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景品表示法とは?概要や事業者が注意すべき点について解説!

景品表示法とは?概要や事業者が注意すべき点について解説!

景品表示法について聞いたことはあるでしょうか。
有名な法律であるため、名前は知っている、という方も多いのではないかと思います。
「何となくしか知らない、詳細な内容を知りたい」という方のために、景品表示法の具体的な内容や事業者が注意すべき点について、解説していきます。

目次

景品表示法とは

景品表示法の正式名称は、「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。
その名の通り、不当な景品や不当な表示を防止するための法律ですが、不当な景品・表示とはどのようなものでしょうか。

景品表示法の目的

一般に、消費者はより良い商品・サービスを求めるので、事業者は自身の商品・サービスの良さをアピールすることで、消費者に選んでもらおうとします。
ところが、商品・サービスを購入してもらうために、実際と大きく異なる表示が行われたり、過大な景品をつけた販売が行われたりすることがあります。

この状態をそのままにしておくと、思っていたものと大きく異なる商品を買ってしまうなど、消費者が不利益を被るおそれがあります。
これを防ぐための法律が、景品表示法です。

景品表示法は、商品やサービスの内容、品質、価格等を偽った表示を規制し、過大な景品の提供を制限することで、消費者が自主的かつ合理的に商品・サービスを選択できるようにします。
このように、消費者の利益の保護が景品表示法の大きな目的です。

不当表示の禁止

景品表示法には、主に二つの規制があります。
一つ目が、不当表示の禁止です。
これは、その名の通り、商品・サービスに関する不当な表示を禁止するものです。
不当表示は、優良誤認表示有利誤認表示その他の表示の3つに分類されます。

「優良誤認表示」

優良誤認表示は、「商品・サービスの品質、規格その他の内容についての不当表示」を指します。
具体的には、以下の二つが禁止されています。

  1. 内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
  2. 内容について、事実に相違して競争業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示

例えば、カシミヤ混用率80%にも関わらず「カシミヤ100%」と表示したり、競争業者も同じであるにも関わらず「この技術を用いるのは日本では自社だけ」と表示したりすることが優良誤認表示に該当します。

「有利誤認表示」

有利誤認表示は、「商品・サービスの価格その他取引条件についての不当表示」を指します。
該当する表示は、以下の二つです。

  1. 取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
  2. 取引条件について、競争業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示

例えば、以下のような場合がこの有利誤認表示に該当します。

  • 当選者だけが割安料金で契約できると表示していたが、実際には、応募者全員を当選とし、全員に同じ料金で契約させていた場合
  • 「他社商品の2倍の内容量です」と表示していたが、実際には、他社と同程度の内容量にすぎなかった場合

「その他の表示」

また、上記の二つに加えて、特定の表示の禁止が定められています。
正式には「商品・サービスの取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがあると認められ内閣総理大臣が指定する表示」と呼びます。

2023年7月時点で、以下の6つが不当表示に指定されています。

  • 無果汁の清涼飲料水等についての表示
  • 商品の原産国に関する不当な表示
  • 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
  • 不動産のおとり広告に関する表示
  • おとり広告に関する表示
  • 有料老人ホームに関する不当な表示

景品類の制限及び禁止

景品表示法上の「景品類」は、以下のように定義されます。

  1. 顧客を誘引するための手段として、
  2. 事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する
  3. 物品、金銭その他の経済上の利益

一般に景品というと、粗品やおまけのようなイメージがありますが、景品類は単なるおまけとは異なるため注意が必要です。
また、景品表示法上の景品類は主に五つに分類されます。
それぞれについて、みていきましょう。

「一般懸賞」

「懸賞」とは、利用者に対し、くじなどの偶然性、特定行為の優劣などに基づいて景品類を提供することを指します。
「一般懸賞」は、のちに述べる「共同懸賞」以外の懸賞を意味するものです。

例えば、抽選やじゃんけん、パズルやクイズによる提供、一部の商品に景品類を付けており買うまで分からない場合が懸賞に該当します。

一般懸賞では、景品類の限度額が以下のように定められています。

景品類の限度額。最高額は5,000円未満の場合は取引価額の20倍、5000円以上の場合10万円。総額は、懸賞に係る売上予定総額の2%。

「共同懸賞」

「共同懸賞」とは、複数の事業者が参加して行う懸賞のことです。
共同懸賞における景品類の限度額は一般よりも高く設定されており、以下がその限度額になります。

最高額は取引価額にかかわらず30万円、総額は懸賞に係る売上予定総額の3%。

「総付景品」

懸賞によらない景品類は、一般に「総付景品」と呼ばれます。
利用者に対してもれなく提供するものや、申し込み順・先着順で提供するものがこれに該当します。

総付景品は、以下のように限度額が定められています。

1,000円未満の場合、最高額は200円。 1,000円以上では、取引価額の10分の2。

「オープン懸賞」

景品表示法では、商品・サービスの利用者・来店者を対象とした金品の提供の場合に、取引に付随して提供するものとみなされ、景品規制が適用されます。

一方、新聞、テレビ、雑誌、ウェブサイト等の各媒体で内容を告知し、利用者の来店を必要とせず、郵送やネット上で申し込むことのできる抽選企画には、景品規制は適用されません。
このような企画を、オープン懸賞と呼びます。

オープン懸賞で提供できる金品等の最高額は、かつは1000万円と定められていましたが、2006年に規制が撤廃され、現在は上限額は定められていません。

「業種別景品告示」

景品規制においても、特定の業種に対して、各業界の実情を踏まえ、他とは異なる景品規制が指定されています。
現在のところ、新聞業、雑誌業、不動産業、医療用医薬品業、医療機器業及び衛生検査所業について、それぞれ提供できる景品類に制限が設けられています。

違反した場合はどうなる?

景品表示法の細かい内容について確認しましたが、これらに違反した場合はどうなるのでしょうか。

景品表示法違反の際の流れ

景品表示法違反の疑いがある場合、まず、消費者庁による調査が実施されます。
その結果、違反していると認められた場合には、事業者に対して「措置命令」が行われます。
措置命令では、消費者に与えた誤認の排除再発防止策の実施今後同じ違反行為を行わないことなどが命じられます。

また、違反行為が確認できなくても、おそれがある場合には、指導が行われます。
さらに、事業者が不当表示を行った場合、課徴金の納付を命じられることがあります。

商品の販売は、故意であるかどうかに関係なく、景品表示法に違反することのないよう、注意深く行う必要があります。

事業者が注意すべきこと

事業者は、景品表示法を当然ながら守る必要がありますが、ただ気を付ければよいわけではありません。
では、具体的にはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

事業者に向けた指針

事業者には、景品表示法を守るために必要な措置をとることが義務付けられています。
実際に、「事業者が講ずべき景品類の提供及び管理上の措置についての指針」と呼ばれるものが内閣府により公開されています。

この指針で事業者が講ずべき措置に挙げられているものが、以下の7つです。

  1. 景品表示法の考え方の周知・啓発
  2. 法令遵守の方針などの明確化
  3. 表示などに関する情報の確認
  4. 表示などに関する情報の共有
  5. 表示などを管理するための担当者等を定めること
  6. 表示などの根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ること
  7. 不当な表示などが明らかになった場合における迅速かつ適切な対応

このように、事業者には、景品表示法に違反しないことはもちろん、違反することのないよう徹底した対策も求められています。

公正競争規約

また、その他に事業者が把握しておくべきものとして、公正競争規約があります。
公正競争規約とは、「景品表示法の規定に基づき、公正取引委員会及び消費者庁長官の認定を受けて、事業者・事業者団体が表示・景品類に関する事項について自主的に設定する業界のルール」のことです。

その業界の商品特性や取引の実態に即したルールを公正競争規約に定めることで、一般消費者にとってより良い商品選びの環境がつくられることが目的です。

公正競争規約のメリットとして、業界の良識を明文化することで事業者間の正当な競争が保障されること、公正競争規約があり、それに参加しているという事実によって事業者・業界全体に対する信頼が消費者から得られることなどがあります。

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まとめ

景品表示法の概要を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
正当な景品類や表示は、消費者が安心して消費を行うために必要不可欠なものです。
そのため、景品表示法は非常に細かくルールが決まっています。

また、事業者が違反防止のためにとるべき措置についても、内閣府によって詳しく定められています。
事業者は、景品表示法の内容をよく確認し、景品表示法に違反してしまうことのないよう、厳重に注意しましょう。

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