点も注意しましょう。

分割について

分割払いの場合、BtoBでは双方の合意が必要です。
いついくらずつ払うのか、支払一覧表を作成することがポイントになります。

BtoCの場合は、金融機関が間に入ってローンを組んでもらうので、請求側には金融機関から一括で振り込まれますので心配ありません。

長期にわたる場合の細かい条件

長期の分割払いになる場合、支払一覧表を作成し、毎月いつの時点までに、いくらずつ払うのかを、初回から最終回まで明記しましょう。
均等に分割して端数が出た場合、最初または最後の回で調整するのが一般的です。

また、途中で支払遅滞などが生じた場合は、期限の利益を失い、即一括返済をしなくてはならないといった、約束を違反した時のペナルティなどの細かい条件も決める必要があります。

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まとめ

支払条件とは、合意した契約金額をどのように支払うか、取り決めた条件のことです。
記載する書類は、建築工事請負契約書や請求書などです。
主な記載項目には、支払方法と支払期限があります。

支払条件の注意点として、振込手数料の負担について明記すること、分割の方法について割合や時期を明記すること、分割が長期にわたる場合の細かい条件を事前にしっかり合意しておくことなどがあります。

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