経営理念についての重要性や作り方については、「経営理念の作り方|経営者の想いを形にする方法」で書かせていただきましたが、
「経営理念を作ったが、社員に浸透しない」というお話をよく聞きます。
せっかく素晴らしい経営理念を作ったとしても、誰も経営理念に沿った行動をしなければ、額の中に入った絵空事になってしまいます。
そこで、今回は経営理念の伝え方についてご紹介いたします。
経営理念が社員に浸透しない理由とは?
多くの経営者の悩みの一つではないようでしょうか?
経営理念を作ったの額の中に入っているだけの状態になっているということがよくあります。
理由1:経営理念を作っただけで伝えきれていない 経営理念を作ることが目的になっていて、作った時点で満足している経営者の方がいます。 部長に「経営理念を作ったので、これに沿って活動するように」と伝えるだけでは、 経営理念は社員には伝わりません。 |
理由2:模範者がいない 経営者が率先して経営理念に沿った行動や発言をしなければ部下はついてきません。 経営者自ら模範者にならなければなりません。 |
経営理念を社員に浸透させる方法
経営理念を浸透させるということは、単に言葉を覚えてもらうということではなく、社員に経営理念に沿った行動をとってもらうということです。
多くの企業では、経営理念を覚えるための施策をしており、行動してもらうための施策をしている企業は多くはありません
経営理念を社員に落とし込むという言葉を使うことがありますが、「落とし込む」とは何に落とし込むことを指していますでしょうか?
それは・・・
日々の業務です。
普段の業務の仕方や、社員としての在り方、問題が起きた時、迷った時、様々なシチュエーションで落とし込む必要があります。
経営理念の背景を伝える
経営理念を浸透させていくには、その言葉が経営理念になった経緯を社員に伝える必要があります。
より具体的にイメージしてもらうために、ストーリーにして伝えるとよいでしょう。
そして、実体験のストーリーであれば、より社員の心に響かせることができます。
なぜ、それが大事だと実感したのか?
いつ、それが大事だと実感したのか?
どうして、それが大事だと実感したのか?
中身のない経営理念では、社員に見透かされてしまい、誰も実行したいとは思いません。
経営理念に沿った行動を率先して行う
組織において経営者の影響力と絶大です。行動・発言を多くの人が見ています。
経営理念に限ったことではないですが、誰かに想いを伝える、行動してもらうためには、
伝える側の熱意や本気度が必要になってきます。
経営者が経営理念に掲げているような価値観や行動規範を率先することで、経営者の誠実さ、本気度を示すものとなります。
それは、周囲の人の経営理念への理解を深め、信頼を高めることになります。
例えば、「お客様に満足してもらう」と経営理念で謳っている場合は、誰よりもお客様に満足してもらうための行動、奉仕をしなければ社員には伝わりません。
逆に、社長は口だけで言っていることを本人がやっている行動が違った場合、どうなるでしょうか?
社員も経営理念を軽視するようになる、言葉としてあるだけの飾りになります。
昔の言葉で、「背中で語る」というのがありますが、行動で示さなければ、部下はついてきません。
経営理念について話し合う機会を増やす
経営理念を発表・伝えるだけでは、社員は自分自身のこととしてとらえません。
経営理念の浸透は受動的なプロセスではなく、能動的なプロセスです。
能動的でないと行動には移りません。
経営理念について
「私が今やっていることに置き換えると〇〇といったことができる」
「経営理念の言葉を〇〇ととらえていた」
「私ならこれができる」
といった社員からのアウトプットの機会を増やす必要です。
評価制度に反映させる
経営理念に沿って行動をして頑張ったにも関わらず、評価されなかった場合どうでしょうか?
例えば、「お客様に満足してもらう」という経営理念で、表彰基準が売上だけだった場合などです。
次第に、誰も経営理念に沿った行動はしなくなり、評価される方法や行動をするようになります。
また、経営理念の内容で評価されることで、経営理念の内容が自身の実体験となり、言われてやっていることから自分自身でやったことになります。
そして、自分の行動や体験のどれが「経営理念」に沿ったものなのかも気づくことができ、経営理念をより深く理解し同じようなことがあれば、また経営理念に沿った行動をするようになります。
施策例
●経営理念に接する機会を増やす
社内で掲示する
朝礼や夕礼などで唱和する
クレドや社員手帳など身につけれれるモノにしてすぐに見れるような状態にする
●理解を深める
経営理念についての勉強会をする
経営理念の作成を社員全員で行う
定期的に見直す
まとめ
経営理念は作るよりも社員に浸透させていく方が難しいことです。
ですが、経営理念が浸透した会社は「らしさ」や「強さ」を手に入れることができます。
そのためにも、経営者や上層部の人間が率先して、行動で示すしかありません。
皆さんの本気・熱意を示して、経営理念を社員に浸透させていきましょう。