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多く働いているはずなのに!?残業と生産性の意外な関係とは

近年、「ブラック企業」や「社畜」という言葉が一般的にも使われ始めてきました。
そんな言葉の説明文に、必ずと入っていいほどの「残業」。
この残業と、生産性向上にどのようなつながりがあるのでしょうか。

残業をしている企業は生産性が悪い?

「日本は残業が多い!」「残業をしている企業は生産性が低い!」「生産性を上げるために残業を減らせ!」
こんな記事が多く存在しています。
しかし実際、現在の日本国内の企業の残業は多いのでしょうか。

日本の残業は本当に多いのか

厚生労働省から出されている統計からみると、残業時間は以下のようになっています。

上のグラフは、月間の所定外労働(残業)の時間を、各業種に分けて統計したものです。
すべての業種を平均すると、一か月あたり約14.5時間の残業が行われているということになります。

海外の労働時間と生産性

では、国外の企業についても見ていきましょう。
OECDから、各国の労働時間とGDPを比較していきます。

なんと労働時間の多い国1位は、メキシコのようです。
次いでコスタリカ、韓国、ロシア、チリ、ギリシャ、イスラエル、エストニア、ポーランド、アメリカがベスト10です。
日本の位置は、統計を取った37国のうち19位と、そこまで高い印象もありませんね。

では、先進国(G7)のみのデータはどうなっているのでしょうか。

先進国の中では、日本は第3位です。
皆様のイメージの中では、あまりせかせかと仕事をしているわけではないイタリアですが、
そのイタリアよりも、日本のほうが労働時間自体は少ないようです。

さらに、このグラフでもう一つ分かるのは、「労働時間が多いからと言って生産性があるわけではない」ということです。
労働時間で言えば3位の日本も、GDPはイタリアに続きワースト2位です。
ただ労働時間が多いだけでは、生産性の向上につながるとは言い切れないことが分かります。

日本における「サービス残業」の現状

日本で言われている「サビ残(サービス残業)」。
厚生労働省の発表した残業の時間や、国別の労働時間の統計の中には、この時間は表れません。
もしかしたら、日本人のサービス残業をもし統計に入れていれば、労働時間はメキシコやアメリカにも匹敵するかもしれません。
中小企業などでは、タイムカードを使わず出勤簿のみで勤怠管理をしているところもあると思います。
その中で残業時間を管理するのは難しいでしょう。

残業と生産性

では、残業の増加でと生産性にはどのような影響があるのでしょうか。

残業の原因

従業員は、なぜ残業をしてしまうのか。理由をいくつか挙げていきましょう。

・仕事のタスクが多い
・上司から急に期限の短い仕事を振られる
・残業代がもらえる
・業務が終わっても他の人が残業をしていて帰れる雰囲気ではない

このような理由が挙げられます。

従業員への影響

このような残業の多い企業の中で、従業員にはどのような影響があるのだろうか。

・作業時間が長くなる
本来作業時間が決められているところを、従業員の中では「残業すれ間に合うから」という理由で
業務一つ一つの時間的コストをどんどん増やしてしまいます。
・モチベーションの低下
「どうせ今日も残業しなければいけない」という気持ちで毎日の作業をしていると、
帰宅時間も遅くなり、睡眠時間が少なくなります。
その結果、体調不良や睡眠不足に繋がり、仕事へのモチベーションが低下します。

企業への影響

残業が多い企業には、以下のような問題が起こります。

・時間的コストの増加
従業員一人一人が一日1時間残業をするだけで、従業員数30名の企業では
30時間の時間的コストが増えます。
・生産性の低下
従業員が睡眠不足や体調不良を抱えていると、当然集中力が下がります。
集中力が下がると業務へのアウトプットに時間がかかり、業務時間が長くなります。
・金銭的コストの増加
従業員が残業をすると、その残業代を支払わないといけません。
また、残業する時間分の光熱費もかかります。
もし従業員30名の企業で残業が一日1時間増えたら、残業代は一人2000円/日、光熱費200円/日としても
1か月では(2000×30+200)×20日=1,204,000円の損害となります。

上記のような損失に対し、生産性があり、利益が出るのであれば、何も問題は無いですが、
実際は上のグラフのように、生産性が比例的に上がることは難しいでしょう。

生産性の上がる労働とは

では、生産性の向上に繋がる労働とはどのようなものでしょうか。

業務の優先順位が決まっている

1日のタスクが10個あった場合、従業員に対し、「この順番に作業してください」というものが決まっていたら、
従業員もそのままタスクをこなしていくことが出来ます。
優先順位が分からない状態(業務の優先度が分からない・業務の量が分からない)では、
ひとつひとつの業務をこなしていきながら他の業務もしなければいけないため、
従業員は「目についたものから作業する」癖がついてしまいます。
1日のルーティーンが出来ていれば、「この作業はこの作業の次にやるからまだいい」となるため、
ひとつひとつのタスクに集中して作業ができます。

業務の中断をしない

業務に集中するためには、その業務が終わるまであとどのくらい作業すればいいのかを見極められる事が必要です。
もし、業務の最中に中断されてしまうと、業務に戻った時に「今どこまでやったか」「次は何をするのか」を
思い出してから作業をするため、時間がかかってしまいます。
業務の役割分担をしっかりとすることで、業務に専念することが出来ます。

タスクを詰め込みすぎない

人の集中力には、どうしても限界があります。
作業に対する集中力は、おおよそ60~90分程度で低下するといわれています。
適度に休憩時間を設けたり、自分のしたいことをする時間を作ることも必要です。
そうすることで、業務にメリハリがつき、集中力も上がります。

職場環境を整える

デスクの上ひとつにしても、集中できるものとできないものがあります。
煩雑なデスクでは、付箋一つ出そうとしても、その中に「探す」という時間コストが生まれます。
「必要なものがすぐに取り出せる」「必要なデータがどこにあるのかすぐわかる」ような環境作りをすることで、
業務に対する集中力が途切れることなく作業が出来ます。

まとめ

残業と生産性の関係について書いてきましたが、いざ「じゃあ今日から残業は無し、従業員はすぐに帰るように!」といっても、
なかなか難しいとは思います。
少しづつ、従業員がより集中することのできる環境を整え、業務の密度を上げることで、
生産性の向上につなげていきましょう。

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