グローバル化やデジタル化などの影響で、海外の顧客と取引する機会はますます増えています。
海外との取引が増えれば、取引に必要な様々な書類を英語で作成することが求められます。
そこで今回は、領収書を英語で作成する方法を解説します。
建築業で使える英単語や、領収書の発行を依頼する場合の英文も紹介しますので、ぜひご参照ください。
領収書の英語表記とは?
「領収書」の英語表記として一般的なのは 「receipt」です。
「レシート」と聞けば、レジで発行される宛名記載のないものであり、領収書とは別物だと考える方も少なくないでしょう。
しかし、海外においては、日本のようにレシートと領収書を別々に発行することはあまりないようです。
ただ日本においても、経費精算における有効性という点では、レシートも領収書も変わりはありません。
万が一領収書を紛失してしまった場合には、代わりの証拠としてレシートを提出することが可能です。
「receipt」以外の言い方
領収書の英語表記には、「receipt」 の他に次のようなものがあります。
取引先の希望に応じて使い分けると良いでしょう。
- business receipt
- payment receipt
- payment voucher
- sales receipt
領収書の書き方に関する記事はこちら
英語の領収書の書き方
領収書の英語表記をご紹介しました。
ここでは、英語で領収書を作成する際に必要な項目について確認していきましょう。
タイトル(title)
まず、何の書類か一目でわかるようにタイトルを記載します。
大文字で「RECEIPT」と記載するのが一般的です。
ただし、「タイトルは〇〇にしてほしい」など取引先からの希望があれば、それに応じて適宜変更しましょう。
領収書番号(receipt number)
領収書に番号を記載しておくと、後から確認する時に便利です。
特に、同じ宛先に複数枚領収書を発行する場合などは、必ず領収書番号を記載しましょう。
領収書番号は、「No.」や「#」の後に書くのが一般的です。
発行日(date)
領収書を発行する際、発行日は必ず記載するようにしましょう。
英語での発行日の書き方は、アメリカ式とイギリス式で異なります。
ここでは、「2023年5月1日」を例に、それぞれの書き方を確認しましょう。
CHECK!
アメリカ式
アメリカ式の場合、「月→日→年」の順で記載します。
フォーマルな書き方の場合、年の前にカンマ(,)を入れるようにしましょう。
略式 | 5/1/2023 |
---|---|
フォーマル | May 1st, 2023 |
カンマの後は、半角スペースが必要です。
CHECK!
イギリス式
イギリス式の場合、「日→月→年」の順で記載します。
フォーマルな書き方の場合、年の前のカンマ(,)は必要ありません。
略式 | 1/5/2023 |
---|---|
フォーマル | 1st May 2023 |
発行者情報(company name)
領収書の上部には、領収書を発行する自社の情報を記載します。
具体的には、次のような情報を記載すると良いでしょう。
- Company name(会社名)
- Adress(住所)
- Phone number(電話番号)
- FAX number(FAX番号)
- E-mail address(メールアドレス)
自社のウェブサイトがある場合は、「Website」 も記載しておきましょう。
CHECK!
英語での会社名の書き方
日本では、株式会社や有限会社、後株や前株など会社によって社名の表記が異なります。
英語の場合、株式会社にあたる表現は、会社名の後に記載します。
また、「株式会社」は日本の法律で定められた会社の形態なので、英語に直訳することができません。
そのため、「株式会社」に相当する表現として、次のようなものが使われています。
Co., Ltd. Co. Ltd. | Company Limitedの略。有限責任の会社であることを意味する。 主に日本の企業が使用。 |
---|---|
Ltd. | Limitedの略。有限責任の会社であることを意味する。 主にイギリスの企業が使用。 |
Inc. | Incorporatedの略。登記済みの法人であることを意味する。 主にアメリカの企業が使用。 |
Corp. | Corporationの略。登記済みの法人であることを意味する。 主にアメリカの企業が使用。 |
Co. | Companyの略。単純な事業体であることを意味する。 |
なかでも、「Co., Ltd.」、「Inc.」、「Corp.」を使う場合が多いようです。
CHECK!
英語での住所の書き方
日本語と英語では、住所を書く際の順序が異なります。
弊社の住所を例に、書き方の違いを確認しましょう。
- 【日本語】〒650-0031 兵庫県神戸市中央区東町123-1貿易ビル503
- 【英語】503 Boeki Bldg. 123-1, Higashi-cho, Chuo-ku, Hyogo, 650-0031, JAPAN
英語で住所を書く場合、基本的には日本語と逆の順序を意識すれば問題ありません。
ただし、「123-1」のような番地名はそのままの順序で記載します。
また、「第3ビル5階」のような場合は、「5F, No.3 Bidg.」という表記になります。
宛名(received from)
宛名は、タイトルの下に記載するのが一般的です。
「reserved from 〇〇」(「〇〇様から受領しました」)と書きましょう。
日本語の「上様」のように表記したい場合は、「reserved from customer」と書きます。
宛名を会社名にする場合は、前述した「英語での会社名の書き方」をご参照ください。
金額(amount)
取引した商品・サービスの金額は、「amount」で記載します。
また、場合によっては
- Total amount to be received(支払総額)
- Amount received(今回受け取った金額)
- Balance due(支払残高)
を記載します。
金額の内訳を詳しく示したい場合は、
- sub total(小計)
- tax(税額)
- total amount(税込み合計金額)
を分けて記載すると良いでしょう。
但し書き(for)
日本語の領収書の但し書きにあたる部分は、「for」で示します。
シンプルな領収書の場合、宛名・金額・但し書きを以下のように続けて記載します。
- 〇〇様より~~代として△△円受領いたしました。
- Received from 〇〇 the amount of △△JPY for payment of ~~.
取引内容を詳細に記載したい場合は、「description」の欄を設けます。
建築業で使える英単語
ここでは、建築業の領収書を作成する際に使える英単語をご紹介します。
工事費 | construction fee |
---|---|
材料費 | material |
労務費 | labour cost |
調査費 | survey fee |
設備費用 | equipment cost |
床資材 | floor covering |
解体工事 | demolition work |
塗料 | paint |
支払方法(payment method)
支払方法は、「payment received in: 〇〇」と表記します。
支払方法を表す主な英単語は、次の通りです。
現金 | cash |
---|---|
カード | credit card |
小切手 | check |
郵便為替 | money order |
その他 | other |
発行者のサイン(signature)
日本では受領印として印鑑を押印しますが、海外ではサインが一般的です。
「signed by」や「signature」と記載し、その付近に発行者のサインを書きます。
青や黒のペンを使い、直筆で書くようにしましょう。
収入印紙(revenue stamp)
受領金額が5万円以上の場合、領収書に収入印紙を貼る必要があります。
収入印紙は、英語で「revenue stamp」や「fiscal stamp」と表します。
領収書の管理に関する記事はこちら
英語の領収書作成時に使える例文
英語での領収書の書き方を確認しました。
ここでは、
- 英語の領収書を発行する際
- 英語の領収書の発行を依頼する際
に使える例文をご紹介します。
英語の領収書を発行する際
まず、英語の領収書を発行する際に使える例文をみていきましょう。
領収書の発行は必要ですか?
Would you need to have a receipt?
領収書はあなた宛でよろしいでしょうか。
-May I prepare the receipt addressed to you?
-Could I prepare the receipt with your name on it?領収書を添付いたしますので、ご確認ください。
-Please find the receipt attached.
-Receipts are attached.
英語の領収書の発行を依頼する際
次に、領収書を発行してほしい時に使える英語表現を確認しましょう。
領収書をいただけますか
Could/ May I have a receipt (, please) ?
宛名は「上様」でお願いします。
Could you put just “Customer” in the space for the customer’s name?
株式会社アイピア宛てに領収書をいただけますか?
-Could/ May I have a receipt addressed to aippear Ltd., please?
-Please adress the receipt to aippear Ltd.但し書きを「塗料」にしていただけますか?
Could you put “paint” in the payment description?
明細が明記された領収書をいただけますか?
Would it be possible to get an itemized receipt?
領収書とインボイス制度の関係に関する記事はこちら
その他領収書関連で使える英語表現
領収書の発行時、発行依頼時に使える基本的な英語表現を確認しました。
ここでは、領収書関連で使える表現を、領収書の発行者側と受領者側に分けてご紹介します。
領収書の発行者側
領収書発行側が使える英語表現には、次のようなものがあります。
領収書は、当社ホームページのアカウント欄から印刷していただけます。
-About the receipt, please go to the account on our website, and you can print out one on your own.
-You can print the receipt out from the account section of our website.領収書はご注文いただいた商品に同封しておりますので、ご確認ください。
-We/I have enclosed the receipt with the item you purchased.
-Please check the receipt enclosed with the item you purchased.領収書は必ず保管していただきますよう、お願い申し上げます。
Please be sure to keep your receipt.
領収書の受領側
領収書受領側は、次のような表現を知っておくと便利です。
領収書に覚えのない記載があります。
There is something listed that I don’t remember on the receipt.
領収書を紛失してしまったのですが、返品することは可能でしょうか。
-Am I still eligible for a return even if I lost the receipt?
-If I have lost my receipt, can I still return it?
英語での書類作成に関する記事はこちら
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まとめ
領収書を英語で書く方法をご紹介しました。
記載すべき項目は日本語の領収書と変わりませんが、日付や住所など、項目によっては書き方が異なります。
英語で記載する際のルールをしっかり確認しておきましょう。
また、作成した領収書を送付する際、領収書の作成を依頼する際には、今回ご紹介した例文を参考にしてみてください。
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