リフォーム工事を行う際、理想の住まいを実現する一方で、トラブルやクレームが発生することも少なくありません。
本記事では、リフォーム工事でよくあるクレームの例と、その解決方法を紹介します。
これからリフォームを検討している方や、業者としてクレーム対応に備えたい方に役立つ情報です。
工事の進捗が遅れる

リフォーム工事において、進捗の遅れは非常に多いクレームの一つです。
顧客は新しい住まいの完成を心待ちにしているため、予定通りに引き渡されないことは大きな不満の原因となります。
工事の進捗が遅れる原因にはさまざまな要素があります。
例えば、屋外作業が中心となる場合、雨天や台風などの天候不良によって作業が中断されることがあります。
また、注文した建材や設備の納期が遅れることで、工程全体に影響が出る場合もあります。
さらに、多くの工事が重なる繁忙期には、職人の手配が追いつかないことも遅延の一因となります。
解決策
- 事前にスケジュールを共有: 工事開始前に詳細な工期計画を提示し、進捗報告を定期的に行う。
- トラブル時の対応策を準備: 納期遅延の際には早めに連絡し、原因と新たなスケジュールを明示する。過去に作成した見積書の検索・見積単価表の作成が簡単にできる!
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打合せ時のプランや設計と仕上がりが違う
お客様との入念な打ち合わせをしたはずが、引き渡し時のチェックで「イメージと違う」と言われてしまうケースも少なくありません。
工事請負契約書などをどれだけ丁寧に取り交わしていたとしても、その時点でイメージの食い違いに気づかない事があります。
もちろん企業としては、契約をきちんと交わしているので法的な責任を負わされるまでには至らないでしょうが、お客様の満足度が低いのでリピートは見込めないでしょう。
このようなケースを防ぐためにも、お客様に「実物を見せる」ことにこだわるべきです。
例えば、リフォームで使う材料や家具等は、ショールームで実物を見てもらったり、サンプルをお見せしたりしてお客様が実際をイメージしやすいようにする必要があります。
解決策
- 実物サンプルの確認: 色や素材については実物サンプルを確認してもらう。
- 3Dシミュレーションを活用: 完成後のイメージを視覚化することで、誤解を減らす。
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契約書類がなくてトラブルの際に揉める
リフォームはどれだけ安く簡単な工事でも10万円前後はかかることが多いです。中には、契約書を取り交わさないケースもあります。
規模の小さなリフォーム会社では未だにありがちなことですが、他業種からすると全く想像もつかないことです。
言った言わないの水かけ論になってしまうだけでなく、お客様によっては訴訟に発展してしまうこともある、大変危険なものです。
証拠となる書面が残っていないので、決着がつかないままずるずると時間が経ってしまうこともあり、お客様もリフォーム会社も疲弊してしまいますよね。
そうならない為にも、必ず契約書の取り交わしが必要です。
解決策
- 契約書の作成: 工事内容や金額、工期などを明記した契約書を必ず用意する。
- 内容の確認と保存: 双方で契約内容を確認し、コピーを保管する。
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工事の騒音などで施主と近隣住民がトラブルに発展
リフォームを行う際には、近隣の挨拶回りが必須です。
お客様自身が周囲へ挨拶廻りをして、リフォーム業者も挨拶を行ってから工事が始まるのが一般的な流れですが、これをおろそかにすると、多くのケースでクレームに発展します。
例えば騒音、職人の態度、喫煙など、様々な場面で施工会社は近隣住人に”見られて”います。
何かあった場合に文句を言われるのは、近隣住人に名前も顔も知られている施主様になってしまいます。
いくら良い施工をしようとも、そういった場面で施主様に迷惑をかけてしまうと、以降のリピートには到底繋がりませんし、様々なトラブルに発展しかねません。
解決策
- 事前の挨拶回り: 工事開始前に近隣住民へ挨拶し、工期や時間帯を説明する。
- 騒音対策: 作業時間を守り、必要に応じて防音対策を行う。
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相見積もりの対応が悪い
お客様にとってリフォームは大きな買い物で、一生に一度のものになる場合も少なくありません。
より良い結果を生むための手段を一生懸命探すので、相見積もりは当たり前です。
にもかかわらず、相見積もりになると予算勝負になると踏んで対応を疎かにしてしまうリフォーム会社もいます。
例え、今回は予算都合で競合に負けてしまったとしても、丁寧な対応をしていれば、競合先での施工に不満があった場合にこちらに相談してくれるかもしれません。
相見積もりであろうと、丁寧に対応することが、将来の受注に繋がる可能性を秘めているということを理解しましょう。
「こういう部分を比較するといいかもしれません」というように、お客様の不安に寄り添うことも有効です。
解決策
- 丁寧な説明を徹底: 見積もり内容を明確にし、他社との違いを丁寧に説明する。
- 顧客の疑問に応答: 他社と比較検討する顧客の立場を理解し、フレンドリーに対応する。
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見積漏れで追加の請求をする
営業マンの準備が甘い場合には、お客様に提示する見積に漏れがあるかもしれません。
お客様は要望を出したつもりだったのに、いざ施工が始まるとその要望が対応されている気配がない・・・営業マンに相談すると「見積に含めていない」として追加金額を提示される・・・
お客様からすれば「誠意が無い」以外の何物でもありません。
部材の実物を見るなどを通じてお客様と完成イメージを具体的にしたうえで契約しないと発生しやすいトラブルです。
解決策
- 見積もりの明確化: 初回見積もり時に可能性のある追加費用を説明する。
- 変更時の即時連絡: 追加費用が発生する場合は、その都度説明と承諾を得る。
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リフォーム工事におけるクレームに関するよくある質問
- クレームを受けたときの第一声はどうすればよいですか?
-
第一声では、相手の気持ちに寄り添う姿勢を見せることが大切です。以下のような言葉が効果的です:
「ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。まずは状況を詳しくお聞かせいただけますか?」
※すぐに言い訳や責任逃れをすると、感情的な反発を招きます。
- 自社に非がないときも謝るべきですか?
-
法律的な責任と「心情的な謝罪」は分けて考えるべきです。非がない場合でも、
「ご不便をおかけしてしまい、申し訳ございません」
といった共感の言葉は信頼回復に有効です。責任の有無は事実確認後に丁寧に説明します。
- クレーム対応の期限やスピード感はどれくらいが目安ですか?
-
初期対応は**即日(24時間以内)**が理想です。特に感情的な問題は「スピード」が命です。
- 一次対応(受付):当日中に連絡・謝罪
- 現地確認・対応提案:3日以内
- 是正工事・補修等の対応完了:7日~10日程度を目安
※内容により変動しますが、状況の「進捗報告」をまめに行うことが大切です。
- クレームはどこまで無料で対応すべきですか?
-
原則として以下の範囲で判断されます:
- 保証期間内の施工不備 → 無償対応
- 施主の過失・経年劣化 → 有償対応
- グレーゾーン(明確な責任がない) → 柔軟な判断
→ 信用を守るため、部分的に無償対応するケースも。
※契約書や保証書の内容を明確にし、事前に説明しておくことがトラブル防止になります。
- クレームをうまく“チャンス”に変えるには?
-
誠実な対応により、お客様から「対応がよかった」と評価されることは珍しくありません。信頼を得た結果、
- 口コミ・紹介につながる
- リピート依頼につながる
- 社内の品質向上に貢献する
というプラスの循環が生まれます。
まとめ
今回は、リフォーム会社によくあるクレームについてまとめました。
「新人がやるものばかりだ」と感じられるかもしれませんが、こういったトラブルが後を絶たないことを考えれば業界全体の問題ととらえるべきなのかもしれません。
リフォーム業は営業・業者連絡・現場管理などを担当者一人でこなすケースも多く、当人が抜け漏れてしまうと他の人が気付きにくい場合があります。
このようなクレームを防ぐためにも、全社で情報共有ができる管理システムの導入は必須不可欠とも言えます。
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