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工程表の種類と役割とは?それぞれの特徴や作成時のポイントも解説!

工程表の種類と役割とは?それぞれの特徴や作成時のポイントも解説!

工程表には、横線式工程表や曲線式工程表、ネットワーク式など、様々な種類が存在します。
目的に合った種類の工程表を使うのが、作業を最適化・効率化する手段として効果的です。

しかし、「どのように各工程表を活用すればよいのか」また「そもそもどのような種類があるのか」わからない人も多いようです。
そこで今回は、工程表の種類とそれぞれの役割を具体的に解説します。

目次

工程表の種類(比較表あり)

工程表とは一言でいうと工期を守るためのスケジュール管理表です。工事の大きさに関係なく、どんな工事でも工期を守るために計画を立てて、作業の流れをつかむことが大切になってきます。
ここでは代表的な工程表の種類を紹介します。

代表的な工程表5種類

下記の5つが代表的な工程表です。順番にそれぞれの工程表の特徴を見ていきましょう。

  1. バーチャート工程表
  2. ガントチャート工程表
  3. グラフ式工程表(斜線式工程表)
  4. 出来高累計曲線(バナナ式工程表)
  5. ネットワーク式工程表

工程表種類の比較表

バーチャートガントチャートグラフ式出来高累計曲線ネットワーク式
作業難易度簡単簡単やや難しいやや難しい難しい
日数××
進捗率

バーチャート工程表

バーチャート工程表例

バーチャート工程表は、タテ軸に作業項目、ヨコ軸に時間を記入する最も一般的な形です。

作業項目と日付からなるシンプルな表であるためパッと見て直感的に内容を理解することができます。また、パソコンが得意でない方でもExcelなどを使って簡単に作成でき、修正もしやすいことが特徴です。

しかし、各作業項目の関連性がなく作業の変更があった場合に全体へどのような影響を及ぼすのか分かりにくくなっています。

メリットデメリット
〇作成方法が簡単 〇期限が分かる 〇シンプルで分かりやすい 〇修正しやすい×各項目の関連性がない

ガントチャート工程表

ガントチャート工程表

ガントチャート工程表は、タテ軸に作業項目、ヨコ軸に進捗率を記入します。

バーチャート工程表の時間の欄が進捗率に代わるだけなので、こちらもシンプルで分かりやすく、初心者の方でも作成しやすい工程表となっています。同じく各項目の関連性はわかりにくいので注意が必要です。

メリットデメリット
〇作成方法が簡単
〇進捗率が分かる
〇シンプルで分かりやすい
〇修正しやすい
×各項目の関連性がない
×期限が分からない
×手順が分からない

グラフ式工程表(斜線式工程表)

グラフ式工程表例

グラフ式工程表は、タテ軸に進捗率、ヨコ軸に時間を記入します。
バーチャート工程表とガントチャート工程表の性質をもった工程表です。

進捗率と期限のどちらも一つの表で確認することできますが、作成方法はやや難しく各項目の関連性もわかりくくなっています。

メリットデメリット
〇期限が分かる
〇進捗率が分かる
×各項目の関連性がない
×作成方法がやや難しい
×手順が分からない

出来高累計曲線(バナナ曲線)

出来高累計曲線(バナナ曲線)
▼農林水産省

出来高累計曲線は、タテ軸に出来高累計(進捗率)、ヨコ軸に時間を記入する工程表です。

過去のデータから下方許容限界曲線と上方許容限界曲線を設定し、それに基づいて予定工程曲線を決めます。

実際に施工した実施工程曲線が上方許容限界曲線を超えていれば工事は早く進みすぎているため必要以上の機材や作業員を導入して不経済になっていないか見直さなければなりません。

逆に実施工程曲線が下方許容限界曲線を超えている場合は工事の進みが遅すぎて工期に間に合わなくなるため突貫工事が不可避になります。

メリットデメリット
〇進捗が分かる×作成方法がやや難しい
×手順が分からない

ネットワーク式工程表

ネットワーク式工程表例

ネットワーク式工程表は、①を終わらせなければ②に進むことができないといったウォーターフォール型の作業で効果的に用いることができる工程表です。
作業項目に関連性があるため次の作業が一目でわかることが特徴です。

ネットワーク工程表は専門的な知識がないと作るのは難しく、専門用語も使われることが多いので作業員を含め工事にかかわる全体の理解を得るのには難易度が高い工程表かもしれません。

メリットデメリット
〇各作業の関連性が分かる
〇期限が分かる
〇進捗率が分かる
〇手順が分かる
×作成方法がやや難しい
×修正が難しい

工程表の役割

ここからは工程表の役割をご紹介します。

役割1:納期を守る

工程表で最も重要な役割は「納期を遵守する」ということです。
工程表を作成することで、工数や工事スケジュールを正確に把握することができます。

工事は、雨天等に影響されやすく、納品が遅れるケースが多々あります。
工数やスケジュールをあらかじめ視覚化することで、こうした工事遅れやトラブルにも対応しやすくなります。

役割2:コストを削減する

次に重要な役割として、無駄な労務費を削減できる点にあります。

上述のとおり工程表を作成することで、工数やスケジュールを把握しやすくなります。
よって、人員の配置を適切に行うことが出来る為、労務費削減につながります。

役割3:トラブル対応が迅速になる

工事は、雨天や顧客・周辺住民とのトラブルなど、様々なイレギュラーな事態に遭遇することがあります。
工程表を作成し、あらかじめスケジュールや工数を把握することで、こうしたイレギュラーにも対応しやすくなります。

工程表の作成方法

工程表の作成方法_早見表

工程表の種類と役割を解説しました。
次に、エクセルや工程表システムなどを使って工程表を作成する方法をご紹介します。

工程表を手書きで作成する

どんなデザインでも自由に作成することができます。
共有するメンバーが少ない場合には手書きの工程表でも問題ないでしょう。
しかし、データとして残すことができないため紛失には注意が必要です。

メリットデメリット
〇自由なデザイン×紛失の危険性がある

工程表をワードで作成する

無料のテンプレートを使用することができます。
簡単なものから複雑なものまでさまざまなテンプレートが公開されているため自社にあったものを見つけましょう。

リアルタイムで共有ができないため、最新のものがどれかわからない、共有ができていないなどの問題が発生する可能性があります。
また、細かい表の設定ができないため、複雑な表を作成することは難しいです。

メリットデメリット
〇無料のテンプレートが多い×リアルタイムの共有ができない
×細かい表の設定ができない

工程表をエクセルで作成する

様々なテンプレートが公開されており、無料で使用できるものがほとんどです。

関数が使えるため編集が簡単になり、カスタマイズしやすくなります。
ワードと同様で、リアルタイムの共有ができないことがデメリットとして挙げられます。

メリットデメリット
〇無料のテンプレートが多い
〇細かい表の設定ができる
×リアルタイムの共有ができない

工程表をスプレッドシートで作成する

エクセルと使い方はほとんど同じで、関数を使って細かい表の設定も可能です。

Googleアカウントを登録していれば無料で使うことができます。
リアルタイムで共有ができ、複数人での同時編集も可能になります。

インターネット環境がないとGoogleスプレッドシートは利用できないため、作業したいときにはネット環境を整える必要があります。

メリットデメリット
〇無料のテンプレートが多い
〇細かい表の設定ができる
〇リアルタイムで共有ができる
×ネット環境が必要

工程表をアプリで作成する

工程表アプリは工程表を作成することに特化しているため、最大のメリットは簡単な打ち込みだけで見やすい工程表を作成できることです。

様々な機能が備わっている場合が多いため、自社にあった機能が搭載されているツールを選ぶようにしましょう。

上記のワードやエクセルに比べて有料のツールがほとんどです。機能と価格を見定める必要があります。

メリットデメリット
〇操作が簡単×有料のものが多い

工程表を業務管理システムで作成する

建築業に特化した業務管理システムには工程表の機能が備わっていることが多いです。
案件情報と紐づいた形で工程表を作ることができるので、管理がしやすく情報共有も簡単におこなえます。
クラウドの業務管理システムでは外出先からでも作成・更新・閲覧をすることができますので、作業効率が向上します。

メリットデメリット
〇操作が簡単
〇情報共有が簡単
〇業者とも共有できるシステムもある
×有料

まとめ

今回は、工程表の種類とその役割について詳しくご紹介しました。
工程表は、工事の進行状況を把握し、工期を管理する上で非常に重要なツールです。

ただし、会社の規模や利用者のレベルによって、使いやすい工程表は異なります。
工程表は単なるスケジュール表ではなく、プロジェクト全体の流れや依存関係を示すものでもあります。

そのため、工期に間に合わせるだけでなく、プロジェクトの全体像を理解し、各作業の関連性を把握できるような工程表を作成することが重要です。
わかりやすく、かつ効果的な工程表を作ることで、チーム全体が円滑に作業を進めることができます。

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