積算に必要な資格とは?求められるスキルも解説!

積算に必要な資格とは? 求められるスキルも解説!

積算は、建築業務の中でも特に重要な役割を担う業務です。
専門知識が必要とされるため、建築業に興味のある方や積算にこれから携わる方の中には、何か必要な資格があるのではないか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

この記事では、積算に関する資格についてご説明すると共に、必要なスキルについても解説していきます。

積算とは

積算とは、建築工事の中でかかる費用の総額を前もって算出する業務です。
着工前に設計図や仕様書から必要な人材、材料などを拾い出し、総工事費を算出します。

具体的な業務内容について、以下で見ていきましょう。

積算業務の内容

積算業務は主に下記の流れに沿って行われます。

  1. 人工(にんく)・材料の拾い出し
  2. 工事費の算出
  3. 価格交渉

POINT01

拾い出し

設計図や仕様書から工事に必要な資材の数量を計測する作業を拾い出しと言います。
積算は、まずこの拾い出しの作業から行われます。

加えて、賃金相場を基に工事に必要な人員を考えながら人件費も算出します。

工事ごとに内容や工法が異なるため、工事規模や施工場所、工期など考慮しながら算出するようにしましょう。

【建築業】積算の拾い出しとは?方法やコツを徹底解説!

POINT02

工事費算出

次に行われるのが、総工事費の算出です。
基本的に「数量×単価」で計算されます。

人工や材料の単価を設定し、拾い出しの作業で出した数量を掛けて算出された金額が工事費です。
前段階で行った拾い出しが基礎となるので、間違いなく行う必要があります。

材料の単価設定に関しては、建設物価調査会経済調査会の資料を参考に行います。

標準単価と市場単価の違いとは?施工パッケージ型積算についても解説

POINT03

価格交渉

工事費が算出されたら、最後に価格交渉が行われます。

建材業者や設備工事の請負業者と価格交渉をしますが、ここできちんと利益が残せるようにすることが重要です。

  • 施工管理システム

積算に必要な資格

実は積算をするにあたって、必ず持っていなければならない資格はありません。
しかし積算に関する資格はいくつかあり、取得することによって自身のスキルの高さを示すことができるため、キャリアアップに大いに役立ちます。

ここでは建築積算士、建築コスト管理士、建築積算士補についてご説明していきます。

建築積算士

建築積算士とは、公益社団法人「日本建築積算協会」による認定を受けた、積算業務に関する高度な知識と技術を持つ人のことを指します。

建築業において重要な積算業務のスペシャリストであることを示す資格なので、年収アップや転職にも有利に働きます。

協会実施の試験に合格することによって、資格が付与されます。

業務内容

公共事業が発注される際には「入札(一般競争入札)」が行われ、どの業者に工事を発注するのかが決められる工事価格の競争がされます。
ここで入札する際に提示される金額の基礎データを算出するのが、建築積算士の仕事です。

企業が工事を受注するためにも、正確な積算を基に価格を設定する必要があるため、非常に重要な業務であると言えます。

民間工事においても入札はあるため、求められる業務は同じです。
加えて顧客との距離が近い分、お客様の要望に限られた予算内でどのように応えるか検討することも、建築積算士の仕事のひとつです。

試験内容

一次試験(学科試験)と二次試験(短文記述試験、実技試験)で構成されており、一次試験の合格者だけが二次試験を受けることができます。

満17歳以上であれば誰でも受験することが可能です。

  • 学科試験:建築積算士ガイドブック全章より出題
  • 短文記述試験:建築積算士ガイドブック第1章〜第4章、第9章〜第15章より出題
  • 実技試験:建築積算士ガイドブック第5章〜第8章、巻末の基準類より出題

方式

  • 学科試験:4肢択一。全50問(3時間)
  • 短文記述試験:問題に対する解答を短文(200字以内)で記述。全2問(1時間)
  • 実技試験:図面に基づいた数量の計測・計算、内訳明細の作成。躯体、鉄骨、仕上、内訳明細作成・工事費算出より出題。(4時間30分)
受験料一次試験:27,500円(税込)
二次試験:27,500円(税込)(合格年度内であれば一次試験合格者は不要)
※学生会員はどちらも13,750円(税込)
試験日(2022年度)一次試験:2022年10月23日
二次試験:2023年1月22日
公式サイト
建築積算士の資格を徹底解説!試験概要や難易度、勉強方法までご紹介します

建築コスト管理士

建築コスト管理士は、積算のみに限らず建築工事に関するコスト管理全般の業務の専門家のことを指します。
建築積算士の上位資格として位置付けられています。

業務内容

建築コスト管理士の業務は、積算業務はもちろんの他、建築工事に関わる全ての過程におけるコストマネジメントも含まれます。

建築生産過程において、機能や性能に見合ったコスト設定やコストの透明性、信頼性の確保、さらには設計者や発注者へのアドバイスも、建築コスト管理士には求められています。
そのため、建築積算士よりも幅広い分野の知識に精通している必要があります。

コスト情報の収集や分析、広範囲な市場価格の把握、発注戦略や調達戦略など、求められる知識は高く、より専門的です。

試験内容

受験資格は

  • 建築積算士の称号を取得した後に更新登録を1回以上行っている
  • 建築関連業務を5年以上経験済み
  • 一級建築士に合格している

以上3点のいずれかに該当する人に与えられます。

  • 学科試験:新☆建築コスト管理士ガイドブック第1章〜第4章、建築積算士ガイドブック第6章〜第8章、第10章より出題
  • 短文記述試験:新☆建築コスト管理士ガイドブック第1章〜第4章、建築積算士ガイドブック第6章〜第8章、第10章より出題

方式

  • 学科試験:4肢択一。全60問(2時間30分)
  • 短文記述試験:問題に対する解答を短文(200字以内)で記述。全5問(2時間)
受験料29,700円(税込)
試験日(2022年度)2022年10月23日
公式サイト
建築コスト管理士とは?年収や試験概要、難易度について徹底解説!

建築積算士補

建築積算士補とは、主に学生を対象とした資格であり、積算の専門家予備軍として積算の知識を有している人に与えられます。

こちらは、建築積算士の下位資格として位置付けられており、将来建築積算士として働きたいと考えている方は、まずこの資格の取得から目指してみるのも良いでしょう。

業務内容

建築積算士補の資格は、これまで学校教育において建築コストや積算の教育が十分に行われてこなかったことを受けて創設された制度です。

積算やコストマネジメントの知識は、あらゆる職業に従事する際に役立つものです。
そのため、建築積算士補となることで積算・コスト分野にとらわれることなく、建築関連のさまざまな分野で活躍することができます。

試験内容

日本建築積算協会は、建築積算士補に求められる知識として以下のものを挙げています。

  • 生産プロセス概要
  • 工事発注スキーム概要
  • 設計図書構成
  • 工事費構成
  • 積算業務・実務概要
  • LCC・VE概要

これらの知識を学んでおくと、試験を有利に進められます。

建築積算士補の資格は、認定校で指定の講座を受講・終了し、認定校において実施される試験に合格することによって取得することができます。
試験の日程も認定校によって異なるため、資格取得を目指す方は確認が必要です。

  • 施工管理システム

積算に必要なスキル

積算業務に関わる資格についてご説明してきましたが、先述の通り資格の取得は必須ではありません。
しかし、積算をするにあたって必要とされるスキルはいくつかあります。

豊富な建築知識

設計図や仕様書を正確に理解したり、資材の相場を把握したりと、積算には建築分野についての専門性の高い知識が要求されます。

そのため、専門用語や工法、図面作成などあらゆる建築に関する知識を身につけておくことが、積算業務において最も必要なことでしょう。

積極的に新しい知識の習得ができる人コツコツ努力を続けられる人は、積算に特に向いていると言えます。

設計図書とは?優先順位や種類・保存期間について徹底解説

コミュニケーション力

設計図を読み、計算をし、書類を作成するだけが積算の仕事ではありません。

価格交渉はもちろん、設計者への確認や施主との連絡、現場監督とのやり取りなど、実は建築工事に関わるあらゆる人とのコミュニケーションが必要な業務です。

ですので、周囲の人と円滑に仕事を進められるコミュニケーション能力も、積算業務に携わるにあたって求められています。

計算力

積算は工事費を算出する作業ですから、計算力も必要です。
床面積や壁面積、外壁面積から内装費の計算をしたり、そこに使用される部材の費用の算出も必要なため、細かい計算を常に行います。

工事の受注に繋げるためにも、精度の高い計算ができ、適切な見積を算出できる力を持っていると、積算業務を遂行することができます。

複雑な計算をする場合もあるため、近年では積算ソフトを用いて効率的に業務を進める企業も増加しています。

積算なら建築業向け管理システム『アイピア』

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まとめ

積算を行うには必ず取得しなければならない資格はありません。

しかし、建築積算士などの資格を有することで、携われる業務の幅も広がり、自身のキャリアアップにも繋がるため、取得して損は無いでしょう。

必須の資格はなくても、専門知識や計算力など必要とされるスキルはいくつかあります。
スキルを高めるための勉強の一環として、資格取得を目指してみるのも良いのではないでしょうか。

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