建設業界における作業日報は、日々必ず作成しなければならない重要なものです。
一方で、作成に手間がかかり、ミスが発生しやすいため、「めんどくさいもの」という認識を持つ方も多いのではないでしょうか。
業務効率化が目指される現代において、作業日報の作成はいかに効率化できるのでしょうか。
今回は、作業日報を「自動化」するメリットやデメリット、自動化のためのツールをご紹介します。
作業日報とは
作業日報とは、その日行った作業について管理者に報告するために作成するものです。
作業内容や作業員名、作業時間などを具体的に記載します。
作業日報を作成することで、その日の作業を振り返ることができます。
働き方や現場の環境が可視化されるため、課題をみつけやすくなり、改善に向けた取り組みを実施できます。
また、作業日報は、作業員と管理者とのコミュニケーションツールとしても役立ちます。
自動化とは
「自動化(オートメーション)」とは、システムや機械が業務の一部分を行うことです。
これまで人の手で行っていた作業を自動化することで、従来の作業時間を削減することができます。
また、システムや機械は法則に則った行動を確実に実行するため、法則が間違っていない限り絶対にミスを犯しません。
書き間違いや重複、入力ミスといった人的ミスが発生しないため、作業報告書の作り直しや二重チェックを行う手間が省けます。
自動化できる業務の特徴
自動化できる業務の特徴は、主に以下の3つです。
- パターン化された単純作業
- 反復業務
- データの処理や分析
このいずれかが当てはまれば、自動化すべき業務として検討する余地があります。
日報に関する記事はこちら
作業日報作成における課題
作業日報の自動化について確認しました。
ここでは、作業日報作成における現状の課題を整理しましょう。
作成に時間がかかる
作業日報には、その日の作業内容や作業時間、成果などを記載します。
それぞれ詳細に記述する必要があるため、作成に時間がかかります。
特に、作業日報の書式や書き方が統一されていない場合、どのように書いたら良いか悩むこともあるでしょう。
また、作業日報は一日の業務を終えた後に作成するのが一般的です。
疲れた身体で作業日報を一から書き上げるのは、従業員にとってかなりの負担となります。
確認に時間がかかる
提出された作業日報は、管理者が確認し、フィードバックを行います。
作業日報のフォーマットがある程度統一されていれば、スムーズに確認することができるでしょう。
しかし、作業日報の書き方が作業員ごと、日ごとに異なる場合、目を通すのが大変です。
作業日報に書かれた内容の関連性を見出すことが困難となり、課題やその原因を探りにくくなります。
業務改善に活かせない
提出された作業日報から現場の課題が見えてこず、改善策が見い出せない場合、フィードバックを適切に行うことができません。
現場の課題はいつまでも残り、従業員の負担は軽減されないままです。
加えて、忙しい中作業日報を作成したにもかかわらず、フィードバックを得られないとなれば、作業日報を作成する意味がないように感じてしまいます。
作業日報を作成しても、業務改善に活かすことができないという点は、現状の課題のひとつです。
建設業の課題に関する記事はこちら
作業日報を自動化するメリット・デメリット
作業日報作成における課題を確認しました。
次に、作業日報を自動化するとどうなるのか、メリットとデメリットをそれぞれみていきましょう。
作業日報を自動化するメリット
作業日報の作成を自動化することで、書式を統一できます。
フォーマットや表現を一から考える必要がなく、テンプレートを活用できるので、作業日報作成にかけていた時間を大幅に短縮できます。
また、入力ミスなどを防止する機能が搭載されたツールもあります。
ミス自体を減らせるのはもちろん、ミスがないかの確認作業も効率的に行えます。
さらに、作業日報の書式が統一されることで、確認作業も効率化します。
現場の課題を見つけやすくなり、適切なフィードバックを行えるようになります。
作業日報を自動化するデメリット
作業日報の作成を自動化する場合、自動化のためのツールが必要となります。
このツールを選ぶ手間や導入費、ランニングコストが発生します。
また、導入後、使いこなせるようになるまで時間がかかる場合もあります。
その結果、他の業務に影響が出てしまい、逆に作業効率が下がってしまう可能性もあります。
建設業の業務効率化に関する記事はこちら
作業日報を自動化する方法
作業日報を自動化するメリット・デメリットを確認しました。
ここでは、作業日報を自動化する方法をご紹介します。
エクセルテンプレートを活用する
エクセルテンプレートを活用することで、作業日報の作成を自動化できます。
無料で利用できるため、費用をかけずに自動化できます。
また、エクセルは使い慣れた方が多いため、定着にもあまり時間がかかりません。
ただし、エクセルは表計算ソフトなので、作業日報の作成業務をすべて自動化することは困難です。
部分的に自動化できれば十分というレベルであれば、エクセルの活用がおすすめです。
GASを活用する
GASとは、Google Apps Script のことです。
GASを利用することで、Googleの各種サービスの自動化や連携が可能となります。
Googleアカウントを持っている人であれば誰でも利用でき、費用もかかりません。
具体的には、次のような流れを自動化することができます。
- Googleフォームに業務内容を入力する
- 入力した内容をGoogleスプレッドシートに集約する
- 集約した内容を管理者にメールで通知する
GASは比較的簡単に利用できる開発ツールですが、ある程度知識も必要です。
そのため、導入後使い慣れるまでには、やや時間がかかるかもしれません。
RPAツールを活用する
RPAとは、Robotic Process Automation のことです。
RPAを利用することで、PC上の単純な作業やルーティンワークを自動化できます。
例えば、社内のシステムから売り上げや勤怠記録のデータを取得し、自動で日報を作成することが可能です。
専門知識がなくても利用できる製品が多く、比較的簡単に使いこなせるのがメリットです。
日報管理ツールを活用する
日報管理に特化したツールを利用することで、作業日報の作成を本格的に効率化することができます。
使いやすさにこだわった製品が多く、専門知識も必要ないため、ITツールに不慣れな方でも導入しやすいのが特徴です。
また、サポート体制が充実した製品であれば、導入後も安心して利用できます。
作業日報アプリに関する記事はこちら
作業日報を自動化するシステム5選
作業日報を自動化する方法を確認しました。
ここでは、日報管理ツールに着目し、おすすめの製品をご紹介します。
日報管理ツールの導入を検討する際は、ぜひご参照ください。
サービス名 | |||||
---|---|---|---|---|---|
スマファク! | i-Reporter | 日報くん | チームToDo | 建設業向け日報・出面システム 日報365 | |
機能 | 日報作成機能、QRコード読込機能、その他 | 日報作成、日報データの集計・分析、帳票の作成 ・ 入力・・・その他 | 日報の作成・提出、稼働・工数集計、予実管理・・・その他 | 仕事の依頼 、ワークフロー 、チェック機能・・・その他 | 手配(現場、作業員、車両・・・その他 |
初期導入費用 | 200,000円(税抜) | 要お問合せ | 無料 | 要お問合せ | 要お問合せ |
保守/更新 費用 | 2,000円(税抜)/1ユーザー | 要お問合せ | 990円(税込)/月~ | 0円/月~ | 要お問合せ |
無料版 体験版 | あり | あり | あり | あり | あり |
【提供形態】 対応OS | 【クラウド型】 Android | 【クラウド型/インストール型】 Windows 11/10/ XX IoT EnterpriseLTSB2016/iOS 18/17 | 【クラウド型】 要お問合せ | 【クラウド型】 要お問合せ ※推奨:Chrome | 【クラウド型】 PC/iOS 14.5.1以降/Android 11 移行 ※推奨:Edge,Chrome,FireFox,Safari |
サポート 体制 | 要お問合せ | サポートサイト、セミナー/説明会/講習 | メール対応、セミナー/説明会/講習 | 要お問合せ | 電話対応 |
運営会社 | 株式会社 サン・エンジニアリング 株式会社サンコー技研 | 株式会社シムトップス | BPS株式会社 | actuarise株式会社 | 株式会社オーク情報システム |
【クラウド型】スマファク!
『スマファク!』は、製造現場向けの日報電子化アプリで、QRコードを撮影するだけで作業記録を簡単にデジタル化できます。
これにより、手書きや手入力の手間を削減し、データの正確性と管理効率を向上させます。
シンプルな操作性で、特別な準備や専門知識が不要なため、現場スタッフでもすぐに利用可能です。
また、スマートフォン(Android製)さえあれば導入できる手軽さも魅力です。
これらの特徴により、製造現場のDX推進や生産性向上に貢献します。
システムの特徴・利点
- スマホでQRコードを撮影するだけで記録が完了
- 記録されたデータは、リアルタイムで閲覧可能
- データの分析も可能
機能 | 日報作成機能、QRコード読込機能、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 200,000円(税抜) |
保守・更新費用 | 2,000円(税抜)/1ユーザー |
無料・体験版 | あり |
対応OS | Android |
サポート体制 | 要お問合せ |
運営会社 | 株式会社 サン・エンジニアリング 株式会社サンコー技研 |
【クラウド型/インストール型】i-Reporter
『i-Reporter』は、現場での紙帳票をそのまま電子化し、業務効率を向上させるデジタル帳票システムです。導入実績数3,000社以上を誇ります。
エクセルで作成した既存の帳票をそのまま電子帳票に変換できるため、現場での操作説明が不要ですぐに使用可能です。また、入力作業は「カメラ」「音声」「マスター選択」などの多彩なデジタルインプットに対応しており、簡単でミスのない入力を実現します。
操作性の面では、使い慣れたエクセル帳票をそのまま移行できるため、現場への操作説明が不要ですぐに使える点が評価されています。また、i-Reporterは現場での高い操作性・快適性を実現しており、ネットワーク環境のない場所でも利用できる点もすぐれていると言えます。
システムの特徴・利点
- 入力補助機能が豊富
- 操作が簡単・サポートも充実
- 帳票レイアウトの変更が可能
機能 | 日報作成、日報データの集計・分析、帳票の作成 ・ 入力、帳票の管理、その他 |
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初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | 要お問合せ |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows 11/10/ XX IoT EnterpriseLTSB2016 ・iOS 18/17 |
サポート体制 | サポートサイト セミナー/説明会/講習 |
運営会社 | 株式会社シムトップス |
【クラウド型】日報くん
『日報くん』は、クラウド型の日報提出・稼働集計システムで、マルチデバイス対応により外出先や在宅勤務中でも日報の提出が可能です。
導入数は5000ユーザーを突破しました。
主な機能として、日報の提出、稼働時間の自動集計、過去日報の使い回し、コメント機能などがあり、これらにより日報作成の手間を削減し、業務効率を向上させます。
シンプルな操作性を追求しており、PCが苦手な方や新人の方でも容易に操作を習得できます。
また、クラウドベースのシステムであるため、導入が簡単で初期費用を抑えられる点も利点です。
これらの特徴により、社外に出る社員の多い企業や専門職の多い企業に適したツールと言えます。
システムの特徴・利点
- 下書き機能搭載
- 過去の日報をコピーできる
- セキュリティ体制が万全
機能 | 日報の作成・提出、稼働・工数集計、予実管理、勤怠管理、その他 |
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初期導入費用 | 無料 |
保守・更新費用 | ミニマムプラン(1~60人まで) 990円(税込)/月 Sプラン(1~60人まで) 3,300円(税込)/月 Mプラン(61~100人まで) 5,280円(税込)/月 Lプラン(101~200人まで) 10,560円(税込)/月 |
無料・体験版 | あり |
対応OS | 要お問合せ |
サポート体制 | メール対応 セミナー/説明会/講習 |
運営会社 | BPS株式会社 |
チームToDo
『チームToDo』は、テレワークに最適な日報作成アプリです。
ToDoリストから自動で日報を作成できます。
システムの特徴・利点
- 予測時間と実績時間を比較できる
- コメント機能あり
- 5段階評価の機能あり
機能 | 仕事の依頼 、ワークフロー 、チェック機能、テンプレート、ストップウォッチ、残作業量をグラフで表示、プロジェクト管理、その他 |
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初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | Free Edition(5ユーザー) 無料 Lite Edition(5ユーザー~) 1,300円(税抜)/月 Standard Edition(10ユーザー~) 1,800円(税抜)/月 Premium Edition(20ユーザー~) 2,300円(税抜)/月 ※1ユーザーあたりの料金 |
無料・体験版 | あり |
対応OS | 要お問合せ ※推奨ブラウザ:Google Chrome |
サポート体制 | 要お問合せ |
運営会社 | actuarise株式会社 |
【クラウド型】建設業向け日報・出面システム 日報365
『建設業向け日報・出面システム 日報365』は、作業員や車両・資機材の「手配」から⼯数・出⾯などの「集計」までを一元管理する、建設業の専門工事業者様向けクラウド型システムです。
ASPICクラウドアワードでDX貢献賞を受賞しています。
ポイントは、作業員だけではなく、車両・資機材も簡単に手配ができることです。
スマホ上で、手書きサインした作業日報をメール送信、応援証明書も発行可能です。
その他には、写真、ファイル共有管理などもあり、労務・出面の業務を一括で管理したいならおすすめのシステムです。
システムの特徴・利点
- 入力した工数・出面データから作業日報を自動で作成
- スマホ上で手書きでサインできる
- サポート体制が充実
機能 | 手配(現場、作業員、車両、資機材)機能、工数・出面入力機能、車両・資機材入力機能、作業日報出力機能、写真・ファイル共有機能、その他 |
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初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | 要お問合せ |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・PC ・ iOS 14.5.1以降 ・ Android 11 移行 ※推奨ブラウザ:Microsoft Edge、Google Chrome、FireFox、Safari |
サポート体制 | 電話対応 |
運営会社 | 株式会社オーク情報システム |
建設業で使えるITツールに関する記事はこちら
作業日報の作成ができる 建築業向けの管理システム「アイピア」
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
アイピアはここが便利!6つのポイント
まとめ
作業日報は、一日の作業を振り返り、内容や成果を具体的に記述する帳票です。
フォーマットや表現を統一し、入力を自動化することで、日報作成の手間を大幅にカットできます。
作業日報の自動化は、エクセル、GAS、RPAツールなどの活用で実現可能です。
本格的に自動化したい場合は、日報管理に特化したソフトを導入するのがおすすめです。
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