CDM工法とは?その他の地盤改良技術もあわせて紹介

CDM工法とは?その他の地盤改良技術もあわせて紹介

現代の土木・建築工事において、地盤改良技術は非常に重要な役割を果たしています。特に、地盤が軟弱であったり、地下水位が高い地域では、建物やインフラの安定性を確保するために、地盤の強化が欠かせません。

その中でも、CDM工法(Cement Deep Mixing工法)は、セメント系固化材を用いて地盤を強固にする代表的な技術として知られています。

本記事では、CDM工法の詳細について解説するとともに、その他の主要な地盤改良技術についても紹介します。各技術の特徴や適用例を理解することで、工事に最適な地盤改良方法を選定するための参考にしてください。

CDM工法とは?


CDM工法(Cement Deep Mixing工法)は、セメント系固化材を用いて地盤を強化する地盤改良技術の一種です。主に軟弱地盤の安定化を目的として使用され、建築物やインフラの安全性と耐久性を向上させるために広く採用されています。

CDM工法の具体的な手順

  1. 掘削:最初に、専用の掘削機(ドリルやオーガー)を使用して地盤を掘削します。この段階では、地盤の特性や深さに応じて適切な掘削方法が選択されます。
  2. 固化材の注入:掘削と同時に、セメント系固化材を地盤に注入します。固化材はセメントや石灰などの化学物質を含み、これらが土と混ざり合うことで化学反応を起こします。
  3. 混合:掘削機は掘削を行いながら、固化材と地盤土を均一に混合します。この過程において、土とセメント系固化材がしっかりと混ざり合い、地盤が徐々に硬化していきます。
  4. 硬化:混合された土と固化材は時間が経つとともに化学反応を進め、硬化します。これにより、強固で安定した地盤が形成されます。

CDM工法の特徴と利点

  1. 強度の向上:セメント系固化材の使用により、地盤の強度と支持力が大幅に向上します。これにより、建物や構造物の安全性が確保されます。
  2. 適用範囲の広さ:軟弱地盤や高地下水位の地域、さらには有機質土壌など、様々な地盤条件に対応可能です。これにより、多様な工事に適用できます。
  3. 環境負荷の低減:固化材を現場で直接混合するため、掘削土の運搬や処分が不要となり、廃棄物の発生が抑えられます。これにより、環境への負荷が低減されます。
  4. 施工効率の向上:大規模な地盤改良が比較的短期間で実施できるため、工事の工期を短縮し、コストの削減にも寄与します。

CDM工法の応用例

  1. 建築物の基礎地盤の強化:高層ビルや大型商業施設の建設において、基礎地盤を強化するために使用されます。これにより、建物の沈下や傾斜を防止し、長期的な安定性を確保します。
  2. 道路や鉄道の基礎地盤の安定化:道路や鉄道の路盤を強化するために利用され、これにより輸送インフラの耐久性と安全性が向上します。
  3. 港湾施設やダムの地盤改良:港湾施設やダムなど、水辺の構造物の地盤改良にも適用されます。特に、高地下水位や軟弱地盤の地域で効果を発揮します。

CDM工法の課題

  1. コスト:高性能な掘削機や固化材の使用が必要となるため、初期コストが高くなる場合があります。
  2. 専門技術:施工には高度な専門知識と技術が求められ、適切な施工管理が重要です。

CDM工法は、セメント系固化材を用いて地盤を強化し、様々な土木・建築工事において安全性と耐久性を向上させるための効果的な手法です。

適用範囲が広く、環境負荷の低減にも寄与する一方で、コストや専門技術の面での課題も存在します。これらの利点と課題を理解し、適切に活用することが重要です。

その他の地盤を強化する地盤改良技術を紹介

地盤改良技術は、地盤の支持力を強化し、沈下や崩壊のリスクを軽減するために使用されます。これらの技術は、さまざまな土木・建築工事で重要な役割を果たします。
CDM工法以外の代表的な地盤改良技術について紹介します。

深層混合工法

深層混合工法は、地盤の深い層にセメントや石灰などの固化材を混合する技術です。高性能の掘削機を使用して深い地層まで掘削し、固化材を均一に混合します。

手順

  • 掘削機で深層まで掘削
  • 固化材を注入し、深い層まで混合
  • 硬化して強固な地盤を形成

利点

  • 深い層までの地盤強化が可能
  • 液状化対策に効果的

適用例

  • 高層建物の基礎地盤の強化
  • 地震対策としての液状化防止

表層混合工法

表層混合工法は、地表近くの地盤を強化する技術で、ロータリーミキサーを使用して固化材と地盤土を混合します。

手順

  • 表層を掘削
  • 固化材を混合
  • 硬化して表層を強固にする

利点

  • 短期間で施工可能
  • コストが比較的低い

適用例

  • 道路基盤の強化
  • 表層の軟弱地盤改良

ジェットグラウト工法

高圧ジェットを使用して地盤にセメントミルクを注入し、地盤と混合して強化する技術です。ジェットの圧力で地盤を破砕しながら固化材を混合するため、非常に効果的に地盤を改良できます。

手順

  • 高圧ジェットで掘削
  • セメントミルクを注入
  • 混合・硬化

利点

  • 高い精度での地盤改良が可能
  • 深い層まで対応可能

適用例

  • 建物の基礎工事
  • 地下構造物の防水工事

ウェルポイント工法

ウェルポイント工法は、地下水を排水することで地盤を安定させる技術です。複数のウェルポイント(小型の井戸)を設置し、ポンプで地下水を排水します。

手順

  • ウェルポイントを設置
  • ポンプで地下水を排水
  • 地盤の乾燥・安定化

利点

  • 地盤の水分を効率的に排出
  • 土砂崩れの防止

適用例

  • 建設現場の排水
  • 地下水位の低下

サンドコンパクションパイル工法

砂を地盤に圧入し、振動や打撃を加えて地盤を密実化する方法です。これにより、地盤の支持力が向上します。

手順

  • 砂を地盤に圧入
  • 振動・打撃で密実化
  • 地盤の強化

利点

  • 液状化対策に効果的
  • 工期が短い

適用例

  • 液状化対策
  • 埋立地の地盤改良

プレロード工法

仮設の重りを地盤上に設置して圧密を促進し、軟弱地盤を強化する技術です。時間をかけて自然に地盤を改良する方法です。

手順

  • 仮設の重りを設置
  • 圧密を促進
  • 地盤の強化

利点

  • 自然な方法で地盤を改良
  • コストが低い

適用例

  • 大規模な埋立地
  • 軟弱地盤の改良

化学的地盤改良

化学薬品を使用して地盤を強化する方法です。一般的には、石灰、セメント、アスファルトなどを地盤に混合して、地盤の特性を改善します。

手順

  • 化学薬品を地盤に注入
  • 混合・硬化

利点

  • 特定の地盤条件に対応可能
  • 短期間での効果が期待できる

適用例

  • 道路や空港の滑走路の基盤強化
  • 汚染土壌の処理

地盤改良技術は、地盤の特性や工事の要件に応じて選定されます。各技術はそれぞれ独自の利点を持ち、多様な状況に適用可能です。
適切な技術を選定することで、建築物やインフラの安全性と耐久性を確保し、施工の効率性を高めることができます。

技術選定の際には、地盤調査の結果や工事の特性を十分に考慮し、専門家の意見を取り入れることが重要です。

まとめ

CDM工法(Cement Deep Mixing工法)は、セメント系固化材を用いて地盤を強化する地盤改良技術であり、軟弱地盤の安定化や高地下水位地域での適用に優れた効果を発揮します。

本記事では、CDM工法の具体的な手順や利点について詳しく解説するとともに、その他の代表的な地盤改良技術についても紹介しました。

深層混合工法や表層混合工法、ジェットグラウト工法、ウェルポイント工法、サンドコンパクションパイル工法、プレロード工法、そして化学的地盤改良といった各技術は、それぞれ異なる地盤条件や工事のニーズに対応するために開発されてきました。

これらの技術を適切に選定し、組み合わせることで、建築物やインフラの安全性と耐久性を確保し、施工の効率性を高めることができます。

地盤改良技術の選定には、地盤調査の結果や工事の特性を十分に考慮し、専門家の意見を取り入れることが重要です。これにより、最適な地盤改良方法を見つけ、工事の成功を確実にすることができるでしょう。

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