リフォーム工事は一部で「クレーム産業」と揶揄されてしまうことがあります。
人と人とのやり取りのうえに生まれるのがリフォームなので、コミュニケーション上のトラブル等さまざまな場面に要因は生まれうるでしょう。
そういった場面は施主さまだけとは限りません。施主さま近隣にお住まいの方々にご迷惑をおかけする可能性もあります。
今回は、そんな場面でクレームを起こさないように近隣挨拶でリフォーム業者ができることをまとめます。
目次
近隣挨拶に手を抜いてはいけない
お客様の幸せを邪魔することになる
数日で終わる簡易的な工事ならまだしも、長期にわたるような施工であったり大きな音が出る場合には近隣挨拶は必須です。
施主様からすればリフォーム工事は生活を変える大きな決断で、その先には幸せが待っているはず。
にも関わらず、リフォーム工事によって近隣住民の印象が悪くなり住みづらくなってしまうこともあります。
そうなるとリフォームが実現すべき「幸せな生活」が良い施工をしたのに実現できないということになりますよね。
印象のいいリフォームは近隣住民にも良く映る
リフォームの成功事例は、施主さまを介して近隣住民に伝わります。
営業マンはご挨拶を兼ねて自社紹介を行うこともあるかと思います。
そういったときに近隣住民の印象がよかったり施主から施工結果の良い評判が伝わっていれば、リフォームを検討している近隣住民が他社調査をする前に問い合わせをくれるというケースも多々あります。
リフォーム前の挨拶は着工1週間前には済ませておくこと
近隣にも様々な人が住んでいるので、挨拶に行った日に不在にしている方もいるはずです。
再訪しなければならない可能性も考えて、着工1週間前まで済ませるように対応しておきましょう。
また、不在の際には手紙の投函をして次回いつ伺うのかを伝えておくのも手段です。
投函する手紙の内容
不在時に投函する手紙には、以下の内容を含めると分かりやすく伝わります。
- リフォームする期間
- リフォームする時間帯や曜日
- リフォームの内容
- 不明点やクレームがあった場合の緊急連絡先
リフォームする期間の中でも、特別騒音が出る日などがあれば特筆しておくのも手です。
挨拶のタイミングは施主と相談する
リフォームの挨拶を行う際は施主と相談して、「施主がいつ挨拶を行うか」を確認しておきましょう。
リフォーム会社だけで挨拶を済ませるケースもありますが、その事自体がトラブルになってしまう可能性があります。
リフォーム会社は施主の挨拶に同行するか、できれば先に施主に挨拶を済ませておいてもらうのが無難です。
それを踏まえて、どのタイミングで近隣挨拶を行うかを施主と相談しておきましょう。
手土産を持参するかも施主と相談しておく
リフォームは「施主のもの」として、できるだけ施主に「自分で決めた」と思ってもらえると好印象です。
もし施主が手土産を持っていきたいと考えているようなら、近隣住民1世帯あたり1000円前後のものをおすすめします。
菓子折り、タオル、洗剤など日常消耗品が無難です。リフォーム会社によってはこの予算を施工原価に含ませて、施主の要望に合わせて用意するケースもあります。
挨拶をする近隣の範囲に注意
戸建て、マンションなどリフォームする建物種類によっては、どの程度の近隣まで挨拶に行くのかが異なるケースがあります。
施主に頭を悩ませてしまわないよう、どの程度まで行くべきかをアドバイスできれば施主からの信頼感はより厚くなるはずです。
戸建ての場合、最低でも前後左右と斜め向かい
戸建て住宅の場合は、最低でも前後左右の4軒と斜め向かいの4軒は抑えておきましょう。
施主の物件からは見えなくとも、工事していると向こうからはよく見える・・・というケースがあるので要注意です。
マンションはエレベーターや階段前もご挨拶
マンションの場合、両隣・上下階の住民はもちろんのことエレベーターや階段前の住民にも挨拶しておくとベターです。
施工の際には搬入・搬出で頻繁に通ることになるので気を使っておいて損はありません。
まとめ
近隣挨拶は施主に任せきり、というリフォーム会社も多いものですがここを施主と相談できれば「気の利くリフォーム会社」と思ってもらえます。
今後、近隣住民から問い合わせがあったり施主からリピートをいただくことも含めて「その地域のお得意様」となるかもしれません。
1つ注意点としては、こういったマナーには「正解がない」ということです。
〇〇するのがマナー、〇〇すべきという言葉に惑わされてはいけません。
結局は「より多くの人が是と判断する」ことが正解になります。
なので、過去事例に囚われず施主としっかり相談して施主がどうしたいかを汲みながらアドバイスできるようになりましょう。